第3回公明党全国大会、重点政策 - 第2部『7.科学技術創造立国で世界に貢献します』

001105komei_top

2000/10/23update

第3回公明党全国大会 重点政策(案)
21世紀「健康日本」の構築

―― “活力と安心の生活大国”をめざして ――


第2部

七 科学技術創造立国で世界に貢献します

 20世紀は、科学技術の大きな進歩によって、国民の平均寿命は大幅に延び、豊かで快適な生活が可能となった世紀でした。21世紀においては、これまでに生じた環境問題を解決して循環型社会を築いていくことや、少子高齢社会において、一人一人が安心して暮らせる社会を創っていくため、特に科学技術の分野が総力を上げて取り組んでいくことが求められています。また、情報通信技術の目覚ましい進歩に遅れることなく新産業の創出を促す研究開発を進め、その成果の活用を通じて経済構造改革を推し進めることも必要です。
科学技術創造立国によって、次代を担う若者が夢と希望と高い志を持つことを可能にし、近年の経済停滞による社会全体を覆う閉塞感を打破し、21世紀のわが国を「知的存在感があり人類の未来と世界の平和に貢献できる国」として新生させることをめざします。

1 21世紀の国づくりに向けた総合戦略の構築

 21世紀のキーワードになる高齢社会、循環型社会、IT社会を構築するには科学技術が大きな役割を果たします。その際、限られた原資を、どの分野の研究開発につぎ込むかが、国の将来の繁栄を左右します。その総合戦略は、内閣府におかれる総合科学技術会議が立案することになりますが、その会議の充実――調査・分析・評価能力に裏打ちされた戦略立案機能の充実――に力を入れます。

2 競争的資金の拡充による研究開発の活性化

 日本の科学技術の将来を左右するのは、基礎的研究を受け持つ公的研究機関、特に大学がその潜在力を十分に発揮するかどうかにかかっているといっても過言ではありません。しかし、これまでの大学は閉鎖的であり、年功序列という風潮が支配的であったと言われています。研究者が、創意やオリジナリティーに基づいて研究提案をし、競争的な環境のなかで研究を行い、成果を競い、それが公正に評価され、その成果が社会や産業界に生かされていく環境に変えていきます。このため、競争的研究資金を大幅に拡充します。
 また、研究資金の充実とともに、これまでの徒弟制度にも似た大学の研究体制を見直す必要があります。ノーベル賞級の成果はほとんどが30代までの業績といわれており、若い有能な研究者が、その能力を十分に発揮できるような流動的で開かれた研究体制を整備し、その活動を支援します。

3 研究評価システムの確立

 研究投資の配分の決定や有能な若手研究者の登用などの基礎となるのは、いわゆる目利きによる研究評価です。仲間内、あるいは世界水準での研究成果の質を問わない評価は、研究開発投資のムダにつながります。科学技術への投資拡大は、わが国の豊かな将来を確固たるものにするため最重要課題であることは間違いありませんが、同時に研究投資の効率を上げるため、適正な評価システムをつくっていきます。

4 人類の新フロンティアの開拓

 宇宙や海洋は人類に残された最後のフロンティアです。また、ナノテクノロジーなどミクロの世界もこれからの科学技術の大きな発展の可能性を秘めたフロンティアです。さらに、生物の持つ複雑かつ精緻な機能の解明や人の心をつかさどる脳の機能の解明も、新しい科学のフロンティアです。21世紀のわが国が夢と希望を持って前進するためにも、これらの科学技術のフロンティアに果敢に挑戦します。

5 生命倫理問題に配慮したライフサイエンスの振興

 21世紀は生命科学の世紀といわれています。ヒトゲノムの解読がおおむね終わり、生命科学が新しい段階を迎えた今、このゲノム情報を使って、病気の発生原因の根本的解明や画期的新薬の開発など、いわゆる「オーダーメイド医療」の早期実現をめざします。国民一人一人が健やかで活力ある高齢化社会を送れるよう、こうしたゲノム関連研究をはじめとするライフサイエンス研究に重点的、戦略的に取り組んでいきます。また、生命科学の振興に当たっては、クローン技術の規制問題に象徴されるように、生命の尊厳や倫理の確立がもっとも重要です。生命の尊厳を重視する党として、公明党は積極的に生命倫理の問題に取り組んでいきます。

6 科学技術分野の国際協力の推進

 科学技術は人類共通の知的財産であり、科学技術の国際協力は、世界の平和と繁栄に寄与するだけでなく、この宇宙船地球号のなかで、人類がさらに持続的発展を遂げていくために極めて重要です。国際社会におけるわが国の立場を踏まえ、宇宙ステーション、深海掘削、核融合等さまざまな分野において主体性を持って国際協力に取り組んでいきます。さらに基礎研究分野の協力や国境を越えた人材の交流なども拡充していきます。
また、地球環境問題や資源・エネルギー問題など地球規模の諸課題の解決に向け、わが国のリーダーシップを発揮していきます。

7 次世代を担う子どもたちの理科教育

 次世代を担う子どもたちの理数離れが指摘されています。自然や先端科学に触れ科学の面白さを体験する機会、ITを利用した学習の機会を増やすなどさまざまな工夫を行い、"こころの教育"と並んで、知恵の時代に生きる子どもたちに理科、数学など、科学技術の基礎を学ぶ機会を増やします。

このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

第3回公明党全国大会、重点政策 - 第2部『6.環境共生のエコロジー社会の実現』

001105komei_top

2000/10/23update

第3回公明党全国大会 重点政策(案)
21世紀「健康日本」の構築

―― “活力と安心の生活大国”をめざして ――


第2部

六 環境共生のエコロジー社会の実現

 公明党はこれまで、ダイオキシン汚染など数多くの化学製品が私たちの生命と生活に大きな不安と深刻な影響を生起している現状に歯止めをかけ、失われた良好な環境を取り戻すとともに、環境汚染を未然に防止するために、総合的な環境対策に取り組んでまいりました。
 21世紀における持続可能な経済発展をめざし、循環型社会の構築や環境省の機能強化、廃棄物行政の一元化等にかかる実効性のある環境施策等を推進し、環境立国として世界をリードしていける国づくりを進めます。

1 環境省の機能強化と充実

(1)環境行政機能の強化と廃棄物行政の一元化

 化学物質の審査及び製造の規制をはじめ、中央省庁再編基本法において環境省が共同で所管するとされた事項について、環境省が強いリーダーシップを発揮できるよう、諸外国の環境省並みに組織・体制を整備します。このうち、特に放射性物質の監視については、十分な体制と予算をもって速やかに実施します。また、廃棄物行政については、環境省への一元化に伴い、循環型社会の構築へ向けて思い切った施策を展開します。環境基本計画については、数値目標等を盛り込んだ実効性あるものに見直します。

(2)環境アセスメント(環境影響評価)法の改正

 公共事業を環境共生型のものとするため、代替案の検討を義務づけることや、計画策定の段階から環境影響を予測・評価する「計画アセス」の仕組みを設け、環境アセスメント法に盛り込みます。

(3)森林行政の見直し

 近年、わが国の国有林をめぐる情勢は、営利事業というより環境・国土保全に重点を置く立場へと変化しており、国有林野行政のあり方を再検討する必要があります。とりわけ、国立・国定公園の自然を守るための公共施設の整備及び人的配置の推進、拡充をはかります。

(4)水道行政の一元化

 内分泌かく乱物質など多種多様な微量化学物質が環境中に存在するようになり、水道水の確保を量ではなく質として問題視しなければ国民の健康は守れません。このような水道水源の保全の問題は水道事業者の努力だけでは対応が困難です。また、水道水源は産業廃棄物の最終処分場に近接していること等もあり、河川、地下水などの水質と上水道の水質を一体として保全するために根本的な対策が求められています。環境省が水道原水の水質管理・水源林の保護と水源から末端の上水道供給まで一元的に担当して自治体と連携を取りながら責任を担うことを明確にします。

(5)ディーゼル車の排出ガス対策を積極的に

 ディーゼル車に起因する窒素酸化物(NOx)による酸性雨や光化学スモッグなどの大気汚染問題、また、尼崎公害訴訟に代表されるディーゼル排気微粒子(DEP)による発ガン性やアレルギー疾患、特に気管支喘息、花粉症などの健康被害が、懸念されています。
自動車NOx法の抜本改正により、対象地域の拡大やディーゼル排気微粒子を含む粒子状物質(PM)を規制の対象とするとともに、低燃費・低公害車への代替促進やNOx、ディーゼル排気微粒子の排出を抑制する燃料を含めた技術開発を推進します。

(6)生物多様性の保全

 人間活動の急激な拡大による地球温暖化や環境汚染により、地球生物圏の財産というべき、生物多様性がおびやかされている現状を克服するために、必要な生態学的データを集積するとともに、生態系プロセスのモニタリング等科学的知見からの調査研究を推進します。また、生物多様性条約を実効性のあるものとするため、野生生物種の保全、湿地、森林をはじめとする生息地保全、新たな保護区の設定等、国家間協力を積極的に推進します。

(7)河川や湖沼の水質汚濁を防止

 “水と空気はタダ”という時代は終わりました。自然環境のなかでも最も生活と関連の深い水の汚染を防ぐことは重要なテーマです。特に河川や湖沼等の水質汚濁を解決するため、合併処理浄化槽の普及を推進するとともに湖沼法を抜本改正し、周辺の土地利用対策や生活排水対策を強化します。

2 ダイオキシン・ゼロ社会の構築

(1)発生源対策の抜本的強化

 わが国の大気へのダイオキシン類排出量が、欧米と先進主要国のなかでもっとも多いことが国連環境計画(UNEP)の報告書において明らかになり、わが国のダイオキシン汚染の深刻さを裏付けました。公明党が強力に推進し、成立したダイオキシン類特別措置法を本格的に運用して、大気・水・土壌の環境中の「ダイオキシン・ゼロ」をめざし、安心で安全な食生活を実現します。
 主要な発生源であるゴミ焼却施設の排出規制を徹底し、補助の対象施設を一般廃棄物の一日処理能力100トン以下の焼却炉や建屋等をも加えるとともに、補助率のアップと補助対象の拡大を行います。 また、発生源として特定施設に指定されていない施設についても調査・監視体制を強化していきます。
 さらに、国民が安心できる産業廃棄物処理施設の円滑な整備のために、公的助成措置を創設します。事業系ゴミや産業廃棄物のダイオキシン対策のための施設投資には、モデル施設設置への補助や無利子の建設譲渡や低利融資を促進します。

(2)ダイオキシン汚染の浄化対策の推進

 発生源対策と並んでより重要かつ深刻な問題は、すでに水域や土壌に広く蓄積されてきたダイオキシン類対策です。そのほとんどは焼却行為によるものだけでなく、全国で使用されてきた農薬(ダイオキシン類が混入したCNPやPCP等)によるものです。
 一般廃棄物及び産業廃棄物最終処分場には、高濃度のダイオキシン類を含む焼却灰が未処理のまま、大量に投棄され、今日に至っています。こうした最終処分場の再生をはじめ、水域、底質、土壌への蓄積問題に対する法規制及び総合実態調査を行い、ダイオキシン対策を推進します。
 
(3)化学物質環境安全基本法(ケミカル・コントロール法)の制定

 内分泌かく乱物質など化学物質による環境汚染について、自然界が鳴らす警鐘を人類が重く受けとめることが重要です。そのため、PRTR法(化学物質排出管理法)の本格的な運用とともに、内分泌かく乱物質などの化学物質が、従来軽視されていた生態系に与える影響への対応策、食品等への表示の義務づけ、安全性基準の設定、などを推進するため、「化学物質環境安全基本法」(ケミカル・コントロール法)を制定します。 また、国立環境研究所を強化・充実し、国際的に第一級の研究機関とします。
 
(4)日本版スーパーファンド法「土壌汚染防止法」の制定

 有害重金属や化学物質で汚染された土壌や地下水を浄化するとともに汚染の防止をはかるために、農用地、市街地など、すべての地域に適用される日本に合ったスーパーファンド法ともいうべき「土壌汚染防止法」を制定します。

(5)PCBの回収と破壊処理の推進

 不要となったPCB含有の電気機器は、廃棄物処理法によって特別管理廃棄物として保有する事業者によって厳重に保管することが義務づけられています。しかし、その義務づけから四半世紀が経過しているにもかかわらず、紛失や不法投棄が後を絶たず、ずさんな保管実態であることが明らかになっています。一方、現在使用中のPCB含有製品は届け出義務が法的に整備されておらず、正確なデータはありません。
 これ以上PCB汚染を引き起こさせないために、「PCB回収・処理法」を制定するとともに、廃棄PCBの現在の保管場所と量について国による情報公開を行い、早期回収、無害化処理などを推進します。
 

3 地球サイズの環境保全協力の推進

(1)地球温暖化防止に関する国際公約の実現

 地球全体の環境に深刻な影響を及ぼし、人類生存への脅威となっている地球温暖化を防止するため、京都議定書でわが国に課せられた温室効果ガス排出量の削減目標を達成のための省エネルギーの促進、クリーンエネルギーの加速度的導入、森林保全、ライフスタイルの見直し等、より一層効果のある諸対策を推進します。そのため、議定書の早期批准と関連法案の整備など具体的な実効を促します。また、「京都イニシアティブ」を実効性のあるものとするため、開発により環境被害を引き起こす恐れのある途上国に対し、温暖化防止対策を支援し、持続可能な社会システムの構築に貢献します。

(2)フロンガス回収・破壊システムの法制化

 有害な紫外線を吸収し、生命を保護するオゾン層を破壊するフロンガスや強力な地球温暖化の要因になる代替フロンを全面的に回収・破壊するため、「モントリオール議定書」と「第9回モントリオール締約国会議」の全廃スケジュールを遵守するために、わが国のみならず、世界的な取り組みを強力に促進するとともに、関係事業者や利用者、国、自治体が一体となったフロン回収・破壊システムの確立を強力に推進するため、その法制化をめざします。 

(3)環境ODAの拡充とグリーンPKOの創設

 全人類を環境破壊という地球的規模の問題から救済するため、先進国の一員であり、平和国家を標榜するわが国こそ、この国際公共財である地球環境の保全対策に先頭に立って取り組む責務があります。そういった意味から、環境省のイニシアティブを強化し、政府開発援助(ODA)を通して、開発途上国の環境汚染の軽減や、生態系の保護、環境管理能力の確保等、さらなる環境面での技術的支援や資金援助を進めます。また、専門家やNPOの協力を得て、「緑の平和部隊」(グリーンPKO)を創設し、海洋浄化、砂漠化の緑化等の国際貢献をはかります。また、国連環境計画(UNEP)等の国際機関と連携を取りながら、わが国のみならず、世界各地へ環境保全技術と人材を派遣し、環境先進国としての責務を果たします。

このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

第3回公明党全国大会、重点政策 - 第2部『5.男女がともに個性と能力を発揮できる共同参画社会を実現します』

001105komei_top

2000/10/23update

第3回公明党全国大会 重点政策(案)
21世紀「健康日本」の構築

―― “活力と安心の生活大国”をめざして ――


第2部

五 男女がともに個性と能力を発揮できる共同参画社会を実現します

 平成11年6月に公布、施行された「男女共同参画社会基本法」は、その前文で「男女が互いにその人格を尊重しつつ責任も分かち合い、性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は緊急の課題」とし、「この実現を21世紀のわが国社会を決定する最重要課題」と位置づけています。しかし、現状を見るとその実現はまだ途上と言わざるを得ません。 
 男女共同参画社会の形成は基本的人権に深く関わる問題であるとともに、つねに状況の変化に対応した適切な対応が求められます。そのため公明党は、本格的な男女共同参画社会の実現に継続して取り組みます。

1 男女共同参画社会実現へ具体的施策を推進

(1)ポジティブアクション(積極的差別改善処置)を含む実効性ある行動計画の策定

 先に成立した男女共同参画社会基本法の精神に基づき、国・地方自治体・民間企業等々が、女性の積極的な採用や昇進を進める具体的な行動計画を策定するよう推進します。
 国連経済社会理事会では2000年までに男女共同参画を達成するため、「1995年までに指導的地位に就く女性の割合を少なくとも30パーセントまで増やすこと」を目標にしています(1990年採択)。また、1995年採択の北京行動綱領も、政策決定への女性の参画を重要テーマとしています。
 わが国は大きく後れをとっているのが現状ですが、特に公務員・審議会メンバー・議員等々の女性の参画目標30パーセントは早急に達成し、将来50パーセントをめざします。

(2)社会通念・慣行の是正と広報活動の推進

 あらゆる分野への女性の社会参加が進みつつありますが、社会通念や習慣、しきたりのなかにいまだに根強く男女の固定的役割分担意識が残っています。
 社会的、文化的、歴史的に形成された性別(ジェンダー)にとらわれることなく、自らの選択によって個性・能力を十分に発揮しながら社会のさまざまな分野で活躍し、いきいきと充実した生活を送れるようにします。そのために男女共同参画社会についての啓発、広報活動や学校教育を推進し、ジェンダーフリーの考え方を幅広く定着させるとともに、苦情処理システムを確立します。

(3)年金制度の見直し

 年金制度については、個人単位の制度設計を検討するなかで、離婚の際の夫婦間の公平性や女性の年金権の確保を図ります。


(4)選択的夫婦別姓制度などの法整備

 個人の選択に対する中立性の観点から民法を改正し、選択的夫婦別姓制度を導入します。また離婚に伴う財産分与は2分の1を基本とし、離婚後の子どもの養育費支払確保の制度を確立するなど、家族法の見直しを行います。

(5)リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)

 これまで長い間、人口政策は食糧問題や安全保障の観点から政府によって決定されてきました。しかし、子どもをいつ、何人産むかを自己決定し、健康を享受するのは女性の権利であるという「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」の考え方が、1994年にカイロで開催された「国際人口開発会議」以来定着してきています。
 また、避妊や性教育を充実し、妊娠・出産をする可能性がある女性の生涯を通した健康支援を推進するとともに、妊産婦の健康診断や出産手当などの公的支援を拡充します。さらに不妊に悩む人への精神的、経済的支援を推進します。

2 「女性に対する暴力防止法」の制定

 性犯罪、セクシャルハラスメント、夫やパートナーなどからの暴力等々、女性への暴力はいかなる形態であれ女性の人権を侵害するものであり、許されるものではありません。「女性に対する暴力防止法」を制定し、暴力根絶に取り組みます。
 また女性の人権尊重や、暴力は犯罪であることの教育・学習をはかるなど意識啓発に努めます。
 シェルターの整備拡充やそれに対する公的財政支援、人権センターの創設をはかり、暴力を受けた女性に対する相談、カウンセリングなどのケアの充実をはかります。
 
3 労働環境の整備と子育て支援

(1)育児・介護休業制度、保育の拡充

 介護休業・育児休業期間の延長、所得補償のさらなる拡充、保育園の待機児童ゼロの実現など、女性が仕事と家庭を両立できる環境整備を積極的に進めます。

(2)再雇用制度の普及および援助

 わが国の社会には、高い教育を受けた女性が、職業人としてその能力を十分に発揮できない状況が数多くあります。これは社会にとって損失以外の何物でもありません。特に、結婚、出産、育児、介護などで一時退職した女性が再就職を希望するときなどは、現職への復帰、あるいは前職で培われた経験・能力を活かせるよう、女子再雇用制度の普及を促進します。なお、再雇用の準備に当たって技術取得や教育訓練等を必要とする場合は、これを支援します。

(3)男女差別の撤廃

 男女雇用機会均等法の改正により、雇用における採用・配置・昇進において男女差別が法的に禁止されましたが、「制度上の平等」は保障されていても「事実上の平等」とは格差があるのが現状です。扶養手当や住居手当等も世帯主でない女性には認められていないなどの「間接差別」も根強く残っています。同一価値労働同一賃金制の確立をはじめ労働における男女差別の撤廃をめざします。
 また、女性が幅広い分野で能力を発揮できるよう女性のエンパワーメント(力を向上させる)のための教育・学習機会の充実をはかります。

(4)女性の起業家支援

 女性が生活者としての視点や発想で新たな事業やサービスを提供することが社会のニーズと合致し、ベンチャービジネスとして成功する例が増えてきました。しかしわが国では女性の起業への意欲は高いものの、資金調達やマネージメント専門技術の不足、情報・データ不足等々で困難に直面しているケースが多いのが実情です。
 女性企業家や起業を希望する女性に対し、起業、専門経営に役立つ実践的な講習や総合的な情報提供を行うとともに、公的融資並びに融資の特別保証枠を拡充し、創業支援を行います。

(5)農林水産業におけるパートナーシップの確立

 農林水産における女性の経営参画など、地域の生産・生活に関するあらゆる方針決定の場への参画を推進するとともに、農林水産技術や経営のノウハウの研鑚、女性のネットワーク化などを通じて、女性が男性の対等なパートナーとして積極的に参画できる農山漁村にします。

(6)労働時間差別の撤廃および長時間労働の見直し

 パートタイム労働や派遣労働などの就業条件を整備するとともに、パートタイム労働者と通常の労働者との処遇・労働条件の均衡確保のための施策を推進します。また、仕事と生活のバランスのとれた社会の構築のため、男女の長時間労働の見直しなど、雇用体系の改善をはかります。

(7)一人親家庭の支援

 シングルマザーや一人親家庭の仕事と家庭の両立を社会で支援するシステムを強化します。また障害児を持つ家庭の支援も強化します。

4 国際協力と国内対応の推進 

(1)途上国の女性支援(WID)を強化

 人口爆発、環境破壊が進み、南北格差が拡大しつつあります。先進国がこれまで行ってきた経済開発偏重型のODAは必ずしも十分な効果を上げているとはいえません。教育や保健衛生、草の根の女性の生活や地位向上につながる民生部門のODAやNGO支援を拡大します。そしてわが国の支援が女性のエンパワーメントにどのように役立っているのか、を調査する新たな機関を設けます。
 99年6月に行われたケルン・サミットにおいて、21世紀を迎えるに当たり、重債務貧困国の債務を帳消しにする合意がなされましたが、その債務返済相当額の使途についても厳しくチェックします。

(2)北東アジアの女性ネットワークの推進

 世界の平和確立に貢献するとともに女性の地位向上に資するため、北東アジアの女性ネットワークを推進し、女性フォーラムを開催します。

このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

第3回公明党全国大会、重点政策 - 第2部『4.安心できる少子高齢社会へ改革を進めます』

001105komei_top

2000/10/23update

第3回公明党全国大会 重点政策(案)
21世紀「健康日本」の構築

―― “活力と安心の生活大国”をめざして ――


第2部

四 安心できる少子高齢社会へ改革を進めます

 相当な混乱が予想された介護保険制度は、与党三党が制度開始前に決定した特別対策の効果もあって、おおむね順調なスタートとなりました。しかし、要介護認定の公平性の確保、ホームヘルプサービスの不適切な利用等改善すべき点も多く指摘されております。介護保険制度の抜本的な見直しの検討とともに、制度改善を早急に行わなければなりません。また年金、医療、福祉各制度も少子高齢社会にふさわしい制度へと改革を進めてまいります。

1 安定した年金制度の構築

(1)基礎年金の充実と雇用との連動

 財源における税負担を2分の1とし、現役世代の保険料負担を軽減します。年金水準は物価スライドのみでなく、高齢期の負担(介護保険料等)を踏まえた見直しを行います
 また、雇用制度改革を通じ60歳台現役社会の実現するとともに、高齢者がその能力を職業を通じて発揮できる生涯現役社会の実現をはかります。

(2)厚生年金における世代間負担の格差の是正

 厚生年金等の報酬比例部分は、負担と給付の関係を明確にし、世代間の負担の格差を是正するという視点から、段階的にその方式を積立方式へ移行します。

2 介護保険制度の安定運営の確保と改善

(1)介護基盤の整備

 地域によっては基盤整備が遅れているところがあります。特に、特別養護老人ホーム、デイサービスセンター、痴呆性高齢者グループホーム等の整備についてはゴールドプラン21の前倒し実施を進めます。また、介護保険導入により自立と認定される高齢者の「住」の受け皿として高齢者生活福祉センターの設置要件の緩和をはかるとともに、一層の整備を促進します。

(2)介護相談員派遣事業・福祉用具貸与の改善

 介護相談員派遣事業など介護サービスの質の向上のため、自治体における取り組みに対する支援を強化する必要があり、支援のための予算の増額をはかります。福祉用具貸与業務については、弾力的な運営ができるよう改善します。

(3)保険料や利用料などの利用者負担への対応

 低所得者に対する保険料の軽減対策にさらに取り組むとともに、利用料にかかる低所得者対策について、社会福祉法人による利用料の減免措置などがより多くの自治体で実施されるよう制度の周知徹底をはかります。また、平成13年10月に向けて、さらなるきめ細かな低所得対策を検討します。

(4)介護予防・自立支援事業の取り組みについて

 介護保険制度が始まって、介護予防・自立支援事業の必要性が高まっていますが、市町村の実施体制にはかなりの格差が見られることから、市町村の介護予防拠点整備のための財政支援を行うとともに、運営費についてもさらに拡充をはかります。

(5)障害者に対する一元的な介護サービスの給付

 一般の障害者も介護保険の対象として一元的にそのサービスを受けることができるよう制度の見直しを進め、障害者に対する介護サービス水準の充実をはかります。

3 子育てと仕事が両立できる環境を整備

(1)保育サービスの充実

 待機児の解消のため、保育サービスの量的な拡充をはかるとともに、民間参入を進めることにより、より利用しやすい多様な保育サービスを実現します。一時保育、駅前保育、病後児保育等の多様なサービスを整備します。また、幼保一元化を推進します。
 核家族化のなかにあって、子育てに対する不安、負担が児童虐待などの一因となっているという指摘を踏まえ、子育て支援センターの整備など地域における子育ての支援体制を充実します。

(2)育児・介護休業制度の拡充

 働きながら子育てが安心してできる環境を実現するため、育児・介護休業手当の引き上げをはかります。また男性も利用しやすくなるよう改善します。

(3)乳幼児医療体制の充実

 乳幼児(就学前児童)の医療費の無料化をはかるとともに、出産育児一時金の増額や母子保健の充実に取り組みます。また小児科救急医療体制の整備を進めるとともに、不妊治療に対する経済的負担の軽減をはかるなど支援体制の拡充を進めます。

(4)豊かな住環境の整備

 公的住宅の供給、家賃補助、民間特定優良賃貸住宅等の制度を進め、子育てに相応しい住宅環境の実現、都市部に著しい家賃負担の軽減をはかります。

4 健康日本を支える保健・医療制度の確立

(1)21世紀の健康長寿社会の実現

 健康長寿社会の実現のため、地域における生活習慣病対策や健康づくり対策を進め、保健・医療・介護の連携を強化します。また、健康な高齢期の創造のため、脳卒中対策の推進や痴呆の原因究明、介護の充実、さらには骨・関節についての研究からリハビリまで総合的な対策を「メディカル・フロンティア戦略」として積極的に進めます。

(2)新たな高齢者医療制度の創設

 75歳以上の後期高齢者を加入者とする新たな高齢者医療保険制度を創設し、介護との適切な連携の下に給付を行う制度とします。

(3)医療提供体制の総合的な改革

 高度化、複雑化する医療のなかにあって、インフォームド・コンセント(医師の十分な説明と患者の同意)の充実、医療の質の評価の確立などを通じて患者のための質の高い医療の実現をはかります。
 また、医療提供体制における機能に基づく体系化、競争原理の導入、情報化を進めることにより、医療提供体制の効率化をはかるとともに、診療報酬体系の改革や薬価差益の解消等、薬価制度の改革により、適切に医療技術が評価される制度を確立します。
 同時に離島、過疎地など、地域の実情に応じた医療提供体制の一層の整備を進めます。

(4)感染症対策の推進

 現行の予防接種法を改正し、高齢者を対象とするインフルエンザ予防接種の公費負担を実現します。また、予防接種、医療相談及び情報提供を行う予防接種センター機能の整備を推進します。さらに、エイズ、クロイツフェルト・ヤコブ病などの新興感染症に対して、医療機関、薬局、諸外国からの情報を収集する拠点となる感染症情報センター機能の充実を図るなど、感染症危機管理体制の整備を推進します。

(5)免疫アレルギー疾患対策の充実

 国民病とも言われているアトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息、リウマチなどの免疫アレルギー疾患の病因・病態の解明、治療法に関する研究を推進します。また、国立病院・療養所における免疫異常ネットワークの充実をはかり、診療体制を拡充します。さらに、免疫アレルギー性疾患に関する正しい情報の普及を推進するとともに、アレルギー専門医の育成とアレルギー科の増設をはかります。

(6)音楽療法士のための身分法の制定

 音楽療法は、近年において、医療施設や福祉施設、児童施設など幅広く行われており、その効果や医療費節減が期待できることなどに多くの関心を集めております。音楽系大学を中心に専門のカリキュラムが組まれており、音楽療法士をめざす人も年々多くなっていることから、音楽療法士の身分法の早期制定をめざします。

(7)医療におけるITの推進

 医療情報の標準化や電子カルテの普及推進をはかるとともに、地域医療を充実させるため、かかりつけの診療所と専門病院をネットワークで結んで画像診断、病理診断等を行う遠隔医療の充実をはかります。

5 障害者施策の拡充

(1)障害者総合福祉法の制定

 福祉、雇用、住宅施策など分立する障害者施策を統合し、ノーマライゼーション社会を確立するための「障害者総合福祉法」を制定し、自立と参加を支援する総合的な障害者福祉施策を推進します。

(2)障害者プランの拡充

 現行の障害者プランの着実な実施を推進するとともに、ノーマライゼーション社会の創造に向け、引き続き新たなプランを策定し、障害者施策の充実をはかります。また、重度心身障害児福祉など、その量的な拡充が切実に求められる諸領域について、早急な基盤整備をはかります。さらに、社会福祉法人のあり方の見直しを進め、小規模化など規制緩和を進めることにより、より弾力的で地域に密着した福祉サービスの実現をはかるとともに、成年後見制度の基盤の整備、福祉オンブズマン制度の確立を通じて障害者の権利を擁護する体制を確立します。

(3)高次脳機能障害者に対する医療体制

 交通事故等による重度障害者や高次脳機能障害者に対する医療体制を強化するとともに、受け入れ医療施設の拡充を進めます。

(4)補装具・日常用具等へのIT活用

 心身に障害を持つ人も含め、できるだけ多くの人がそれぞれの意欲と能力に応じて社会に参画し、ともに支え合う社会を作っていく必要があります。そのため、障害者にとっても使いやすいユニバーサル・デザイン(誰もが使いやすい、楽しみやすいデザイン)による端末機器、補装具、日常用具等の開発支援を進めます。

このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

第3回公明党全国大会、重点政策 - 第2部『3.災害に備える危機管理体制を強化します』

001105komei_top

2000/10/23update

第3回公明党全国大会 重点政策(案)
21世紀「健康日本」の構築

―― “活力と安心の生活大国”をめざして ――


第2部

三. 災害に備える危機管理体制を強化します

 近年、有珠山噴火、三宅島噴火、東海豪雨洪水、鳥取県西部地震など多くの被災者を出す大規模災害が続いています。さらに今後、大規模震災の発生も危惧され、地球温暖化などによる環境災害なども懸念されることから、21世紀は「災害の世紀」とも警告されています。災害の観測体制や防災訓練体制などを充実させるとともに、災害後の救助・復旧・再建の各種対策が迅速かつ円滑に実施できるよう危機管理体制を強化します。あわせて、国内外で起きた大災害についても十分な相互支援ができるよう国際的な防災協力体制との連携を強化します。

1. 迅速に対応できる防災体制の確立

(1)災害関係法令等の整備、見直し

 災害対策基本法、災害救助法、被災者生活再建支援法など災害関係法令の整備、見直しを行うとともに、被災者の立場に立って迅速かつ柔軟に運用できるよう努めます。また災害予防の観点から、「がけ地近接等危険住宅移転事業」を積極的に推進します。

(2)観測・情報通報システムなどの強化

 ハザードマップ(災害予測図)、GPS(全地球測位システム)、GIS(地理情報システム)などの活用をはじめ、高精度の観測機器等による全国観測網体制の強化、さらにITを活用した緊急時の速報体制を整備します。加えて特定地域の予測精度を上げることによる予防的対応を進め、風水害による被災の最小化をめざします。

(3)大型タンカー等の海上災害対策の強化

 大型タンカーや天然ガス、石油掘削等に伴う油流出などの海上災害に対応するため、多国間及び二国間条約などの締結を促進し、高速油回収船の整備・拡充、環境脆弱指標(ESI)及びマップの作成など緊急時の油防除体制を確立します。

(4)防災意識の向上と災害ボランティア活動支援のための環境整備

 防災意識の向上のために、大規模災害に備えた行政と市民ボランティア・企業などとの連携による防災援助ネットワークの構築を推進します。さらに組織された幅広い災害ボランティアを育成するため、ボランティア・センターを設置するとともに、NPOへの寄付金控除など税制上の支援措置を導入します。また、災害援助ボランティアの登録や受け入れ体制を制度化するとともに、災害救助の際に二次災害に巻き込まれる恐れに備え、災害ボランティアの労災保険制度を検討します。

(5)政府の危機管理機能の強化

 火山噴火、地震、台風、豪雨災害などの自然災害に加え、大量交通輸送機関や原子力施設・石油コンビナート・化学工場等の大事故のような人為的な大規模災害に対応するため、政府の安全保障危機管理室の機能を拡充強化します。

2. 災害支援の国際的ネットの整備・拡充

(1)災害ボランティアの国際活動への支援と連携強化

 大規模な自然災害が発生した国への緊急援助で、わが国の災害ボランティアが迅速かつ大規模・効果的な活動が展開できるよう支援を強化します。また、諸外国の国際緊急NGOとの連携についても強化を図り、災害時における相互の協力体制を確立します。さらに「人間の安全保障」の見地から、国際ボランティアが人道援助を積極的に行えるようナショナル・センター「国際人道援助センター」の創設を支援します。

(2)国連の国際防災戦略への支援

 国連の国際防災戦略(ISDR)の活動を支援するとともに国際協力事業団(JICA)、国際緊急援助隊(JDR)などとの連携強化をはかり、国際防災協力体制を積極的に推進し国際貢献を果たします。

このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

第3回公明党全国大会、重点政策 - 第2部『2.安心で快適、豊かな住環境の都市づくりを進めます』

001105komei_top

2000/10/23update

第3回公明党全国大会 重点政策(案)
21世紀「健康日本」の構築

―― “活力と安心の生活大国”をめざして ――


第2部

二 安心で快適、豊かな住環境の都市づくりを進めます

 現代の都市は人・物・情報の過度の集中により、都市住民は慢性的な交通渋滞、長時間の通勤ラッシュ、狭小な住宅環境、ゴミ・環境問題、防災対策を強いられ、その居住環境は快適と呼ぶには程遠いものとなっています。また都市中心部の夜間の人口減少に加え、少子・高齢社会の到来に伴い、商店街は活気を失い、昔ながらの心の通ったぬくもりのある地域社会は急速に少なくなっています。
 私たちは、今こそ、都市住民が直面しているこれらの諸課題を解決することのできる新たな都市政策を提案、実行することにより、快適で活力のある都市生活を再生し、人と人との心の絆、ゆとりある生活を新たにつくりなおすことをめざします

1 「快適・安心・環境にやさしい」まちづくり

(1)「快適」で活気のあるまちづくり

<1>バリアフリーの推進
 高齢社会に対応するために、まち全体を通したきめ細かなバリアフリー化を推進し、人の心のバリアも取り除きます。例えば、全国各都道府県にバリアフリー・モデル事業駅を指定し、駅舎(駅前広場を含む)や駅周辺地域のバリアフリー化の推進、公営住宅や公衆トイレなどへのエレベーター、スロープの設置を目に見える形で大胆に進めます。また電線の地中化や幅の広い歩道整備、車道の段差解消や各種文字標識を分かりやすくグラフィック化するなど、子どもや高齢者、身体の不自由な人や外国人観光客にも配慮した、すべての人にやさしいまちづくりを推進します。

<2>ぬくもりのあるコミュニティーの再生
 都市の人口減少を防ぎ、活気のあるまちづくりを行うために、住宅、商業、文化、教育、福祉、交流などを集積し、歩ける範囲で生活ができるまちづくり(ミックスドユース)を推進します。
例えば、雨にぬれずに通勤できる駅直結住宅や、公営住宅などに介護・子育て支援施設、保育園などの併設を推進します。
また都心部の低未利用地を有効・高度利用し、職住接近型の良質な住宅の供給と活気ある商店街の再生によって、ぬくもりのあるまちづくりを促進します。

(2)災害に強い「安心」のまちづくり

 政治・経済機能が集中する大都市の防災力を高めることは、「安心」して都市に暮らすための喫緊の課題です。
まず、木造密集市街地などにおける老朽建築物の建替え・電線類の地中化を進め、防災空間を確保をします。同時に、建物・ライフラインの耐震性・不燃化を強化するとともに、水害対策としての河川の整備を進めます。
一方、GISを活用した防災情報の整備、特にハザードマップのデジタル化を推進することにより、住民に分かりやすい防災マップを作成するとともに、的確な災害情報をスピーディーに伝達できるように整備します。
そして自衛手段として、すでに神戸市で実施している「防災福祉コミュニティー」を小学校区単位に結成し、自治・婦人会・老人会・消防団・防犯等の組織を集結することにより、地域の防災力を高めます。
また、自然災害で被災した住民の生活再建支援のため、被災者生活再建支援法などの関連法案・制度の整備を進めます。

(3)「環境にやさしい」まちづくり

<1>循環型社会の構築に向けたまちづくり
 地球環境の保全に向けた都市整備、資源の有効活用をはかるため、循環型社会の構築を推進します。環境、省エネルギーに配慮したごみ焼却、発電施設の建設や、リサイクル、リユース施設などの新しい機能と統合して一括配置するなど、効率的でコンパクトな基盤整備事業を展開します。また各家庭での生ごみの堆肥化など、身近なところで環境保全がはかられるごみリサイクルシステムを構築します。

<2>ヒートアイランド対策
 都市部のヒートアイランド解消のため、ビルやマンションなどの屋上庭園による緑化、道路における植樹帯の設置、雑木林の保全など、都市における緑化空間の整備・促進をはかります。併せて児童公園・地域公園・緑地・大公園といった体系的な都市公園整備をはかるとともに、動植物など生態系に配慮した自然との共生をめざすエコロジカルなグリーンウェイ構想の推進や、緑豊かで水辺が効果的に利用できるやさしい空間を活かしたまちづくりを推進します。

2 「快適・安心・環境にやさしい」都市交通整備

(1)交通渋滞の解消で「快適」な都市交通

 都市における慢性的な交通渋滞を解消するために、
ア)マイカーを駅の近くに駐車して鉄道に乗り換えることで都心への車の乗り入れを抑制するパーク・アンド・ライド方式や中心市街地の道路から一般の自動車交通を排除し、バスなど公共交通機関のみを運行させるトランジットモール方式の推進
イ)高度道路交通システム(ITS)の活用によるロードプライシング制度(交通需要の調整のための料金システム)の導入
ウ)都市交通の大きな渋滞原因となっている踏切の立体交差化
エ)都市鉄道・地下鉄網の重点的整備
を推進します。また、積雪地域の交通の安全を確保するためにロードヒーティング(道路消融雪設備)を推進します。

(2)交通のバリアフリー化で「安心」の都市交通

 高齢社会に対応するため、昇降が容易な低床バスの拡充や福祉タクシーの普及推進、改札の通過に便利なIT乗車カードの普及など、高齢者や障害者にきめ細かに配慮された交通システムを整備し、誰もが安心して行動できるまちをつくります。

(3)自動車交通のグリーン化で「環境にやさしい」都市交通

 COP3で定められた温室効果ガス(CO2等)の削減目標を達成し、自動車から排出される窒素酸化物(NOX)・粒子状物質(PM)を削減するため、DPF(ディーゼル排気微粒子除去フィルター)の普及や低公害車の開発など、自動車交通自体を環境への負荷の少ない交通体系に転換します。

3 「快適・安心・環境にやさしい」住環境整備

(1)年収の2倍で取得できる住宅の実現

 定期借地権等の活用と建築コストの低減や市街化区内農地、工場跡地の計画的な宅地化などの諸施策を推進し、大都市でも百平方メートル程度の分譲マンションが年収のおおむね2倍で取得できる住宅政策を推進します。また、中水道、ソーラーなど環境に配慮した長寿住宅(百年住宅)を推進します。

(2)「公営住宅ルネッサンス21」の推進

<1>すべての公営住宅等をケア住宅化
 すべての公営住宅に緊急通報システム装置の設置や生活援助員の配置及びバリアフリー化(エレベーター、手すり等の設置)を進めます。また昭和30〜40年代に建築された老朽公営住宅の建て替えを積極的に推進し、介護・子育て支援施設、保育園、備蓄倉庫などを併設し、若年世帯も共に生活できるよう改善をはかります。また、このような施設を併設した場合には、容積率を緩和するなどの施策の実施、促進をはかります。

<2>スーパーリフォームの推進による居住空間の充実
 低コストで建替えと同様の効果が得られるスーパーリフォーム(構造体を補強し、内装・設備・配管・配線を全面リフォームする)事業を計画的に推進します。また、一戸あたりの面積も拡大します。

<3>木賃アパートの建て替えによる公営住宅の拡大
 老朽化した木造アパートなどの密集している地域には、それらの土地を借り上げるなどの方法で木賃アパートの公営住宅への建て替えを推進します。初期の計画の段階から住宅金融公庫の融資ができる「都市居住再生融資制度」を的確に利用し、民間による木賃アパートの建替えに対して全面的な支援を行います。また従前居住者の安定を確保するため、一戸でも借り上げて公営住宅化するなど、多様な方法で居住環境を改善します。

(3)安心・快適なマンションライフの実現

<1>管理充実のための法制化
 マンションの管理・維持に関する相談の行政窓口を整備し、マンション問題アドバイザーの育成や修繕積立金等の住宅金融公庫の受け入れ、マンション履歴情報登録制度の創設、マンション管理業の適正化等を推進し、マンション管理組合への支援を強化します。同時にマンション管理組合の管理能力を高めるため、「マンション管理士資格制度」を創設します。

<2>「マンション建替え促進法」の制定
 老朽化マンション建替えの促進を支援する「マンション建替え促進法」の制定や、マンションの長寿命化技術開発を強力に推進します。

<3>定期借地権マンションの推進
 定期借地権の分譲・賃貸マンションの供給を促進します。

このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

第3回公明党全国大会、重点政策 - 第2部『1.中小企業の振興、新産業育成に全力を挙げます』

001105komei_top

2000/10/23update

第3回公明党全国大会 重点政策(案)
21世紀「健康日本」の構築

―― “活力と安心の生活大国”をめざして ――


第2部

一 中小企業の振興、新産業育成に全力を挙げます

 連立内閣の成立以来、経済再生に向けた景気対策への積極的な取り組みなどにより、わが国経済はようやく回復へと向かいつつあります。景気回復を確実なものとすると同時に、雇用の確保に万全な体制を整えつつ、経済・産業構造の改革を断行し、日本経済の新生に向けて全力で取り組みます。特に「中小企業が主役」となるような支援策の強化、新産業の育成、新社会資本の整備・拡充などを積極的に進めます。

1 経済・産業の再生

(1)21世紀をリードする産業再生

 21世紀を迎えるにあたって、情報通信、バイオテクノロジー、環境、医療・福祉・介護、教育、金融等は、高い成長が期待されるとともに、今後人材の流動化が進んでいくなかで、質の高い雇用機会の創出が期待される重要な戦略分野であります。そのために、これらの成長産業分野に対し、思い切った公的低利融資や債務保証、投資減税等を集中期間を設けて実施するとともに、大胆な規制緩和を断行します。さらに、産業の再生や新産業創出のカギを握る科学技術の振興、21世紀未来都市への基盤整備をはじめ、新社会資本整備に重点投資を行います。

(2)IT革命による戦略的経済構造改革の断行

<1>通信料金を米国並みに引き下げ
 インターネット関連の通信料金について市場の競争を促進し、米国並みの低廉・定額料金への引き下げをはかります。また、電気通信事業第一種、第二種免許区分の廃止を含めた見直しなど、規制撤廃・緩和等を一層促進します。

<2>光ファイバー網等の基盤整備の推進
 高度情報化社会を構築するために、情報通信分野の基盤整備を積極的に進めます。特に、インフラとして重要な光ファイバー網の敷設事業等に対し、利子補給や公的融資を大幅に拡充するなど積極的な支援を進めます。特に、デジタル・デバイドを克服し、すべての国民がIT革命の利便性を享受できるように、学校、社会保障施設等への光ファイバー網等の敷設(FTTS、FTTC)については、民間活力と併せて、公共事業扱いとすることを積極的に支援します。

<3>電子商取引環境の整備拡充
 2003年には70兆円を超すとも見込まれるインターネット利用の電子商取引について、公正な競争を確保し、安心して取引できる制度の創設・拡充等、環境整備を積極的に進めます。特に、プライバシーの保護、決済手段の充実、不正取引の防止や有害コンテンツの排除、流通分野の規制撤廃・緩和、知的財産権保護等の環境整備を早急にはかります。

<4>通信・放送分野におけるデジタル化の推進
 デジタル化の進展は、通信、放送、映像、情報内容、情報処理機器等のさまざまな異業種を融合させつつ、経済社会を発展させるための決め手です。近い将来の放送と通信等の業種の融合を視野に入れつつ、デジタル化推進を積極的に支援します。

<5>経済への波及効果大きい電子政府・電子自治体の早期実現
 電子政府・電子自治体の早期実現は、産業の振興に大きな波及効果をもたらします。
 行政と暮らしの間で電子手続きが可能になれば、例えば、住民票や免許証、印鑑証明等、情報公開などの手続きが24時間いつでも可能になります。さらに、同じ自治体のなかからだけでなく広域的にネットで結ばれ、旅先からや遠隔にある本籍地などへも必要なときに速やかに手続きできるようになれば、生活の便利さは飛躍的に増大します。
 また、公共事業の入札や物品購入のオークションなどが電子申請によって行われれば、行政とビジネスとの間の電子商取引の基盤が成立することになり、このこと自体、民民の取引の基盤づくりを促します。このため、経済振興の観点からも、電子政府・電子自治体の早期実現を積極的に推進します。

(3)総合的な中小・ベンチャー対策の推進

<1>IT革命への対応
 中小企業がIT革命の利便性を享受できるようにするために、中小企業等を対象としたITセミナーや研修の開催を支援するとともに、経営戦略の立案やそれらを実行するシステム構築・導入をサポートするITコーディネーターの育成、中小企業の依頼に対してきめ細かな対応をはかるIT推進アドバイザーの育成などを進めます。

<2>ベンチャー・サポート・アドバイザーの拡充
 ベンチャー企業の経営・技術問題等に関し、相談、指導を受けることができる専門知識を有する「ベンチャー・サポート・アドバイザー」制度を拡充し、中小・ベンチャー企業の創業と経営の安定を支援します。

<3>安定した資金調達制度の確立
1)中小企業、零細企業の資金調達を円滑にするため、「地域金融活性化法」(仮称)を制定します。
2) ベンチャー企業経営の隘路である資金の安定した調達に資するため、万全の体制を確保します。また、知的財産権や売掛債権の担保評価の実現をはかります。
3) 未公開株式の公開規制の緩和や私募債による社債発行のための信用保証協会の保証を行います。
4) 中小企業事業団による投資事業有限責任組合への大幅な出資の増額を行います。
5) 中小・ベンチャー企業への投資で損失を蒙ったベンチャーキャピタルやエンジェル(個人投資家)に対する課税繰り延べ期間を延長します。

<4>中小・零細企業の経営安定化対策
 中小・零細企業は、その零細性の故に、資金調達力の弱さなど社会・経済上の不利を蒙ることが多いのが実情です。
 中小零細企業の経営基盤強化のため、事業の共同化の推進や中小企業振興事業に対する支援などによる適正な競争環境の整備をはかるとともに、下請企業いじめの排除策を講じます。また、政府系金融機関による融資や債務保証の充実、官公需の発注量の拡大、中小企業倒産防止共済制度の拡充等を進めます。さらに、中小企業の技術やノウハウを評価する体制整備を進めます。

<5>事業承継税制の拡充
 中小企業の円滑な事業承継をはかるため、相続税・贈与税における前納制度及び生前贈与制度等の拡充を推進するとともに、取引相場のない株式評価のあり方について検討します。

<6>中小企業における産学連携の推進
国立大学等における技術成果の中小企業への還元や中小企業の技術に対する評価及び指導の充実をはかるなど、中小企業における産学連携を一層推進します。

(4)金融再生

<1>不良債権処理の一層の促進
 経済活動の基幹部門である金融再生のため、情報開示の一層の促進や金融検査体制の強化をはかり、不良債権の正確な実態を明らかにし、早期処理を進めます。

<2>早急な金融再編
 金融の自由化を進め、活力ある市場を形成するため、従来の横並び体質を排し、金融機関の大胆な再編・統廃合を促します。

(5)第4次産業の確立と育成

 環境保全や高齢者福祉などの分野を循環型社会や高齢社会における経済発展の原動力「第4次産業」と位置づけ、盤石な経済産業基盤を構築します。そのために、民間主導の施設や機能体制を整備し、市場原理が働くことで給付サービスの向上と負担(コスト)の軽減をはかる仕組みを確立します。また、NPOの参入を含め「第4次産業」の発展による雇用の確保と拡大をはかるとともに、地方の労働市場活性化の施策を積極的に進めます。

2 安心とゆとりある生活を実現する雇用政策の確立

 雇用の安定・確保は、社会の安定の基礎となるものです。しかし、わが国の雇用情勢は極めて厳しい環境下にあります。当面する雇用の確保は、適切な経済運営で景気の回復をはかり、種々の雇用政策を出動することによって対応する必要があります。同時に、将来の雇用の安定・確保には、規制緩和の計画的な実施により経済構造改革を進め、成長が見込まれる産業を育成することによって、新たな雇用を創出することが不可欠です。また、これらの変化に対する雇用のセイフティーネットの整備が必要です。

(1)新産業・雇用創出への総合的取り組み

<1>「経済新生戦略本部」の設置
 新産業・雇用創出に関する計画を政府の総合政策として策定するとともに、これを推進するため政府に「経済新生戦略本部」を設置します。

<2>新産業育成による雇用の創出
 国民生活の向上、市場規模の拡大が見込める分野を規制緩和と重点投資で育成し、雇用の創出をはかります。具体的には、情報通信、バイオテクノロジー、環境、金融、医療・介護・福祉分野、教育などの分野を育成します。

<3>NPO・ベンチャー企業による雇用創出
 NPOに対する税制上の優遇措置の拡大、NPO・ボランティアの紹介やあっ旋のための情報ネットワーク創設などにより、雇用の創出をはかります。また、勤労者のボランティア休暇制度の導入を推進します。
 ベンチャー企業の資金調達制度や賃金助成制度の拡充をはかります。

(2)職業能力開発と能力評価システムの確立

<1>コミュニティーカレッジの創設など職業能力開発体制の確立
1)自主的な職業能力開発の機会を拡充します。そのために、公共職業訓練機関や民間教育訓練機関の情報を一元化し、勤労者に広く情報を提供できるネットワークを整備します。
2)成長産業への円滑な人材シフトをはかるため、専修学校や私立大学など、民間教育訓練機関と連動した委託訓練制度を大幅に拡充します。
3)産業界や行政・公的機関が一体となった社会的能力開発システムとして、公立大学の活用や公的職業訓練機関の機能拡充によってコミュニティーカレッジを創設します。そのコミュニティーカレッジや民間教育訓練機関などの相互の交流が可能となる総合的職業訓練のネットワーク化をはかります。
4)離転職者の職業訓練教育をサポートするためにカウンセリング機能の強化や教育訓練給付制度の充実をはかり、対象範囲や給付額を拡大します。

<2>職業能力評価システムの整備
 労働市場の流動化の進展に対応し、求人と求職をスピーディーかつ的確にマッチングさせることができるようにするため、勤労者の職業能力を適正、客観的に評価するシステムを確立します。

<3>職業紹介システムの強化・拡充
1)公共職業紹介の機能強化をはかるとともに、ハイテク化による官民の職業紹介を一体化させた職業紹介システムの推進します。
2)民間職業紹介や人材派遣の活性化をはかります。

(3)雇用保険制度の見直し
 雇用調整金助成金など三事業の整理統廃合によって、雇用の確保や雇用の流動化に対応するため雇用保険制度の見直しを行います。

(4)個別紛争処理システムの確立と年齢による雇用差別の禁止
 個別的な紛争を解消するために必要な整備を行い、個別紛争処理機関の設置を推進します。また、募集・採用などの年齢による雇用差別を禁止するために必要な法的整備をはかります。

(5)仕事と子育ての両立支援
<1> 育児休業や介護休業の取得がとりやすく、職場への復帰がしやすい環境整備を推進します。
<2> 育児や介護のための短時間勤務制度を導入します。
<3> 子どもの看護休暇制度を導入します。
<4> 介護期間中の社会保険料の免除を実現します。

(6)高齢者が参加できる活力のある社会

<1> 雇用継続制度の充実やシルバー人材センターの拡充をはじめ高齢者の知識や経験を生かした就業機会を整備します。
<2> エージフリー社会の実現
 年齢にかかわりなく働くことができるエージフリー社会の実現に向けた取り組みを推進します。

このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

第3回公明党全国大会、重点政策 - 第1部『第5章 21世紀日本に「ごみ・ゼロ社会循環型社会」を築く』

001105komei_top

2000/10/23update

第3回公明党全国大会 重点政策(案)
21世紀「健康日本」の構築

―― “活力と安心の生活大国”をめざして ――


第1部

第五章 21世紀日本に「ごみ・ゼロ社会循環型社会」を築く
―いのち生命と地球を守る共生社会をめざして―

1 21世紀の国のかたちとしての「循環型社会」

(1)なぜ今、循環型社会なのか

 私たち人類は、モノの豊かさを追い求め続け、「大量生産・大量消費・大量廃棄」という経済活動、いわゆる浪費型社会を続けてきました。
 この浪費型社会の文明が、このまま成り行きまかせに進めば、世界の森林や生き物は減り続け、石油を始めとした化石燃料が枯渇し、この地球上には、廃棄物や有害化学物質があふれてしまいます。それがもたらす影響は、ダイオキシンや環境ホルモン被害など、想像もしなかった化学物質の発生による公害や、酸性雨や砂漠化にみられるような環境破壊として、人類に襲いかかっており、さらに全地球的には、フロンによるオゾン層の破壊やCO2の排出による地球温暖化に伴う異常気象や生態系の崩壊が待ち受けています。
 地球温暖化防止を始め、人類の生存基盤であるこの地球環境を損なわず、維持し、回復させるには、世界中の国々が、この浪費型社会を見直し、資源を大切にしなければなりません。だからこそ今、すべてのシステムを循環型社会へと転換しなければならないのであり、それが人類を救う「21世紀の国のかたち」なのです。
 
(2)地球環境保全と持続可能な経済発展を両立させる「循環型社会」

 「循環型社会」を構築する上で、一番ネックになるのは、循環型社会が、経済発展のブレーキにならないかという懸念です。もし、そうであるならば、今後、わが国が循環型社会へ移行する上で、また、世界各国へ循環型社会を広める上で、大きな障害となります。
 しかし、実際は循環型社会へ移行すれば、新たな技術や産業が興り、新たな雇用が生まれ、経済は上向きになっていくのです。
 事実、平成12年版の環境白書においても、循環型社会に転換すれば、2010年時点で、エコビジネスの市場規模は約39兆円に拡大、環境ビジネスで約86万人の雇用拡大が見込まれると予測しています。さらに、本年9月にまとめた経済企画庁の試算によると、現在の浪費型の社会を続けると、2000年から2020年のGDP成長率は、年平均1.8%減少すると予想されるとしています。
 一方、循環型社会を構築すれば、製品の長寿命化、メンテナンス技術の開発やリユース、リサイクル技術開発の集中投資の拡大などで、2000年から2020年の間のGDP成長率は、年平均1.5%の上昇となり、持続的な経済発展に貢献すると予測しています。
 このように、循環型社会とは、地球環境保全と持続可能な経済発展が、車の両輪として互いに機能し合う21世紀の社会構造システムなのです。

(3)循環型社会を促進するための基本的考え方

 公明党のリーダーシップによって、「循環型社会形成推進基本法」が、建設資材リサイクル法や食品廃棄物再生資源化法、グリーン購入促進法を始めとする5つの個別法とともに、2000年の通常国会で制定されました。
 循環型社会を促進する上で重要なポイントは、第一に、この「循環型社会形成推進基本法」を厳格に運用することです。この法律で画期的な点は、生産者が自ら生産する製品について使用済みとなった後まで責任を負う「拡大生産者責任」と、廃棄物を出した者が最後まで責任を負う「排出者責任」が盛り込まれたことです。
 そして、循環型社会を構築する目標として、「いつまでに何をしなければならないか」という時間的スケジュールを明確にした点が他の基本法と異なる大きな特徴です。
 <1>2003年10月までに基本計画を作成 <2>2008年をめざし、「循環型社会のかたち」をつくる(2008年とは京都議定書で示された温室効果削減の目標達成へ向けて本格的にスタートする年)。これらは、いずれも公明党の強い主張によって盛り込まれました。
 第二には、廃棄物処理業を始めとする、いわゆる「静脈産業」の育成、不法投棄の一掃、最終処分場の確保へ向けての諸施策等に取り組むことです。循環型社会を促進するにはこれらの二点を同時並行で推進していくことです。

2 循環型社会構築への具体的な取り組み

(1)不法投棄対策と環境Gメンの設置

 瀬戸内海・豊島の不法投棄による環境破壊や、フィリピンに輸出投棄された医療廃棄物が大変な国際問題となるなど、現在も各地でごみの不法投棄が横行し、地元住民の生活に不安を与えています。いくら、循環型社会構築をめざしても、このような環境犯罪の取り締まりを強化しなければせっかくの努力が水の泡となります。
こうした山間部や海洋への不法投棄や環境汚染を防ぐため、公明党は三つの提案をします。

<1> 全国の不法投棄の実態調査
 全国の不法投棄の実態調査を早急に実施し、詳細な全国不法投棄マップを作成し、全国の不法投棄箇所と規模を明らかにします。そのためにも自治体や民間ボランティア(NPO、NGO)の協力による情報収集を進めるとともに、人工衛星からの撮影やヘリコプターからの赤外線探知等、最新の技術を活用します。

<2> 環境Gメンの発足
 不法投棄やダイオキシンを始めとした環境汚染を未然に防止するため、環境省に新たに監視専門官として「環境Gメン」を発足させ、地方に配置します。環境Gメンは、不法投棄や環境汚染の情報収集に努め、自治体や警察、海上保安庁、民間団体(NPO、NGO)と連携をとりながら、監視や取り締まりを強化し、立ち入り調査等を行います。また、自然保護員等を増員し、情報網を強化します。

<3>不法投棄の原状回復へのシステムの確立
 不法投棄の原状回復を早急に行うため、不法投棄者が明らかな場合には、原状回復を迅速に行わせるシステムをつくります。また、不法投棄者不明の費用については、排出者責任を徹底するため、関係者の協力を得ながら、廃棄物処理法の規定に基づく基金の拡充や、課徴金、保険制度など必要な整備を速やかに行います。

<4> 産廃業者の格付けと情報公開の推進
 産業廃棄物処理業者の実態調査を行い、全国の産廃業者のデータを集め、格付けを行うとともに、インターネット等を活用し、広く国民に情報を公開します。

<5> 最終処分場への公的支援
 現在、産業廃棄物に関する最終処分場の確保は住民の反対などで滞っているのが現状です。一方で、不法投棄を始めとする環境保全上の問題も深刻化しています。したがって、難しい問題であるだけに公的な関与はせざるを得ません。そこで産廃の最終処分場の確保については、国の責任を明確にして、環境調査や環境対策に万全を期するため助成金等を含む公的支援を行います。

(2)静脈産業(環境ビジネス)の育成・支援
 廃棄物の処理やリサイクルなどを行う産業を「静脈産業」と呼びます。この産業を支援すれば、新しい製品が開発され、新しいビジネスが起こり、雇用も拡大されます。それが結果として、「循環型社会」への改革を推し進めることになります。
公明党は、静脈産業を育成・支援するために、以下の諸施策を推進します。

<1> 環境ビジネスの振興
 環境保全やリサイクルのための技術開発を進める民間企業への資金補助や低利融資等の経済的優遇措置を講じます。また、エコビジネスへの起業家支援のために、新たな技術開発を進めるモデル事業の対象となった事業主に対し、資金を援助します。

<2> 企業への意識啓発
 企業向けの環境会計や環境報告書へのガイドラインを策定し、企業の環境に対する意識啓発をはかります。また、国民への情報開示をすすめ、製品の設計段階から有害物質の使用を抑え、リサイクルしやすい構造にするなどの工夫を促します。

<3> 静脈産業の経営基盤強化とポジティブキャンペーンの実施
 静脈産業の従事者の大部分が零細であることを踏まえ、事業者間の連携や統合による経営基盤強化や産・官・学の連携により、静脈技術開発を支援します。静脈産業について、廃棄物処理という極めて重要な分野に対し、国民がポジティブなイメージが持てるようなキャンペーンを実施します。

<4> 「グリーンコンシュマー(緑の消費者)運動」の支援
 フリーマーケット等の民間団体が自主的に行う営利を目的としない中古市場の活性化をはかるとともに、再生品や環境に優しい商品を好んで購入する「グリーンコンシュマー(緑の消費者)運動」を応援し、その普及をめざします。

<5> ITの活用
 処理業者間での情報確認、地域別の廃棄物の需給状況等にかかる情報のネットワーク化、地方公共団体による廃棄物収集や許認可にかかる情報管理、環境に配慮した製品やサービスに関する情報、インターネットによる廃棄物処理業者の情報公開など、ITの活用を積極的にはかります。

<6> 環境にやさしい新素材の研究開発
 従来のプラスチック素材などは、石油化学工学による化石燃料を用いたものであり、自然界ではなかなか分解しないことが問題です。環境にやさしい新しいエコマテリアルの研究開発を進めます。例えば、生分解性の多糖(人工でんぷん等)の合成技術など、食品・化粧品関係や、生体材料関係、あるいは糖鎖工学を活用した医療、医薬品の開発など、広い範囲での応用が期待されます。

(3)環境教育の充実と環境情報システムの確立

 地球環境を守るためには一人一人の生活スタイルを転換させることが大事です。そのためには、私たちの生活にあっても、ごみの分別を徹底したり、ムダな電気を消すといった省エネ生活に取り組まなければなりません。このように、私たち自身が環境を守る"エコ・ライフ"を推進するために、環境教育を徹底することが、循環型社会推進への大きな第一歩です。

<1>「エコライフのすすめ」の作成と実践
国民全員が環境へ負荷の少ないライフスタイルに転換するために排出抑制や省エネなど、環境にやさしい生活のモデルとなる指針「エコライフのすすめ」を作成し、国民の意識啓発と日常生活の場で実践できるように努めます。

<2> 教育現場における環境教育の推進
学校教育現場において、子どもたちが自然と親しむ機会を多くつくり、自然の仕組みや尊さを学ぶようにするとともに、「環境読本」や「自然読本」などによる学習を推進します。

<3> 自然と命の大切さを学ぶ場づくり
自然と命の大切さを学ぶ場として、国立公園等を活用し、五感で自然や緑の重要性を学ぶ様々なプログラムを市民に提供し、体験学習の拠点とします。

<4> 地球環境センターの設置
地球環境を保全するための技術研究や生態系を守るための調査研究と、さらには循環型社会を促進する技術研究などの人材を養成するために、地球環境戦略研究機関(IGES)に「地球環境センター」を設置します。

<5> 環境情報システムの確立
全国の地方自治体、NPO、NGOの情報などを一元化し、環境汚染や環境保全状況に関する全国環境マップを作成し、国民に分かりやすい視覚的な情報を提供する環境情報システムを確立します。さらに、関係団体同士の情報・意見交換を行う「知的ネットワーク」をつくります。

(4)自然エネルギー開発と利用の推進

 21世紀中に温室効果ガス問題を引き起こしている化石燃料から脱却するため、環境にやさしい代替エネルギーへの技術研究を進めるとともに、太陽光発電、バイオマス、風力などの自然エネルギーの割合を増大します。具体的には以下の自然エネルギーが大半の一般家庭でも利用できるように、研究開発を推進します。併せて、「自然エネルギー発電促進法」の制定を推進します。

<1> 太陽光発電の研究開発の推進
 地球上に降り注ぐ「太陽エネルギー」をクリーンエネルギーとして、直接電気エネルギーに換える太陽光発電の研究開発とそのコストの引き下げを推進します。また各家庭に温水器など簡単な太陽熱利用の機器を普及させるために国の助成措置を充実します。

<2> 風力・潮力・波力・海洋温度差等の研究開発の推進
 風力・潮力・波力・海洋温度差等を利用した発電の研究開発を推進します。特に風力発電については、落雷などによる発電停止への対策を強化するなど、安定した供給のための技術開発を推進します。

<3> バイオマスなどの新燃料開発の推進
 バイオマスは、アルコール分を多量に含んだ植物や農林水産業廃棄物、都市ごみからの大量のアルコールを取り出して、エネルギーとして活用するものであり、その研究開発をさらに促進し、一般家庭への普及をめざします。さらにエマルジョン燃料(水と油が乳化した燃料)の技術開発も推進します。

<4> 農作物を原料とした自動車燃料用エタノールの生産
耕作放棄の恐れのある中山間地域の棚田を活用して、自動車燃料用エタノールの原料となる菜の花などの農作物を生産します。エタノール燃料のハイブリッド車への利用でCO2の排出削減が期待できます。

<5> 雪氷エネルギーの活用
 わが国の降雪量は、年間700億トンから900億トンになりますが、この雪氷を無料のホワイトエネルギー(冷熱源)として、室内冷房や穀物の保存に役立てる研究開発をさらに推進します。

<6> 廃食用油の燃料化を推進
家庭から出る廃食用油を自動車等の燃料として再利用します。これにより、大気中へ排出されるCO2や硫黄酸化物を削減することができます。また、このエコ燃料を普及するため、給油サービスステーションを配備し、清掃車等の公用車への使用を促進します。

(5)環境技術とIT活用による世界貢献

 わが国には、これまでに培われた知恵と技術を活かし、「環境の世紀」の担い手として、国際社会のなかで大きな貢献をする使命があると考えます。日本のすぐれた公害防止技術を始めとする高効率技術が世界で活用されるよう取り組みを進めます。

<1> 環境技術者の派遣
 廃棄物・リサイクル技術、温暖化防止技術、公害防止技術、自然環境保全技術など、これまでのその成果や情報を、世界の各国へ向けて積極的に移転します。そのために民間研究員を積極的に派遣します。

<2> ITを活用した環境情報の世界発信
 省資源・省エネルギー、環境にやさしいライフスタイルやビジネススタイルを世界同時並行で実現するには、ITを活用して、地球環境に関する情報を提供していく必要があります。わが国が率先してこの研究を推進し、世界に貢献します。

<3> アジア・太平洋地域環境マップの作成
 アジア・太平洋地域と協力しながら、気候変動や砂漠化や酸性雨、淡水の減少などのモニタリングを行い、アジア・太平洋地域環境マップをつくり、内外に幅広く情報を提供するとともに、ODA等を有効に利用し、環境の保全に努めます。

(6)環境税の導入と経済措置

<1> 環境税の導入
 地球温暖化対策などの観点から化石燃料の炭素含有量と発生する熱量に応じて税を徴収するいわゆる環境税について早急に検討し、導入をめざします。その使途については、CO2等削減技術の普及促進や国民のライフスタイル変革の活動などへ充当することを含め検討します。

<2> 自動車関係諸税のグリーン化
 低公害車(電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、ハイブリット自動車)や新燃料基準達成車など、排出ガス性能や燃費性能が優れた自動車の自動車関係諸税を軽減し、一方、一定の基準に満たない自動車には重課する、自動車関係諸税のグリーン化をはかります。

<3> 省エネルギー住宅への優遇税制
省エネルギー型の建築物・住宅について、特別償却制度及び固定資産税・不動産取得税の課税標準の特例措置を設けます。

このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

第3回公明党全国大会、重点政策 - 第1部『第4章 生涯学習社会における教育の再構築』

001105komei_top

2000/10/23update

第3回公明党全国大会 重点政策(案)
21世紀「健康日本」の構築

―― “活力と安心の生活大国”をめざして ――


第1部

第四章 生涯学習社会における教育の再構築
―社会全体の教育力再興をめざして―

1 教育改革への基本的考え方

(1)目的としての教育

 21世紀を目前にして青少年問題をきっかけに教育の課題が大きくクローズアップされています。これは単に学校教育のみの問題ではなく、家庭そして地域など社会全体の「教育力の衰弱の問題」として捉えないとその本質を見誤ることになると考えます。
 子どもをめぐる荒廃現象は価値観を見失った大人社会の反映であり、現代社会の本質的な問題点に根差しています。
20世紀までの教育に対する考え方は、富国強兵や経済大国の実現などのため、教育以外の何かの目標達成のための「手段としての教育」観が一般的でした。しかし、このような教育の手段視が人間の手段視を正当化し、軍国主義国家や産業優先社会、公害による国土荒廃などに象徴されるような生命の軽視、暴力の放置など20世紀の思潮の誘因となったのではないでしょうか。
また、私たちがつくりあげてきた便利で快適な社会は一方で人と人との結びつきを分断し、教育力を衰弱させる大きなマイナスの影響をもたらしたといえます。教育力の回復は人と人との結びつきの大切さを再認識することから始まり、結びつきを再構築することにより達成されると考えます。
 教育とは本来、人と人との直接的触れあいのなかで互いに教育者となり学習者となって人格の完成をめざすのが、その目的です。人格の完成は教育の目的であると同時に人生の目的であるともいえます。民主社会は「一人一人の人格は異なっても、その人格を互いに無上の価値とし尊重し高めあう社会」と考えるならば、民主社会は教育を社会の手段とせず、教育自体を目的と位置づける社会でなければなりません。「手段としての教育」から「目的としての教育」へと教育観の転換が今、求められています。

(2)家庭、地域が支える「開かれた学校」

 教育もしつけもすべて学校まかせ、という戦後日本の学校依存的体質が家庭、地域の教育力を低下させ、結局、学校崩壊を引き起こしたともいえます。「子どもの最初の教師は両親である」との原点に戻ることが社会全体の教育力再興の第一条件と私たちは考えます。
 その上で、地域そして学校の役割も重大であるといわなければなりません。その学校は教師が圧倒的に主導権を握って今日まで運営されてきており、家庭・地域に対して閉鎖的との批判が多くあります。
 最近、学校施設の地域開放とか、余裕教室の教育目的外利用という施策が進んでいますが、閉鎖性が克服される状況にまでは至っていません。地域社会そのものが学びの場である、教師が中軸になって地域社会も保護者も一体となって学校を支える――そのような学校の再構築こそ「国家のための学校」から「みんなのための学校」への質的転換を可能にすると考えます。

(3)教育の政治的中立性の重要性

 教育基本法第10条第1項には「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」と規定されています。ここで規定されている「教育」は学校教育はもちろん、社会教育そして家庭教育も含まれます。また、純粋教育活動だけでなく、教育行政も含まれます。
 こうした規定の意義は、教育は人格の完成をめざし、精神世界にも影響を及ぼす崇高な行動とみなされていることに由来しています。教育が実現をめざす価値は政治に左右されてはならず、したがって教育活動は公権力からの中立性が保障されなければなりません。その意味で、この第10条の規定は教育基本法の根幹をなす重要規定であると考えます。

(4)高等教育と生涯学習

 社会の急速な発展に伴い、学問分野の細分化や専門化が進んでいます。これは致し方ないことですが、このような流れだからこそ、細かい専門的知識を使いこなせる全人的教養が必要となりますし、また、人生のいかなる時でも学ぶ姿勢を崩さない生涯学習が重要となります。「専門」と「教養」を兼ね備えた高等教育、生涯学習のシステムを創造します。

(5)教育基本法についての考え方

 教育は大きな転換期にあります。新しい教育のビジョンを国民全体で議論し考え、改革を進めていかなければなりません。そのようななかで、教育基本法の見直しが論議されていますが、前文にもあるように教育基本法そのものは日本国憲法制定を契機に制定され、その精神において現憲法と軌を一にしています。特に、教育の目的を「人格の完成」と規定したこと、教育が政治から中立でなければならないとしたことなどは、永遠にめざすべき指針として堅持されるべきです。教育基本法の改正問題については十分に時間をかけた検討、議論の深まりが必要と考えます。

2 教育行政改革

(1)「教育改革会議」(仮称)の創設

 大綱的な教育内容の検討や中長期の教育方針策定など教育のグランドデザインを策定するための常設審議機関として「教育改革会議」(仮称)を設置します。同会議は、教育について深い見識と視野を備えた民間の有識者、研究者、文化人、学校関係者などで構成され、極めて高い政治的中立性を持つものとして扱われ、例えば現在ある「教育改革国民会議」を発展的に改組してこの任にあたらせることも考えられます。

(2)教育委員会の活性化

 教育委員会を活性化させることによって、教育の一般行政からの独立を制度的に徹底し教育の地方分権を進めます。例えば地域の特性や教育現場の意見、工夫が直接反映されるよう教育委員の選任方法の改善など教育委員会の体制を刷新します。

(3)地域カリキュラムセンターの設置

 都道府県に置かれる教育センターを改組し、地域の地理、歴史、風土に根差した教材の作成や教育方法の開発を検討し教員などの相談にも応じる地域カリキュラムセンターとして設置し、教育委員会の企画立案を補佐します。

3 学校運営改革

(1)学校長のリーダーシップを活かす学校運営

 教員や父兄など学校が一体となって教育力を高めることができるように、学校長のリーダーシップが発揮できるシステムが必要です。学校長の権限と責任を明確にし、教職員の人事・学校予算の編成・学校独自の教育方針の策定などで学校長の決定権限を拡大します。
また、校長の日常業務を補佐するため、教務及び事務を担当する副校長制を検討します。
 学校は、学校教育だけでなく地域社会の生涯学習の拠点として今後ますます重要性を増してきます。公募制や民間人からの登用など学校長選任の幅を拡大するとともに、マネージメント能力の養成のために大学院に校長専門職の養成コースを設けます。

(2)学校の情報公開制度の確立と学校評議会の設置

 学校がその教育機能を回復するためには、学校、地域、家庭の連携のなかで学校を支え育てる必要があります。その第一のステップとして、学校がどのような教育を行っているかを保護者、児童生徒、地域住民に知ってもらうために、学校情報公開制度を確立します。
 第二は、定期的に地元関係者や父兄への学校公開日を設けたり、学校公聴会などを開いて学校と地域、父兄の対話を活発にします。
 第三には、学校ごとに父母、卒業生、地域代表などで構成する学校評議会を設置し、学校運営や教育効果を評価し、教育委員会や学校に意見具申するシステムを構築します。

(3)通学区域の弾力化

 公立小中学校の学区制は子どもや父兄から学校選択の自由を奪っており、いじめや不登校の背景の一つともいわれています。通学区域の弾力化は、就学校の選択権を広げることによって子どもと学校の間に新たな信頼感を醸成するとともに、教育する側の公立学校間にも競争原理を導入することによる教育面の触発や刺激が生まれる効果も期待できます。

(4)研究開発校事業など学校の多様化を推進

 学校の活性化は、文字通り学校が学ぶ喜びに満ちた場に変わることから始まります。その点、学習指導要領を始めとする硬直的な義務教育制度が「面白くない学校」「詰め込み授業」を誘発していると指摘されています。こうした教育の実態を打破する手法として、現行の教育法制にとらわれない研究開発校事業の積極的活用が「楽しい学校」や「分かりやすい授業」などの教育効果を上げています。地方教育委員会でも研究開発校を独自に認定したり、期限付きで学校開設が特別許可される公設民営学校(チャータースクール)やフリースクールなどを研究開発校として認定できるよう制度を拡充します。

(5)学校施設の整備・改善

 学校トイレの改善・整備、教室などへの空調施設の設置、学校施設のバリアフリー化など、快適な学校施設に向けて整備に努めます。

4 教員改革

(1)優れた教員の採用と養成

 「優れた教員の発掘と育成こそ教育改革の要諦」といわれるように、優秀な教員の採用・養成システムこそ急務です。教職員の教育業績の評価及び人事システムを再構築するとともに、教員免許に更新制を導入します。さらに雇用契約制による教員採用や、社会人や障害者、外国人の教員の積極的採用を進めます。

(2)「臨床教育学」の構築

 国立教育政策研究所に各地の学校や教員の創意工夫に満ちた教育事例のデータベースを構築するとともに、教師の教育相談に対応できる窓口を設置します。興味を呼び起こす教授法や分かりやすい授業などの「臨床教育学」の学問体系化を進め、教育系大学院に講座を開設するなど実践的な教育方法の開発を推進します。

5 学習内容改革

(1)自然や人間と共生する教育

 子どもたちの人間関係や自然体験の希薄化が指摘され、社会や集団活動のなかで対話や交流を通して物事を進めたり仕事を成し遂げる能力の不足が目立っています。職業体験(トライやる・ウィーク、インターンシップ)やボランティア・介護奉仕などの地域活動、洋上学校や森林学校など自然体験活動等を積極的に取り入れていきます。

(2)コミュニケーション能力を培う教育

<1> 一クラスごと一律授業方式を改め、理解度、進度、個性に応じて小人数グループ学習が実施できるよう柔軟な学級編成を可能にします。
<2> 自分の意見を表明する技術を磨くディベート(討論)形式の授業を採り入れ、また、小学校段階で会話中心の英語教育を進めます。
<3> 一人一台のパソコン配備と高速ネットワークへのアクセスによって、情報リテラシー(活用する能力)を向上させます。

(3)知恵をはぐくむ教育

 記憶中心の詰め込み教育の行き過ぎによって、子どもたちに「学ぶこと」の意義を見失わせています。知識の個別性や知恵の全体性、生きることとの関係性などを学ぶためには名作や偉人伝に学ぶことが有効であり、学校や家庭で古典や良書に親しむ運動や図書館などの環境整備を推進します。

(4)単位制・総合学科制高校の拡充

 高校教育において、生徒一人ひとりの学習意欲・自主性を尊重しそれぞれの人生への選択の準備を着実にすすめることができるよう、選択履修機会の拡大や科目選択を自由に行う単位制や総合学科制の高校を拡充します。

(5)「ゆとり教育」のあり方の見直し

 「ゆとり教育」は、本来の目的である「考える力」の育成から離れ、単に授業時間を減らし教育内容の簡素化のみに終わる傾向が見られ、児童生徒の学力低下の一因となっているといわれています。「考える力」を養い、知徳体のバランスのとれた正しい知育を充実させる必要があり、いわゆる「ゆとり教育」について再度見直します。

6 進路指導の見直しと入試改革

 現在の進路指導は受験指導が主流となっていますが、本格的進路指導は学校と社会の垣根を低くすることから始まります。高校入試、大学入試の改革は中学生や高校生の「職業体験学習」の充実が前提です。生徒が社会の現実に触れることなくして、真の進路選択はあり得ないからです。また、社会の現実を知ることが人間的な成長を促します。
 そうした観点から、<1>中学・高校における職業体験学習の強化、<2>アルバイトの積極的評価と社会の受け入れ体制の整備、<3>高校卒業認定試験の実施、<4>推薦入試枠の拡大・ボランティア経験や一芸などから人物をみるAO(アドミッション・オフィス=専門機関)入試など、大学入試の多様化を推進します。

7 高等教育の再構築

(1)リベラルアーツ教育(教養教育)の促進

 学問の分化が進むからこそ、それを有機的に結びつける教養教育が重要となってきます。別な言葉でいうと、専門的知識に習熟することはもちろん重要ですが、それを知恵化することのできるバランスのとれた全体的人間が必要とされています。その全人教育・教養教育がリベラルアーツであり、これからの大学教育・高等教育の一つの重要な役割と考えます。生涯学習の体制を整えるためにも、リベラルアーツ教育の充実に努めます。

(2)学問単位・分野単位での大学間協力の促進

 「学びたい時に学びたいものを学ぶ」といった視点が現在の大学制度において欠如していると思われます。学問への旺盛な探求心は常に変化し新たに生まれるものとの観点に立ち、学問単位・分野単位で大学の窓口を大きく開き、単位互換や大学連合など学ぶ側の希望に柔軟に対応できる大学間協力を促進するとともに、生涯教育、生涯学習促進の環境整備をはかります。

(3)高等教育における国際化の促進

 グローバル化の大きな潮流は、教育の分野においても看過できない重要な課題です。日本の教育の質的向上をはかるためにも高等教育機関における留学生の相互受け入れを積極的に推進するための環境を整備します。

(4)大学・大学院の教育の多様化と研究の活性化

<1> 大学教員とその教育・研究内容の質的向上をはかるために、大学外の多様な機関との共同研究の推進、研究成果の社会への還元、教育・研究状況に対する国際的な評価制度の導入などを推進します。
<2> 先端科学技術、および基礎科学部門の研究機能を充実・強化するとともに、グローバルな情報ネットワークを拡充します。
<3> 学習と研究への意欲のある社会人への積極的支援をはかるため、夜間部、昼夜および休日開講制や夜間大学院の拡充や大学のコミュニティーカレッジ化などを推進します。また技術革新の進展や産業構造の変化を踏まえ、学習ニーズの高度化に応じた専門的・体系的な教育の充実をはかります。
<4> 社会人をはじめ多様な学生に開かれた大学・大学院にするため、労働や福祉行政との連携を強め、働きながら安心して学べる体制を構築します。

8 教育費負担軽減と私学振興策

(1)新たな奨学金制度を創設

 日本育英会奨学金制度を抜本的に改革し、希望するすべての生徒・学生に奨学金を無利子で貸与できる新たな「教育奨学金制度」を創設します。

(2)私学の振興と就学者の負担軽減

 私立学校法人が多様で特色のある小中学校を設置できるように設置基準などの規制を緩和します。ITなどの施設整備と保護者の負担軽減をはかるため、寄付金控除など税制の優遇措置を拡充し、私学助成を増額します。特に特色ある取り組みをしている学校に重点的に配分する仕組みをつくります。

9 青少年の健全育成策

 少年による凶悪犯罪が大きく報道され、少年法改正問題も国民の幅広い各層から注目を集めました。青少年を社会の後継者として責任を持って健全に育成していくことは社会全体の中心的かつ深刻な課題であり、積極的に育成策を講じていく必要があります。そのため、次の施策を推進します。
<1> 「社会での実体験」を通して人間性を養うために、地域社会が主体となって自然体験活動や生活体験活動を実施できるように制度化します。地域の大人の協力の下に奉仕活動に限らず自然体験や職業体験、ボランティア活動の推進をはかります。
<2> 青少年育成に関して国・地方自治体・国民の責務を明らかにするとともに、例えば青少年施設の整備や相談員の配置など良好な育成環境を整備し、有害図書類の規制など健全な成長を阻害するおそれのある行為を防止することを目的とする「青少年健全育成基本法」(仮称)を制定します。
<3> 地域における青少年育成指導者は大半がボランティアであり、資格制度もほとんどないため、青少年育成地域リーダーの養成システム(資格制度・養成機関)を創設します。


10 文化・芸術の振興

<1> 文化・芸術活動に関わるボランティア団体、NPO法人、グループ、サークルなどへの支援や若手芸術家の育成等をはかります。また、青少年の文化・芸術鑑賞の機会を拡充します。
<2> 地域の民俗芸能、工芸品等の伝統文化や有形・無形文化財の保存等を推進します。
<3> 幼児から大人まで、さまざまな年代層の文化への参加と享受の機会を拡充し、文化基盤の整備や芸術活動への奨励援助を促進するため、「文化・芸術振興基本法」を制定します。
<4> 芸術活動を通じての海外交流を積極的に推進します。

11 生涯スポーツの振興

<1> 健康で豊かな生涯スポーツの振興をはかるために、登録制度の創設などで指導者の待遇改善をはかるとともに、スポーツ施設への適切な配置を推進します。
<2> スポーツ活動を通じての海外交流を積極的に推進します。

このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

第3回公明党全国大会、重点政策 - 第1部『第3章 安定した社会保障制度の確立』

001105komei_top

2000/10/23update

第3回公明党全国大会 重点政策(案)
21世紀「健康日本」の構築

―― “活力と安心の生活大国”をめざして ――


第1部

第三章 安定した社会保障制度の確立
〜確かなセーフティネットを求めて〜

1 新しい世紀の社会保障

○ わが国の社会保障制度は、時々の国民の様々なニーズに応えながら、戦後半世紀の懸命な取り組みにより、大きな発展を遂げてきました。今や、先進諸国に比べても遜色のないメニューと水準に達し、国民生活の上で、必要不可欠な制度として定着するに至っています。しかしながら、急速な少子・高齢化の進行と平成以降のバブル景気崩壊に端を発している経済不況のなかで、社会保障制度に対する不安が高まっています。高齢世代はもとより、特に社会の第一線の現役世代に、将来に対し暗いイメージと、社会保障制度に対する大きな不安感が生じています。

○ わが国は、世界に類例を見ない「高齢社会」を迎えています。このことは誠に喜ばしいことであり、国民一人一人がこうした誇るべき長寿・高齢社会のなかで、健康で、そして安心して生活を送ることができるよう"健康日本"を創造していかなければなりません。そのために、セーフティネットとしての社会保障の改革を断行します。

○ その視点は、少子・高齢化の進行、経済・財政の変動などの影響を最小化する持続可能な社会保障制度にするということであり、そして、支え手が少なくなる状況にあっては、何よりも、世代間や世代内の公平性が重要と考えます。

○ また、年金制度や医療、介護などを個別の制度として運営するのではなく、年金、医療、介護、そして雇用や家庭、家族政策も含めて、制度全体を一つのシステムとして整合性のある、かつ効率的な運用が確保されなくてはならないと考えます。今日わが国が抱える構造的な社会問題に対して能動的・予防的に働きかけていく総合的な社会政策を進めます。

2 確かなセーフティネットを求めて

(1)活力ある健康長寿社会の樹立

○ 高齢化の進展のなかで、ただちに健康を害する人や介護を要する人が急増するわけではありません。わが国の高齢世代の意識は、老いと病の苦しみの長寿から、健康を満喫し老いを楽しむ長寿へと変貌を遂げようとしています。
○ こうした「健康な長寿」への意識変革こそが、 高齢化対策の土台と考えます。そのために、食生活や運動などを始めとする生活習慣の改善、喫煙などの危険因子の低減、充実した健診等による疾病の予防など、総合的な健康づくり対策を進めます。また、健康な高齢期の創造のため、脳卒中対策の推進や痴呆の原因究明、介護の充実、さらには、骨・関節についての研究からリハビリまでの総合的な対策などを「メディカル・フロンティア戦略」として積極的に進めます。
○ 高齢世代が健康づくりの取り組みを長期的かつ意欲的に持続していくため、運動習慣を身に付けるためのスポーツ施設の充実やレクリエーションの活性化などが重要です。このような対策が効果的に実施されるよう、国、自治体、研究機関、教育機関、マスメディアなどの緊密な連携をはかりながら、健康長寿社会の樹立に向けた多角的かつ継続的な基盤づくりを推進していきます。

(2)自助・共助・公助のベストミックス

○ 自立を重んじ価値を創造する21世紀の社会保障制度とするためには、自助・共助・公助のバランスが必要です。今日まで培われてきたわが国の社会保険方式は、そのメリットを活かしつつ、社会保険料と公費により安定した財源確保をはかることが必要であり、今後ともこれを維持します。
○ 公助を補完する活動としてNPOなど民間非営利活動が新しい共助の仕組みとして定着してきています。こうした活動の財政基盤を強める寄付金税制を整備します。また、高齢者同士の支えあい活動やシルバー人材センターなど地域における元気な高齢者が世代内共助として活躍できる環境づくりを積極的に進めます。

(3)高齢者の実情に即した制度

○ 今日まで社会保障の充実がはかられるなかで、高齢者は、ともすると弱者として福祉の対象者、支援の対象者という見方がされてきました。高齢者の生活の実情は、一律の経済弱者ではなく、もちろん、一律の富裕者でもありません。これからの少子高齢社会においては、人口の4分の1から3分の1を占めることになるこうした高齢者の方々の生活の実情に即して、新しい社会保障システムを築いていかなければなりません。
○ 高齢者の方々には、可能な限り元気で生きがいのある生活を送っていただくため、「健康日本21」の政策を進めるとともに、生活習慣病対策や介護予防対策を重点的に行います。
○ その上で、高齢者の資産所得に応じた負担のあり方、相続税・贈与税のあり方などについて検討を進めるとともに、高齢者の居住用資産を資金化して豊かな老後生活を可能にするリバース・モーゲージ制度の導入を進めます。

(4)公平・公正な世代間、世代内負担

○ 少子高齢化の進行のなかで、若い世代の社会保障制度に対する不安感が大きくなっています。特に、わが国の潜在的国民負担率(租税負担+社会保障負担+財政赤字の対国民所得比)はすでに49%を超えており、将来世代の負担増には強い関心が持たれています。
○ こうした事態に対応するためには、社会保障の給付面でも、ムダを省き、効率化・合理化を図っていくことが必要ですし、あわせて現役世代と高齢者双方が可能な限り負担を共有していくことが求められます。
○ 介護保険制度は、すべての国民で介護負担を分かち合うとの理念のもと、20歳以上の国民の加入とすべきです。また、高齢者の方々に対しては高額所得者の所得控除のあり方も検討し、生活の実情に即した適切な課税とする必要があります。この場合、こうした世代間の負担の公平性とともに、世代内の公平性も重要な視点と考えます。

(5)システムの効率化・合理化

○ 社会保障の制度内の改革として、年金、医療、介護など制度間の有機的な連携を再構築し、効率的運用により歳出の削減、制度間の重複や不公正を是正しなくてはなりません。
○ 社会保障の趣旨を超えない範囲において、競争原理を導入し、結果として歳出の抑制をはかります。厚生年金の二階部分の民営化や医療機関や保険者間における競争原理の導入などを幅広く検討することが必要です。
○ なお、わが国の国民医療費はすでに30兆円を超え、国民所得の伸びを大きく上回っており毎年8%程度の増加を見ています。経済の低成長を考えると、今後の財政健全化計画に合わせ医療の適正水準にかかる目標値を設定の上、制度改善に取り組むことが必要と考えます。

(6)高齢者や女性が働きやすい雇用環境

○ 女性や高齢者の雇用を促進し、労働人口を拡大する対策を進めなくてはなりません。そのための制度改革や社会的習慣の打破に努める必要があります。
○ 育児と仕事の両立を可能にするため就業環境の整備、病後児保育などの特別保育をエンゼルプランのなかで着実に進めます。また、ファミリーサポートセンターの大幅な拡充をはかります。
○ 60歳代現役社会をめざし、継続雇用制度などの推進をはかりながら、「雇用における年齢差別禁止法」の制定によりエイジフリー社会を実現します。

(7)有効な少子化対策

○ 少子化の進展は高齢化上昇率の主たる要因であると同時に、21世紀のわが国の根幹を揺るがしかねない問題です。この事態を克服するには、長期的な展望に立った不断の取り組みが必要です。こうした少子化社会における総合的な施策の推進のため『少子化対策基本法』を制定します。
○ また、社会保障制度のなかにおいても、総合的かつ効果的な少子化対策を進めていかなければなりませんが、今後は特に子育て家族支援策を強化する必要があります。地域の育児力の強化や育児不安解消のための支援策、保育所や幼稚園の機能の見直し、無認可施設の評価、ベビーシッター利用への支援拡充など、専業主婦家庭も対象とする、子育て家族を支援するための総合的な取り組みを進めます。

(8)個人単位の制度設計

○ わが国の社会保障制度は、給付と拠出について、基本的単位は個人または世帯となっています。税制における支出と負担の単位の考え方もあり、今日まで様々に議論されてきました。国民年金第三号被保険者の拠出、社会保険の加入制限、遺族年金などの世帯単位の考え方が女性の就業意欲を削いでいる、負担の公平性を欠いている、などの指摘もあります。
○ 女性の就業実態や離婚率の上昇、男女共同参画社会の推進等を総合的に考えて、今後においては、社会保障の基本単位を個人として制度設計をはかるべきと考えます。

3 具体的な政策提言

(1)社会保障基金機構の創設

<1> 現在、わが国の社会保障制度は、年金、医療、介護、そして雇用と各制度ごとに分かれていて、国民にとっては負担と給付の全体像が見えにくく、また、加入、保険料の納付、給付等について利便が悪く、給付面でも公平に欠けるところもあります。

<2> こうした問題解決へのアプローチとして、また、総合的な運営という観点から、これらの社会保険各制度を一つに集約する社会保障基金機構の創設を提案します。この機構の設立により、加入、納付、給付等にかかる手続きを一つにまとめ、国民の利便の向上をはかるとともに、公平の確保と財政の安定をはかろうとするものです。

<3> 具体的には現在の社会保険庁を改組してこれに当てます。省庁再編によりすでに徴収の一元化などが検討されていますが、四制度を通じて被保険者・受給者管理を一本化し、個人単位の被保険者カードを交付することとします。このカードの活用により、国民が知りたいときにトータルの年金額がわかるような、便宜的個人勘定方式による試算数字の照会システムも導入します。

<4> 所得保障である現金給付を行う年金保険、雇用保険については、社会保障基金機構が経営主体となります。現物給付を行う医療保険、介護保険については、医療保険は都道府県を経営主体とし、介護保険は市町村から広域連合へと拡大を進めます。

<5>老人保健制度については、75歳以上の後期高齢者を被保険者集団とする「後期高齢者医療保険制度」とし、都道府県を保険者とする改革を行うべきであると考えます。自己負担については上限付き定率負担にするなど介護保険制度と横並びの負担方式が好ましいと考えます。

<6> こうした改革は、財政健全化5カ年計画の第鬼から着手し、それ以降、段階的に実施し、体系化をめざします。

(2)子育て家族支援対策の取り組み

<1> 子育て支援策の柱として児童手当の拡充をはかってきましたが、さらに、欧米並みに16歳までの児童家庭を対象とするよう拡充をはかります。わが党は、税制における年少扶養控除を発展的に解消し、手当として支給する改革をめざします。

<2> また、「少子化対策基本法」の制定により、今なすべき雇用・労働・福祉・教育分野の少子化対策の体系化をはかると同時に、今後は、子育てにかかる費用を社会全体の負担とする観点から、税制のあり方と同時に「児童年金」や「子ども保険」などの社会保険方式の導入についても幅広く検討します。

<3> さらに、民間活動を積極的に支援するため、現行の子育て支援基金やこども未来財団の役割を整理して、子育てサークルなどの地域の子育て支援NPOに対する支援を強化します。また、出産育児一時金制度の改善や無認可保育所への支援を進めます。

(3)公的扶助の見直し

 21世紀の社会保障を展望する場合、これまで以上に自己責任原則の下、社会保険制度が運営されることから、こうした制度の外側に追いやられてしまう方々への対策が重要となってきます。現行の生活保護法は、厳しいミーンズテスト(資産調査)の下、運営されており、無年金の方々のなかには生活保護基準以下の生活をされている方も多く見られます。したがって、生活保護の医療単独給付(医療保護)などの事例も参考に、公的扶助と社会保険制度との谷間を埋める新しいシステムを検討します。

(4)社会保障財源のあり方

<1> 少子高齢化の急速な進展により、社会保障制度内の改革だけではその目的を達成することは困難な状況となっています。財政的にも、制度的にも社会全体のなかで解決しなければなりません。21世紀の社会保障を考える場合、税と社会保険料のあり方について再検討し、税の出動範囲を明確にするとともに、安定的な財源を確保する必要があります。

<2> そうした観点から、個人の健康に深くかかわるたばこ税や環境政策と社会保障政策のクロス現象が見られる環境税などについては、社会経済の動向を勘案しながら、社会保障財源として今後検討を進めます。

このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。
自己紹介
井手よしひろのプロフィール

茨城県議会議員の
井手よしひろです。
茨城県の県政情報、
地元のローカルな話題を
発信しています。

http://y-ide.com
master@y-ide.com
ブログ内記事検索
茨城県のニュース
公明新聞ニュース
カテゴリ別目次
月別記事一覧
最新コメント
お断り
このホームページ(Blog)へのリンクは自由に行ってください。
文章の引用等も自由です。
ただし、リンクや引用等によって生じた不利益に対して、管理者はその責任を負いかねますので、ご容赦ください。
スマホ・携帯QRコード
QRコード
総訪問者数

現在の閲覧者数: