介護保険を考える - 3つの疑問について

3つの疑問について

<この資料は1996年現在の厚生省のパンフレットをもとに作成しています。したがって、現状の制度とは違っている場合もあります。>


1.財政面や事務面で市町村は不安ではないか?
2.費用が増えるのではないか?
3.介護保険のサービスを受けられる対象者は、限られるのではないか?


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財政面や事務面で市町村は不安ではないか?

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全体費用の8割強は、公費と医療保険者納付
(費用が当初見込みより増加した場合は、精算交付)

市町村が徴収する高齢者保険料は、全体費用の2割弱
(さらに、高齢者の70%は年金天引き)

市町村が徴収する高齢者の保険料に未納があったり給付費が急増した場合には、各都道府県の国民健康保険団体連合会に設ける財政安定化基金により財政支援事業を行う新たな仕組みを導入。

市町村の保険料は、国民健康保険団体連合会が示す基準により設定。その改定は3年に1回とし、各市町村が同時改定となる仕組みを導入。

要介護認定の事務については、国民健康保険団体連合会や都道府県に委託が可能。


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費用が増えるのではないか?

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今後、高齢化に伴って、介護に関するニーズが増加し、介護費用も増加

介護保険制度は、現行制度を再編成し、高齢者介護サービスを総合的・効率的に提供するもの

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(注)40〜64歳の老化に伴う介護費用は約0.1兆円

要介護認定により適正にサービスを給付。出来高払いではなく定額払いなので、非常に高額な費用は生じない。

社会的入院の解消により、現行制度の場合よりも介護費用は効率化。

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(注)
社会的入院は、介護を理由とする高齢者の長期入院。1か月の費用は1人約50万円。介護施設の場合は26〜43万円。

介護費用は、介護保険制度導入後において在宅サービスの利用率が緩やかに伸びるケース


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介護保険のサービスを受けられる対象者は、限られるのではないか?

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要介護であったり虚弱であるために、介護保険のサービスの対象となる高齢者は、65歳以上の約13%であるが、80〜84歳では25%、85歳以上では約50%

また、65歳以上の死亡者のうち、死亡前に、3人に1人は1年以上、2人に1人は6か月以上の間、要介護であったり虚弱であるために介護その他の支援が必要

要介護や虚弱でない元気な人には、老人保健の健康相談、検診、福祉の生きがい対策などで対応

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介護サービスの基盤整備を促進
新ゴールドプラン(総額9兆円)に基づく在宅サービスや施設の整備
介護保険事業に関する計画の作成など国、地方を通じた計画的な基盤整備の推進
小規模な市町村やサービス不足地域への支援

このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

介護保険を考える - 介護保険創設のねらい

1.介護保険創設のねらい

介護問題は高齢社会の最大の課題

本格的な高齢社会の到来
要介護者数の増加

介護の重度化・長期化
65歳以上の死亡者の2人に1人が死亡6か月前から寝たきりや虚弱
寝たきり老人の期間   寝たきりの人の47%が3年以上寝たきり

介護者の高齢化
介護者の年齢  家庭の介護者の5割が60歳以上

家族機能等の変化
家庭介護者の9割は女性
子との同居率の低下
女性の就労の増加

国民の介護への不安の高まり
高齢期の主な不安の内容は、2人に1人が、
「自分や配偶者が寝たきりや痴呆で介護が必要になったときのこと」

家族の過重な介護負担

家庭介護者が要介護者に憎しみを感じる         約35%
家庭介護者が要介護者を虚待したことがある       約50%
高齢者介護のために精神的疲労を感じると答えた管理職  約46%

国民の8割が介護保険の創設に賛成
現行制度による対応には限界

福祉ではサービスの選択がしにくい(行政による利用決定)

制度間の利用料の不均衡
特別養護老人ホーム:年収800万円、老親が平均的な厚生年金受給者の世帯の負担は月額19万円

社会的入院(介護を理由とする高齢者の長期入院)の医療費
1人月額50万円

国民の8割が介護保険の創設に賛成(総理府世論調査)

介護保険は社会保障の構造改革の第1歩

介護保険創設のねらい
 介護に関する国民の不安に対応するため、福祉と医療に分かれている高齢者の介護に関する制度を再編成し、利用しやすく、公平で、統一的な社会的支援システムを構築

利用者が、自由にサービスを選択して利用できる仕組み
介護に関する福祉と医療のサービスを総合的・一体的に提供
画一的でなく、多様で効率的なサービスを提供
社会的入院の是正などにより、医療費を効率化

介護保険は、現行制度に比べ費用を効率化するとともに、今後の構造改革の道筋をつける第1歩
少子高齢社会に向けて、社会保障制度を再構築し、国民負担の増大を抑制
医療保険改革の一環として、医療から介護部分を切り離し、医療保険を効率化
現行制度の負担の不均衡を是正し、高齢者も応分の保険料や利用料を負担

民間活力の活用
民間事業者や農協、住民参加の非営利組織など多様な事業主体の参加
有料老人ホーム(株式会社)でも介護保険のサービスを提供

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介護保険を考える - 介護保険制度案Q&A

介護保険QandA

<この資料は1996年現在の厚生省のパンフレットをもとに作成しています。したがって、現状の制度とは違っている場合もあります。>

なぜ介護保険制度が必要なのですか?
介護保険制度の創設によって何がどう良くなるか?
どのような人が保険給付の対象となるのか?
どのようなサービスが受けられるのか?
どのような手続きでサービスが利用できるのか?
医療保険により医療が受けられなくなることはないか?
自己負担(利用者負担)はどうなるのか?
保険料はどのように設定され、負担することになるのか?
介護保険はいつからスタートするのか?
将来の費用負担はどうなるのか?
今後、過重な負担となるようなことはないか?
介護保険は、市町村にとって重荷にならないか?
介護に関するサービスの基盤をどのように整備するのか?

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なぜ介護保険制度が必要なのですか。

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《介護問題は老後生活最大の不安要因》

今後、高齢化の進展に伴って、寝たきりや痴呆の高齢者が急速に増えることが見込まれています。また、介護が必要な期間が長期化したり、介護者の高齢化などが進んでおり、家族による介護では十分な対応が困難となってきています。こうした中、今日、介護問題は、国民の老後生活最大の不安要因となっています。

《現行制度は医療と福祉の縦割り》
高齢者介護に関する現行の制度は、医療と福祉の縦割りの制度となっており、サービスが自由に選択できない、サービス利用時の負担に不公平が生じている、介護を理由とする長期入院(いわゆる社会的入院)等医療サービスが非効率に利用されている等の問題が指摘されています。

《急速に増加する介護費用への対応》
こうした不安や問題の解消を図り、今後、急速に増加することが見込まれる介護費用を将来にわたって国民全体で公平に賄う仕組みの確立が求められています。


【今後、急速に増える寝たきりや痴呆の高齢者】
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【85歳を超えると4人に1人が要介護状態】
(単位:%)
65〜69歳70〜74歳75〜79歳80〜84歳85歳〜
寝たきり(寝たきりでかつ痴呆の者を含む)1 1/235 1/21020 1/2
要介護の痴呆性(寝たきり者を除く)01/211 1/23 1/2
(国民生活基礎調査、社会福祉施設調査等から推計)

【介護する者の2人に1人は60歳以上】
39歳以下
5.6%
40〜49歳
18.2%
50〜59歳
27.2%
60〜69歳
27.0%
70歳以上
22.0%
(出典)厚生省「国民生活基礎調査」(平成4年)

【介護を受ける者に対し憎しみを感じたことがある者が35%】
 〔介護を受ける者に対し憎しみを感じる介護者は3人に1人〕
いつも感じている
1.9
ときどき感じている
32.7
あまり感じない
36.5
まったく感じていない
25.6
NA
3.3


 〔介護を受ける者に対し虐待したことのある介護者は2人に1人〕
よくある
2.0
ときどきある
14.4
あまりない
33.2
まったくない
47.0
NA
3.4


【高齢者介護に関する現行制度の問題点】
−老人福祉−
対象となるサービス
特別養護老人ホーム 等
ホームヘルプサービス、デイサービス 等
(問題点)
市町村がサービスの種類、提供機関を決めるため、利用者がサービスの選択をすることができない
所得調査が必要なため、利用に当たって心理的抵抗感が伴う
市町村が直接あるいは委託により提供するサービスが基本であるため、競争原理が働かず、サービス内容が画一的となりがち
本人と扶養義務者の収入に応じた利用者負担(応能負担)となるため、中高所得層(サラリーマンOB層)にとって重い負担
平均的なサラリーマン世帯(年収800万円)、老親は厚生老齢年金受給者の場合の特別養護老人ホームの老親本人の負担は14.9万円/月、扶養義務者の負担は4.1万円/月、合計19万円/月


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−老人医療−
対象となるサービス
老人保健施設、療養型病床群、一般病院 等
訪問看護、デイケア 等
(問題点)
福祉サービスの基盤整備が不十分である一方、利用者負担が中高所得層にとって入院の方が低いことなどから、介護を理由とする一般病院への長期入院の問題が発生(特別養護老人ホームや老人保健施設に比べてコストが高く、医療費のムダ)
治療を目的とする病院では、スタッフや生活環境の面で、要介護者が長期に療養する場としての配慮が不十分(居室面積が狭い、食堂や風呂がない)


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介護保険制度の創設によって何がどう良くなるか?

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《利用しやすく公平で効率的な社会的支援システムの実現》

介護保険制度は、老人福祉と老人医療に分かれている高齢者の介護に関する制度を再編成し、利用しやすく公平で効率的な社会的支援システムを構築するものです。

利用者本位の制度として、自らの選択に基づいたサービス利用が可能となります。
高齢者介護に関する福祉サービスと医療サービスの総合的・一体的な提供が可能となります。
公的機関のほか、民間事業者の参入促進が図られ、多様で効率的なサービス提供が期待できます。
社会的入院の是正などにより医療費のムダが解消されます。

《国民の8割強が賛成》
平成7年に総理府が実施した高齢者介護に関する世論調査では、国民の8割強(賛成46.7% どちらかといえば賛成35.6%)が介護保険制度の創設に賛成しています。

【現行の老人福祉と老人医療の制度を介護保険制度に再編成】

《現 行 制 度》

【老人福祉】
施設○特別養護老人ホーム
在宅○ホームヘルプサービス
○ショートステイ
○デイサービス
○福祉用具給付・貸与など


【老人保健(医療保険)】
施設○老人保健施設
○療養型病床群など
在宅○老人訪問看護など

    ↓

《新制度》

【介護保険】
施設○特別養護老人ホーム
○老人保健施設
○療養型病床群など
在宅○ホームヘルプサービス
○ショートステイ
○デイサービス
○リハビリテーション
○グループ・ホーム
○福祉用具給付・貸与など
○老人訪問看護など



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どのような人が保険給付の対象となるのか?

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≪被保険者の範囲は40歳以上≫

被保険者は、。僑戯舒幣紊諒(第1号被保険者)と、■苅虻个ら64歳までの方のうち医療保険に加入している方(第2号被保険者)です。

これらの被保険者の方が、‘浴、排せつ、食事等の日常生活動作について介護を必要とする状態(要介護状態)にある、あるいは、虚弱な状態であって要介護状態とならないために適切なサービスを受けることが必要な状態(要介護状態となるおそれのある状態)である場合に、保険給付の対象となります。なお、40歳から64歳までの方については、脳卒中、初老期痴呆など老化に伴って生じた要介護状態に対し保険給付を行います。

≪85歳以上では2人に1人が対象≫

要介護状態であったり、要介護状態となるおそれのある状態であるために、介護保険の保険給付の対象となる高齢者の方は、全高齢者(65歳以上)の約13%ですが、80歳〜84歳では約25%、85歳以上では約50%と見込まれます。

また、65歳以上で亡くなった方のうち、約3人に1人は1年以上、約2人に1人は6か月以上の間、寝たきりや寝たり起きたりの状態となり(3ページ参照)、生涯を通して見た場合、介護保険の保険給付の対象となる可能性は決して低いものではないと考えられます。

なお、要介護状態などではない元気な方々に対しては、健康相談、健診などの保健事業、生きがい対策などが老人保健制度等により実施されます。

【若年世代の要介護状態への対応】

 活動年齢期にある若年世代の要介護状態については、現行の障害者福祉施策(平成7年12月に策定された「障害者プラン」等)の充実により計画的に対応します。なお、介護保険制度スタート後、障害者プランの進捗状況、障害者福祉施策との整合性などに配慮して、被保険者の範囲を含め制度全般について検討を行うこととしています。


qus_4
どのようなサービスが受けられるのか?

ans_4
《自立支援のためのサービス −24時間対応を目指す−》

介護保険は、介護を必要とする方がその有する能力に応じて自立して生活できるよう、在宅・施設の両面にわたって必要な福祉サービス、医療サービスなどを提供するためのものです。

特に、在宅に関する給付については、介護を必要とする多くの方々が、できる限り住み慣れた家庭や地域で生活を送ることができるようサービス内容の充実を図り、24時間対応が行えるような水準を目指すこととしています。

【介護保険の給付内容】
在宅に関する給付

訪問介護(ホームヘルプサービス)
ホームヘルパーが家庭を訪問して介護や家事の援助を行います

訪問入浴
浴槽を積んだ入浴車で家庭を訪問して、入浴の介護を行います

訪問看護
看護婦等が家庭を訪問して看護を行います

訪問・通所によるリハビリテーション
理学療法士や作業療法士等が、家庭を訪問したり、あるいは施設において、リハビリテーションを行います

かかりつけ医の医学的管理等
医師、歯科医師、薬剤師等が家庭を訪問し、療養上の管理や指導を行います

デイサービス
デイサービスセンター等において、入浴、食事の提供、機能訓練等を行います

短期入所サービス(ショートステイ)
介護を必要とする方を介護施設に短期間お預かりします

痴呆の要介護者を対象とするグループホームにおける介護
痴呆のため介護を必要とする方々が10人前後で共同生活を営む住居(グループホーム)において介護を行います

有料老人ホーム等における介護
有料老人ホーム等において提供されている介護なども介護保険の対象とします

福祉用具の貸与及びその購入費の支給
車椅子やベッドなどの福祉用具について貸与を行うほか、貸与になじまないような特殊尿器などについて購入費の支給を行います

住宅改修費の支給
手すりの取付や段差解消などの小規模な住宅改修について、その費用を支給します

居宅介護支援(ケアマネジメントサービス)
介護を必要とする方の心身の状況、意向等を踏まえ、上記の福祉サービス、医療サービスの利用等に関し、居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、これらが確実に提供されるよう介護サービス提供機関等との連絡調整などを行います

施設に関する給付

特別養護老人ホームへの入所
老人保健施設への入所
療養型病床群、老人性痴呆疾患療養病棟その他の介護体制が整った施設への入院

市町村の独自給付

 以上の給付のほか、市町村は、地域の独自のニーズに応じ、65歳以上の方(第1号被保険者)の保険料を財源として、以下の給付を行うことができます。

介護を必要とする方等に対する寝具洗濯・乾燥サービスなどの給付
介護研修、介護をしている家族のリフレッシュを目的とする交流会や一人暮らしの被保険者のための配食サービスなど


qus_4
医療保険により医療が受けられなくなることはないか?

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《かかりつけ医等による医学的管理、訪問看護、リハビリ等をカバー》

高齢期において介護を必要とする方は、通常、日常生活動作について介助を必要とするだけでなく、その機能の維持回復を図ることが必要です。また、加齢に伴う心身の衰えを原因として病気を有している場合も多く見られることから、介護保険では、こうした要介護者の心身の特性を踏まえ、かかりつけ医等による医学的管理、訪問看護、訪問・通所によるリハビリテーション等の医療サービスを対象とするほか、療養型病床群(病院)や老人保健施設等の医療提供施設への入院(入所)に適用することとしています。

《治療が必要な要介護者には医療保険からも給付》 

ただし、介護を必要とされる方であっても、病状が悪化したり、新たな病気に罹った場合などには、一般の医療機関において、外来・入院いずれの医療も受けることができます。この場合、その費用は医療保険がカバーすることとなります。

【介護保険と医療保険】

介護保険

〈要介護者の心身の特性に適した医療〉

  • かかりつけ医等による医学的管理
  • 看護婦等による訪問看護
  • 訪問・通所リハビリテーション
  • 老人保健施設への入所
  • 療養型病床群等介護体制が整った病院への入院

医療保険

〈通常の医療〉

  • 一般の医療機関における外来・入院


介護を必要とする方


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どのような手続きでサービスが利用できるのか?

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≪本人のサービス選択が基本≫

介護保険では、介護を必要とする方が自らの意志に基づいて、利用するサービスを選択し、決定することになります。それを専門家が連携して支援する仕組みを確立します。

まず、要介護者は、要介護状態の基準に該当するかどうか、介護がどの程度必要なのかについて、保険者(市町村)が行う要介護認定を受けます。なお、要介護認定の結果に不服がある時には、都道府県に設置された審査機関に不服申立を行うことができます。

≪専門機関がサービス利用を支援≫

要介護認定の結果を踏まえ、サービスを利用します。この時、本人あるいはその家族自身が直接、介護サービス提供機関に利用を申し込むことも可能ですし、自分に適したサービス内容の選定や介護サービス提供機関との調整について専門機関に依頼することもできます。

要介護認定の結果は、一定期間ごとに見直します。

【在宅サービスの利用の流れ】


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自己負担(利用者負担)はどうなるのか?

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《1割負担が基本。低所得の方に配慮》

利用者は、介護サービス費用の1割を利用時に負担します。また施設入所の場合には、平均的な家計において負担する食費の額が利用者の負担になります。なお、これにより従来のような老人福祉(所得に応じた負担:応能負担)と老人保健制度(サービス利用高に応じた負担:応益負担)の間の利用者負担の不均衡が解消されることとなります。

医療保険制度の高額療養費制度のような仕組みを創設し、特に低所得の方の負担が過重にならないよう配慮します。


qus_4
保険料はどのように設定され、負担することになるのですか。

ans_4
《所得に応じた定額保険料》

65歳以上の第1号被保険者の保険料の設定に当たっては、所得段階に応じた定額保険料とすることにより低所得者の方々にとっても過重な負担とならないような仕組みとします。また、市町村における保険財政の安定化という観点から、中期的(3年程度)な見通しに基づく設定とし、その徴収は、老齢・退職年金から特別徴収(いわゆる天引き)を行うほか、特別徴収が困難な者については市町村が個別に徴収を行います。

第1号被保険者の保険料は国が定めるガイドラインに基づき、市町村が条例で設定しますが、市町村の負担を軽減するため、市町村の連合組織である国民健康保険団体連合会が、各市町村に対し保険料の基準を提示します。

《第2号被保険者の保険料は医療保険料と一括徴収》

40歳から64歳までの第2号被保険者については、それぞれ加入する医療保険のルールに基づいて、設定します。この保険料は、医療保険者が一般の医療保険料と一括して徴収を行います。


qus_4
介護保険はいつからスタートするのか?

ans_4
≪在宅・施設サービスとも平成12年度スタート≫

制度案では、平成12年度(2000年)に在宅・施設の両サービスの同時開始をめざす。


qus_4
将来の費用負担はどうなるのですか。

将来の費用負担は、主に要介護高齢者の増加やサービスの充実、サービスの利用率の上昇に伴い、増加することは不可避ですが、その見通し(平成7年度価格)は、次のようになります。

平成11年度
(1999)
平成13年度
(2001)
平成17年度
(2005)
平成22年度
(2010)
総費0.9兆円〜1.1兆円4.2兆円〜4.4兆円5.3兆円6.9兆円
保険料/月
(3年間一定の場合)
500円〜700円
(1200円〜1400円)
2400円〜2600円
(1200円〜1400円)
2800円
(3000円)
3600円
(3400円)
要介護高齢者等の数270万人290万人330万人390万人

(注)
平成17年度までの介護費用については、在宅サービスの利用が、介護保険制度導入の当初から大きく伸びるケースと緩やかに伸びるケースの2つのケースで試算を行っている。
保険料に関する「3年間一定の場合」とは、中期的(3年)な見直しに基づいて、保険料を3年間固定した場合である。
この数字は、全国平均の推計値を示すものであって、個別の市町村や個人の負担を示すものではない。
要介護高齢数等の数は、65歳以上の要介護高齢者数と虚弱高齢者数の合計である。


qus_4
今後、過重な負担となるようなことはないか?

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《介護保険の創設に伴い医療保険の負担が減少》

介護保険により給付対象とされるサービスは、これまでも老人福祉制度や老人保健制度で負担し、給付されていたもので、全てが新たな国民負担になるものではありません。実際に、介護保険制度の創設に伴い老人保健制度(医療保険)から介護保険に移った費用相当分については、別に医療保険の負担が減少することとなります。

《家計の負担の軽減》

介護保険が創設されれば、要介護者とその家族の家計の過大な負担が軽減されます。

《現行制度と比べ費用が効率化》

介護保険制度の導入に伴い、社会的入院の是正、多様な民間事業者の参入促進により、現行制度に比べ費用の効率化が期待されます。また、制度スタート後も必要に応じ、利用者負担の在り方について適宜見直しを行い、保険料水準が過度に上昇することのないよう配慮することとしています。

【介護保険制度創設に伴う医療保険料の減少】(平成7年度価格)
平成11年度平成12年度平成13年度
介護保険料負担額(億円)4,200〜5,2005,100〜6,30018,600〜19.700
医療保険負担減少額(億円)9001,40012,100

(注)
平成7年度価格は、医療費の伸びや単価の伸び率で推計した名目値を、単価の伸び率3%で割り引いたものである。
平成13年度については、社会的入院の解消を見込んでいる。

【介護保険における民間活用】

規制緩和の推進による多様な民間事業者の参入促進
現行の措置委託制度と異なり、委託を受けることなく、民間事業者が参入できることから、営利法人、さらには住民参加型の非営利組織など多様な事業者が積極的に参入。

有料老人ホーム(株式会社等が運営)において提供される介護なども介護保険で評価

民間介護保険との連携
公的介護保険の給付内容・給付水準を超えるものは、民間介護保険により対応。


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介護保険は、市町村にとって重荷にならないか?


 介護保険の保険者は市町村ですが、国、都道府県、医療保険者等が重層的に支え合う構造とし、保険財政の安定化、事務負担の軽減を図ります。

保険財政の安定化のための措置

全体費用の8割強は、公費と医療保険者の納付金でカバー(費用が当初見込みより増加した場合でも精算して確実に交付)。したがって、市町村が徴収する高齢者(第1号被保険者)の保険料は、全体費用の2割弱。そのうち7割程度は年金からの特別徴収(天引き)により効率的に徴収。

現役の第2号被保険者の保険料を、全国プールし、それぞれの市町村の介護給付費に応じて交付することとし、高齢化率の高い市町村を支援。

高齢者の保険料負担に不合理な格差が生じないよう、国の負担により以下の 銑について市町村間の保険財政を調整。

要介護状態になりやすい後期高齢者の加入割合の相違
高齢者の負担能力(所得水準)の相違
災害時の保険料減免等特殊な場合

市町村の連合組織である国民健康保険団体連合会(連合会)に、財政安定化基金を設置し、給付の見通しを上回って生じた給付費の増や通常の徴収努力を行ってもなお生じた保険料未納による保険財政の赤字をカバーするための資金を交付。

市町村が設定する高齢者の保険料は、中期的(3年間)な見通しに基づき、各市町村に対して連合会が示す基準により設定。これにより、保険料の改定は3年に1度全国一斉に実施。

保険者事務の円滑な実施を確保するための措置

国は、使いやすい全国一律の要介護認定基準を作成。

市町村は、単独だけでなく、共同して、要介護認定に関する審査判定事務を処理するための審査会の設置が可能。

都道府県は、市町村が設置する審査会の共同設置を支援するほか、必要に応じ、市町村の求めに応じて要介護認定に関する事務を受託。

連合会は、要介護認定に関する審査判定事務の受託、介護サービス提供機関からの保険給付の請求に関する審査支払事務を実施。


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介護に関するサービス基盤の整備をどのように進めていくのか?

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《在宅・施設両面にわたり基盤整備を推進》

「保険あってサービスなし」といった事態を招かないよう、在宅、施設の両面にわたり、介護に関するサービス基盤を積極的に整備します。

特に、在宅サービスについては、ひとり暮らしや高齢者のみ世帯でも、できる限り住み慣れた家庭や地域での生活が継続できるよう、24時間対応も含めたサービス水準を目標として、その基盤整備を進めます。また、手厚い介護を必要とする方については、今後とも施設における介護が大きな役割を果たすことから、その量的な整備や質の向上を計画的に推進します。

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介護保険を考える - 高齢者率の推計値

高齢者率の推計

 一般的に高齢者という言葉を使うとき、その定義は65歳以上のお年寄りということになる。
 平均寿命が80歳を越える現在では、65歳を高齢者とすることには抵抗がある方もいる方もいらっしゃるかもしれない。
 介護保険の論議の中でも、サービスを受けることのできる方の年齢(第1号被保険者)の年齢を65歳以上としていることから、私のホームページでも、特に断りのない限り、「高齢者=65歳以上の方」として、論を進めたい。

1985年1990年1995年2000年2005年2010年2015年2020年2025年2030年
S60H2H7H12H17H22H27H32H37H42
全国12,46814,89518,22621,69924,72627,74631,38532,73832,44031,994
全国率10.312.014.517.019.121.324.125.525.826.0
茨城279339406487555633
茨城率10.211.913.716.017.619.5
日立19232837
日立率9.311.413.415.6

「全国」・「茨城」・「日立」は高齢者数(単位は千人)
全国・茨城県の資料は「都道府県別将来推計人口」(平成4年10月推計)より
日立市の資料は高齢福祉課の提供による


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介護保険を考える - 公明の介護システムの関する要望

公明の介護システムに関する要望

96.11.21日付:公明新聞より転載しました


新しい高齢者介護システムに関する要望(全文)


 社会保険方式を柱とした新しい高齢者介護システムの概要がほぼ明らかになってきたが、まだ多くの問題が残されたままである。とりわけ、運営主体となる市町村が指摘しているように、市町村の財政・事務両面における過重な負担を解消することは、制度運営の安定性を確保する上で大きな課題である。また、保険給付を受ける際の前提となる要介護認定における公正性の確保や被保険者の利用意向の尊重等についてどう担保されているか、十分納得のできる説明はなされていない。

 こうした状況の中でわが党は、制度創設を前に、公的介護保険制度が予定している居宅介護サービスについて、それらのサービスを利用している家庭を対象に、実際の利用状況や要望等を主な内容にした「在宅介護全国実態調査」を行った。調査結果は、居宅介護サービスの供給体制の整備について、高齢者とその家族に利用意向にそった、めりはりのある計画実現が必要であることを示している。

 そこで、新しい高齢者介護システムの創設にあたっては、市区町村の意向を十分に反映するとともに、今回のわが党の調査の結果も踏まえ、特に以下に掲げる項目について実現を図るよう要望するものである。


制度設計にあたっては、財政・事務両面で市区町村に過重な負担を生じないようにすること。また、公費負担や保険者間の財政調整等について、地方交付税不交付団体が不利益を被ることがないよう、十分な措置を講じること。
保険料の未納分については、厚生省の考えは災害時の保険料減免等特殊な場合等について財政調整を行おうとしているが、一定の基準を決め、努力をしても未納となるような事例については、一般会計からの繰り入れで赤字を補填(てん)することのないよう、国費等によって補填する仕組みとすること。
介護給付額および保険料水準に市区町村間において過大な格差が生じないようにする こと。また、大都市地域における人件費の実情を踏まえ、適切な大都市加算制度を設けること。
自己負担分は介護費用の一割とされているが、低所得者にとっては重い負担であり、生活保護へ傾斜することも予測される。特に高齢者世帯や独り暮らしの高齢者については負担の減免等、特段の配慮を行うこと。
また、自己負担分の上限については食事費の負担分も勘案し、それらの総額において医療保険の高額療養費制度と同等程度か、あるいはそれ以下のレベルとなるよう設定すること。
予定されている居宅介護サービスのうち「ホームヘルプサービス」「デイサービス」「訪問看護」「ショートステイ」については利用意向が多い。これらのサービスが不足す ることがあれば介護保険制度の信頼性を損なうことになるので、制度スタートまでに完全整備を図ること。
制度運営の枢要部分は政省令に任されている部分が多く、官の裁量範囲をかなり大幅に確保している。これでは厚生・公平な制度運営は期待できない。政省令委任事項はできるだけ削減すること。
新たな高齢者介護システムの構築を進めるに当たり、第一義の課題となっているのは厚生行政に対する国民の信頼回復である。介護保険の創設によって、シルバーマーク等の交付で高齢者介護の分野に新たに参入する民間業者が急速に増大すると見込まれることから、官・業癒(ゆ)着の防止対策および各種のチェック機能を<新たなシステム>に具体的に組み込むこと。

このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

介護保険を考える - 公明の介護に関するアンケート調査

在宅介護の実態調査茨城県版

調査目的 公明ではこの夏、在宅介護保険制度を検討するための基礎資料として、在宅で寝たきりのお年寄りや痴呆のお年寄りを介護する家庭を対象に、提供が予定されている福祉サービスの内容や介護の現状に関するアンケート調査を実施しました。
 下記のデータは、茨城県分のデータを県議会議員・井手よしひろが集計したものです。
調査方法 寝たきりのお年寄りを持つ家庭・痴呆のお年寄りを持つ家庭・痴呆で寝たきりのお年寄りを持つ家庭を対象に、公明の茨城県内の市町村・県議会の議員が、直接自宅を訪問し、介護を主にしている方に聞き取り調査を行った。
調査期間平成8年8月1日〜8月25日
目 次
調査件数
寝たきりのお年寄りを持つ家庭 80件
痴呆のお年寄りを持つ家庭 77件
痴呆で寝たきりのお年寄りを持つ家庭 73件
合 計 230件


お年寄りの実態

’齢
〜6970〜7475〜7980〜8485〜
寝たきり18.8%12.5%21.3%27.5%20.0%
痴呆13.0%15.6%23.4%32.5%15.6%
寝たきりと痴呆4.1%17.8%13.7%37.0%27.4%
合  計12.2%15.2%19.6%32.2%20.9%

∪別
〜6970〜7475〜7980〜8485〜
寝たきり18.8%12.5%21.3%27.5%20.0%
痴呆13.0%15.6%23.4%32.5%15.6%
寝たきりと痴呆4.1%17.8%13.7%37.0%27.4%
合  計12.2%15.2%19.6%32.2%20.9%

寝たきり(痴呆)になってからの期間
〜3ヶ月4〜6ヶ月7〜12ヶ月1〜2年2年以上
寝たきり0.0%5.0%16.3%22.5%56.3%
痴呆5.2%10.4%19.5%24.7%40.3%
寝たきりと痴呆0.0%12.3%17.8%20.5%49.3%
合  計1.7%9.1%17.8%22.6%48.7%


B:介護サービスに関する事項

^貳嵒要と思われる在宅サービス
寝たきり痴呆寝たきりと痴呆合  計寝たきり痴呆寝たきりと痴呆合  計
ホームヘルプサービス2718206537.5%24.0%28.6%30.0%
ディサービス10248.310.7%14.3%11.1%
リハビリサービス165.6%10.7%5.7%7.4%
ショートステイ11229.7%14.7%5.7%10.1%
訪問看護サービス12113116.7%10.7%15.7%14.3%
福祉用具サービス1.4%1.3%2.9%1.8%
痴呆性老人向け
グループホーム
120.0%12.0%4.3%5.5%
住宅改修サービス4.2%1.3%1.4%2.3%
訪問入浴サービス1612.5%2.7%7.1%7.4%
医学的管理等サービス174.2%10.7%8.6%7.8%
有料老人ホーム・
ケアハウス等の介護サービス
0.0%1.3%5.7%2.3%


⊆けたことのある在宅サービス
寝たきり痴呆寝たきりと痴呆合  計寝たきり痴呆寝たきりと痴呆合  計
ホームヘルプサービス2319246628.8%24.7%32.9%28.7%
ディサービス2533359331.3%42.9%47.9%40.4%
リハビリサービス14153817.5%11.7%20.5%16.5%
ショートステイ2434329030.0%44.2%43.8%39.1%
訪問看護サービス3420369042.5%26.0%49.3%39.1%
福祉用具サービス3618338745.0%23.4%45.2%37.8%
痴呆性老人向け
グループホーム
120.0%11.7%4.1%5.2%
住宅改修サービス0.0%2.6%6.8%3.0%
訪問入浴サービス2211255827.5%14.3%34.2%25.2%
医学的管理等サービス155.0%6.5%8.2%6.5%
有料老人ホーム・
ケアハウス等の介護サービス
146.3%6.5%5.5%6.1%


4望しているが受けていないサービス
寝たきり痴呆寝たきりと痴呆合  計寝たきり痴呆寝たきりと痴呆合  計
ホームヘルプサービス2011.3%10.4%4.1%8.7%
ディサービス207.5%11.7%6.8%8.7%
リハビリサービス14163817.5%10.4%21.9%16.5%
ショートステイ11113113.8%11.7%15.1%13.5%
訪問看護サービス153210.0%19.5%12.3%13.9%
福祉用具サービス102212.5%5.2%11.0%9.6%
痴呆性老人向け
グループホーム
2010356.326.0%13.7%15.2%
住宅改修サービス1513164418.8%16.9%21.9%19.1%
訪問入浴サービス1512144118.8%15.6%19.2%17.8%
医学的管理等サービス2622196732.5%28.6%26.0%29.1%
有料老人ホーム・
ケアハウス等の介護サービス
1013204312.5%16.9%27.4%18.7%


せ楡瀑所を希望するか
希望するしない合  計希望するしない
寝たきり19577625.0%75.0%
痴呆35407546.7%53.3%
寝たきりと痴呆31397044.3%55.7%
合  計8513622138.5%61.5%


ゴ望している人の入所の見込み
〜6ヶ月7〜12ヶ月約2年後約3年後4年以上
人  数163514
比  率21.6%47.3%18.9%2.7%9.5%


C:サービスに対する評価と要望

_雜逎機璽咼垢紡个垢詆床
大変良い良い良くない大変良い良い良くない
寝たきり10481314.1%67.6%18.3%
痴呆481111.9%71.6%16.4%
寝たきりと痴呆114916.4%73.1%10.4%
合  計291453114.1%70.7%15.1%


∧〇禹務所等窓口の評価
大変良い良い良くない大変良い良い良くない
寝たきり52158.2%71.2%20.5%
痴呆48148.8%70.6%20.6%
寝たきりと痴呆48119.2%73.8%16.9%
合  計18148408.7%71.8%19.4%


D:主に介護している人に関する事項

’齢
介護している人の年齢>介護を受けている人の年齢
〜6970〜7475〜7980〜8485〜合  計
〜30歳代
40歳代1021
50歳代101141
60歳代1216101051
70歳代〜22194223112


’齢別構成比(調査人数全体に対しての百分率)
介護している人の年齢介護を受けている人の年齢
70未満70〜7475〜7980〜8485以上合  計
〜30歳代0.0%0.9%0.4%0.4%0.0%1.7%
40歳代0.0%1.7%4.4%1.7%1.3%9.2%
50歳代0.9%3.9%4.4%3.9%4.8%17.9%
60歳代1.3%5.2%7.0%4.4%4.4%22.3%
70歳代〜2.6%9.6%8.3%18.3%10.0%48.9%


関係性
息子
寝たきり172228
痴呆152627
寝たきりと痴呆10151623
合  計1614476478


関係性(累計ごとの構成比)
息子
寝たきり3.8%0.0%2.6%6.4%21.8%28.2%0.0%1.3%35.9%
痴呆3.9%0.0%0.0%3.9%19.7%34.2%2.6%0.0%35.5%
寝たきりと痴呆13.9%0.0%0.0%8.3%20.8%22.2%1.4%1.4%31.9%
合  計7.1%0.0%0.9%6.2%20.8%28.3%1.3%0.9%34.5%


きゲ雜酥駘僂伐鳩廚悗良蘆
げ雜酥駘ゲ鳩廚悗留洞
危機的状況非常に重い重い軽い合  計構成比
〜9万円20653912959.7%
10万円台2646108238.0%
20万円台0.9%
30万円台0.5%
40万円以上0.9%
合  計4911249216
構成比2.8%22.7%51.9%22.7%

Windows internet 12月号に掲載「インターネットは政治を変えるか」井手よしひろのアンケートの回答文

 以下のページは、Mainichi Communications Inc.が発行しておりました「ウィンドウズ・インターネット第3号」に掲載された内容を、同誌のオンライン版より転載させていただいております。
 「ウィンドウズ・インターネット」誌は、現在休刊となっており、オンライン版も、毎日コミュニケーションズのホームページ上からも削除されております。
 このページは、福冨忠和氏の本文と井手県議のアンケートの回答を掲載いたしました。
 ご意見、ご質問等はWeb管理者の井手までよろしくお願いいたします。



【特別企画】
ネットワークデモクラシー!?
インターネットは政治を変えるか?



茨城県議会議員 井手よしひろ




《ご質問事項》
1)インターネットのホームページを公開していますか? 党、議員個人、後援会など、ど のレベルでもかまいません。もし公開している場合は、そのURLを教えてください。
2)選挙公示以前に電子メールなどインターネットやパソコン通信を活用した政治活動を行っていましたか。もし行っていれば、その具体的な内容について教えてください。
3)選挙公示後と公示前ではホームページの内容に変更がありましたか? もしありましたら、その具体的な箇所と理由について教えてください。
4)インターネットやパソコン通信を利用した選挙活動、政治活動などについてご持論や政策、そのほかのご意見がありましたら、お聞かせください(党レベルでも個人レベルでもかまいません)。
5)ネットワークデモクラシーという言葉について定義してください。
6)電子ネットワークを利用した国民の政治参加や、直接民主制の可能性について、是非を含めたご意見をお聞 かせください。
7)以下の項目につきまして、ご意見がおありでしたらお答えください。
‥纏劵優奪肇錙璽を利用した在外者投票について
▲▲札▲鷭国をはじめとして、インターネットの送受信内容に関する政治的な規制が進行していることにつ いて
▲ぅ鵐拭璽優奪箸覆匹療纏劵優奪肇錙璽が国家や社会に及ぼす影響について
8)その他、特にご意見がありましたら、お書きください。


1)HP名称:ホットラインfromひたち http://www.jsdi.or.jp/~y_ide/index.htm

2)県議会議員のため、今回の選挙には直接関係がない。政治活動にHPは大いに活用するが、選挙活動にHPを使う考えは全くない。あくまでも、HPは議員の情報公開のツールであり、宣伝の媒体ではないと思う。

3)いっさい変更はない。ただし、総選挙の焦点となった「消費税」に関しては、特集のページをアップした。現在50通以上のmailをいただき、消費税の引き上げについて様々な方と論戦? を交わしている。 http://www.jsdi.or.jp/~y_ide/syo_presen.htm

4)公職選挙法とインターネット情報についての私見(1996/4発表)
 インターネット利用が、政治の世界でも急ピッチで進んでいる。私のようにホームページを持って、意見や情報の発信をしている議員も多い。政党のホームページが次々と公開されている。
 しかし、公職選挙法との関連で大きな課題があることを見逃してはならない。わが国の公選法が、インターネットを選挙運動に利用することを禁止しているためだ。公選法142条は、選挙運動に利用できる「文書図画」としてポスターやハガキ、ビラ、選挙広報などを列挙し、それ以外を禁止している。
 自治省選挙課は「選挙期間中であるかどうかに関わらず、インターネットで選挙運動や立候補予定者のPRはできない」という公式見解にたっている。
 新聞や政党機関誌など定期刊行物なら可能な公認候補の紹介も「ホームページは定期刊行物ではないので、法律違反の可能性がある」ともいわれている。
 その反面、「政治活動にインターネットを使うのなら、選挙期間中でも問題ない」という自治省の見解もある。
 どこまでが政治活動で、どこまでが選挙運動なのか、厳密に区分けするのは容易ではない。自治省は、明確なガイドラインを示す必要がある。
 さて、諸外国の状況はいかがなものであろうか。
 わが国で禁止されているインターネットを利用した選挙運動は、海外主要国では原則自由で規制は見られない。
 アメリカでは、11月の大統領選に向け各陣営が盛んにホームページを利用。「史上初のインターネット選挙」といわれるほどの過熱ぶりだ。
 イギリスでは、野党の自民党がマルチメディア利用に最も熱心であり、パディ・アッシュダウン党首自身が、市民との電子メール交信に励んでいるといわれている。
 ドイツも、3月の州議会選挙で選挙運動に利用され、各政党がホームページを開設している。同じく、3月に総選挙があったオーストラリアでは各党がホームページで火花を散らした。このように、インターネットを利用した選挙運動は、何の規制も加えない、自由が大原則なのである。
 私は、日本でもこの原則を定着させるべきだと主張する。
 従来の選挙運動に利用できる「文書図画」、つまりポスターやハガキ、ビラ、選挙広報は、その情報を必要としない人にも送りつけられる可能性がある。テレビやラジオ、新聞等のマスコミも同じ性質がある。こうしたメディアは、公選法での規制の枠がはめられてもいたしかたないと感じる。
 しかし、インターネットというメディアは、その情報を得る人は積極的、能動的アクションを起こして、初めてその情報が得られるわけである。インターネット上の情報は、ほしい人が、ほしい時にアクセスしてくるのである。こうした、インターネットの本質を無視した、規制論には大きな矛盾を感ずるのである。
 日本でもホームページ上の活発な政策論争を期待するものである。

5)ネットワークデモクラシーという特別なものがあるとの感覚は持ち合わせていない。政治家にとって自らの主張を、有権者に伝えることは、権利と言うよりも義務である。政治家が自らの職能で得られた情報を独占することは許されない。その情報の所有者は、本来国民(県民)であるはずだから、あらゆる媒体を使ってその情報を公開する義務が発生すると考えている。そしてその媒体のうち、私にとって、最も有効な媒体がインターネットであったと言うことだ。

6)電子投票のような電子ネットワークを利用した政治参加への道は今後検討されるかもしれないが、当面は無理があると思う。

7)
‥纏劵優奪肇錙璽を利用した在外者投票について
電子投票が最初に利用されるとしたならば、外国在住者の投票であると思う。電子マネーの技術を応用した本人確認のシステムが一般化すれば、いち早く実用化されると思う。しかし、公職選挙法の改正などの環境整備の方が時間がかかるかもしれない。

8)私は、地方議員では数少ないHPを開設している県議会議員です。一昨年の12月に初当選した一年生議員ですが、地域での情報基盤整備に全力投球をしています。

 私が、インターネットを中核とする地域情報システム整備の重要性を強く訴える理由は、以下の5点に要約される。

その第1は、情報公開の推進である。
地方における民主主義とは、住民のより多くが納得できる行政を進めることである。そして、その前提条件として、住民ひとり一人に充分な情報の提供がなされていることが不可欠である。
しかし、その地域の情報は、あまねく住民に知らされているであろうか?
いわゆるマスコミの発する情報は、国民の大多数に普遍的な内容に偏っている(偏っているという表現は不適切かもしれないが)。国際状況や、国会の審議の内容は、新聞の一面を飾り、テレビのニュースで広く紹介されるが、我が町内の下水道の改修計画を教えてくれるメディアはまずないだろう。新聞の地方版は、多くて2ページ、通常は1ページである。よく漫才のネタにされるが、犬が人に噛みついても記事に取り上げられることはなく、人が犬に噛みつくような非日常的な記事しか掲載されないのである。地域に住む住民にとって、当たり前の情報を知らせてくれる機会は余りにも少ない。
そういった意味では、地方行政にあっては、その情報公開の度合いはここ50年来余り変わっていないといっても過言ではないだろう。
 地域のローカル紙や県域ラジオ・県域テレビ・ケーブルテレビにその役割を求める声があった。特に、県域テレビの可能性を主張する方も多い。現に、私も県会議員選挙に立候補するときの公約に、県域テレビの実現を考えたこともあった。
 しかし、冷静になって考えてみると、県域テレビやケーブルテレビが一日に流す報道番組の時間はどのくらいの長さになるであろうか? ケーブルテレビの多チャンネル形式は別として、最大でも5時間程度であろう。その中で、知りたい情報を全て流すことができるであろうか。
 また、最大の悩みがある。地域の問題は、ある地域の人には生計をも左右する重要問題であるが、その他大勢の人にとっては、全く価値のない話題なのである。
 先ほどの下水工事のニュースなど隣の町内の人にはまず関心がない問題である。そうなれば、たとえ県域テレビ、ケーブルテレビといっても取材し、報道するニュース価値は余りにも低いものになってしまう。
 その上、そんな小さな情報、または専門的で個人的な情報を報道されても、受け手である住民も困るのである。
 オン・デマンド(ON DEMAND)という言葉があるが、このての情報は、まさにオン・デマンド「必要な人が、必要な時に、自由に入手できる情報」でなくてわならない。この意味で、インターネットはまさにオン・デマンドを実現する媒体である。Aさんの母親が突然倒れ、在宅の福祉サービスを受けたいとする。家庭で、役所の窓口で、プライベートに使用しては上司に注意されるかもしれないが、職場のパソコンで、サーチエンジンに「在宅福祉」と入力する。自分が住む町の名前も合わせて入力しよう。すると、在宅福祉サービスのメニューが表示される。「昼食の配達サービス」の項目を選び、クリックする。曜日や、内容を選択し、登録をする。もちろんパソコン上で、サービスの申し込みを市役所にすることができる。しばらくすると、電子メールが市役所から届く。「何月何日から昼食の宅配サービスを開始します」。といった具合である。
 この二つの例は夢物語ではない。少なくても、ここ10年で構築しなくてはならないシステムである。
 いつでも、誰でも、どのような情報でも、引き出せてこそ、真の情報公開である。 官僚や行政担当者、そして一部の議員が情報を独占する時代は代えなくてはならない。地方自治体の情報開示の方策としての、インターネット活用システムを作ることにより、真の地方民主主義、地方分権を育てることができる思う。

その第2点は、行政改革の推進である。

 インターネットとイントラネットの項で述べたように、イントラネットをインターネット対応で整備することのメリットは多い。ここでは、行政改革の立場からそれを検証してみたい。
 まず、縦割り行政の弊害を是正することができるという利点がある。
 現在、茨城県では、いくつものデータベースが各部署毎に稼働している。衛生部の管轄では、健康科学センターが健康データベースや統計案内データベース。福祉部は、福祉施設データベースやボランティアデータベース・福祉制度データベースを福祉情報センターが統括している。農業総合センターでは、文献・統計・気象情報のデータベースを有している。
 工業技術は、工業技術センターのデータベースに蓄えられ、生涯学習センターでは、生涯学習ボランティアの情報が集められている。
 こうしたデータベースを一カ所で検索することは、現状では県庁内でもできない。その操作方法も、一つづつ違い、全てのデータベースを操作することができる職員は果たしているだろうか。
 一つの端末から全ての情報が得られるメリット、統一された操作環境から得られるメリット。こうしたメリットは縦割り行政の敷居を次第に低くしていくのである。行政改革に果たす役割の2つ目は、その投資額の低さである。
 専用のLANを構築することなくネットワークを構成できるイントラネットは、投資額が飛躍的に少ないといわれている。昨年来、話題となっているウィンドウズ95対応のパソコンであれば、電話回線を利用すればモデムを接続するだけで、ほとんど追加投資なしで端末機としては活用できる。ネットワークを整備する費用が大幅に圧縮できるのである。
 更に、インターネット対応型イントラネットには大きなメリットがある。それは、設備を漸進的に整備できるという事である。専用LANの環境では、原則的にその設備は一挙に立ち上げる必要がある。こうしたシステムを全庁的に整備するとするならば、その投資額は莫大なものになろう。しかし、インターネット対応システムの場合は、できたところから、少しずつ進めていけばよいのである。WWWという統一方式で運用されたシステムであるから、その基本さえ忠実に再現していけば、臨機応変にシステムの拡張が可能となる。 現状の各部署毎のシステムは約5年周期で更新されている。したがって、各システムが更新時期に至ったときに、インターネット対応型に改変すればよい、単年度主義の自治体にとって、このメリットは大きいのである。
 こうした、メリットにより行政改革の切り札としてのインターネットシステムの導入は是非とも実現させなくてはならない。

インターネットを中核とする地域情報基盤整備の第3の目的は、新たな産業基盤の創出である。

 県が有する既存の情報ネットワーク上のデータを、より多くの県内企業が利用できるようにすることで、技術力、経営ノウハウ、人材紹介などの支援が可能となる。
 また、県内企業の優れた商品、技術などを全世界に紹介するとができる。反対に、全世界からの情報を容易に入手することができるようになる。
 様々な行政官庁への許認可申請や報告資料提出などをインターネット上で可能とすれば、民間企業の事務効率を飛躍的に向上させることになる。
 また、こうした間接的なメッリトとともに、これから大いに発展が期待されるインターネット関連のプロバイダー事業者・ソフト業者への直接的なメリットも大きい。
 とにかく著しい国際化の波は、規制緩和の大きな追い風を受けて茨城の地域経済に打ち寄せるであろうことは確実である。アメリカのメーカーが、EUの国の設計の商品を、中国の原材料を使って、製品を東南アジアで作り、最終的に茨城で販売する。といった国際的分業は日常茶飯事となる。
 逆をいうなら、東京という今までの一極集中の都会から離れた地域であっても、世界という視野から見るならば、デジタル化された情報の距離で見るならば、世界の中心となっても何ら不思議ではない時代の到来である。

第4は、次代を担う青少年の教育に関する必要性である。

 インターネットは、瞬時にして全世界の情報に接することができる。もし、子どもたちがその情報に触れれば、より深く、広い情報を自らの手で収集できる感激を知ることとなる。
 まさに、教室は世界の窓口となるわけである。
 更に、そうした情報の多くは英語を使ってやりとりされる。生きた英語教育がそこでは行われるだろう。インターネットでは、チャットと呼ばれる即時性のある電子メールのやりとりも可能である。
「こんにちは、日本の茨城県から発信しています」と、送信すれば、相手は「今晩は、ここアメリカのコロラド州では、深夜1時です」と返信してくる。こうした会話を楽しむこともできる。もちろん、英語で行われるわけであるが。更に、インターネットテレフォンは、インターネットを介しての音声電話や、テレビ画像電話をも可能にしようとしている(もちろん国際電話のような料金は必要としない、インターネットの接続のための市内通話料金とプロバイダー費用だけで通話できる)。英語の専任教師を教室に迎えることになる。
 インターネットは、遠隔地の授業にも役立つであろうし、その双方向性は、教室から全世界に情報を発信することもできるようにする。
 教室で拾得するであろう、インターネットに使用する言語(HTML言語)は、パソコンの機種に依存しない、インターネット対応型データベースが世界標準となれば、学校での授業の成果が、そのまま社会で通用する。学校で使っていたワープロが、社会に出たら全く役立たないといった時間と習得の労力の無駄遣いは限りなく解消されるであろう。
 まさに、インターネットは青少年の世界への眼を広げる大きな武器となるに違いない。

そして、第5のポイントは、地域コミュニケーションのツールとしての活用である。
 インターネットの優れた特性に、誰もが簡単に情報の発信者となれるということが挙げられる。
 私は、あくまでも自分の住む郷土茨城、その中でも日立という地域にこだわっての情報をインターネットを使って発信しはじめた。日立に新しくできたインターネット接続業者(プロバイダー)と契約をし、「井手よしひろのホームページ」を開設したのだ。そのURL(インターネット上の住所にあたるもの)は「http://www/jsdi.or.jp/y~ide/index.htm」。これを入力すれば、全世界から私のホームページにアクセスできる。
 このホームページを作るためのことばが「HTML」と呼ばれる。作り方は、そんなに難しくはない、ゴールデンウィークを挟んだ一週間で全くゼロの状態から、本を読みながらホームページを開設することができた。まさに、家庭から全世界への窓口を開くことができたのである。
 永年こつこつと調べ上げた郷土史の研究を発表するホームページを作る人もいるであろう。趣味の短歌や和歌を全世界に紹介することもできる。ボランティアの情報も載せられる。就職活動もすでに個人のホームページ上で行っている学生もあると聞く。高齢社会の中で自分史の作成が静かなブームと聞く。せっかくの自分史である、インターネット上で発表してみたらどうだろうか。出版の費用は、ずっと少なくて済むし、ずっと多くの人に読んでもらえるかもしれない。
 町内会の回覧板も変わるかもしれない、生活リズムの多様化から隣近所ともなかなか意志の疎通ができない場合も多い。回覧板が、電子メール化されれば、一瞬にして水戸市全体であろうとも、茨城全県であろうとも、大事な情報をもれなく伝えることが可能となる。
 インターネットは、その誕生当初から、情報を流す人の実名が明示されてきたという特徴がある。新聞でのペンネーム、匿名記事や、パソコン通信でのハンドルネームでのやりとり、といったものは原則あり得ないのである。こうした、実名主義は、地域のネットワーク形成において、その責任を明確にし、健全なコミュニケーションづくりに貢献すると確信する。
 インターネットは、まさに高度情報時代に対応した地域のコミュニケーションツールである。インターネットを中心に、新たな地域コミュニティーづくりが始まる可能性は高い。
 また、非常時の利用も先の阪神大震災のその有効性が実証された。そもそも、インターネットの誕生の歴史を見ると、戦争という非常事態で、ある情報のラインが途絶しても、情報の流れを止めないですむシステムとして考案され、発展してきた経緯がある。
 地震等の巨大災害に対して、被災者の状況や避難場所の紹介、緊急物資の状況等、時々刻々と情報を送ることができる非常時のコミュニケーション方法としても不可欠な存在である。

●井手よしひろの具体的提案

 インターネットの活用のメリットを「情報公開」「行政改革」「産業振興」「教育振興」「新たなコミュニケーションツール」の5つのポイントから概観してきた。茨城県の地域情報基盤整備の基本は、インターネットを中核においた県並びに関連機関、そして市町村のイントラネットの整備であることを、理解していただけると思う。

 それでは、その整備をどのように進めるべきか、以下8点にわたり、具体的な提案をさせていただきたい。

提案その1:県民が等しくインターネットにアクセスできるよう、一刻も早く公共のプロバイダーを設立すること。

 本年3月に、県が委嘱した「茨城インターネット研究会」の提言がまとめられた。これによると、県民が、安価で定額のアクセス料で、県内どこからでもアクセスできるインターネット網の整備が提案されている。そしてその母体として、「茨城県高度情報推進協議会(仮称)」の設立を求めている。具体的には、
1.サービスの早期開始
2.接続形態としては、専用線によるIP接続、電話線やISDNによるダイアルアップ接続
3.電子メール、ネットニューズ、FTP、Telnet、WWWによるインターネットの基本的サービスの提供。
4.ホームページ提供サービスの検討
5.ネットワークの保守・運用・共用サーバーの設置されるネットワークオペレーションセンターの開設。
6.アクセスポイントを県内全てのMA(市外局番毎)に設置し、均一料金の実現。

 以上の6点にまとめられる。この提言には、個人的に全面的に賛成であり、速やかな実現を強く望むものである。
 この提言を踏まえて、更に必要であろうと思われる内容を追加提案すると、
1.サービス開始は、本年(1996年中)中の開始をめざす。
2.接続料金は、年間15,000円程度の安価なものとして、固定料金制とする。
なお、アナログでもデジタルでも料金に差をつけない。(県外居住者の加入には料金格差もやむをえない)
3.アクセスポイントに、東京を含める。これによって、県東京事務所などとのイントラネット形成が容易となり、また都内勤務の県民の便宜性、茨城出身都民の便宜性が高まる。また、携帯端末によるインターネットの接続の可能性を確保することができるためである。
4.インターネットプロバイダーには、個人・グループのホームページを作成できる よう、WWW用のハードディスク空間を貸し出すサービスを行うこと(ホームページ作成サービス、その容量は最低でも5Mを確保し、希望によって更に拡大できるシステムとする)。
5.プロバイダーへの登録、WWWによる個人のホームページ開設は、実名主義とし、これをもって健全なコミュニケーションの場としてインターネットを育て、公序良俗に反するようなWWWの掲載に抑止をかけること。

提案その2:県及び県関連のデータベースをイントラネットの発想を充分活かし、2001年までに再構築すること。

 既存の県関連のデータベースは、企画部関連で「茨城県インターネット情報サービス」。 衛生部が、「茨城県保健情報システム」(茨城県健康科学センター)。福祉部、「茨城県福祉情報システム」(茨城県福祉情報センター)。 農林水産部、「茨城県農業技術情報ネットワークシステム」(茨城県農業技術情報センター)商工労働部、「茨城テクノインテリジェンスシステム」(茨城県工業技術センター)と「中小企業情報システム」(茨城県中小企業情報センター)教育庁関連では、「茨城県生涯学習情報提供システム」(水戸生涯学習センター)等が現在稼働している。いずれも独自に運営されており、操作性も統一されていないのは先に述べたとおりである。
 概ねいずれのシステムも、5年を目処に更新されており、順次インターネット対応にシステムを更新する必要がある。
 本年度は、「茨城県福祉情報システム」(茨城県福祉情報センター)と「茨城テクノインテリジェンスシステム」(茨城県工業技術センター)が更新期を迎えており、新しい情報発信の形態を目指しての更新作業が望まれる。
 さらに、今後整備が計画されている新規の県民情報サービスも、この思想を徹底して行くべきである。
 例えば、行政データ共通利用システム(総務部)、消費者行政苦情情報システム(生活環境部)、交通死亡事故総合分析システム(生活環境部)、防災情報システム(生活環境部)、原子力防災安全システム(生活環境部)、医療機関情報システム(衛生部)、県立図書館情報システム(教育庁)など。  またすでに、インターネットを活用して情報発信を開始しているシステムに関しても充実を図る必要がある。
 例えば、県立医療大学(Ibaraki Prefectural University of Health Science’s Home Page:衛生部、すでに稼働中のシステムの充実)、観光情報提供システム(商工労働部、茨城インターネット情報サービスの中で運用中、充実拡大)。

提案その3:県民への情報公開をインターネットを活用し更に推進すること。
 県民に広く行政情報を公開するために、次のようなデータベースサービスも検討すべきである。
1. 県からのメッセージ・県民の声データベースシステム(県からの広報、県報、プレスリリースのオンライン化 、県民からの提案・陳情・相談等のデータベース化)
2. 統計情報公開システム(県の所管する統計情報をオンラインで広く県民に提供するシステム)。
3.監査情報提供システム(県並びに関連機関の監査情報のデータベースシステム)。
4.博物館・美術館情報システム(県並びに公営の博物館・美術館の所蔵品、企画展等の情報サービス)。
5.入札情報公開システム(県並びに関係機関の入札に関わる全ての情報をオンラインで公開する)。
6.県民情報公開オンラインシステム(現在県民情報センターで行われている県民への情報公開をオンライン化する)。

提案その4:茨城県議会のホームページを早急に開設し、議会情報の発信を行うこと。

 茨城県議会のホームページを早急に開設し、順次以下の内容を含む総合的議会情報のデータベースを構築する(整備完成を平成10年度程度とする)。
1.県議会の議案書並びに報告書等のデータベース化。
2.県議会の本会議議事録、委員会議事録のデータベース化。
3.本会議・委員会の議員の出席状況の県民への公開。
4.議員の資産公開情報の県民への公開。

提案その5:3年以内に、県内小中高等学校へのインターネット導入を実現すること。

 情報ハイウェー構想で再選をねらう、クリントン大統領は、1月の一般教書演説で「2000年までに全米の各教室にインターネットを接続する」と発表している。先に述べたように、教室でのインターネットの活用は様々な可能性を秘めている。
 茨城県においては、平成6年度より、6カ年計画で、「第3次教育用コンピュータ整備計画」がスタートした。この事業により、県立普通校には、一校当たり42台、一人一台のパソコンが整備されることとなる。昨年秋の一般質問でも、こうした設備更新期にインターネットへの接続を提案したところではあるが、前向きの答弁を得るには至っていない。
 将来的には、全ての学校に一人一台で操作できるインターネット対応のパソコンを整備することが必要であるが、その投資額は莫大なものになると試算される。
 したがって、当面は一学校あたり一回線のインターネット接続を、実現することを提案する。  そのための具体的方策としては、
1.先に提案した公共プロバイダーが、小中高等学校一校あたり一回線、インターネット接続料を無料提供する。
2.教育研修センター内にインターネット支援設備を充実させる。
3.教員のインターネット研修を行う。
4.各学校のホームページを作成するための、スクールインターネットボランティアを組織化する。
5.公立の小中学校がインターネット接続を行う場合の県費補助を創設する。

 こうした施策を緊急に計画・実施する必要性を力説するのもである。

提案その6:新県庁舎の庁内情報システムは、イントラネットの発想を充分検討し、設備投資の圧縮や操作性の統一化、簡略化を図ること。

 今、平成11年の新県庁舎の完成に合わせて、新たな庁内ネットワークシステムの整備に全力を挙げることが必要である。
 その整備手法は、一つの端末から全ての情報が、同じ手順で呼び出すことができる方式とすべきである。
 さらに、電子メールシステムや電子決済システムを採用し、行政事務の簡素化、経費の削減に最大限の眼目を於くべきである。

提案その7:インターネット、イントラネットのセキュリティーの確保について充分な研究を積み重ねること。

わが国のパソコン通信ネットワークの草分け的存在の「コアラ」から発展したインターネットへの接続サービス「ニューコアラ」(事務局・大分市、会員数約4000人)でホストコンピューターのシステム管理データが壊れ、システムファイル中のインターネット会員約2000人分のパスワードや個人データが消滅するという事件が4月12日起こった。事務局は「故障とは考えられず、悪質な侵入者(ハッカー)によるもの」とみている。「最悪の場合は、個人情報が盗まれ、プライベートな情報が悪用される可能性もある」とし、会員にパソコン通信の画面上で注意を呼びかけ、直ちに会員のパスワードを再登録、速達で発送した。あくる13日には回復した事故ではあったが、インターネットの社会で起こる事故の恐ろしさを垣間見せてくれた。
県庁内・関係機関の内部情報は、個人のプライバシーに関するものや、様々な業務の進行に不可欠な重要な情報が多い。こうした情報が、インターネットから不法に引き出されたり、いわゆるハッカーの進入によりデータやプログラム自体が破壊される危険性がある。また、コンピュータウィルスの感染の問題も深刻な課題である。
 このように情報のセキュリティーを確保すること、外部情報(インターネット情報)と内部情報(イントラネット情報)の間のファイアーウォールを堅固にする研究を進めなくてはならない。

提案その8:市町村の情報システム整備に関して、その指導ならびに補助金制度を創設すること。

 公共のインターネット情報システムは、地方自治体のもっとも身近な単位である市町村へのネットワーク無しには完結しない。
 市町村の情報システムへの啓蒙、指導体制の強化。人材育成の機関充実。設備補助金制度の創設が是非とも必要である。
 また、先導的政策として、県の情報ネットワークの端末を積極的に市役所・町村役場や支所、公民館などに配置し、県内全地域から良質で均一なサービスができるよう配慮することも必要である。



Windows internet 12月号に掲載「インターネットは政治を変えるか」
http://blog.hitachi-net.jp/archives/51659499.html
Windows internet 12月号に掲載「インターネットは政治を変えるか」井手よしひろのアンケートの回答文
http://blog.hitachi-net.jp/archives/51659500.html

Copyright(c) 1996 Mainichi Communications Inc. All Right Reserved.
毎日コミュニケーションズ「ウィンドウズ・インターネット第3号」より転載




このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

Windows internet 12月号に掲載「インターネットは政治を変えるか」

 以下のページは、Mainichi Communications Inc.が発行しておりました「ウィンドウズ・インターネット第3号」に掲載された内容を、同誌のオンライン版より転載させていただいております。
 「ウィンドウズ・インターネット」誌は、現在休刊となっており、オンライン版も、毎日コミュニケーションズのホームページ上からも削除されております。
 このページは、福冨忠和氏の本文と井手県議のアンケートの回答を掲載いたしました。
 ご意見、ご質問等はWeb管理者の井手までよろしくお願いいたします。



【特別企画】
ネットワークデモクラシー!?
インターネットは政治を変えるか?

1997/11 ウィンドウズ・インターネット第3号 文:福冨忠和氏



「ネットワークデモクラシー」とか「電子民主主義」という言葉をよく聞く。しかし、その意味するところはかなりあいまいだ。いろいろ探ってみてわかってきたのは、その定義にも、大きく以下の3つくらいの方向性があることだ。

1)これまでの政治活動や選挙活動に、インターネットやパソコン通信を利用すること。これによって対話を重視した、しかも低い費用での選挙活動ができる。
2)インターネットやパソコン通信によって、投票などが簡単にできる。不在者投票や住民投票の情報公開の可能性が開け、従来とは違う直接民主主義を政治システムに取り入れることができる。
3)サイバースペース上の新しいコミュニティをベースにした、全く新しい共同体システムのこと。あるいは、国家とは独立したサイバースペース上の政治形態。

「戦後政治の終焉」とか「民主主義の閉塞」といった言葉ではじまる暗いトーンの記事と、「インターネット」に関する希望ばかりの記事が毎日一緒にマスメディアをにぎわしている。その2つが単純に結びついて、「ネットワークデモクラシー」というアイディアが出てきたのかも知れない。しかし、どの方向にせよ、簡単に実現しないことだけは確実みたいだ。
 たとえば、この間の衆議院議員選挙ーーー。

サイバースペースの公職選挙法

 政党や議員がホームページを開いたり、電子メールを活用している、という話題は今ではあまり珍しくなくなった。新党さきがけ時代の簗瀬進氏(現・民主党)をはじめ、パソコン通信の時代から、電子ネットワークを自らの政治活動に生かすことにいち早く挑んできた議員も少なくない。
 とはいえ、いくらインターネットが騒がれていても、日本国内のインターネット、パソコン通信を含めたネットワーカーの人数は人口の数%にすぎない。郵政省が95年に行った調査でも、自宅でパソコンを使用している人のうち、わずかに2.6%がこうしたオンラインサービスのためにパソコンを利用していると答えた。まだまだ世間の関心は低い(それでも利用率の延びは急激で、今年2月と8月、20歳以上の1000人を対象に行った郵政省の「電気通信サービスに関するモニター調査」によると、インターネットを知っている人は2月の81%から8月には90%に、使ったことがある人は20%から34%に増えている)。
 議員や政党のホームページ開設率も伸びてはいるが、思ったほど多くはない、というのが正直な印象だ。Nifty Serveネットワークデモクラシーフォーラムのホームページや、長尾正さんによる衆議院選挙立候補者のリンク集で調べた限りでは、議員全体のごくわずかがホームページを開設しているにすぎない(別表参照)。活用している議員からも「インターネットやパソコン通信を使っている人達がほんの一部に過ぎない現状では、こうした取り組みが話題性で先行していると言った感も拭えない。実用のための試行錯誤の状況と思う」(秋田市議 淡路定明氏)という声や、「参議院ならともかく地方議員ではこれを選挙には使えない」(群馬県議 山本龍氏)という意見もある。しかし「まだまだ利用者が絶対数少ないから、機会の均等にならないとの意見もあるが、自由に利用できるようにすべき」(東京都品川区議 辻幸雄氏)という気分は趨勢だろう。
 国政レベルでは、新党さきがけのようにいち早くインターネットを活用したことは、マスコミ向けの話題としてインパクトがあった。同党は政治資金規制法に絡んで、政府の公表方法(閲覧のみで複写できない、など)に市民から批判が出ていた政党助成金の使途等報告書を、自党分のみホームページで公開するなど、ダイレクトなコミュニケーションとしてのインターネットの特質を見抜いた活用方法で秀でていた。
 さきがけや市民リーグ(当時)によるインターネット活用がマスコミの話題になると、自治省は候補者紹介などのページが公選法に抵触する恐れがあるとの見解をメディアで公表した(96年3月末)。しかし同じ自治省から「政治活動への利用は選挙期間中でも問題ない」という見解も示され、「選挙活動」と「政治活動」の線引きについて疑問を残した。その後もインターネットに対して、自治省は確固とした見解を示すことができないまま、今回の衆議院選挙を迎えることになった。
 新たに結党された民主党は、議員としてはネットワーク先駆者である先の簗瀬氏らも合流して、鳩山党首はじめインターネットを活用した新しい政治形態の模索と政策の実現をアピールした。新党さきがけも、9月末の選挙公示直前に「インターネットと公職選挙法」に関する質問を自治省に提出することを公表し、質問内容をホームページで募集。ここでは公職選挙法によって、選挙期間中に政党や候補者が利用できる文書・図画(ビラ・ポスター・掲示板など)について、その仕様や枚数、利用可能な期間などについて細かく規定されていることへの疑義を論じ、同時に「カネのかからない、公平な選挙」のためにインターネット活用が有効だと考えられるにもかかわらず、同法にそれに対する明確な規定がないことを問題視した。ちなみに、さきがけホームページの制作・維持はすべて党内で処理しているため、費用はサーバ利用料の月3000円とダイアルアップ接続時の市内電話料金程度とのこと。
 10月2日に同党が自治省に提出した質問書は、政治への活用のみならず、インターネットに関する現在の多くの問題が集約されたものとなった。

ホームページは文書・図画か?

 質問書は、インターネットのホームページについて、極めて低廉な費用で開設・維持できる。電子的記憶としてサーバ上に保持されるものだから通常の「文書図画」とは異なる。相手方からアクセスして利用するものだから、候補者等の側が積極的に「頒布」または「掲示」するものではない。とした上で、
・公職選挙法上規制されている他の選挙運動手段(ビラ・ポスター等)が、金のかからない選挙の実現のため決められているという理念から、ホームページは規制されるべきではない
・電子データは「文書図画」とは言えないのではないか
・「文書図画」に当たるとしても「頒布」または「掲示」とは言えないのではないかなどの項目が盛り込まれている。また「海外のサーバに、公職選挙法に抵触するホームページの素材をおくこと」「電子メールによる投票依頼」「インターネットを通じて演説会を中継すること」などの、公選法の境界例ともいえる質問も加えられている。
 インターネットによる新しいメディア形態が広がったことで、旧来の法文では定義できない事態が生まれてしまった。「至急、インターネット、パソコン通信が活用できるように公職選挙法の改正をすべきである」(品川区議 辻氏)といわれる反面、公職選挙法や刑法を改正するためには、当然長期にわたる慎重な議論が必要だ。では、警察や自治省の官僚たちはその間どう対応するのか。
 結果を言えば、自治省は何もしなかった。つまり、現在までのところ「質問書」には返答していない。(10月17日現在) しかし、自治省がなんの返答をしなくても、10月、衆議院選挙は公示され、各党、各議員のホームページは、なんらかの対応が必要となった。
 政党のホームページのほとんどは、公示前から議員に関するデータ中に立候補予定など、公選法に触れそうな内容を扱っていなかったので、選挙期間に突入して、更新はされていないが、休止もしていない。民主党のように、メールで寄せられた有権者からの政策などに関する質問を、そのままホームページに掲載し、これに対する回答を情報ボランティアらの手で次々と掲示する、という積極的な動きを見せている党もある。
 96年の1月開設以来、WWWアクセス(ヒット)件数は9月だけで18万件という実績だった自由民主党のホームページも、「解散前は公認候補者一覧を『議員会館』に設置いたしておりましたが、9月27日から休止させていただいております」(広報局)とのこと。理由は「自治省の見解が不明瞭な部分等があり、内部で検討した結果自主的に休止」したという。また今回の選挙以外でも「図画等の掲載に触れる恐れがあるので、プロフィール部分の削除」(品川区議 辻氏)を行ったケースもある。
 各候補者のホームページの対応もまちまち。新進党・松沢しげふみ氏のホームページでは「公選法との関係が不明確なままでしたので、公示後の更新は一切自粛」(松沢氏WWWサイト担当)し、公選法の選挙運動に関わる内容は、公示前も含めて一切掲示していないという。このように内容を更新しないで、そのまま公開している候補が多い。「公示前の街頭ポスターのようにホームページ公開を取りやめるべきかとの議論については、本屋の店頭に並ぶ松沢の著書と同様の考え方で、やめる必要はない」(松沢)という「合法論」が多いが、一部には「公職選挙法の規定により」と断って、ホームページを休止させている議員のサイトもある(小杉隆氏ホームページなど)。
 果たして、どの対応が正しいのか、この原稿を書いている投票前の段階ではわからないのだ。正直なところ選挙後の警察の公選法違反摘発を待ってみるしかない(笑)。しかし、警察も自治省も、初の小選挙区制による選挙の対応で大わらわで、それどころではないという噂も聞く。

自由が大原則

 候補者サイドでは「インターネットやパソコン通信は、テレビや新聞・雑誌などと同様の一メディアで」「民主政治には、有権者と政治家の対話が重要であることを考えれば、その一手段としてこれらのメディアを活用するのは当然」という思いはありながらも、「しかしながら、公選法の問題一つにしても、その利用法が十分に議論された訳ではなく、利用には慎重であるべきである」(松沢氏)という対応が、今のところ正しいのかもしれない。
  茨城県議の井手よしひろ氏は「公職選挙法とインターネット情報についての私見」(1996年4月発表)のなかで、「自治省は、明確なガイドラインを示す必要がある」と断じる一方、諸外国での政治におけるインターネットの状況を以下のように解説する。
「わが国で禁止されているインターネットを利用した選挙運動は、海外主要国では原則自由で規制は見られない。
 アメリカでは、11月の大統領選に向け各陣営が盛んにホームページを利用。『史上初のインターネット選挙』といわれるほどの過熱ぶりだ。
 イギリスでは、野党の自民党がマルチメディア利用に最も熱心であり、パディ・アッシュダウン党首自身が、市民との電子メール交信に励んでいるといわれている。
 ドイツも、3月の州議会選挙で選挙運動に利用され、各政党がホームページを開設している。同じく、3月に総選挙があったオーストラリアでは各党がホームページで火花を散らした。このように、インターネットを利用した選挙運動は、何の規制も加えない、自由が大原則なのである。
 私は、日本でもこの原則を定着させるべきだと主張する。
 従来の選挙運動に利用できる『文書図画』、つまりポスターやハガキ、ビラ、選挙広報は、その情報を必要としない人にも送りつけられる可能性がある。テレビやラジオ、新聞等のマスコミも同じ性質がある。こうしたメディアは、公選法での規制の枠がはめられてもいたしかたないと感じる。
 しかし、インターネットというメディアは、その情報を得る人は積極的、能動的アクションを起こして、初めてその情報が得られるわけである。インターネット上の情報は、ほしい人が、ほしい時にアクセスしてくるのである。こうした、インターネットの本質を無視した、規制論には大きな矛盾を感じるのである。
 日本でもホームページ上の活発な政策論争を期待するものである。
 たしかに、米国などの状況を見ると、利用率も、その質にもかなりの差を感じないではない。昨年通信改革法案の審議をめぐって、そのなかでインターネットの規制に関わる通信品位条項(法)が問題となっていたときは、国会議員全体でもメールアドレスを持っている人間は、わずかに20人近くだった。通信品位法のもととなった議員立法を提出した2人の議員(エクソン、ゴートン)ともに、メールアドレスはおろかパソコンすら使っていないという説もあり、その彼らがインターネットの内容規制を主張することへの批判が耐えなかった。保守派の筆頭といわれるニュート・ギングリッジ下院議長も、自らがネットワーカーであるために、この法案に反対票を投じていた。
 しかし、約1年が経過して、状況は大きく変わった。ホワイトハウスや各省がネットワーク上で選挙関連のアピールを行うことは禁じられれているものの、党、支援団体、個人、そのほかの市民団体など、多くのホームページが選挙キャンペーンを繰り広げ、ホームページ上での寄付金の公募も行われている。中絶問題、プライバシー法案、税制など、シングルイッシュー(テーマ別に組織された)のNPOサイトも、多くがホームページやメーリングリストで政策論争を繰り広げている。また世論調査や模擬投票、人気投票なども盛んで、支持者や候補者によるオンラインのディべートなども繰り広げられている。
 「無責任な垂れ流し型の情報操作に対する措置、倫理規範の確立が不可欠」(辻氏)という憂慮もあるが、日中の住宅地にやかましい騒音を振りまいて候補者名の連呼を繰り返す選挙カーや、お茶の間に乱入する政党のテレビCFに比べたら、静かで、必要な人にのみ情報を届ける、極めてフェアかつクリーンなものだ。井手氏が主張するように「ほしい人が、ほしい時にアクセスしてくる」というインターネットの本質を無視した規制論には矛盾を感じざるを得ない。

「電子ネットワーク投票」へ

 コンピュータとネットワークの機能が、閉塞した戦後民主主義のオルタナティブ(代替策)を提供する、と考える人たちもいる。電子メールなどを活用した電子投票制度などについては、かなり前から議論としては語られてきたが、実際のところ、認証(本人をどうやって本人と断定するか)やネットワークセキュリティなど課題が多く、技術的に簡単には実現しないだろう。しかし、この多忙な現代社会の中で、たった一日しかない投票日に、住民票が提出されている区域の、特定の投票所に行かなくては投票できないシステム、というのもいかにも古い。片方で、投票率の低下を嘆く人がおり、別のところでは、納税義務があるのに選挙権も被選挙権もないことに不満を感じる在日外国人たちがいる。どこかバランスがおかしい気がする。
 そういう意味で、「電子投票」の実現は、海外に在住する国民や外出もままならない人々、多くの選挙マイノリティの声を、政治に反映させていく可能性があるのではないか。「有権者の本人確認、投票内容の秘密保持などの技術的問題と、選挙区をどこにするかなどの問題がクリアされれば導入するべきだと思う」(参議院議員 林芳正氏)という意見は多いし、「電子投票が最初に利用されるとしたならば、外国在住者の投票であると思う。電子マネーの技術を応用した本人確認のシステムが一般化すれば、いち早く実用化されると思う」(茨城県議 井手よしひろ氏)という具体的なイメージが政治家の中にもある。「しかし、公職選挙法の改正などの環境整備の方が時間がかかるかもしれない」(井手氏)という別の課題が横たわっている。
 自分が選挙によって選んだはずの政治家たちが、必要なときに力にはなってくれるとは限らない、という不信感も募ってきているのかもしれない。阪神大震災時の国政の無策を見たあたりから顕在化してきた傾向だろう。
 たとえば、11月上旬、「日本国外に住むことによって日本の国政選挙に投票できないのは、憲法に保障された国民の基本的権利の侵害である」、「こうした状態を放置している日本政府は怠慢であり、国政選挙に投票できないことによって生じた損害を賠償するべきである」として、米国、豪州、フィリピン、タイ、フランス、ブラジルにある日本人の市民団体が、日本政府を相手どって損害賠償を請求する裁判を東京地方裁判所に起こすことになった。原告は世界各地に在住しているため、原告団の訴訟打ち合わせはすべてインターネットを通じて行われ、裁判経過をホームページに掲載し、在外投票制度の実現を求めるキャンペーンを同時展開していく予定だという。裁判史上では初めて「サイバー原告団」が結成され、実際に提訴を行うことになるのだ(原告団のホームページはhttp://www.ics.com.au/kyn/KYNL1.htmまたはhttp://www.users.interport.net/~hiro/Nuts/)。
 また、Nifty ServeのFNETDの会員で中心に行われている「模擬首相選挙」のようなものを挙げてもいい。「首相は憲法67条(内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。)により、国民の投票によっては決められません。しかし、任意に首相にすべき人を投票することは公選法上も問題はなく、可能です。ネットにより模擬の首相選挙を行い、首相公選制に意義があるのか実験するものです」と書かれたこの模擬選挙の「目的」の文には、現在の間接選挙によって選ばれた一国の首相を、国民が信任も不信任もすることができない、というもどかしさが現れている。この模擬選挙は電子メールによって行われ、実際の衆議院選挙投票日当日に開票されるという。
 また先のサイバー原告団を構成する海外有権者ネットワークも、国際通信会社の協力により、電話による「在米日本人の総選挙模擬投票」を行う。これは衆議院選挙投票日前日までフリーダイアルを公開し、米国在住の有権者たちに、声による模擬選挙に投票してもらうというものだ。投票の結果は、在米の日系メディアなどに公表される。

違法と適法のグレー領域

 こうした市民による直接民主制志向は、2つの住民投票で火がついた。地方自治や、地方住民の意思が、国政レベルの判断を覆す可能性が、はじめて見えてきた。実際にいくつかの自治体で「住民投票条例」が採択されつつある。「沖縄県民投票」は、県民に不本意な結果となったかもしれないが、地域住民と国政の利害対立を浮き彫りにし、日米安全保障条約をめぐる大きな議論を呼ぶことになった。
 2つの住民投票は公職選挙法の規定を受けないこともあって、インターネットやパソコン通信上での議論や、さまざまな形での情報提供が活発に行われた。また、開票当日は、どちらの投票でも、地元新聞や市民団体によるホームページ上でのリアルタイムの開票速報が流れ、ここからさらに、パソコン通信のフォーラムや、インターネットのメーリングリストに情報が転載された。結果として、多くのオンラインユーザーは、マスメディアよりもかなり早く、この投票の結果を入手することになった。
 しかし、こうした国会政治色の薄い住民ベースの動きはともあれ、政党などによるサイバースペース上の活動は、もちろん先の公選法などの法律の規定を受けるし、また、かなりの数のパソコン通信事業者や、いくつかのインターネットプロバイダなどが、こうした政治活動や宗教活動を、約款上禁止したり、規制したりしている。
 さきがけの質問状にもあったように、選挙にからむ「人気投票」を公表することは違法であるし、「世論調査」でも、選挙期間中に特定メディア以外が公表することは違法とされる。「特定のメディア」とは、放送法などで規定されている放送局や、第三種郵便物に認可されているような商業的な新聞や雑誌を指している。ここには、奇妙なことに多くの政党機関紙風の媒体、たとえば「赤旗」などもふくまれる。逆に、普通の有権者が、世論調査を行い、それを自分のメディアで公開することは原則としてできないことになる。「厳密には新聞社などが紙面に掲載した世論調査の結果を、ホームーページ上で公開することも、グレー領域に属してしまうはず」というのは、NiftyServeネットワークデモクラシーフォーラムのSys-opの藤原純衛さん、「しかし、実際には新聞社のホームページにそういったものが掲載されていますね」。
 10月15日には、インターネットを用いた模擬投票実験が、警察と自治省から公職選挙法違反になるとの見解を得た。これは「電子投票を行う場合に生じるさまざまな技術的問題点をはっきりさせるための実験」で、スタート以来、15日までに三百数十件の「投票」があったというが、公選法にいう「人気投票の公表」にあたるのだという(時事通信伝)。
 逆に、市民新党にいがたのホームページのリンクを、新潟インターネットサービスセンターが、「宗教並びに政治活動に関するリンクはご遠慮させていただきます」という基準によってはずした、ということもあった。
 つまり、政治団体はコストのかからないインターネットを自由に使えず、ユーザーも政治的内容についてインターネットでは扱えない、という奇妙な状態が、現状なのだ。これらは、誰が、一体何のために課している規定なのか。

サイバースペースは草の根民主主義

 インターネットは米国国防総省の核戦略用ネットワーク研究のため、大学などに委託された学術研究ネットワーク(ARPAネット、NSFネット)にUSENET、FIDONETなどの草の根的なネットワーキングの動きが統合して生まれた。1992年インターネットソサエティ(ISOC)が国際機関として生まれて以来、関連の組織(IAB、IETFなど)含めて、国家とは独立した枠組みの中で統括されてきた。また、パソコン通信の起源となったものが、米国西海岸の市民運動の中から生まれてきたことも知られている。パソコンとそれにつながる電子ネットワークが形作る世界ーーサイバースペースは、そもそも市民の草の根的な動向との親和性が高い。実際、サイバースペースでは政党や議員のホームページを探すよりも、ずっと簡単に非常に沢山のボランティア、NPO、NGO、市民運動などのサイトを見つけることができる。
 電子ネットワークが、疲弊した官僚政治をボトムアップで変えられると考えられる。いちはやく「ネットワークデモクラシー」という言葉を使い始めた先のNifty Serveネットワークデモクラシーフォーラムの設立趣意書(95年7月27日)にも、つぎのように書かれ、秋葉忠利、岩屋毅 、小坂憲治、堂本暁子、簗瀬進、山口俊一といった議員たち(当時)が発会に名を連ねている。
「コンピュータネットワークの普及は、膨大な有権者の意思の即時集約を可能とするため、有権者の直接民主制への志向を確実に高める。(中略)このようなパソコン通信やインターネットが確実にもたらす『ネットワーク社会』に対応した民主主義の望ましいあり方を検討し、必要な提言を行っていくのが当会の目的である」。
 しかし、実際の道のりはまだまだ遠い。「選挙期間中のフォーラムは政党関係者やボランティアの方達の発言自粛やメンバー自身の自主規制から、盛り上がりの欠けるモノになってしまった。選挙期間中こそ情報交換が必要なのに。過度な自主規制をしなくて良いようにキチンとしたガイドラインが欲しい」と藤原氏。それは「情報公開、情報の共有化の点から評価すべき」(辻氏)であって、選挙公報メディアとして規制すべきではないのだ。
 国外まで目を向ければ、インターネットの国家的な規制は、世界に広がる傾向にあり、多くの市民運動家たちは、電子民主主義の到来を待ち望むよりも、官僚政治とまず闘うことを余儀なくされている。  米国の通信品位法の施行に対してサイバースペース上でのさまざまな抗議運動や、フィラデルフィア連邦裁での集団訴訟で中心的な役割を担ったのは、VTW(Voter Telecommunications Watch:有権者による通信監視)、ACLU(全米市民自由連合)、ラルフ・ネーダーグループ、EFF(電子フロンティア財団)などの、NPOや草の根的な市民団体だった。彼らの多くは以前から、通信政策に関する監視活動や、情報公開、著作権、プライバシーといった分野で活動してきた。
 日本では、NPO法が選挙前に棚上げされ、さまざまなオンブズマン活動での努力によっても情報公開はなかなか進まない。選挙公示直前の10月8日には、長尾立子法相は刑事法制の見直しを制審議会に諮問し、この中で来年の通常国会への法案提出を目指して、電話やインターネットなどの通信傍受を認める法制審の答申を得る意向だという。アセアン諸国でも規制が進行している。
 いま、「ネットワークデモクラシー」という理念と希望の周辺で、ぎくしゃくと音を立てているのは、市民社会に根付きはじめた新しいテクノロジーと、古いビューロクラシー(官僚主義)とがぶつかりあっているためなのだと思う。
 近代市民社会が生まれ、民主主義が育まれるに至るには、サロンやコーヒーハウスといった、誰もが公けに語ること(公論)を許可されたスペースと、新聞などのジャーナリズムが必要だった。さまざまな主張と批判と意見が、新聞上や公の場(パブリック・スフェア)で交わされることが、不可欠の条件だったという。
 現在のサイバースペースは、ちょうどそんな近代市民社会のはじまりに似ている。であるなら、サイバースペースは誰もが自由に語れる街角のコーヒーハウスであるべきなのだ。「いつでも、どこでも社会的身分や性別、年齢を越えて、対等に意見を交換できる積極的能動的市民参加型の民主主義制度」(辻氏)はそこで初めて実現できる。誰もが自由に主張や批判を行うことができること。もしそれがなければ、ネットワークデモクラシーの実現もありえない。

井手よしひろのアンケートの回答文

Windows internet 12月号に掲載「インターネットは政治を変えるか」
http://blog.hitachi-net.jp/archives/51659499.html
Windows internet 12月号に掲載「インターネットは政治を変えるか」井手よしひろのアンケートの回答文
http://blog.hitachi-net.jp/archives/51659500.html

Copyright(c) 1996 Mainichi Communications Inc. All Right Reserved.
毎日コミュニケーションズ「ウィンドウズ・インターネット第3号」より転載




このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

カシマサッカースタジアム検討委員会の最終報告

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 1996年5月31日、国際サッカー協会(FIFA)の理事会で2002年ワールドカップの日本・韓国共同開催が決定した。
 ワールドカップの茨城県への招致に関しては、いち早く県立カシマサッカースタジアムでの開催に向けて県民上げての運動が高まっていた。
 日韓共同開催が決定した現在、そのカシマサッカースタジアムの具体的改修計画が大きな注目を浴びている。
 茨城県サッカー協会や地元鹿島市から、「現スタジアムを改修するのではなく、新しいサッカー場を建設した方が良いのではないか」との要望や意見が寄せられた。
 県は、カシマサッカースタジアム整備検討委員会を設置し、改修か新築か、その具体的な整備計画を検討することになった。
 8月に設置された検討委員会は、12月までに5回の委員会を開催し、多方面にわたる検討を重ねてきた。
 ここでは、その最終報告書を全文掲載する。

カシマサッカースタジアムの
整備に関する報告書

カシマサッカースタジアム整備検討委員会



はじめに

 本委員会は、本年8月7日に設置されたが、その目的は茨城県知事の委嘱を受け、2002年FIFAワールドカップを開催するためのカシマサッカースタジアムの整備に関し、幅広い見地から調査検討を行うことにある。

 2002年FIFAワールドカップの開催地は、本年5月31日に開催されたFIFA(国際サッカー連盟)の理事会において日本と韓国の共催により実施することと決定された。

 このような状況の中で、開催地に立候補している茨城県としては、2国共催といえどもできるだけ多くの試合の開催を引き続き推進するために活動を継続することを表明している。

 茨城県は、2002年FIFAワールドカップの開催地に立候補するに当たり、会場としては県立カシマサッカースタジアムをFIFAの基準に合わせて改修し、本大会を開催することとしていたが、この間、ワールドカッブの開催を確実にするためには改修ではなく新設の万がよいのではないか等の新設論が各方面から提起されている。

 本委員会は、これらの状況を踏まえながら2002年FIFAワールドカッブを茨城県で開催するための県立カシマサッカースタジアムの整備方策について、多面的に調査検討を進めてきたものである。


ワールドカップ開催の意義

 鹿島地域は鹿島臨海工業地帯の整備により大きく変貌したところであり、今や日本を代表する基礎素材産業の一大拠点となっているが、一方で単なる工業の街としての潤いの欠如、新旧住民間のわだかまり、生活環境整備の遅れなどが顕在化してきた。

 このような中で平成2年に開催された「楽しいまちづくり懇談会」の提案に基づく、Jリーグ「鹿島アントラーズ」の誕生と同チームのホームとしてのカシマサッカースタジアムの建設は、スポーツ・文化を核とした街づくりのメイン事業として行われたものであった。

 現在、県立カシマサッカースタジアムは鹿島アントラーズのホームスタジアムとして毎試合超満員の観客を集め、鹿島は今やサッカータウンとして全国の街づくりのモデルとも言われるようになった。

 新旧住民が老若男女を問わずに一緒になってアントラーズを応援し、そのことにより地域に一体感が生まれ育っている。

 FIFAワールドカップは、世界の人々が最も愛するスポーツ(サッカー)の4年に一度開催される世界選手権であり、2002年には世界の多くの人々が茨城.鹿島を訪れることが予想される。

 ワールドカップの開催は、仝民スポーツ意識の高揚、▲好檗璽鎚顕修凌橋宗↓9餾欷鯲の促進、っ楼茲凌橋修覆匹量未韮淵蝓璽阿鮠絏鵑觚果が期待でき、更に世界に向けて情報を発信することによる地域のイメージアップも大きなものがある。

 また,ワールドカッブの開催のためにはスタジアムを初めとして道路、橋梁、鉄道、ホテル、駐車場などの関連インフラの整備事業も一気に進むと思われ、まさにワールドカッブの開催は茨城県と鹿島地域の発展に大きく寄与するビックブロジェクトである。


調査検討の基本的事項

 本委員会は、8月7日に設置され、同日第1回の委員会を開催した。検討を進めるに当たっては、限られた期間において効率的に調査検討を進めるため、委員間において基本的な事項について申合せをし、それらを前提に審議することとしたが、その内容は次のとおりである。

茨城県が開催候補地に立候補するに当たっては、茨城県サッカー協会の請願を受け、かつ、この請願は平成4年6月に県議会において採択されており、県としてワールドカッブを開催することは決定済みであること。
ワールドカップの開催については、平成7年度を初年度とする「茨城県長期総合計画」に位置付けられ、かつ、その開催地は「鹿島」とされていること。
本委員会で議論するに当たっては、単にスタジアム整備に係る諸問題にかかわらず、周辺のインフラ整備や地域振興策、Jリーグへの影響などの幅広い分野についても議論すること。
観客数の予測、利用交通手段の推計、宿泊客の推計等は、県が平成6年度に実施した調査により得たデータを基本とすること。
本委員会はフリーな立場で改修、新設を含めてカシマサッカースタジアムの整備について比較検討を行うものであること。


ワールドカップ開催に伴う課題

1.スタジアム

 ワールドカップを開催するためには、4万人以上の観客席、3分の2以上に屋根を付ける、一定数以上のVIP席やプレス席を用意するなどFIFAの定めた基準をクリアーしたスタジアムを整備しなければならない。

 現在の県立カシマサッカースタジアムは、全席屋根付きで1万5千人の個席の観客席を有し、フィールドはセルシステムによるサッカー専用とするなどまさにJリーグ発足時(平成5年)には日本一のサッカー専用スタジアムとして建設されたものである。

 しかしながら、観客席の数、VIPやプレス対応、警備対策などはFIFAの要求にはまったく答えられないものである。

 県は、平成4年7月に2002年FIFAワールドカップの開催候補地に立候補したが、このときの開催計画においては現カシマサッカースタジアムをFIFAの基準に合うように改修して大会を開催することとし、これに伴う基本設計は既に了している。

 一方、ワールドカップの日韓共催決定後に県サッカー協会や県議会議員、地元鹿嶋市などから新設検討の要望があり、県がこれを受けて専門家に依頼して作成した新設の4つの企画案は、いずれの案もFIFAの基準をクリアーした上で改修案に比べ、最大で50億円程度高くなる見込みである。

2.関連インフラ等

 4万人分のチケットのうち30〜35%は海外で販売することが義務付けられるなど、多数の観客が県外及び海外から訪れることが予想される。

 このことは、通常のJリーグの試合と比較して単に観客数が増えるだけでなく、公共交通機関利用者の増、宿泊観戦者の増、地理不案内者の増など多方面にわたる対策が求められる。

 さらに、試合によっては各国の元首級のVIPや数百人にのぼるマスコミ関係者なども来訪するため、警備対策等にも十分配慮する必要がある。

2−(1)道路網の整備

 この地域の特性から、多数の観客が東関東自動車道を経由しての国道51号線及び124号線を利用することが想定され、この2本の国道がメインのアクセス道路となると思われる。

 開催計画によると、国道51号線鹿嶋バイパスの整備は既に着手されており、また、国道124号線についても改良事業が始まっている。

 また、千葉県と茨城県を結ぶ新銚子大橋についても既に事業化され、懸案となっていた国道51号線新神宮橋についても調査に着手するなど計画的に事業が進められている。

2−(2)鉄道の整備

 開催計画によると4万人のうち5千人を鉄道により輸送することとし、このことは車両の増、ホームの延長、行き違い施設の増などの輸送力増強対策を行うことにより十分可能としており、さらにJR鹿島線については東京方面からの臨時列車のカシマサッカースタジアム駅への乗り入れも検討されている。

2−(3)宿泊施設の確保

 宿泊者については県内で最大1万3千人を見込んでいるが、スタジアムから概ね60km、時間にして1時間の範囲内で2万人程度の収容は可能であるとし、さらに鹿島セントラルホテルなどの公的宿泊施設についても整備計画が進められている。

 また、スタジアムから30分程度の成田市内にも7千人程度の受入れが可能であるとし、さらに、現在整備中の鹿島港北公共埠頭に大型客船を繋留し、ホテルとして活用する案も検討されている。

2−(4)練習場の整備

 開催計画においては、スタジアムから20分以内の既存の4か所を練習場の候補としている。

 いずれの施設も天然芝のフィールドを有し、105m×68mのピッチがあり、更衣室等の付帯施設も整備されている。

2−(5)駐車場の整備

 駐車場の確保に当たっては、現有5千7百台(民間含み)を1万2千台に拡張することを計画している。

 民間駐車場については、従来の官民の割合を踏襲し、概ね4害リ4千8百台分を民間の整備に期待している。

改修・新築の比較

 カシマサッカースタジアムの改修・新設については、地域振興上の波及効果や、構造、施設の利活用方策、費用など幅広い観点からの比較検討上の課題が提起され、活発な意見が出されたが、それを要約すると以下のとおりである。

1.共通事項について

FIFA(国際サッカー連盟)の要求基準は全て満たすことができる。
大規模施設の整備により地域振興への波及効果が期待できる。
交通体系の整備など関連インフラ等の整備が進むことにより、都市基盤の充実が図られる。
観戦機会が増えることにより、県民のスポーツ意識の高揚が図られる。

2.改修について

ワールドカップを開催することに問題はない。
既存のスタジアムがベースになるため、四角形のスタジアム外観や各種部屋の配置等については変えられない部分があり、設計上、デザインや新たな機能を付加するような自由度は高くない。
現スタジアムはJリーグ発足時に県が建設した記念碑的なスタジアムであり、ここでワールドカッブを見たいというファンも多数存在する。
設計上の自由度は高くないが、規模の拡大を伴うことにより、アピール性やシンボル性は劣らない。
サッカー専用場としての活用が中心になるが、芝の保護対策を講じることにより、イベント会場など多目的な活用も考えられる。
施設規模の拡大により現在の管理運営費は増えることになるが、観客数の増に比例して単純に管理費が増大することにはならないこと、引き続きプロチームのホームグラウンドとしての活用を前提とすれば、大きな負担は出ないと予測される。
現施設を基本とするため、新たな用地確保は少なくてすむ。
エ事は、4分割されているスタンドをブロック別に施工していくことになるため、Jリーグ等の試合を継続しながらエ事を進めることが可能である。
一部解体撤去、エ事期間中のJリーグ等の試合開催に支障が出ない工事手法の採用などで特別な費用がかかるが、新設よりは安くできる。

3.新設について

最新の設備を持ったサッカー専用スタジアムが整備されることにより、地域振興上の相乗効果が発揮される。
県内にサッカー専用場が2ヶ所しかない現状において、鹿島に2つの県立サッカースタジアムが整備されることに対する県民の合意形成が課題となる。
新たな設計思想に基づく整備が可能となり、新たな機能を付加する自由度は高い。
施設形態は、サッカー以外のスポーツ、イベントへの対応も可能な兼用化が可能である。
地域防災センター機能、コミュニティセン夕一機能、スポーツジム機能など、単にサッカーのみならず様々な地域ニーズに答えられる拠点施設として整備することができる。
新設スタジアムは県管理とし、現スタジアムをサッカータウンとしての発展をめざす地元鹿嶋市へ有償払い下げすることにより、地域振興上大きな効果があげられる。
現スタジアムの払い下げに要する費用及び管理運営に伴う負担に、地元鹿嶋市が堪えられるかどうかが課題となる。
最低約10haの敷地確保の必要があり、開催に間に合う施設整備を前提とすれば、候補地としては、現スタジアム隣接のト伝の郷運動公園が考えられる。
ト伝の郷運動公園の活用は、一般市民の多目的なスポーツ環境を失わせることにもなるので、代替え施設の検討が課題となる。
Jリーグ等の試合開催に影響を及ぼすことなく施工でき、現在のサッカーの盛り上がりを維持できる。


むすび

 本委員会は、カシマサッカースタジアムの整備のあり方について多面的に検討を進めてきた。

 各委員からは2002年FIFAワールドカップの本県開催のためのスタジアムの整備は如何にあるべきかということに関し活発な意見交換があり、以下を本委員会の意見としてとりまとめたので、報告する。

改修について

 Jリーグの試合を継続しながらの工事施工やフィールドの兼用化に制約がでるほか、新たな機能を付加する等の自由度には欠けるものの、次のような利点がある。

ワールドカップを開催するためのFIFA基準を満たした整備が可能であること
新たな用地の取得が少なくてすむこと
事業費が安上がりにすむ可能性が高いこと
地元鹿嶋市に新たな負担を求めなくともすむこと


新設について

 ハイグレードなサッカースタジアムが新たにできることによる相乗効果が期待できるほか、フィールドの兼用化による多目的利用、新たな機能を付加した施設整備が可能となるなどの利点があるが、次のような克服すべき課題がある。

現在のスタジアムを地元鹿嶋市が有償で払下げを受けることが前提となること
払い下げに要する費用やその後の管理運営費用など、鹿嶋市の財政能力が課題となること
建設費の問題等から県民の理解を得ることが課題となること
鹿島に二つめのグレードの高いサッカースタジアムを整備することに県民の理解を得ることが課題となること


 改修・新設のいずれにしても、ワールドカッブの開催については十分対応できるものであるが、県がスタジアムの新設に踏み切る場合には、県民の理解を求めると同時に、地元鹿嶋市の意向を十分に尊重すべきものと考える。

 ワールドカップの開催のためにはスタジアムのみならず道路、鉄道、橋梁、港湾などの地域の将来を担うインフラの整備も極めて重要である。

 スタジアムの整備万策は、予算、設計や工期の問題もあり、議会の意見などを踏まえながら県が方針を決定すべきものであるが、その際にはインフラの整備を含めて2002年FIFAワールドカッブが茨城・鹿島で成功裡に開催され、そのことが本県及び鹿島地域の振興に寄与するように、県をあげて努力すべきことを本委員会として要望する。

  平成8年12月19日
カシマサッカースタジアム整備検討委員会




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日本で決勝戦が決定・鹿嶋市長が新設に慎重姿勢発言

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FIFAで合意・日本で決勝戦、試合数は32

1996年11月6日 スイスのチューリヒで行われたFIFAの日韓共催委員会で2002年ワールドカップの決勝戦が日本で開催されることが決定した。

 この日決定した事項は以下の通り、

大会名称はKorea Japan World Cup 2002
開幕戦は韓国で開催
決勝戦は日本で開催
試合数は64試合(日本・韓国32試合ずつ)
参加国は32カ国
日本・韓国は予選免除で本大会出場


 国内15自治体での開催は不可能!?

 日本での開催試合が32試合と決まったことで、国内の試合会場数は6カ所から最大でも10カ所となる見込みとなった。

 現在、名乗りを上げている15自治体は、すでに日本招致委員会に2億円以上の資金を提供している。

 ワールドカップの開催を前提に、会場の整備に着手している自治体がほとんどである。

 この日のFIFAの決定は、各自治体にとって大きな衝撃となった。

 鹿嶋市長がスタジアム新築に慎重発言

 2002ワールドカップの招致問題に関して、五十里武(いがり・たけし)鹿嶋市長は、朝日新聞の取材に答えた。その大要は

鹿嶋市は、間違いなく開催地に選ばれると確信する。カシマは誇れても、ほかに劣ることはない。
カシマサッカースタジアムの新築か改修かの問題は、維持費や観客動員など継続性の問題とともに、長い将来を考えて判断しなければならないので、拡張案に流れざるを得ない。

 五十里市長は、当初「理想的にはもう一カ所新設して、カシマをサッカーのメッカとしたい」と非公式ながら新築を望んでといわれる。

 しかし、日韓共同開催が決定した後は一転して慎重論に傾いた。

 新築の条件となる現カシマサッカースタジアムを、鹿嶋市が買い取ることに対する財政的負担(約40億円程度と見られている)やその後の維持経費負担がその理由である。

 最終的に日本での試合数が32試合と決定したため、カシマスタジアムの新築、改修問題も結論が急がれている。

※最終更新日:1996/NOV/8




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自己紹介
井手よしひろのプロフィール

井手よしひろです。
茨城県の県政情報、
地元のローカルな話題を
発信しています。
6期24年にわたり
茨城県議会議員を務めました。

http://y-ide.com
master@y-ide.com
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