2002年ワールドカップ茨城県招致のための スタジアム新築に関する要望書

茨城県知事 殿

平成8年6月4日
茨城県サッカー協会
会長 志村 巌


2002年ワールドカップ茨城県招致のための
スタジアム新築に関する要望書


 拝 啓

 時下、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。また、平素当協会に対しまして絶大なるご協力・ご配慮を賜り深く感謝申し上げます。

 さて、標記の件、2002年ワールドカップの開催は、一部若干の不満が残る日韓共催と決定されました。共催に決定したとは言え、21世紀初のワールドカップが日本で開催される事になったことには間違いありません。

 この世界最大のスポーツイベントを茨城県において成功裡に開催するために、以下の点について要望する次第です。

1.カシマサッカースタジアムを改修ではなく、是非新築で対応願いたい。

2.現スタジアムの隣接地である鹿嶋市ト伝の郷運動公園内に建設を計画して戴きたい。

 上記理由は、現在のスタジアムは15,000人の収容人員で、ワールドカップ大会を開催するためには45,000人以上の収容人員にする必要があります。

 改修の場合、現在のスタンド高さ55mが75mと非常に高くなり、強風時等における災害発生を危慎するものであります。また、改修の場合、工法に工夫してもスタジアム内にクレーン等の機材設置が必須であり、かつ、工事期間も4年程度を要すると聞いており、Jリーグ等の試合が行なえなくなります。このような状況を作ることは、折角盛り上がっているアントラーズ熱を下げることに繋がると考えられ、鹿嶋市の発展にブレーキがかかる懸念があります。

 これに対し、スタジアム新築の場合は、改修時の問題点をクリアにできるばかりでなく、新規にスタジアム内の設備を充実させることも可能となります。例えば、客席下に各種トレーニングルームやしセプションルーム・会議室等の多目的施設、また、スタジアムの身障者等への更なる十分な配慮等新築ならではの施設の充実が計れます。工期についても2年程度と伺っており、開催に十分間に合うと考えています。

 聞くところによれば、改修・新築の費用の差はなく、むしろ改修のほうが高くなるとの話もあり、上記改修時のディメリット新築時のメリットを考えた場合新築が最適であると判断し、2002年ワールドカップ茨城県開催に向け、強くスタジアム新築を要望するものであります。

敬 具




このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

茨城県サッカー協会の要望書

茨城県知事 殿

平成8年6月4日
茨城県サッカー協会
会長 志村 巌

2002年ワールドカップ茨城県招致のための
スタジアム新築に関する要望書

 拝 啓

 時下、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。また、平素当協会に対しまして絶大なるご協力・ご配慮を賜り深く感謝申し上げます。

 さて、標記の件、2002年ワールドカップの開催は、一部若干の不満が残る日韓共催と決定されました。共催に決定したとは言え、21世紀初のワールドカップが日本で開催される事になったことには間違いありません。

 この世界最大のスポーツイベントを茨城県において成功裡に開催するために、以下の点について要望する次第です。

1.カシマサッカースタジアムを改修ではなく、是非新築で対応願いたい。

2.現スタジアムの隣接地である鹿嶋市ト伝の郷運動公園内に建設を計画して戴きたい。

 上記理由は、現在のスタジアムは15,000人の収容人員で、ワールドカップ大会を開催するためには45,000人以上の収容人員にする必要があります。

 改修の場合、現在のスタンド高さ55mが75mと非常に高くなり、強風時等における災害発生を危慎するものであります。また、改修の場合、工法に工夫してもスタジアム内にクレーン等の機材設置が必須であり、かつ、工事期間も4年程度を要すると聞いており、Jリーグ等の試合が行なえなくなります。このような状況を作ることは、折角盛り上がっているアントラーズ熱を下げることに繋がると考えられ、鹿嶋市の発展にブレーキがかかる懸念があります。

 これに対し、スタジアム新築の場合は、改修時の問題点をクリアにできるばかりでなく、新規にスタジアム内の設備を充実させることも可能となります。例えば、客席下に各種トレーニングルームやしセプションルーム・会議室等の多目的施設、また、スタジアムの身障者等への更なる十分な配慮等新築ならではの施設の充実が計れます。工期についても2年程度と伺っており、開催に十分間に合うと考えています。

 聞くところによれば、改修・新築の費用の差はなく、むしろ改修のほうが高くなるとの話もあり、上記改修時のディメリット新築時のメリットを考えた場合新築が最適であると判断し、2002年ワールドカップ茨城県開催に向け、強くスタジアム新築を要望するものであります。

敬 具

このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

平成8年第1回茨城県議会本会議 - 総務企画常任委員会質疑の詳細

平成8年 第1回定例県議会委員会質疑内容
<総務企画委員会>


総務部関連:
県債の発行について
県債発行残高について
県債と地方交付税措置の関連について
県債の発行内容について
市場公募債について
地方債の発行許可制度について
県全収入見込みについて
法人2税の収入見込み

企画部関連:
ひたちなか開発について
広域的商業施設について
高萩・北茨城新都市整備事業について
事業の概要
地元の対応について
インターネット整備事業について
プロバイダー事業とベンチャー育成
平成8年3月11日 総務部関連質疑



県債発行計画について

質問:井手委員

 それでは,平成8年度の予算中のことについて,何点か質問させていただきます。

 最初に,財政課長の方に県債のことについて御質問させていただきます。

 本年度予算中の県債の発行予定額は,1,486億円というふうに承っておりますけれども,これは,歳入に対する県債の依存度が14.1%と,国の地財計画等からみますと,l5.2%でございますので,若干下回っている現状だという御説明を受けております。ただし伸び率で計算してみますと,前年より19.2%増ということでございますから,地財計画の13.0%からみますと大きく上回っているんではないのかなと,マスコミ等によりますと,いわゆる借金依存体質が強まっているんではないかというような御批判をいただいているところだというふうに理解をしております。

 そこで,まず,御質問でございますけれも,平成7年度末の県債の発行残高並びに平成8年度の発行残高の見込み等が分かれば,一般会計,特別会計に分けて数字をお示しいただきたいというふうに思います。

答弁:小泉参事兼財政課長

 ただいまの御質問にお答えいたします。まず,御質問の1点目は,一般会計で県債残高,平成7年度末及び今回予算をお願いしておりますものを含めました平成8年度末の見込みということでございますが,一般会計ベースで申しますと,平成7年度末では7,630億円余でございまして,8年度末では8,749億円というような状況でございます。

 鹿島臨海工業地帯造成事業特別会計というような会計ほか,特別会計の県債残高は,平成7年度末で1,682億円余でございまして,8年度末では1,871億円余ということになりますので,一般会計と特別会計を合わせました合計では,7年度末で9,313億円余でございまして,8年度末になりますと,1兆620億円余と,こういうような状況になります。

質問:井手委員

 発行残高という数字でお伺いしますと,平成7年度末で9,300億円,平成8年末では1兆円を超えるというこの数字には,やはり県民の一人としても,よく注意深くこれを見つめていかなければならないんじゃないかなと気がいたします。

 県民一人当たりにしましても,(県の人口を)300万人と概算しますと,平成7年度末は約30万円ちょうど,平成8年度末には35万円を超える金額が,いわゆる県から県民の皆様一人に対する県債発行残高という数字にかかってくるわけでございます。

 そういった中で,県債ということに関して,私ももう一度その仕組みとか,そういったものを県民の皆様にも理解していただくなくてはならないし,また私どもも,もう一度確認をさせていただきたいという趣旨で,続けて何点か質問させていただきますけれども,この県債の中に,国の地方交付税措置との関連が密接なものがたくさんあるというふうに理解しております。例えば当委員会所管の中でも,住民税減税補填債という項目74億円余りが起債予定になっておりますけれども,これに関しては,国の交付税の措置が元利,金利を合わせた8割が国からの交付税の措置で後年度戻ってくる,戻ってくるという表現が適しているかどうかわかりませんけれども,交付税措置があるというふうに聞き及んでおります。そうしますと,平成8年度の発行予定1,486億円中に国からの交付税措置というものがある金額を積み重ねていくと,形としては県債1,486億円なんだけれども,交付税措置として,幾らぐらいなされているか,措置がなされているかという数字等の積み上げ計算がされておればお伺いしたいと思います。

答弁:小泉参事兼財政課長

 平成8年度,ただいま委員がおっしゃったように,1,486億円余起債を発行する予定にしておりますが,そのうち,ただいまおっしゃいましたように,住民税の減税補填債,あるいは臨時地方道路整備事業債とか,従前からあります地域づくりのための地域総合整備事業債,こういうものがこの中に含まれておりまして,これにつきましては,交付税措置分といたしまして,約1,090億円程度,これが交付税の措置の対象になると,割合にしては73%程度ということになろうかと思います。

質問:井手委員

 初歩的な質問で恐縮でございますが,ということは,後年度1,486億円,今回県債を発行するわけでございますけれども,この1,486億円と,それに関する金利の今のお話ですと,73%は交付税措置ということで国からの,平たく言えばお金が戻ってくるというふうに理解してよるしいということでございますか。

答弁:小泉参事兼財政課長

 ただいま申し上げましたのは,発行いたしました県債の交付税の対象になるものが73%ということで,実際にそれが交付税としてみられますのは,その対象になる約1,090億円のうち,約42%が実際に交付税の中に算入される(457億円が交付税の対象になる)と,こういうふうに御理解していただきたいと思います。

質問:井手委員

 よくわかりました。それでは,県債の中での地方交付税の対象の,そういったものにより多くの発行のウエートをかける,ないしは,そういった国の交付税措置をいかにして県債の中で生かしていくかという,その辺の御努力は今後とも進めていただいて、なるべく県民の皆さんの負担にならないような県債の発行の仕方ということは工夫ができるものではないか,その比率を少しずつでも高める努力はしていただきたい,こういう要望をさせていただきます。

 その上で,引き続き,県債の資金区分についてお伺いいたします。

 ちょうど,私も議員の立場をいただきまして,1年余りがたっておるんでございますけれども,なかなか予算書が読みきれないというのが実感でございます。例えば議案書,裡隠献據璽犬ら20ページに地方債の明細というのが載っております。第3表地方債という表ですが,昨年初めて見たときに,どうしても一つ理解できないことがございました。これも単純な質問でございますけれども、ここのところに起債の目的,限度額,起債の方法と書いておりますけれども,その次に利率というふうになっております。そこに年利9%以内というような数字が書いてございます。次に,償還の方法で30年以内,据置期間を含むというような表現がございます。議案,裡隠献據璽検ぃ隠好據璽検っ亙債の内訳でございますね,やはり私どもの,県民の皆様もそうだと思いますけれども,この予算書をみて,県債の金利が年利9%以内というのはなんじゃと,これは常識的にはそうなるだろうと,ただし,9%以内ですからね,1%でも,9%以内だろうし3%だって9%以内であろうし,いわゆる議案書としては,非常に不親切だなという実感がしているわけでございます。

 そこで,そう言っても,いろいろな地方債の種類ございますので,資金別にどういうところから県債というものの,買っていただくのか,それの資金別に金利とか,償還期間とか,差異がございます,区別があると思います。その辺のところを具体的に御説明いただければと思います。

答弁:小泉参事兼財政課長

 現在,毎年国の方で地方債計画というものを出しておりまして.その枠の中で,私たち資金手当をしておるわけでありますが,資金区分といたしましては,現在大きく分けまして,大体3つに分かれております。

 資金運用部資金,これは国の財投資金等を使いながらやるわけですけれども・そういうものを活用する場合と,あとは公営企業金融公庫から借りるということと,あと1つは,市場公募債,縁故債と申しまして,本県の場合には,金融機関,あるいは一般の投資家からお金をお借りすると,こういうふうな3つの方法でやっております。

 それから,金利の問題ですけれども,資金運用部の場合には,大体現在3.I5%,それから公営企業金融公庫は3.25%〜3.3%,それから市場公募債については3.3%,こういうような状況になっております。

 それから,先ほど委員が,この18ページの利率と償還の方法について不親切ではないかと,こういうふうなお話でございますが,これは,過去の最大の金利というものを念頭に置きまして設定しております。また,償還期間も現在使われておりますもので一番長いものを使っております。

 確かに,おっしゃるとおり,現実に運用されておる金利でやればいいのではないかという御質問がございましたが,現実問題として金利というものは非常に経済状況によって動きますので,ここで議案で現実に近い数字を載せましても,金利状況が変わりますと,例えば3%という形で載せましても,4%ということになったとき,また議案を提出いたしまして,補正という形になりますので,一番過去において長いものを設定いたしまして,その中で泳ぐという形を取らせていただいておるところでございます。


市場公募債について

質問:井手委員

 その御説明は納得できるような気もするんですが,やはり年利9%というのは,ちょっと不親切かなという気もいたします。今,課長のお話にも出ましたけれども,今回も議案の中に,条例の修正ということで出ておりましたけれども,一般公募債という言葉が何点か出ておりますけれども,この一般公募債について,私もちょっと認識が浅かったもんですから,もう一度詳しく御説明していただければと思いますが。

答弁:小泉参事兼財政課長

 多少,私,一般公募債ということでなくて,市場公募債というふうに御説明したと思いますが一従来,平成元年以前は,県は市場公募債というのを発行しておりませんで、全部縁故債という形で特定の金融機関からお金を調達していたという状況でございましたが,だんだん財政規模が大きくなってきまして,資金需要の額もふえてくるということになりますと,やはり安定的に資金を確保するというような場合,あるいは金融情勢が非常に逼迫してきて,特定の金融機関では対応できなくなるというような場合には,そういう場合も予想されますので,前もって広く一般の投資家から資金を調達するという方が安定的に確保できるんではないかということで,平成元年度から市場公募債というようなものに私どもの方も発行するという形にいたしまして,現時点では約100億円を許可していただくというふうな形でさせていただくということでございまして,あくまでも資金を安定的に確保するというような観点から市場公募債を発行しているところでございます。

質問:井手委員

 そうしますと,この市場公募債に関しましては,年利が3.3%ということで,償還期間等は10年ということでいいわけですか。そうなりますと,例えば逆に県民の立場,私どもの立場から考えてみますと,金利3.3%というのは,市中銀行の10年物の定期の大体利率2.5%ぐらいだというふうに理解しておりますから,金融商品の一つとしても,割合有利なものというふうな認識をするところでございますけれども,実際,県債・市場公募債という形で売られているということは,議員のバッチをいただくまでは,私も不勉強ながら知りませんでしたしこういったことをもう少しオープンな形で県民の方に対して,県債というものの認識を深めていただく,ないしは県政への参画の意識を広めていただくという意味で,例えば広報紙に宣伝するとか,一般紙の中で広報をするとか,そういった積極的に県債というと,借金という非常にマイナスのイメージが強いもんですから,そういったものをよりプラスのネガティブじゃなくて,ポジティブな形で県民の中にお知らせていった方がよるしいんではないかというふうに考えているところでございますけれども,その辺に関してのPR策といいますか,広報に関する基本的なお考え方をお伺いしたいと思います。

答弁:小泉参事兼財政課長

 先ほど,私,資金の安定的な確保というような面ばかりを強調したわけでございますけれども,市場公募債,ただいま委員が御指摘したように,県政に株主になっていただいて,株主というのも変ですけれども,それを持つことによって,県政に近づいていただくと,興味を持っていただくというような点も非常にあるかと思います。そういう意味では市場公募債というものを一般の県民の方に積極的にPRするというのは,一つ大きな私どもの役割かというふうに考えております。

 したがいまして,一つには,発行する際に,県報に掲載するという手続きをとっておりますが,そのほかに,この発行につきましては,県ではシンジケート団というものをつくっていただきまして,そこに発行の事務をお願いしております。したがいまして,私どもの方で,そういうための発行の手数料というのを払っておりまして,そういう中から,今年の場合ですと,茨城新聞社,3月の初めのころだったと思いますが,こういうものを発行しますというようなPRをいたしました。その結果,一般の県民の方から何件か新聞の広告を見たんだけれどもというような形で問い合わせがございました。委員御指摘のようにできるだけ一般の県民の方が広く参加していただくということは必要でございますので,他県でも,いろいろな手法を使ってPRしておりますので,私どもも機会がありましたら,そういうものを参考にしまして,シンジゲート団の方に要請していくということは,今後とも,積極的に進めていきたいというふうに考えております。

質問:井手委員

 ぜひ,その点については,御努力いただきたいと思います。私どもも,愛知県等の例をお伺いしましたところ,電光掲示板にPRするとか,県の広報紙ですね,茨城でいえば「ひばり」ですけれども,ああいったものに載せるとか,それから県域のニュース,ラジオ,テレビ等のニュースで解説をするという形で,愛知県の担当の方はお金のかからない方法でよりベターな方法をいろいろと工夫をしておりますという言い方をしておりましたけれども,ぜひ,そういった御努力も払っていただきたいと要望させていただきたいと思います。財政課の方で最後に一つ,これも財政課のお立場としてお答えいただけるかどうかはあれなんですけれども,財政,特に県債というものを地方主権の確立,ないし規制の緩和という視点からみてみますと,幾つかの課題が浮かび上がってくると思うんですけれども,私はその中で一番大きな問題は,県債の発行の事務というか,許可というか,権限が国に残っているということが大きな問題ではないかなというふうに認識しております。いわゆる地方自治法の250条の中に,地方債の発行については当分の間というふうな但し書きがあるそうでございますけれども,自治省,国の許可が必要であると,この間題に関しては,一番美濃部都政時代の裁判にもっていく,いかないというような話題もあったわけでございます。随分長い課題でございますけれども,当分の間とされながらもう5O年近く,40年以上たってしまっているという現状の中で,規制緩和という視点から地方債の発行に関して,県の独自な一つの判断で発行できるように,国に対しての要望をしていくということは,非常に大切だと思いますけれども,国の許可条項の撤廃に対しての考え方と,そして,どのような働きかけを国にしてきたか,またしていく考えか,これを財政課にお伺いすることは酷かも知れませんけれども,とりあえず御答弁いただければと思います。

答弁:小泉参事兼財政課長

 起債と申しますのは,将来の交付税とか,県税を先取りするということになりますので,これは,やはり相当慎重に利用していかなければならないんではないかというのが基本でございます。そういう観点から,国の方におきましては,地方財政計画というようなものをつくっておりまして,その中に,起債の発行,あるいは当然公債費というようなものも計画の中にのっけておりまして,その計画にのせるということが財源の保証という形になるわけですけれども,基本的に,ただいま委員が御提案なされましたような形で各地方公共団体が勝手気ままに発行するということになりますと,場合によっては,弱小団体ですね,弱小団体の場合に,非常に財政力が弱いということになりますと,金融機関が安心して貸せるかどうかというような心配があります。

 それから一方,一生懸命やろうというような首長さんが,もしいた場合には,場合によっては,将来の公債費がどういうふうな形で動向していくかということを無視して,極端な話ですけれども,当該年度の施策だけを考えてぽんぽん借りてしまうということになりますと,冒頭で申し上げましたように,将来の財政負担というものが非常に大きくなるという形でかかってくるというようなことになりますので,やはり全体的な枠をある程度決めていただいて,その中で,財源保証というものもみていただきながら,民間の資金との全体的な調整の中で,県債というものを発行していくのが必要なんじゃないかというような観点から,私どもは考えておりまして.現時点において,すぐにそういう発行を地方公共団体に任せるということは,現在の地方自治制度の中では,なかなか難しいのではないかというふうに考えております。

 それよりも,私どもは,どちからと言いますと,資金の中身ですね,例えば政府資金というのは非常に金利がいいとか,それから先ほども申しましたように,交付税措置のあるものをたくさん発行して欲しいとかというような形で,全体の地方財政計画の中で,将来的にも財源を保証していただきながら,なおかつ,有利な県債というようなものを発行していただくと,こういうふうな形で,国の方にお願いした方が現実的ではないかというふうな考え方で従来から来ております。

質問:井手委員

 なかなか慎重な御意見というふうに承っておきますけれども,基本的には,地方主権,地方分権というものを進める中で,財布というもの,いわゆる歳入の中での大きな一つの意味を占めます県債の発行については,いろいろ御議論はあることだと思いますけれども,積極的に地方分権の推進,これは総論としてはどなたも反対することはないような状況だというふうに認識しておりますけれども,なかなかこういった各論になると,いろんな御意見もございますと思います。

 ただ,一つの流れというものを,一つ一つ踏み締めて積極的に国に働きかけるというような方向へ一歩踏み出していただげないだろうかと,私どもの公明といたしましても,昨年の秋に全国の自治体へのアンケート調査を行いました。この中で,地方債の発行に関して,国の許可を外して欲しいという要望が都道府県の中でも複数みられました。財政規模でも茨城よりも小さい都道府県においても,この基本的に規制緩和を進めて欲しいという要望をいただいた県もみられました。そういった意味では,お考えはよく分かりましたけれども,今後の一つの課題として,地方主権を進める大きな足がかりともなりますので,もう一度庁内での御検討というものをいただければというふうに思います。


不良債権処理に伴う県税収入の見込みについて

質問:井手委員

 続きまして,税務課長の方に御質問をさせていただきます。

 平成8年度の予算中の県税収入の見込みに関しましては,予算案等で承知しているところでございます。その中で,今日は,法人に係る県民税と事業税のことについて,何点か質問をさせていただきたいと思います。

 平成8年度の予算においての県民税中の法人税の歳入予算はいかほどか,事業税中の法人分の県税の見込みはいかほどかと,いわゆる法人に係わる県民二税は合計でいかほどになるか,その辺の見込み,予算をお伺いしたいと思います。

答弁:谷税務課長

 法人ニ税の予算でございますけれども,法人県民税が170億9,100万円,それから法人事業税が874億4,800万円ほど見込んでございます。

質問:井手委員

 そうしますと,法人ニ税といわれるところの合計が約1,045億円でございますか。県税収入の全体が3,200億円余りでございますので,約3分の1が法人二税というふうに理解してよろしいかと思います。こういう法人税というものは,法人の企業のその年,ないい前年の業務のよしあしによって左右されてまいるわけでございます。もっと端的に言えば,その利益に対して何%かの県税をいただくというような仕組みになっているわけでございます。

 そういう中で,今,国会で話題になっております6,85O億円の住専の損失処理をめぐる問題でございますけれども,この県会の中でも,住専問題に関しましては早期処理と責任追求を求める意見書が議決されたわけでございます。そうなりますと,県税中の法人二税1,045億円に関する中で,大きなところというのは金融機関というものがどうしても避けては通れないと思いますけれども,県内の金融機関,ないし農協信連等の農林系の金融機関等の法人税の調定の見込みというのは,どういうふうになっておるか,それをちょっとお伺いしたいと思います。

答弁:谷税務課長

 金融機関関係でございますけれども,普通銀行ですか,地方と都市銀行合わせまして,46億1,600万円ほど見込んでおります。それから農協系が3億4,400万円,その他がI5億5,400万円ですか,合計いたしまして,これは主要法人でございますけれども,65億1,600万円ほど見込んでございます。

質問:井手委員 

 金融機関,大手の金融機関だというふうに思いますけれども,65億円余りの税収を見込んでいらっしゃるわけでございますけれども,そこで,ちょっとお伺いいたしますが,この65億円の法人二税の見込み,これは法人ニ税でございますか。そこを確認させて下さい。

答弁:谷税務課長

 ただいま申し上げました数字は,法人事業税だけでございます。

質問:井手委員 

 そうしますと,法人二税と言われる中でも,片一方,多い方でございますけれども,法人事業税だけで65億円,金融機関からの税収を見込んでいらっしゃると,これを税収見込みに関して,例えばこの主要の法人からヒアリングとか,アンケートとか,いろいろされていると思うんですけれども,これは,いつの時点での税収見込みでございますでしょうか。

答弁:谷税務課長

 大口につきましては,聞き取り調査と,それからアンケート調査をやっておりまして,アンケート調査につきましては,11月初旬に出しまして,11月の下旬に回答をいただいております。それから,聞き取り調査につきましては,12月中にいたしております。

質問:井手委員 

 そういたしますと,昨年の12月の19日に当時の村山内閣が住専処理策を発表する前にアンケートヒアリング等を完了されているというふうに理解をいたします。そうしますと,こういう状況になりまして,金融機関等はこの3月決算で一斉に住専並びにノンバンク等の不良債権の処理を行うというふうにマスコミ等の報道もございます。また,去る2月27日には,いわゆる県の農協理事長,組合長会議等が開催されまして,3月の決算で農協県信連,共済連等の不良債権に関しても処理をするというような意向が発表されているわけでございますけれども,この税収見込みというのは,大きく変わってくるというふうには理解しております。それが、いわゆる今回の予算の中で,基本的にこういう状況というのは勘案できないということも理解できますけれども,今,現在でこの税収見込みというのは,私ども素人が見てもちょっと厳しいんではないかなというふうに理解はしておるんですけれども,推測しているんでございますけれども,税務課長といたしましては,この税収は基本的に確保できるものなのか,それとも,こういう一つの非常事態でございますね,ある意味では。そういった中で,このくらいは少なくなる可能性が今現在予測されるというふうに理解しているところがあるのかどうか,その辺をお伺いしたいというふうに思います。

答弁:谷税務課長

 現在の予算額につきましては,確保できるのか,できないのかということでございますけれども,ただいま住車の問題につきましては,国の方で処理策をただいま,いろんなことから取り組んでいるところでございまして,現在どの方向にいくのか,まだ先が見えないということでございますので,現段階では,この税収はできると,それから委員指摘のとおり,農協系等含めまして,これが零になった場合には,確かに厳しくなるという認識はしております。ただ,一部の企業によりましては,企業調査したのが12月ということでございまして,当時からしますと,円高等も1O5円前後というようなことでございまして,県内は,輸出関連の製造業が多いということで,かなりそちらの製造業の方で業績が上向くというような状況もございますので,現在は,税収については確保できると思っております。

質問:井手委員 

 私の質問の仕方がちょっと悪かったようですね,じゃ,こういうふうに聞きます。農林系金融機関3億4,000万円余りの税収見込みをきれているというようにお伺いしました。これは,明確に2月の段階で損失を全部処理するという方針が決まっているというふうに理解をしております。ということは,ここは少なくても,大部分を占める大手に関しましては,赤字に転落するというように私は理解しております。ということは,この3億4,000万円余りに関しての税収見込みはいかがなりますでしょうか。

答弁:谷税務課長

 無税ということになりますと,委員御指摘のとおりだと思います。

質問:井手委員

 ですから,無税になった場合ですから結構でございます。別にここで予算を修正しようという,そんな大それた話を私はしているんではなくて,私どもは,県民に対して説明する義務を持っていると思うんです。県信連さん,共済連さん等は損失を処理するという明確に2月の20何日に言われているわけでございます。赤字になるという発表されているわけでございます。それを基本的に無税で処理できれば云々というのは,ちょっと御答弁としては私は納得できない,もう多分課長の中では,そういう全部シミュレーションがノートの中には書かれているのではないかなというように私は思うんです。それが発表できないのか,本当に予測できないのか,もっと続ければ,例えば神奈川県,千葉県,シミュレーションを発表しているわけです。これ,御存じですか。

 神奈川県では48億円減収になりますよと県議会の総務委員会の中で明確に答弁しているわけです。現状ではこうなります。ただし,予算をつくるときには,これは分かりませんでしたし,補正の中でやっていきますというふうに言っているわけです。千葉県でも同じようです。法人事業税は46%減収しますよと明言しているわけです。これは何も恥ずかしいことじゃない,逆に言えば、県民に対して知らせる義務があるとするならば,住専の中で,住専の処理策がいいとか,悪いとか言っているわけではございません。やはり,金融機関が持っている不良債権というものは一刻も早く処理をしなくてはいけない,それを処理するために,県税は一応は1,045億円見込んでましたけれども,処理をしますので,このうち30億円なら,30億円が減りますよと,その代わりその後からはすっきりできますからという方が私は親切だと思うんです。いかがでございましょうか,もう一度,この農協系3億4,000万円に関して,見通しをお聞かせください。

答弁:谷税務課長

 お答えいたします。千葉県の状況の49億円は,当初見込んだときに下回るというような状況であると,その見込みがたまたまというとちょっと言葉がおかしいですけれども,46億円下回るということでございまして,その住専に係る不良債権部分については分からないというように聞いております。県内につきましても,前段階では,うちの方で申し上げました農協系の3億4,400万円につきましては,住専関係の不良債権を個別に把握することができませんので,委員がおっしゃるとおり,幾らですという算定がちょっとできない情勢でございますので,その辺は御理解いただきたいと思います。

質問:井手委員

 要するに県信連にしろ,赤字になりますと言っているわけでしょう,それは住専どうのこうのじゃないわけですよ,赤字決算になりますよと正式に発表しているわけだから,赤字決算,逆に言うと今はまだ税収を見込んでいるわけでしょう,幾らかは分かりませんけれども。それが見込めなくなるわけでしょう。だから幾らは少なくとも減ってしまいますよという御答弁はできないのですか。

答弁:谷税務課長

 委員御指摘のとおり,確定しているものにつきましては,その分は減ります。これは間違いなく認識しておりますけれども,ただ,法人事業税という税目の中で計上しているもんですから,12月策定時よりも現時点では業績等が回復してきている企業等もございますので,事業税トータルでは,税収は大丈夫だと,確かに農協系のこれが全部赤字という場合には,御指摘のとおりでございます。

答弁:御園総務部長

 井手委員の御指摘の点は,私もよく理解できますが,ただ,私どもが予算編成上,税収見込みをして税収を計上しておる段階においては,それぞれの金融機関も不良債権,住専に係わらないものかどうかということも,なかなかよく分からない,私ども調査権限がないものですから,それぞれの企業の聞き取りで税収見積りを出しておりますが,なかなかそこまでは向こうもしゃべりたがらないということもあろうかと思います。で,そこは向こうの教えていただいた数字,これを信用して計上しておると,私どもが思いますに,やはり12月の19日の以前の段階で,私どもに答える答えを準備しつつあったとは思いますけれども,住専問題,突然出てきたわけではないわけでありまして,既に第一次処理策,第二次処理策が出た後で,最後のぎりぎりのところでどうしようかということになって来ましたし,けつに火がついている状態は,それぞれの団体も分かっていたのではないかなと,そういう中で,甘い読みだとおっしゃられるかも知れませんが,私どもに,個別のヒアリングをする段階でも,その一般的な不良債権としての処理も入った中で,8年度税収がどれぐらいになるかということで出してきたわけではないかというふうに思っている部分もございます。

 それから,農協系金融機関につきまして,3億なにがしあるふうに私ども,確かに見込んでおります。それは,それぞれの個別の金融機関からいただいた数字の積み上げでございます。これが決算の処理によって落ちるのではないかと,落ちるんなら落ちるとはっきり言えと,こういう御指摘かとは思いますけれども,私どもは,やはり税というのは国税にしても,県税にしても,市町村税にしてもそうですが,予算上は単なる見積を出しておるわけでございまして,最終的な税の確定というのは決算をする段階になっております。国の場合は予算で計上したのと通常は決算,補正もございますが,補正はイレギュラーでございます。私どもは,9月の補正が定例的になっておりますので,9月の段階,あるいは最終という2回に分けて補正をさせていただいて決算をまつというストーリーになっておりますので,今,先ほどの井手委員の御指摘で既に税務課長はシミュレーションで書いているのではないかということの御指摘がありましたが,私どもは,やはり次の税をいじる時期というのは9月補正の段階でございます。3月決算法人の皆さんが6月までに3月決算を終えてから,5月までにどのような具体の決算をうってくるかというのは,確かに一括処理するという方針を出されても,最終的に金融機関として,今までの金融機関の行動パターンからしたら,赤字というのは非常に不名誉のことでございますから,これは,ひょっとしたら所有財産を処分をされて,所有株式なり,所有の不動産なりの処分をされて赤字を出さないような決算処理をされるかも知れない,そういう中でございますので,具体に本当に減るのかどうかということを,今,じゃ,3億なにがしが零になるでしょうというのは,やはり私どもの口からはなかなか相手に対しても失礼なことになるかも知れないという感情的な部分もございますし,実際の事務処理をしている税務課職員の生活感覚からいっても,なかなか申し上げづらいことであるということを御理解いただきたい。

 それから,もう1点,千葉,神奈川はやっているじゃないかという御指摘でありますが,私も詳細は承知しておりませんが,私が聞き及んでいる範囲で申し上げますと,6年度と7年度,あるいは7年度と8年度の金融系のトータルの税収見込み額が落ちて,という額が落ちているので,その分の中には住専の関係額が含まれているだろうということで,客観的に言える数字を,客観的に言える最終的に出てくる数字,これが間違いなくなっているという数字については,議会で答弁しているというふうに理解をしております。今,方や委員御指摘の数字につきましては,まだ最終的に出てくるかどうか.不明確な部分がある数字だというふうに,私は理解してますので,この本委員会の席でその点について,御追求されるのは御容赦いただきたいと思っております。

 最後に,いずれにいたしましても,先ほど税務課長答弁申し上げましたように,金融系の法人以外の法人で好調な法人,これもまだきちんと聞き取りはしておりませんが,仄聞する中で,最近の円安の状況の中で,好調をうかがえる企業もあるというふうに聞いておりますので,トータルで法人二税関係として現在予算に計上させていただいている額は確保できるだろうというふうに考えておりますが,また次の税についての委員の皆さんの御審議いたたく場は9月補正の段階ではないかというふうに考えておるところでございます。

質問:井手委員

 今の部長の御答弁の趣旨もよくよく理解できますし,本当にその通りだといつふうに共感をするところもございます。ただ,私が何度も繰り返しておりますように,私どもは,逆に言うと県民に対して,自分たちがやっている仕事を正確に一刻も早くインフォメーンョンする責任があるんではないかなというふうに思うわけでございます。やはり県民は今,住専という問題,住専という問題を切り放しても結構でございます,金融機関が持っている不良債権という問題に関して,非常に深刻に,真剣にお考えになっているわけです。ある程度,それは予測されているがゆえにそのところに目をつぶって,確かに9月補正でやるのは筋だというのは私も理解はしております。分かっていることを言わないでお茶を濁して正式には9月補正ですよという姿勢というものは,やはり少し変えてもいいんではないかなというふうな私個人の気持ちかも知れませんけれども,そういう趣旨で今の質問をさせていただいているわけでございます。現実問題に,金融機関の税収というものはかなり落ち込むというふうに予想をせざるを得ないというふうに思います。

 それが,9月の補正でやっぱりそうでした,何億円減収補正ですという形になることは,やはりその状況をある程度今の時点で予測される一人の議員として,また一つの行政に携わっている者,政治に携わっている者としては,そういう無責任なことは言えないなと,分かった段階でこのくらいは可能性としてはあるというインフォメーションをする必要があるんではないかなと,これは私の感想でございますけれども,最後に申し述べさせていただきまして,質問を終わります。

答弁:御園総務部長

 質問を終わられたのに一言言わせていただくのは恐縮でございますが,お許しいただきたいと思います。

 ただいま分かっていることを示さないのは不誠実だ,確かにそうだと思います,私どもも委員のお気持ちよくわかりますが〜ただ一つ御理解いただきたいのは,今,私どもには分かっているという状態ではないということでございます。落ちるであろうという予測,それは一般県民,あるいは一国民としては,私も同様に思います。ただ,2つ申し上げたいことがありまして,私ども行政とすれば,正確な数字を,将来変わることのないであろう数字を出す必要がある。特に税でございますから,不確定な要素がまだ残っている段階で申し上げることは,私どもは,税務行政に携わる者としてできない。

 それから,それに付随して申し上げますと,ただ分かること,言わなければならないこと,申し上げなければならないことを9月補正まで待つ必要はないかと思いますが,分かった段階で示せという御指示があれば示せるものは示す用意と心構えはございます。ただ,御承知のように,税制につきましては,特に公務員の守秘義務,プライバシーの保護という問題もございますので,どこまで,いつの段階で出せるかという,方や今申し上げませんでしたが,微妙な難しい問題もあるという点も御理解をいただければというふうに思うわけでございます。

 それから,申し上げたいもう1点は,私ども,今予算審議をしていただいている中で,税というトータルで御審議をいただいているというふうに理解をしております。したがいまして,私どもが示す必要があるのは,予算審議という場で,私どもが示す必要があると認識しておりますのは,それぞれの計上させていただいた税額が確保できるかどうなのかということでありまして,それぞれの個々の納税義務者の税額の変動がどういうふうになるかということは,従来は余りお示しをすることもなかったということがございます。私どもが確保すべき税額はトータルでの税収額ではないかというふうに考えておりまして,住専問題として住専問題を税収の面から切って分析をしていくという作業される中で,必要な資料を出せという御指示があれば,それはまた,先ほど申し上げましたプライバシーとの兼ね合いの中で出せる範囲のものは出していく心構えはできております。

 ただ,それ以外の中で,9月補正の段階でどれぐらいの税収の変動があるかということになりますと,これは,半年のスパン,それから私どもの責務は,1年間の,平成8年度の予算を御審議いただいているわけですから,1年間のスパンのいろんな景気変動が出てくるだろう1年間のスパンの中で,今御提示した税額を確保することが責務だというふうに考えておりますので,最終的には,税目ごとのいりくりがあっても,トータルでの税額を確保すれば,私どもの責務は果たしたことになるのではないかというふうに考えておりますので,住専問題と税額トータルでの確保という観点は,ちょっとお分けいただいて御議論をしていただければありがたいなというふうに考えているところでございます。

平成8年3月12日
企画部関連質疑



ひたちなか商業・業務地域について

質問:井手委員 

 それでは,3点質問させていただきます。

 1点目が先ほどの細田委員の質問の関連になりますけれども,ひたちなか開発の中核施設の御説明の中で,3点の施設の御説明をいただきました。その中で,3点目の広域型商業施設ということに関しての関連の質問をさせていただきます。

 私は,実は,県会議員の職をいただく前は,小売業に勤めておりまして,ハイマート2000という構想が発表されたときに,社内でもブロジェクトチームがつくられて,その検討に参加した記憶がございます。昨年の秋にハイマート2000の構想が事実上凍結というお話を聞いて,賢明な策だなと,さすが県の行政の方もこの厳しい状況をよくわきまえて凍結ということに踏み切ったなというふうに,正直言って内心拍手を贈ったわけでありますが,昨今の御説明を聞きますと,広域型商業施設という言葉を変えられて再登場させたという認識をしたところでごさいます。

 もう1度,くどいようで恐縮でございますが,広域型商業施設という、あえて商業施設に広域型というのをつけた背景,例えば,それの物販の面積であるとか,業態であるとか,そういったものの構想がある程度あるんであれば,御説明いただきたい。そして,なぜ広域型という言葉が商業施設の前についているのか,その辺の御説明をいただければ,お伺いしたいと思います。

答弁:高田企画部次長

 今の御質問でございますが,広域型という名をつけたことについては,高い集客力を持つというようなことから,あえて広域型とつけさせていただきました。それから,具体的な面積とか,業態,その他につきましては,ただいま,ちょっと検討中でございますので,この場ではちょっとお答えはまだできないという形でございます。

質問:井手委員

 検討中ということですので,余りこれはそれ以上触れませんけれども,規範的に,今の商業施設に関しましては,物販面積というのは,例えば広域型,高い集客力を持つということになると,最低でも2万平米,3万平米近くはないと,いわゆる広域から集客ができる施設ということは,常識的に言わないんでございますね。それにはなおかつ車でもってそこに来る,最低でも,2万平米であれば,2,000台,3万平米であれば3,000台の車の収容能力がないとショッピングセンターなり,物販の施設としては,その能力を発揮できないというのが,小売流通業界の常識だというふうに私は理解しております。

 そういう施設がこの商業・業務地域の中に果たして立地できるのか,できないのか,物販の面積等の具体的なお答えもございませんもんですから,それ以上のお話はここでは差し控えさせていただきますけれども,かなり厳しい状況ではないかなと,私が物販の流通業者の立場であれば,県からのお誘いがあった場合には,丁重にお断りする内容になるんではないのかなというふうに,今のお話を聞くだけでは判断せざるを得ないと思います。

 どうか,商業施設というのは大事だと思います。地元の方がこれだけの大きな新しいまちができるわけでございますから,その中で,物販が入らないというのは,まちづくりでは考えられない,しかしその商業施設が地元密着型の商業施設なのか,広く広域的にお客様を呼ぶという前提の商業施設なのか,そこの選択を誤ると,多大な税金を投入して,そこから出てくるアウトプットが得られない,事業が失敗するという厳しい結果にもならざるを得ない状況だと思いますので,どうか,その辺のところは,よくよく御審議いただきまして,今後の計画づくりにお役立ていただければというふうに思います。以上要望でございます。


高萩・北茨城新都市整備事業について

質問:井手委員

 続きまして,計画調整課長にお伺いをいたします。今回の予算の中で,高萩・北茨城新都市整備事業という新しい事業が盛り込まれております。この事業につきまして,概要の説明をもう少し詳しくお願いできればと思います。

答弁:長島計画課整課長

 高萩・北茨城新都市整備事業の概要についてのお尋ねでございます。

 先ほど,予算の説明の中でも申し上げましたように,高萩・北茨城にまたがる地域におきまして,自然豊かな地域や,交通の利便性を生かしまして,居住機能のほか,健康,文化,商業,研究開発などの複合機能を有する新しいライフスタイルに対応した新しいまちづくりを整備しようとするものでございます。

 事業予定区域といたしましては,高萩市赤浜地区及び北茨城市の中郷地域にまたがります約250へクタール,これ標高20メートルから50メートル程度の丘陵地帯でございます。その中で,計画人口と申しますと,約8,000人,約2,000戸の住宅等を供給したいと考えてございます。事業期間といたしましては,事業要請後おおむねIS年間で造成するという計画でございます。以上です。

質問:井手委員

 この地域は,ちょうどI5年前くらいになりますでしょうか,かなり全国の新聞紙上やマスコミ等で紹介されて話題を呼びました中郷ニュータウンという,東京の住宅会社が茨城市の中郷町というところに住宅団地をつくって,首都圏で募集を行ったということで,非常に話題性のあった地域でございます。それに近接している地域だというふうに理解しておりますけれども,この中郷ニュータウンが約1,100戸ぐらいだと記憶しておりますから,それの3倍近くの大きな住宅団地ができると,今のお話になると,研究施設であるとか,教育施設,そういったものも隣接してできるというふうにお伺いしております。

 具体的に,もうちょっと,住宅団地2,700戸というのは,よく理解できますけれども,研究教育施設,人材育成施設,その辺のことについて,もう少し詳しく御説明いただけますでしょうか。

答弁:長島計画課整課長

 高萩・北茨城新都市につきましては,基本的には,地域振興整備公団が事業主体として行う事業でございます。基本的には,私どもといたしましては,複合機能として,複合都市としての機能として,これを考えてございます。したがいまして,住宅だけの町づくりという形じゃなくて,いわゆる健康,ヘルシー,その他教育,研究機能というものも張りつけた複合機能として考えてございます。

質問:井手委員

 分かりました。それでは,その事業主体が地域振興整備公団という公団になるわけですけれども,やっぱり県,ないし地元の北茨城市・高萩市にまったく負担がないということではないと思います。現に平成8年度の県の予算でも,推進費が計上されているわけでございます。最終的にこの新都市整備事業に係わる地元の負担の割合というのは,負担金額というが出れば一番結構だと思いますが,どのくらいの負担になるか,御答弁いただきたいと思います。

答弁:長島計画課整課長

 この高萩・北茨城新都市整備事業につきましては,基本的には区画整理事業で行います。したがいまして,それぞれの公共用地とか,保留地というものが出てきます。したがいまして,25Oへクタールの中で,公共用地と保留地を除きまして,大体106.3ヘクタールぐらいになると思います。これを,公団と地元が2分の1づつ持ちます。したがいまして,地元といたしましては,26.6ヘクタールが県が持ちますしさらに2市で26.6ヘクタールを持つと,残りを公団が持つと,したがいまして,106.3ヘクタールの住宅地につきまして,公団と地元が2分の1づつ持つという形になります。以上です。

質問:井手委員

 そうしますと,面積での持ち分というのは御説明いただきましたけれども,最終的に・どのくらいの負担金額になるか等の計算は現在では出ませんでしょうか。

答弁:長島計画課整課長

 区域内の総事業としては約300億円程度で考えてございますけれども,基本的には・これは要するに地権者の同意というのが前提になってございます。事業採択は9割の同意という前提でございますので,今はあくまでも計画面積でございますので,あまり概算的なものを申しますと,ちょっと語弊がございますので,それは控えさせていただきたいと思います。

質問:井手委員

 今のお話もよく理解することができます。北茨城,高萩で26ヘクタール分の公共用地という負担をするということでございますけれども,これは,風聞がある程度入りました質問でお答えづらければ,そのまま聞き流して結構なんですが,北茨城市と高萩市の中で,この整備事業に関しましては,温度差があるというふうに風聞されております。どちらかが一生懸命でどちらかが余り乗り気でないというようなことも,地元では広く言われておるんでございますけれども,事業採択になって,新しい事業に進んでいくわけでございますから,今はそういうことはないというふうに,私は理解しておりますけれども,県と高萩,北茨城,これの事業に臨む姿勢に関しては,今,どういうふうな状況でございますでしょうか。

答弁:長島計画課整課長

 計画区域25Oへクタールございます。その中で,高萩市分がI55へクタール,それから北茨城市区域は95へクタールございます。したがいまして,面積エリアの部分では,高萩の方が大分多いわけです。したがいまして,そういう温度差かなという感じはしてございます。現在,国の公団の新しい新規箇所づけとして,箇所づけ採択にむけて,北茨城市・さらに高萩市ともども県と一緒になって,国の方に新規箇所づけの要請を行っておりますんで,温度差は現在はないと考えておるところでございます。

質問:井手委員

 分かりました。最後に,この新都市整備計画でございますけれども,この辺を実際,車で走ってみますと,今,本当に丘陵地で何もございませんもんですから,一番大事なことは,この新都市が整備されることと,周辺整備,特にアクセスの道路が整備というもの,また近郊のJR中郷駅になるかと思いますけれども,その整備計画との整合性というものが大きな課題になってくるんではないかと思いますけれども,その辺の周辺の道路,ないしは駅周辺の整備計画,この辺の計画はいかがでございましょうか。

答弁:長島計画課整課長

 委員御指摘のとおり,新しいニュータウンをつくる場合,道路等の周辺のアクセス道路というのは非常に大事でございます。そういう絡みの中で,高萩・北茨城新都市につきましては,南北軸として,道路でございますけれども,現在の都市計画道路・日立赤浜線を一部変更いたしまして,南北幹線道路として県道里美中郷停車場線から県道高萩北線間を整備するという形で考えてございます。

 さらに,駅につきましては,南中郷駅がございます。南中郷西側の土地区画の整備事業を現在調査中でございます。そういう中で,駅とのアクセスを考えてまいりたいと,こう考えてございます。

質問:井手委員

 この新都市事業構想に関しましては,地元の期待も大でございます。また,これが実現すれば人口的には1万人弱ぐらい,8,000人ぐらいですか,新しい人口増も望めるという,県北にとっては大きなプロジェクトでございますので,周辺道路の整備等も含めて,できるだけ早く本年度,地権者の方の同意を得られて事業化が推進できますように,御努力をお願いしたいと思います。


県のインターネットプロバイダー事業について

質問:井手委員

 最後に,地域情報化の推進についての御質問をさせていただきます。企画調整課の方にお伺いするわけでございますけれども,昨年来,インターネットを中心とした地域の情報化の推進事業が茨城県におきましては,大きく推進してきているというふうに実感しております。8年度の予算におきましては,6,35O万円の予算をもって,インターネット活用推進事業,インターネットのアクセスボイントを県内のI5ヵ所に整備するという新しい事業が予算化されておりますけれども,この事業の概要につきまして,御説明をいただきたいと思います。

答弁:会沢企画調整課長

 井手委員の御質問にお答えいたします。平成8年度のインターネットの活用推進事業ということで,6,35O万円ほど計上させていただいておりますけれども,これは,インターネットを普及しようということで,産・官・学から成る協議会を設立いたしまして,いろんな情報発進基盤の整備,それから普及啓発事業などを行っていくものでございます。

質問:井手委員

 この中で,県内の市街局番1局に対して1ヵ所のアクセスポイントという具体的な例が出ておりますけれども,インターネットのアクセスポイントということは,言葉を代えれば,県もしくは,県が設ける推進協議会,それがプロバイダー,インターネットのプロバイダーの事業を進めるというふうに,理解をしてよるしいということでしょうかね。

答弁:会沢企画調整課長

 産・官・学から成る協議会の中で,ブロバイダーの事業をやっていきたいということでございます。

質問:井手委員

 基本的に,インターネットのプロバイダー事業ということになりますと,全世界に張りめぐされたインターネットに接続をする,そういう接続をすることを業務にする企業体というふうに理解をしていいと思うんですけれども,これに関しましては,もう一つの視点を考えると,ベンチャービジネスとして民間が小資本でございますけれども,これからの大きな事業の可能性という形で,県内の何市町村に民間がプロバイダー事業を企画しているところがあるというふうに聞き及んでおります。私の住んでおります日立にも,民間のブロバイダーが今申請中であるというふうな形も聞いております。

 こういったベンチャー企業が行うブロバイダー事業と,これから県が中心となって推進協議会が進めるプロバイダー事業と,県民のインターネットのアクセスの便利性を図るということでは,ぜひ推進していただきたい内容ではございますんですが,新しい産業を育成保護するという立場も県にはあると思いますが,事業の整合性,民間事業を育てるという視点と,県民の利便性を図るという視点と,その整合性というのはどういう形でこれからとっていかれるか,大きな問題にもなる可能性もあると思います。御所見をお伺いしたいと思います。

答弁:会沢企画調整課長

 協議会の役割の一つは,先ほども申しましたように,インターネットの利活用を図りながら,利用者をふやしていくことだと思います。利用者がどんどんふえていくことになりますと,コンテンツの作成,それからシステムの開発とか,いろんなソフトの需要が出てくると思います。そういうことで,民間のブロバイダー業者にとっても,相当メリットが出てくるんじやないかと思っております。

質問:井手委員

 ベンチャー企業の育成に関しましては,企画部だけではなくて,行政の立場でいろいろなところからの支援策というものも,今後考えられると思いますけれども,そういったところとの整合性をもった保護育成,インターネットの利便性の拡大ということについての,これからの推進をよろしくお願いしたいと思います。

 以上で質問を終わります。




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平成8年第1回茨城県議会本会議 - 96年3月22日:国会正常化決議への反対討論

国会正常化を求める決議への反対討論

県議会本会議
平成8年3月22日


 平成8年第1回 定例県議会の最終日に、「国会正常化を求める決議」が提出されました。この決議は、住専処理で空転する国会に対して、住専予算の早期成立を求める決議であり、空転の原因となっている連立与党の世論を無視した強引な国会運営を容認する内容でありました。
 この決議に対して、井手よしひろ県会議員は、公明・新進クラブを代表して反対討論を行いました。
 決議に賛成する自民・社民・自由クラブの議員のヤジで騒然とする中(議事録中の「発言する者多し」との表現はヤジで議場が騒然となった様子の記述です)、県民の住専処理への怒りを代弁する討論となりました。以下、県議会議事録より転載いたします。

井手 義弘

 公明・新進クラブの井手義弘でございます。国会正常化を求める決議への反対討論を申し上げます。

国会では、去る3月4日以来,19日間に及び予算委員会が開けないという事態が続いております。(「座り込みをしているからだ」と呼ぶ者あり)。この現象面をもって,議会制民主主義に対する背信行為であると決めつける今回の決議は,その根本的な部分において,県民の声を全く無視した決議であり,私どもは全く納得できず,強く反対の意思を表明いたすものであります。(発言する者多し)

 今回の住専処理に国民の怒りの声は頂点に達しております。マスコミの世論調査によりますと,8割から9割の方が,税金からの6850億円の公金支出に反対をしております。県内でも,私どもが呼びかけ人となりました「住専処理に反対する怒りの茨城県民会議」が行いました反対署名運動に,わずか2週間で7万8,282名の反対署名をいただきました。(「公明党だけだ」と呼ぶ者あり)

 まさに「住専」「6850億」という言葉は,子供からお年寄りまで,平成の悪政の代名詞として知れ渡り,住専処理への県民の反対の声は,爆発しているといっても過言ではありません。(「そうだ」と呼ぶ者あり)

 そもそも今回の国会空転は,政府・連立与党が,住専予算の強行採決を行おうとしたところに、その原因があります。主権者である国民の世論を,国会議員の数の論理で一蹴しようとする強権的動きがあったことは明白であります。

 国の平成8年度予算案には,国民の税金から6850億円の公的資金を住専という民間企業の損失処理に使うという,今までの常識では考えられない不良債権処理案が含まれております。日本は世界に範たる法治国家であります。住専処理には,会社更生法等の現行法で厳正かつ速やかに処理を行い,(発言する者多し)関係者には民事・刑事両面の法的責任を徹底的に追及していくことが大原則であると主張いたします。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)

 ところが橋本政権は,そうした現行法規を超えた特別の処理,超法規的な措置をとろうとしておられます。(「声が小さい」と呼ぶ者あり)

 こうした超法規的処置を強行される背景には,この住専問題の後に控える120兆円とも140兆円ともいわれるノンバンク等の不良債権処理への周到な布石が感じられるのは私一人ではないと思います。(「そのとおり」「1人だ」と呼ぶ者あり)

 橋本首相は、「住専処理は国民の理解をまだいただいている状況ではない」と述べていることが,新聞等で報道されております。私が,住専反対の県民会議を代表して,首相官邸に反対署名を届けた際,対応された古川官房副長官は,「住専処理に公金を投入することを国民に納得していただくことは難しい。しかし、理解していただかなければならないことだ」と強弁しておりました。

 このように当事者が,国民に理解も納得もされていないことを知りながら,それなのになぜ政府・連立与党は,予算の無修正成立を図ろうとされたのか,強行採決をされようとしたのか。(発言する者多し)こうした「国民は黙ってついてくればいいんだ」という政府並びに連立与党の国民不在の議会運営に,今回の国会空転の責任があります。(「そのとおり」,発言する者多し)

 したがって,本議会において,国会正常化の決議を行うのであれば,その決薮に空転となった原因,つまり住専予算の削除を盛り込む必要があります。それなくして,この決議は県民大多数の声とは全くかけ離れたまさに国会の党利党略の一部に,我が茨城県議会が加担するものとの厳しい批判を,県民から受けるものとなってしまうと危惧するものであります。

議長(小川栄次郎君)

 時間が来ておりますので,簡略に願います。

016番(井手義弘君)

 さらに,今国会の空転の状況を加速させている問題がございます。それは,自民党の加藤幹事長のヤミ献金疑惑であります。(発言する者多し)住専からの大口借り手であった鉄骨加工メーカー「共和」からの1,000万円が加藤幹事長に不法に渡された問題に関して,元後援会長が決定的な証拠を公開しているにもかかわらず,連立与党はかたくなに加藤幹事長の証人喚問を拒み続けております。(発言する者多し)

 以上のような理由により,今回提案なされた国会正常化を求める決議には反対するものであります。最後に,重ねて県民の大多数が住専処理に反対し,多くの有権者が国会議員はもとより,私ども県会議員をも鋭い批判の目で監視してくださっていることを申し添え,議員諸兄の賢明な御判断をお願い申し上げ反対討論といたします。以上。(拍手)




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2002年サッカーワールドカップ日本韓国共同開催決定

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2002年サッカーワールドカップ日本韓国共同開催決定


kasima_1  ワールドカップ2002の開催国が決定する6月1日。鹿嶋市の卜伝の郷運動公園では、日本開催を祝賀する大会が開催される予定であった。
 しかし、おおかたの期待を裏切り、前日の午後9時には、事実上の日韓共同開催がスイス・チューリヒのFIFA理事会で決定された。
 当日は、開催候補地15自治体が次々にイベントを取りやめていく中で、鹿嶋市のイベントはスイス・チューリヒからの衛星生中継や「2002回の万歳」などが中止になるなど、縮小はあったものの盛大に開催された。
 鹿島神宮新地地区の住民らによる山車が予定通り午前7時、約三キロの道程をゆっくりと運ばれて、イベントはスタート。
 スポーツセンターに隣接して作られた、作られた特設会湖には午後になると、次々に市民が参集。午後三時前に、1000人が列をつくった。
 参加者は午後4時から、スホーツセンターメーンアリーナと特設舞台に設置された大型テレビで、Jリーグのアントラーズ対エスパルスを観戦した。
 午後6時40分、五十里 武 市長が壇上に上がり「2002年ワールドカップは、21世紀最初の国境を越えた大きなイベントとなる」と述べ、大きな拍手を受けた。
kasima_2 この後、ビックホーンズビー(米米クラブのホーンセクション)が演奏を繰り広げた。
 7時10分、ジーコがブラジルから衛星中継で画面に登場。「喜びは半分だが、鹿嶋にW杯をもってこられるよう全力を尽くす。鹿島のサツカーは市民の努力によって作り上げられたものだということを全世界の人たちに知らしめたい」と語った。
 このあと、祝福に駆けつけた橋本 昌 知事は、「残念ながら共同開催になった。しかしこれから難しい問題が山のようにある。本県としてはW杯をどのようにして鹿島にもってくるかに頑張ることになる。たとえFIFAが認めないといっても、我々は強くこの熱意を示していきたい。どんなに頑張ってきたか、これまでの鹿島のへ努力を伝えたい。まだまだ予断は許されないが共に頑張っていきたい」と決意を披露した。
 2002年ワールドカップの鹿島での開催を願いかがみ割り、乾杯と式は続いた。
 市民1万人が集い、「鹿島にワールドカップは必ず来る」との確信を深めた記念イベントとなった。

鹿島地域の開発とワールドカップ招致に関する所感

県議会議員 井手 よしひろ

サッカーワールドカップ2002年大会の開催地が、日本と韓国の共同開催で決定した。
 日本では全64試合から、せいぜいがその半分の32試合程度の開催にとどまり、国内開催地が削られる可能性も出てきた。
 しかし、鹿嶋市での開催は間題ない、というのが一般的な見方である。少なくても二試合を見込んでいる。共同開催ということで、一時の熱狂に水が差されたという考えもあるが、世紀のイベントが我が茨城で、鹿島で開かれることの意義は大きい。
 W杯開催国の義務とされる項目がFIFAにある。スタジアム、移動と交通手段、サッカーの地位向上、インフラ、通信システム、メディアのための施設、政府保証、国民の支持など。これらの基準を満たすために、国や県、鹿嶋市はこれまで努力を続けてきた。
 しかし、開催が具体化した今、その準備はこれからが本番であるといえる。
 サッカー場の改装、交通網の整備、財政問題、人的問題、さらには自然環境保全といった問題はまだ満足な青写真すらできていない。今後はハード面を中心に急ピッチで鹿嶋地域の整備が進められることになる。
 最も重要な問題であるスタジアム建設について、一部マスコミに、「県は現在の県立カシマスタジアムを鹿嶋市に売却し、収容能力4万人以上の新カシマサッカースタジアムの建設を進めていく考えをもっている」と報道されている。
 現在の県営鹿島サッカースタジアムを、市へは数十億円で売却し、その代わりとして200億円以上の工事費を投じ、W林基準に合った競技場を新築するという計画である。
 この計画は、茨城県サッカー協会の志村巌会長らが前々から提言していたもの。県の企画部では、こうした具体的な計画は一切ないと強く否定している。
 鹿嶋市側も公式にはこの提案を否定も肯定もしていない。
 一般には、こうしたスタジアムは二つも必要ない、とする強い批判も存在するもの事実である。果たして二つのサッカー専用スタジアムが必要なのかという根本的な疑問である。鹿嶋で開催が予想される二試合のために、県と市側を合計して、300億円近くの投資が許されるのかという論議である。
 また、ワールドカップ終了にいかにこのサッカー場を利用するか、維持費をどうするかという問題も大きい。
 町おこしのシンボルでもある県立カシマサッカースタジアムが、練習場に格下げになることに市民らが異論を唱えることも考えられる。
 このほか新しいスタジアムは神栖町へ誘致しようという動きも強い。
 駐車場の確保、練習用グランドの整備などもあり、スタジアム建設には難しい問題が控えている。
 憶測や願望での論議を廃して、具体的な論議の積み重ねが必要である。
 新聞等の報道機関も、責任ある冷静な報道が期待される問題だ。
 一つ都市で開催されるオリンピックとは違って、ワールドカップは、交通網整備も重要な課題である。サッカーの神様ジーコ氏も、4月のシンポジウムで、交通網の整備に関して強く注文を付けていた。訴えたのがこの間題だった。
 日韓共同開催となると、成田国際空港へのアクセス道路の整備が最重要となるだろう。東関東自動車道潮来ICとスタジアムを結ぶバイパス整備、国道124号の整備、北浦に架かる新神宮橋、さらに水戸方面からのアクセス道路の整備も含め、スタジアム周辺の道路改善を急ぐ必要がある。
 また、編成の長大化を含めてJR鹿島線の充実も必要となる。
 このほか選手、役員、観客の宿泊施設の確保も必要だ。鹿島セントラルホテルの新館建設だけで対応できるか総合的に判断する必要がある。
 さらに、大会を支えるボランティアの育成・組織化も大きな課題となってこよう。
 今後激化する国内の招致合戦を勝ち抜き、茨城の21世紀の最初の巨大イベントを成功させるためには、県民の自由な論議と、英知を結集する以外に方策はない。

2002年ワールドカップを迎えるカシマの計画

 以下は、月刊「レジャー産業」3月号に掲載された2002年ワールドカップ日本開催候補都市レポートをもとに、鹿島地域のワールドカップ招致計画の概要を紹介するものです。
 一部新聞紙上では、新スタジアムの新規建設等の情報も流されておりますが、県の公式の見解は以下の内容です。計画の変更も踏まえ、今後の議論の参考にしていただければ幸いです。

 4年前にスタートしたJリーグとともに、国内で最も有名な「町」となった鹿島町は、昨年9月に北部に隣接する大野村と合併して鹿嶋市となり、人口約6万人、面積もほぼ倍の広さとなった。
 91年に茨城県は、旧鹿島町、神栖町、波崎町の三町を中心とした開発地域に対して「鹿島地域楽しい街づくりプラン」を掲げた。そのプランとは、鹿島地域にふさわしい機能をそれぞれにもたせ、旧鹿島町にはスポーツ文化施設などを中心とした「スポーツ文化コア」、神栖町にはSCやコンベンションセンターを中心とした「商業業務コア」、波崎町には海辺や河川を利用した「リゾート・レクリエーションコア」という三ゾーンを形成していくもの。
 そして開発の勢いとして最も入きかったのは当時、地元企業の住友金属工業がブロサッカーチームをもつ計画を進めていたことを契機に、サッカー場の整備などによるサッカータウンづくりの推進を打ち出したことであった。
 こうして93年に鹿島アントラーズのホームスタジアムとして、茨城県立カシマサッカースタジアムを建設。旧鹿島町が地域コミュニティの場として、また地域間交流の拠点施設として整備を進めていたト伝の郷(ぼくでんのさと)運動公園内に、サッカー専用施設として日本一を誇るスタジアムが誕生し、限りなく可能性のある新生「鹿嶋市」が浮上してきた。

W杯開催に向けた都市基盤の整備が進行中

 2002年W杯に向けたカシマサッカースタジアムの改築計画は、現段階では基本設計までだが、6月1日に日本開催が決定すれば、実施設計が97年度に行なわれる予定である。また、スタジアム建設時の施工は竹中工務店・住友建設・常総JVが請け負ったが、改築工事は一般競争入札で業者決定するとしている。なお工事は98年度には着工し、2000年度の完成を目指すという。
 事業費約200億円を投じて、現在の3階建てから4階建てに拡張、スタジアム総収容人数1万5000人から4万3340人の規模に生まれ変わる。屋根面積も2万400屬縫螢縫紂璽▲襪掘■藤稗藤全霆爐鯔たす観客席2万9000席を覆う改築が行なわれる。
 また、日本が提案するバーチャルスタジアム等のマルチメディア関連諸設備の対応にも万全の態勢を図りたいという。
 ただし建設資金は、ト伝の郷運動公園が市の所有であり建設省の都市公園事業ではないため、財政支援がそれほど多くを期待できず、一般財源と起債等によって捻出することとなる。
 一方、W杯に向けてインフラ整備も着々と進行している。「スポーツ健康都市づくり」を掲げる鹿嶋市は、ト伝の郷運動公園整備事業として、スタジアムと隣接して総工費40億円をかけた中核施設のスポーツセンターを建設中。メインアリーナ・サブアリーナ(最大2800人収容)、弓道場、柔剣道場、レストラン等で構成され、W杯時には雨天練習場とプレスセンターとして利用する見込み。
 さらに宿泊施設として、第三セクター方式で管理・運営されている鹿島セントラルホテル(神栖町)が、W杯用に新館建設の計画も立てている。
 アクセス面をみれば、W杯開催時には全世界から外国人が訪れるが、鹿嶋市はなんといっても日本の玄関口である成田空港にほど近いという大きな利点がある。また、東京からは高速バスで1時間30分、特急で約2時間の距離でもあり、日帰り圏内の立地にある。現在、鹿嶋臨海鉄道大洗鹿島線の水戸〜鹿島神宮間の輸送量は一回当たり1000人程度だが、W杯時にはその約5倍の5000人にし、短時間の輸送力をアップしたいとも考えているようだ。つまり、スタジアム観戦者4万人のうち、5000人は電車利用という計算をはじいている。
 さらに国道51号(千葉〜水戸間)のバイパス工事が進行中。すでにスタジアム前の道路工事は完了し、あとは神宮橋などの橋梁工事の計画のみとなっているが、これはW杯開催決定如何によるため現在は計画決定されていない。

アントラーズ人気とW杯で真のサッカータウン目指す

 地元サポーターの熱気はもちろん、県内全域で鹿島アントラーズの人気が定着してきた。県側は、カシマサッ力ースタジアムが鹿島アントラーズの試合となると、チケット購入申込みが常に10倍以上の倍率となる現況をみて、W杯後の4万人収容規模でも、Jリーグの試合は満席になるものと確信している。
 さらに昨年、県大会の決勝、準決勝の計3試合がカシマサッカースタジアムて行なわれ、しかも全国高校選手権入会に茨城県代表として鹿島高校が初出場するなど、鹿嶋市に新しいサッカーの歴史がまた一つふえた。こうした勢いを踏まえ、これまで以上の規模で高校・大学、JFL、トヨタチャレンジカッブ、国際試合等を実施する計画をもつ。ただしサッカー専用ということで他のスタジアムよりメンテナンスは重視することを前提に、一週間に一試合の割合で年間50〜60試合の利用を想定している。
 ほんの5年前は、鹿島神宮と鹿島臨海工業地帯のイメージが強かった街が、Jリーグによってサッカーが根付き、真のサッカータウンに変貌を遂げるかは、まさにW杯開催しだいである。

◇日本で予定されている15会場◇

15自治体スタジアム計画一覧表〔第3次計画書より〕
自治体
施設名称
区分
形態
場所
総事業費
収容人数
札幌市ホワイトド−ム(仮称)新設球技場札幌市360億円
43,000人
青森県青森県営サッカ−スタジアム(仮称)新設サッカ−専用青森市
150億円41,716人
宮城県宮城県スタジアム
(愛称:グランディー21スタジアム)
新設陸上兼用利府町
200億円49,281人
茨城県茨城県立カシマサッカースタジァム改修
サッカー専用鹿嶋市248億円43,340人
埼玉県埼玉県営スタジアム新設
球技場浦和市未定
63,000人
千葉県千葉県立スタジアム(仮称)新設
球技場市原市206億円
48,500人
横浜市横浜国際総合競技場新設
陸上兼用横浜市600億円
70,000人
静岡県小笠山総合運動公園スタジアム(仮称)新設陸上兼用袋井市
未定49,730人
新潟県新潟県総合スタジアム(仮称)新設
陸上兼用新潟市300億円
43,000人
豊田市豊田市スタジアム(仮称)新設
球技場豊田市250億円
62,300人
京都府京都スタジアム(仮称)新設
球技場城陽市未定
43,000人
大阪市長居陸上競技場改修陸上兼用大阪市401億円
42,988人
神戸市神戸総合運動公園陸上競技場
(愛称:ユニバ−記念競技場)
改修陸上兼用神戸市
300億円42,020人
広島市広島広域公園陸上競技場
(愛称:広島ビックアーチ)
改修陸上兼用広島市
799億円(公園全体)41,806人
大分県大分県スポーツ公園メインスタジアム(仮称)
新設陸上兼用大分市
250億円43,000人




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消費税率引き上げ反対キャンペーン - 平成9年4月より消費税率引き上げか?

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来年4月 消費税率5%へ!?



 消費税率の見直し作業が始まっている。現行の消費税3%は、94年秋に国会において議決され、来年4月から5%にアップすることになっている。しかし、福祉財源の確保や、景気の動向、行政改革の進行状況によって、「税率を見直す必要が生じた場合、半年前の九月末までに結論を出す」との見直し規定が付則に盛られた。

 そこで政府税調は九月末までに結論を出す方向で、4月23日から審議を開始した。

 23日の税調総会後の会見で、加藤会長は「5%への引き上げを確実に実施すべきとの意見が体制を占めた」と述べ、消費税5%を既定路線化しようとしている。

 更に、昨年一昨年と先行して実施されていた、特別減税(所得税と住民税)も、打ち切られる公算が大きくなってきた。

 大蔵省は財源難の折り、特別減税継続の場合は、消費税5%はなく6%税率を持ち出してくる可能性もある。もともと、見直し規定をつくったとき、大蔵省は「6%への見直し」を多分に意識していた。実際、当時の武村蔵相と久保現蔵相(当時、社会党書記長)が、そうした発言をしている。

 しかし、5%でも景気や生活に大変なしわ奇せを与えるのに、6%はとんでもない数字である。

 だいいち、住宅金融尊門会社(住専)処理で国民に筋の通らない税金負担を押しつけようとしている政府・大蔵省に、消費税率の値上げを言う資格はないとの厳しい声を多い。

 さらに、見直しに当たっては、政府・与党が「高齢社会への対応」と「行財政改革」に目鼻をつけることになっていた。

 ところが、この二つとも全くといってよいほど、手がつけられていない。公的介護保険の実施が先送りになったことで、将来の社会福祉の財源は見通せなくなった。規制緩和やりストラを通じた行政改革にしても、自社さきがけの野合政権が炎いして大きく出遅れている。

 何のための、見直し期間2年間であったのだろうか。

 確かに日本の財政は危機に瀕している(別項で日本の財政状況は詳しく述べる)。消費税率の引き上げの論議は、ただ財政が苦しいという論理だけで済ませるわけにはいかない。政府が何をしたのか、何をやってこなかったかを、充分に総括しなくてはならいと主張したい。

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消費税値上げへささやかな抵抗


 ところで、消費税の実施の時と同じように、税率見直し時期に、消費税税率変更の駆け込み需要が発生することに注目したい。経過措置が改正消費税法と政令で決められており、その経過措置とは「9月30日までに締結された請負契約や、一定の貸付契約であれば、来年4月以降に資産の譲渡、貸付、労役提供が行われた場合」現行の3%でよい、というのである。

 具体的には、注文建築のように、契約から、引き渡しまでの間に一定の期間が必要な取引の場合は、9月末までに契約を済ませれば、引き渡しが4月を過ぎても、現行の消費税率3%が適用されるというわけだ。住宅のような高額商品では、現行3%と5%の差、2%は無視できない金額である。

こうした動きに合わせて、住宅メーカーも「消費税駆け込み需要」をねらった販売戦略を展開している。

ミサワホームでは、低価格商品の発表と合わせて、来春以降の購入を希望する顧客に予約販売を行おうとしている。住友林業は、十月に販売予定だった予約販売システムを急遽この夏に前倒しで販売することにした。

残念ながら、3%据え置きが事実上困難な状況では、庶民のささやかな抵抗と言えないこともない。




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アメリカ連邦最高裁判所判例に見る「信教の自由」と「政教分離」

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アメリカ連邦最高裁判所判例に見る「信教の自由」と「政教分離」
マックダニエル判決(1978年)の考察
創価大学助教授:塩津 徹

塩津 徹:1948年静岡県生まれ。早稲田大学法学部、同大学大学院政治学研究科単位取得。
創価大学比較文化研究所助教授。比較憲法専攻。著書に『信教の自由を考える』。

◇テネシー州州法による聖職者の議員資格の否定は、連邦憲法の「信教の自由」「国教禁止条項」「平等保障」に反する。

 宗教者の政治活動が日本国憲法の「政教分離原則」に反するものでないことは、憲法解釈上、憲法制定時の国務大臣の発言、歴代内閣法制局長官の見解、そして憲法学の通説からも明白である。にもかかわらず、一部与党議員の中からは憲法解釈の変更と宗教者の政治活動を制限する法律制定を求める声も聞かれる。

 民主政治の基本は、憲法の枠の中で政策を議論し、コンセンサス(合意)を形成することであって、議員の数を頼りに憲法解釈を強引に曲げ、違憲の恐れが極めて強い法律を制定することなど許されないのである。

 ところで、宗教者の政治活動を制限する見解には、「信教の自由」「政教分離原則」についての誤った理解があることはいうまでもないが、ここでは、改めてそのことをアメリカ憲法の事例から検証してみる。特に、アメリカ連邦最高裁の判例理論は、わが国において、学説のみならす、裁判所の判断にも多大な影響を与えているからである。

 もっともアメリカ連邦最高裁でも直接、宗教者の政治活動の憲法上の当否が争われた事例はない。しかし、一九七ハ年の「マックダニエル事件」判決は、事件自体は聖職者の議員資格という限定された問題であったが、宗教者の政治活動の問題にも言及しており、その点が関心を持たれるゆえんである。なかでも、本事件におけるテネシー州最高裁と連邦最高裁の結論および論理構成の相違に注目してみたい。

 事件は、テネシー州議会が聖職者の議員資格を否定する州法を制定したことが発端となった。そこで、一人の立候補者が州法を根拠に、「競争相手が聖職者であって議員資格がない」との確認を裁判所に求めたのである。

 さて、テネシー州最高裁は、州法による聖職者の議員資格の否定は、連邦憲法の「信教の自由」、「国教禁止条項(わが国の政教分離原則)」に反しないと判示した。

 主な理由は、第一に、たとえ聖職者の議員資格を否定しても、それは宗教的「信念」ではなく宗教的「行為」に負担を課すものであって、その意味では「信教の自由」を侵害しない。第二に、聖職者は公職に選任されれば、必ず自らの宗派の利益、他宗派の不利益の促進のために行動する。したがって、それを抑制することが、「国教禁止条項」の目的である、としたのである。

 しかし、連邦最高裁は、それとは逆に、先の州法は連邦憲法の「信教の自由」、「国教禁止条項」、そして「平等保障」に反すると、テネシー州最高裁の判決を破棄(はき)、差し戻しを判示した。

 まず、運邦最高裁の法廷意見は、テネシー州最高裁の第一の理由に対して、一般市民が有する公職就任の資格を、聖識者を理由に否定することは、聖識者に聖職か公職かの選択を迫ることになる。そして、信念から発する行為であれば、宗教的行為を制限すること自体、宗教的信念を制限することになりうると「信念」と「行為」の一斉論を批判する。以上のことから聖職者の公職就任禁止は「信教の自由」を侵害するとしたのである。

 なお、この二分論の否定にあたって、一九七二年の「ヨーダ事件」の連邦最高裁判決が引用されているが、事件は、ある宗派に属する親が、義務教育年限に満たないこどもの通学を宗教的理由から拒否し、州がそれに対して親に罰金を科したことに始まった。

 連邦最高裁は、州が宗教的信念を貫けば罰金、罰金を免れるためには宗教的信念を捨てるという選択をこの信者に迫ることは「信教の自由」の侵害になると判示した。重要なのはここで示された法理論である。もし、宗教的信念に基づいた行為を制限する必要があるとしたら、それを正当化しうる「やむにやまれぬ利益」があることを州が証明しなければならないとして、州に挙証(きょしょう)責任を厳格に課したことである。

 次に、聖職者が公職につけば宗派的利益のために行動するというテネシー州最高裁の第二の論点について、法廷意見は聖職者を聖職者ではない人と比較しても、公務において中立であるべきという公職就任時の宣誓、そして「国教禁止条項」が求めることに注意を払わなかったことはないと判断。つまり、聖職者が宗派の利益のために行動するという確かな事実も証明されていない、としているのである。

◇ブレナン裁判官の同意意見

宗教者の活動を宗教者以外の活動と差別をつけてはいけない。
「国教禁止条項(政教分離原則)」の目的は政府の宗教への干渉を防ぐこと。
国家による規制を安易に行うのではなく、社会での自由な論議、判断をゆだねるべき

 

 そして、次にあげる本判例のブレナン裁判官の同意意見は、結論は法廷意見と同じであるが、論理構成が異なる。本件を聖職者の公職就任禁止の問題に限定せず、宗教者の政治活動の問題へと広げているのであって、貴重な示唆を含んでいるのである。

 ブレナン裁判官の意見の論点は、第一に宗教者の活動を、宗教者以外の活動と差別してはならないということである。一九七〇年の「ウォルツ事件」で連邦最高裁が、教会は他の世俗団体、私人と同様な権利を有するとしたことを引用し、宗教者の議論、結社、政治参加について、宗教者以外の一般の人々よりも低い扱いをすることは許されないと、差別の禁止を述べている。

 そして、第二には、そもそも「国教禁止条項」の目的は、政府の宗教への干渉を防ぐことであって、その逆に、宗教者が公的な生活に関(かか)わることを抑制することではないと明言する。むしろ、宗教者が公的な生活に関わってきた良さ例として、教会や宗教団・体が奴隷制、賭博、戦争、禁酒の問題に政治的影響力を行使してきたことをあげ、そのような影響力の行使を疑い、弊害(へいがい)であるとすることは「信教の自由」「表現の自由」を侵害するとしたのである。

 第三には、テネシー州最高裁のいう宗派的利益の問題への対応である。ブレナン裁判官は、もし宗派的利益を政治過程に反映させようとする「宗教的熱狂者」がいたとしても、国家、の規制を安易に行うのではなく、とりあえずは彼らの思想を「思想の自由市場」、つまり社会の中での自由な議論、判断に妻(ゆだ)ねるべきであるとする。

 そこで、「宗教的熱狂者」の主張を認めたくないならば、選挙において投票しなければよいという。ここには、宗教だけではなく様々な思想についての判断は、「表現の自由し、取捨選択の機会を保証し、国家はできる限り干渉しないというアメリカのリベラリスム(自由主義)の伝統が見てとれる。

 以上、「マックダニエル事件」での連邦最高裁の法廷意見、ブレナン裁判官の同意意見の要点を見てきたが、次にわが国の与党の論理と照応させながら、改めて連邦最高裁判決の意義を再確認しておきたい。

 それは、第一に「信教の自由」の最大限の尊重である。テネシー州最高裁が宗教を単純に「信念」と「行為」に二分して、信念という内心に関わる面は制限が許されないが、行為という他者と関わる面は公益のために制限が許されるとしたことは危険な論理である。

 なぜなら、このような二分論は、宗教は内心の問題のみに専念すべきであり、政治に関わるなどの行為は制限を受けて当然という論理に容易に結びつきやすいからである。とりわけ、わが国のように、宗教は精神的なものであるとか、来世の問題であって、社会の現実に関わるものではないとの宗教観が根強い社会においてはそうである。

 もちろん、宗教者がそのような教義を持つことは自由であるが、ただし、国家が権力によってそれを強制することは許されない。なぜなら、宗教の中には宗教的信念に基づいて社会変革を志向する宗教も存在し、これも等しく憲法の保障するところである。

 そして、「信教の自由」は、内心のみならず、社会に関わる「表現の自由」「結社の自由」も含まれとするのが、わが国およびアメリカの憲法学の常識であるからである。

 連邦最高裁もそれゆえに、「国教禁止条項」を理由に「信教の自由」を制限する必要がある場合も、州(国家)に人権を制限せざるを得ない「やむにやまれぬ利益」の証明を課すというように、きわめて厳格に限定する一方で、「信教の自由」を最大限に尊重していることに注目したい。

◇本末転倒した一部自民党議員の俗見・・・合理的根拠・学問的常識の欠如

 ところが、わが国の場合は、一部与党議員の議論はそれとは対照的である。要するに、「政教分離原則」を国家の宗教に対する中立性という学問的常識によらず、もっぱら宗教と政治の相互不干渉という俗見(ぞっけん)による解釈で大上段(だいじょうたん)に構えている。

 その一方で、宗教者の政治活動という「信教の自由」に含まれることがらに対しては、何ら合理的根拠も、つまり「やむにやまれぬ利益」の証明もせずに安易に制限しようとしているのである。

 本来、「信教の自由」と「政教分離原則」の関係は「目的」と「手段」の関係にあることを考えれば、「信教の自由」は最大限に尊重されなければならず、その点、一部与党議員の議論は本末転倒(ほんまつてんとう)であるといわざるをえない。

 第二に、宗教者に対する「平等」の扱いである。連邦最高裁の判決では、宗教者だけが特定の利益のために公権力を行使するという偏見(へんけん)は否定され、また宗教者だけを議論、結社、政治活動などの面で差別することも批判されている。

 言いかえれば、なぜそのような差別をするのか根拠かないということである。ハーバード大学のトライブ教授も指摘しているように、マルクス主義者、環境保護を主張する人々は、宗教と同じく思想を掲げているのに政治活動の制限を受けず、なぜ宗教者だけが政治活動の制限をされるのか、合理的な理由を見いだせないのである。

 そして、わが国の場合は、それ以上に諸思想と比較して、民衆の生活の指針となってきた宗教を一段と低く見る風潮が、これに拍車をかけているとしか思えない。また、永らく宗教を政治支配の道具としてきた歴史を背景に、政治家の中には宗教への侮蔑(ぶべつ)観さえある。いずれにせよ、宗教者だけの政治活動を制限することは、宗教に対する不当な差別であって、憲法の平等保障に反する。

 第三に、市民の自由な意見表明の保障である。ブレナン裁判宮の「思想の自由市場」のように、思想は市民の自由な選択にゆだね、たとえ思想が政治的行為となって表現される場合も、投票にゆだねるべきである。

 ところが、わが国の場合は、選挙で負けた腹いせとばかりに、法律による政治活動の制限という権力的手段をとろうとすることに大きな相違がある。与党の中には、こともあろうに権力を誇示して、言うことを聞かない相手に制裁をちらつかせる議員もいるが、あくまでも言論と選挙によって政党の優劣を争うべきであることは当然である。

 また、この点、社民党(旧社会党)の行動にも不可解なものを感じる。旧社会党の有力支持団体である公務員の労働組合は、国家公務員法、人事院規則等で、政治活動を大幅に制限されている。多くの憲法学者は人権保障の観点から、公務員の政治活動に対する包括的な制限は合理的な根拠を欠くと批判し、社民党も学界の指摘を頼りにその不当性を声高(こわたか)に主張していたはずである。

 ところが、政権政党になって、こんどは政治活動の自由を制限する側に回ってしまうようでは、かつての主張は所詮、党利であったのかという疑問がもたれよう。

 民主主義は、初めから市民の意思を「べからず」で制限することではなく、宗教等の様々な思想、社会的立場にある人々の自由な意見表明、及び平等な政治参加を保障されてこそ、多様性と活性化がもたらされるのである。

 わが国の場合は、ともすると権力的規制が優先され、市民的自由がないがしろにされる傾向があるが、いずれにせよ、わが国だけでなくアメリカの例を見ても、宗教者の政治活動の間題については、「信教の自由」、そして「表現の自由」「結社の自由」という人権保障を基本に考えるべきであって、党利党略で論ずべきことからでないことは明らかなのである。

憲法20条の解釈に関する私見

Last Up Date: 05/24/1996 11:17:23




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ディーゼルエンジン排気ガスと環境を考える

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ディーゼル車と環境保護を考える

car 私は、昨年9月までディーゼルエンジンの乗用車に乗っていました。少々音が大きいのを我慢すれば、燃費は抜群、力もあり、年に3万キロは走る私にとって、欠かせない車でした。

 その我が愛車が、調子を壊し、14万キロの寿命を果たしたとき、妻が思わぬ提案をしました。

 「環境を守るためにガソリン車にしましょう」と、

 やりくり上手の妻の言葉とは思えぬ意外な言葉でした。妻は、雑誌でディーゼルエンジンの排気ガスが、環境に大きな影響を与えていると言い出したのです。

 現在、大気汚染の主要な原因物質とされているのは窒素酸化物(NOX)と浮遊粒子状物質(SPM)の二種類である。特にSPMの一種でディーゼル車の排気ガス中に含まれる微粒子(DEP)は、発ガン性やアレルギー性鼻炎の原因物質であることが確認されているという。(下記に掲載した新聞記事参照)

 更に昨年11月に発表された、つくば市の環境庁国立環境研究所大気影響評価研究チーム(代表・嵯恋井勝総合研究官)の、「DEPが動物実験でぜんそくの一因となる」とする一連の研究成果は、医学界に大きな反響を呼んだ。

 DEPとはディーゼルエンジンの不完全燃焼で生じる黒煙に含まれる浮遊粒子状物質のひとつ。ディーゼルガソリン車の黒煙の量はガソリン車の30〜100倍に及ぶ。

 排気ガスはガス状成分と粒子状成分に分類され、ガス成分としては窒素酸化物、硫黄酸化物があり、DEPは粒子成分で直径2ミクロン以下の極微粒子を指す。

 ガス成分と異なり粒子は肺細胸内へ長い時間を掛け徐々に沈着するため、慢性疾恵、特に肺の発がん作用が指摘されている。

 財団法人結核予防会結核研究所の調べでは、ディーゼル機関車運転手の退職後の肺がん発生率は一般の1〜4倍に達するという。

 大気汚染の主因はディーゼル排気ガスと考えられ、都市部の「かすみ」の正体でもある。DEPの中にはさらに2000種の化学物質が含まれる。DEPは都市部でのSPMのうち圧倒的な比重を占めている。

 平成7年の11月、国立環境研究所大気影響評価チームは、ディーゼル排気微粒子が人間のぜんそくの原因の一つであることをマウスで明らかにした実験結果を発表した。

 実験では、通常の生活で吸入する程度の排気ガスから出るDEPの直接投与をマウスに行い、さらにアレルギーを起こす物質(抗原)を同時に投与した。すると、少量短期間で、血管透過性の昂進、粘液の過剰分泌、気管支粘膜下の炎症、気道過敏性の昂進といった慢性の気管支ぜんそくの基本的な病態全てが顕著に現れた。

これまで、有害な大気汚染物質を実験的に研究し因果関係を証明したものはなかった。ぜんそくがDEPにより発現される相関が明らかにされたとして大きな関心を呼んだ。

 同研先チームでは「人間がハウスダストなどと一緒にDEPを吸うと喘息の病態は確実に起こる。逆にいうと空気中にDEPがなければ、喘息はおきないのではないか」と指摘する。

 研究は今も各分野から高い関心を集めている。問い合わせ相次ぎ、一般の人からは「もっと詳しく知りたい」、あるいは「数年前に幹線道路沿いに引っ越した。しばらくしてから咳などぜんそく症状が現れて困っている」と相談を持ち込まれるといったケースが多い。

 また、住民がせんそくに陥ったのは幹線道路からの自動車排気ガスによるものとして、国と首都高速道路公団を相手に損害賠償を求めている「川崎公害訴訟」(原告128人)控訴審で、同チームの総合研究官が原告側の証人として出廷、証拠として因果関係の科学的根拠となる証言を提出した。この裁判で因果関係が認められるならば、今後の自動車公害への司法判断に大きな影響を与えることになる、というのが原告側弁護団の見方だ。

 同チームは今後、人体の健康に及ぼすリスク評価を疫学的な調査を踏まえながら行っていくという。「DEP=ぜんそく」の相関を明らかにするためDEPの測定用機械の開発をメーカーとの協力体制の下で進めている。またディーゼル排気ガス(DE)を直接吸わせる実験も継続している。現時点でアレルゲンとの併用投与で既に病態は発現している。これらの成果は秋の大気環境学会で再び発表されることになっている。

 研究官のひとりは次のように強調する。「ディーゼル車は環境を激しく汚染するものです。環境に負荷を与える生活はやめるべきです。被害を受ける立場に立つなら、DEPが男性の精子の運動量を低下させるという報告もあります。それは子孫の問題にまでかかわってきます。ディーゼル排気ガスをなるべく出さない生活を選択する努力が求められています」と。

 以上は、新茨城新聞の記事を中心にディーゼルエンジン排気ガスと環境汚染との相関をまとめたものである。ここまで、具体的な資料を提示され、そのまま黒い煙を吐き続ける車に乗ることもできない。

 そんなわけで、五台続いた我がディーゼル乗用車の歴史は閉じられ、ガソリン車がやってきたのです。

 蛇足ながら一言付け加えると、自然を愛すると自他共に認める方々が、大型の4輪駆動車(いわゆるRV車)にのって、町中を闊歩され、林道を砂煙を上げ疾走し、砂浜を我が物顔に走り回っている。

 自然を守る、環境を守ると言うことを真剣に考えると、RV全盛の今のブームが不自然に思えてならない。皆さまのお考えをいかがであろうか。

待たれるディーゼルエンジンの排気浄化装置

 同じくつくば市の財団法人日本自動車研究所が開発した、DEPを九割除去する「ディーゼル排気浄化装置」が今、注目されている。

 つくば市苅間の財団法人日本自動車研究所は8年前から三菱、いすず、日産ディーゼル、日野の四つの大手ディーゼルエンジン会社とともにディーゼル排気ガス除去装置の開発を行ってきたが、DEPの排出を90%以上抑えるという画期的な排気浄化装置「ディーゼルパティキュレートフィルター」装置(DPF)を3年前に試作した。

 同装置はマフラー部分に取り付ける。ミカン箱程度の大きさで重量20〜30圈数ミクロンの貫通孔が無数に空いている耐熱性の高いセラミック製(コーディェライト)のフィルターで濾過する。現行の装置の価格は装置自体は250万円、改造費用が200万円程度とかなり高い。

 昨年4月から神奈川県横浜市交通局の市営バスと東京都交通局の都バスがそれぞれ2台ずつに搭載して実験走行させていたが、横浜市では今年度30台分を新たに導入することを決めている。(下記掲載新聞記事参照)

 同研究所須藤英夫主任研究員は浄化装置について、「精度は高く、特徴的な黒煙は全く出ない上に、走行には問題はありません。残念ながらまだ試作段階で、実用に至るまでにはあと2〜3年は最低必要になるのではないでしょうか」と話している。

 燃料費が安価で税金も低い割に馬力があるディーゼル車は運輸業、バスといった商業車に多い。最近ではRV車など一般の乗用車でも一割強がディーゼル車で、さらに増加している状況にある。ディーゼル排気微粒子問題は生活に直接かかわっている。須藤主任研究員は排気浄化装置について、「メンテナンスが重要となる性格の装置です。やはり一般の人たちがディーゼル排気微粒子についてどう考えるかがか重要です」と語っている。



排ガス対策、多角的視点で ディーゼルに肺がんの原因物質
94.05.13 読売朝刊

 ディーゼル排気に含まれる微粒子「DEP」が、ぜんそくばかりでなく肺がんの原因にもなっていることが科学的に裏付けられ、環境庁は健康被害の元凶、DEP対策に本格的に取り組むことになった。(科学部 小出 重幸)

 DEPは、ディーゼル排気微粒子(Diesel Ex‐haust Particles)の略語。

 厚生省の調べによると、19670年に人口十万人当たり10.2人だった国内の肺がんの死亡者は、92年には3倍(32.5人)に急増した。この間、ディーゼル車の台数も240万台(78年)から1050万台(93年)へと、4倍以上に増えている。

 排ガス汚染と健康の研究を続ける岩井和郎・結核研究所顧問は、「両者を直接結びつける証拠はないが、動物実験から試算した結果では、日本人の肺がんの5〜7%はDEPが原因と推計され、首都圏など都市部ではそのリスクは2〜3倍になる」と警告している。

 酸素は、生命エネルギーを支える一方、反応性に富む「活性酸素」の状態では、遺伝子を攻撃する物質(ヒドロキシラジカル)を生み、がん細胞や組織の炎症を作り出す。DEPが大量に作り出す活性酸素が、肺がんの原因と突き止めた国立環境研究所などの研究結果は、この警告を補強する意味を持つ。

 しかし、これまでの排ガス対策行政は、酸性雨の原因にもなる窒素酸化物(NOx)を中心に進められてきた。環境庁は一昨年制定の自動車NOx総量規制法に基づき、総排出量抑制と個々の車両規制の両面で、6年後に9割の地域でNOxの環境基準を達成する計画だ。

 NOxの監視体制が確立している反面、DEPは「浮遊粒子状物質(SPM)」として、ホコリや黄砂といっしょに、十把ひとからげに測定されてきた。このため単独の汚染実態も未解明のまま。

 「健康への影響はDEPの方が深刻」という指摘はあったものの、実証する研究が少なかったことが対策の遅れを招いた。環境庁はようやく今年度から、大都市の汚染実態調査、走行と排出実態の把握、低減目標の設定など、総合的なDEP低減対策に乗り出す。

 一方、中央環境審議会も長期目標として、「99年までにディーゼル排気に含まれるDEP排出量を6割以上削減する」ことを、国に義務づけている。これを受け、メーカー各社はディーゼルエンジンの改良に取り組んでいる。

 しかし、NOx排出量を下げればDEPの排出量が増え、DEP排出量が減ればNOxが増えるという傾向があり、汚染の主役とされるトラック、バスなど、中、大型車エンジンのNOxとDEPを同時に低減する技術は、まだめどが立っていない。国は、DEP排出量が三十分の一以下のガソリン車、あるいは電気自動車など低公害車への転換を進めているが、こうした“対症療法”で事態は解決できるのだろうか。

 「沿道汚染」(光文社)の著者、前田和甫・帝京大医学部教授(公衆衛生学)は、「車社会の利害を、私たち一人ひとりが考え直す時期にきている。マイカーの使い方、流通システムの変革、都市構造まで視野に入れた多角的な取り組みがなければ、解決には近づかない」と指摘する。

 NOx、DEPばかりではない。地球温暖化の原因となる二酸化炭素は、15%余が自動車によって排出される。3月21日に発効した「気候変動枠組み条約」は、世界各国に二酸化炭素の排出削減を義務づけ、地球環境の面からも変革を迫る動きは進んでいる。

 DEP汚染が提起した問題は、もはや医学的な警告や運輸業界の規制という単純な視点では、車社会の矛盾は乗り越えられないことを示している。

横浜市バスに浄化装置 発がん性排気微粒子を9割除去
96.02.07 読売新聞

 自動車のディーゼルエンジンから排出され、発がん性が問題になっているディーゼル排気微粒子(DEP)を90%減らす排気浄化装置「ディーゼル・パティキュレート・フィルター装置」を、横浜市は、来年度から市営バスに搭載することを決めた。

同装置の本格導入は、全国の自治体でも初めて。新年度当初予算案に30台分、1億3500万円を計上する。

 装置はミカン箱程度の大きさで、重さ20〜30キロ。財団法人日本自動車研究所が、1988年から大手ディーゼルエンジンメーカー4社に依頼し、開発を進めてきた。どんな型のバスにでも搭載できる。

 横浜市は、昨年3月から東京都と開発に加わり、装置を搭載したバスを試験的に走らせてきた。同市は、1000台ある市営バスに順次搭載していく。

 DEPは、粒径1ミクロン以下の微粒子で、発がん性物質のベンツピレンやニトロピレンを含み大気汚染の新たな原因とされる。

 同市の担当者は「全国のバス運行事業の手本になればと考えた。需要が増えれば値段も下がり、導入しやすくなる」と期待している。

Last Up Date: 06/10/1996 17:06:26




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借金大国日本を考える - 住専処理予算で借金膨張の一途

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住専処理予算で借金膨張の一途

 「財政再建に向けて、展望を持った予算とは言えない」・・・。自社さ連立政権下で成立した本年度予算について、当時編成に当たった大蔵省の篠沢前事務次官はこう言い切り、欠陥を認めた。自社さ政権の経済失政による税収の伸び悩みで、歳入と歳出のギャップである財政赤字が拡大し、当初予算としては7年ぶりに、返済の当てのない赤字国債を史上空前の約12兆円も発行するなど、「国の顔」といわれる予算において、財政の借金体質が鮮明になったからだ。しかも自社き政権は、ただでさえ財源不足の中で、住宅金融専門会社(住専)処理の穴埋めに、赤字国債(6800億円)と建設国債(50億円)を充て、借金を一段と膨らませる無謀な事態に追い込んだ。このため、国債発行の総額は21兆円にも上り、過去最高を記録。本年度末の国債残高は241兆円と、国税収入の五倍近くにも相当する見込みだ。これに、国鉄清算事業団の債務をはじめとする「隠れ借金」44兆円を加え、さらに地方自治体の借金136兆円を合わせると、国全体の借金は、何と421兆円の巨額に達する。

国民一人当たりでは340万円にもなり、国全体が「借金漬け」

 赤字国債を大量に発行すれば、金融市場の民間資金は政府に吸い上げられる。これによって長期金利が上昇し、民間の設備投資や住宅投資が抑制されるため、経済成長や生活向上に副作用をもたらす要因にもなる。なぜ、これほど財政が悪化してしまったのか。バブル経済の崩壊による長期の景気低迷が根っこにあるのは事実だが、こうした状況に対し、何ら有効策を講じてこなかった連立与党の経済矢政が相乗的に重なったことは明らかだ。まさに自社さ政権の「危機先送り」体質が招いた結末といえる。

硬直化したままの公共事業配分

 さらに、何よりも問題なのは、緊迫した財政事情にもかかわらず、政権、行政ともに危機意識が欠如し、財政改革の機運が極めて乏しいことだ。今、求められているのは、時代の変化に応じて、予算の出口である歳出を抜本的に洗い直し、壮大な無駄に切り込んでいく政治の実行力だ。しかし、本年度予算案が閣議決定された昨年12月25日の翌日付の全国紙の社説で「改革の方向が見えない予算案」(読売)、「構造改革に背を向けた政府予算案」(日経)などと批判が集中したことからも分かるように、自社さ政権下では「改革」への道筋が全く描けていない。

 事実、効率的配分が一層求められる公共事業でも、既得権益の維持をもくるむ与党族議員の抵抗の前に、ほとんど見直しは進まず、旧態依然とした事業別、省庁別配分比率くシェアごが続いている。復活折衝を通じて繰り広げられたのは、相も変わらぬ各省庁による予算の「分捕り合戦」だった。公共事業の中身を検証しても、高度経済成長期とほとんど変わらない土木事業中心となり、建設省と農水省が、同じ地域にほぼ並行して同じような道路を造成するなど、全く無駄な重複投資も多い。これに対し、今後の日本経済活性化の先導役となる情報通信、科学技術などへの予算配分はスズメの涙程度なのだ。

 結局、自社さ政権の下では、事業別シェアの変更幅は二年連続して減少し、コンマ以下の変化しかない。「94年度予算では細川政権が『シェアの見直し』を最重要課題として掲げ、わずかながら改善された」(95・12・26付毎日・社説)にもかかわらず、また後退である。自社さ政権が「改革逆行政権」といわれるゆえんがここにある。

 要するに、無駄な財政支出に切り込めないことが、財政危機の要因だ。歳出の見直しは、何よりも行政自身が徹底的なリストラ(事業の再構築)を行う「行政改革」の断行が先決である。特に、新進党が主張する中央省庁の統廃合に大ナタを振う根本的な改革が迫られているが、現連立政権はこれに何ら手を付けようとしていない。

 もはや予算編成の従来的手法は限界にきており、新進党が提唱するように、硬直化した一律シーリング(概算要求基準)方式による抑制手法を廃止し、政策のプライオリティー(優先順位)を明確にし、予算にメリハリをつけることが不可欠だ。

国民負担率も上昇…ツケ回し許されず

 一方、急速に進む高齢化の中で、社会保障の増大は避けられず、財政に対する国民負担は増すばかりだ。国民の税負担に社会保険料などを加えて、国民所得で割った「国民負担率」は、95年度見込みで28.8%、96年度では37.2%と上昇の一途。高齢化がピ一クを迎える2025年には、50%程度に達する可能性が高い。

 そうなれば、サラリーマンの給料の半分が税金と社会保険料に消えていくことになる。財政再建が遅れれば、国庫からの支出が先細りし、それだけ国民の負担が増していくことになるのだ。財政危機は、そのまま未成年や後世代へのツケの先送りを意味する。それだけに、財政の在り方をどう位置付けるか、総合的な検討が迫られている。その場しのぎや問題の先送りは許されず、中長期的な視点に立った構造改革こそ急務だ。

最終更新日:1996/May/22




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借金大国日本を考える - 地方財政も火の車

syakkin

地方財政も火の車

 財政の借金体質は国家ばかりではない。地方財政も、年々悪化の一途をたどり、国と変わらぬ「火の車」状態にある。

 都道府県をはじめ市区町村の予算については、各自治体が独自に予算編成を行っているが、国でも全地方自治体の一年間の歳入、歳出の見込みを示す地方財政計画を作成している。これには、

地方財源の不足額に対して地方交付税率の検討など必要な措置をとる
地方財政のあるべき姿を示す・・・などの狙いがある。同計画は毎年度、国の予算編成と同時期に策定され、日本の財政全体の姿を明らかにする役割も果たしている。

 1996年度の地方財政計画は、前年度比3.4%増の85五兆2848億円に上り、国家予算をしのぐ。この現象は87年度から始まり、96年度比でも国を13.6%上回る規模に達している。

 国家予算と同様、地方においても歳出と歳入のギャップは相当の開きがあり、財源不足が深刻だ。ここでは特に地方債(公債)に焦点を絞って財政赤字度をチェックしてみよう。

 地方財政計画によると、長引く景気の低迷や産業構造などによる税収の伸び悩みから、96年度の地方の財源不足額は、8兆6200億円が見込まれる。この不足分は国からの地方交付税の増額や地方債などを充てなければならない。このうち、96年度における地方債の発行見込み額は、国の赤字国債に当たる減税補てん債1兆6000億円を含めて12兆9600億円。前年度比で17.7%の伸びだ。歳入に占める地方債発行の割合(地方債依存度)も、15.2%と過去最高値に達し、「地方財政の赤信号」といわれる15%を突破した。

 地方債の元金償還や利払い費用となる公債費も、前年度比15.2%増の8兆8600億円に上る見込み。公債費以外の歳出の伸びが2.1%にとどまっていることからすれば、いかに突出した数字であるかが分かる。

 このため、96年度末には、自治体の普通会計で負担する公営企業債を含む地方債の発行残高は120兆円を超え、さらに交付税特別会計借入金を含めた地方の借入金残高は、136兆円に達する見込みだ。国民一人当たりに換算すると約100万円弱の借金を抱え込んでいる計算になる。この額は同じく96年度末で241兆円に達する国の国債残高に比べれば実額では少ないものの、過去三年間の増加率が50%以上と国債の約25%増を大きく上回っており、悪化速度は国より深刻。このように地方も「危機的な財政状況」に陥っているわけだ。

茨城の県債発行残高:1兆627億円

 具体的に茨城県の予算を見てみると、1兆円あまりの県の予算に対して、県債発行額が1486億円となった。

 これは、予算に対する県債依存高で14.1%に達し、地財計画の15.2%より若干下回っているものの、その伸び率は19.2%と地財計画(13.0%)を大きく上回ってしまった。

 発行残高は、平成8年末の予測で、一般会計8749億円、特別会計が1878億であり、合計で1兆627億円となる。これは、県民一人当たり35万1600円となる計算である。

 茨城県も、急速に借金大県と成りつつあるといえよう。

歳出削減、税収増実行しにくい体質

 地方行政の足腰の弱さを象徴するものに「三割自治」という言葉がある。税収に占める地方税の割合が三割程度であることや、国から地方自治体に委任される事務が七割に上ることからそう呼ばれる。

 地方自治体の行政に必要な財源は、それぞれの地域社会で負担されることが望ましい。しかし、現実には、著しい地域格差が存在する。このため、国は地方交付税や補助金を通して均衡を図ることにしている。言い換えれば、各自治体の財政基盤の強さには関係なく、落ちこぼれが出ないよう国の指導や規制によって航行する「護送船団方式」をとっているのだ。

 地方の財政は、この護送船団方式が今も温存されていることから、自治体は「親離れ」ができにくく、財政運営の責任もあいまいになりがちで、「無駄遣いをしやすい仕組みになっている」という指摘もある。地方交付税や補助金は、国からあてがわれる性質のものであることから、ややもすれば必要以上に支出が膨らみ、歳出削減や税収増への自治体の自主的取り組みがなされにくいからだ。

 たしかに、財政の自主性が高まらなければ、住民に対し、行政サ一ビスと税負担の分かりやすい選択肢を示すこともできなければ、効率的な行政運営も進みにくい。

 事実「公明」地域からの改革推進委員会が4月8日に発表した「地方分権・事実、規制緩和に関する重点項目調査」によると、市町村が望む権限移譲の三位に「地方財政の強化」が挙げられた。地方分権の大前提として、いくら権限を与えられてもそれに見合う財源がないと分権は推進できないとの切実な訴えだ。地方の赤字財政も国民の借金であることに変わりはない。住民生活が魅力的であるためには、その自治体の財政も健全でなければならない。それだけに、交付税や補助金に依存する構造そのものの改革を含め、「右肩上がりの借金体質」に甘んじている地方財政に一刻も早くストップをかけ、健全財政へと転換する思い則った改革が望まれる。

最終更新日:1996/May/22




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