いばらきのインターネット - 地域情報基盤整備関する提言

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茨城県地域情報ネットワーク整備に関する提案
茨城県議会議員 井手 よしひろ


インターネットとイントラネット
インターネットによる地域情報ネットワーク整備


情報公開の推進 行政改革の推進 新たな産業の振興
新たな地域コミュニケーショインツール

地域情報ネットワーク整備への具体的提案

提案その1・・・県民が等しくインターネットを活用できるよう、一刻も早く公共のプロバイダーを設立すること。
提案その2・・・県及び県関連のデータベースをイントラネットの発想で、2001年までに再構築すること。
提案その3・・・県民への情報公開をインターネットを活用し、推進すること。
提案その4・・・茨城県議会のホームページを早急に開設し、議会情報の発信を行うこと。
提案その5・・・3年以内に、県内小中高等学校へのインターネット導入を実現すること。
提案その6・・・新県庁舎の庁内情報システムは、イントラネットの発想を充分に活かし、設備投資の圧縮や操作性の統一化、簡略化を図ること。
提案その7・・・インターネット、イントラネットのセキュリティーの確保について充分な研究を積み重ねること。
提案その8・・・市町村の情報システム整備に関して、その指導ならびに補助金制度を創設すること。


 茨城県は、都道府県としは初めての情報発信設備(WWWサーバ)を整備し、昨年七月末からインターネットによる情報発信をスタートさせた。3月末現在でアクセス回数は百万ヒットを超えたという。

 インターネットという言葉が、まさに時代の流行語のように繰り返され、このシステムがいわゆる「県政のPRの媒体の一つ」といった狭い範疇で議論されることには大きな抵抗がある。
 地方自治におけるインターネットの役割に、私は大きなものを期待している。インターネットは地方=ローカル(Local)を日本の中心にも、世界の中心にも直結させてくれるシステムだからである。
 さらに、もっと重要なことは、行政の情報を我が家に直結させてくれるシステムであるという視点である。
 新たな地方の可能性を開くインターネットを活用した地域情報基盤整備についての私見を述べさせていただく。

インターネットとイントラネット

 イントラネット。注意して読まないとインターネットと読み間違えてしまう言葉が、最近新聞紙上や業界紙等に取り上げ始めている。

 イントラ(Intra)とは、内部を意味する。イントラネットという言葉は、一年ほど前までは、企業や行政官庁の内部で、大型のコンピュータ(ホストコンピュータ)を中心に、端末のパソコンを配したネットワークを意味するものであった。ローカルエリアネットワーク(LAN)と言った方が一般的であったと思う。
 その相対にあったものが、インターネットであった。インター(Inter)とは「……相互の」の意味で、ネットワーク同士を結んだ巨大なネットワークで、誰でもがアクセス自由の開かれたネットワークである。

 そして、最近の著しいインターネットの普及の中で、大きな地殻変動が起き始めている。
 それは、イントラネットでも、インターネットで培われた技術を応用しようという発想である。
 その基本となるのが、WWW(ワールド・ワイド・ウェッブ)という仕組みである。
 WWWという仕組みを使えば、テキスト(文字)データばかりではなく、写真や動画、音声などのデジタル信号化した情報の全てがやりとりできる。そして、この仕組みの最大の利点は、大型のパソコンを必要としない(設備投資が著しく低く抑えられる)ことであり、共通の言語(HTML言語)により、誰でも簡単に情報発信が可能となることである。
 すなわち、今まで各企業や、行政が独自に開発していた部内のシステムをこのインターネットのシステムを盛って構成するという試みである。ごく簡単に言えば、社内にミニ・ミニ・インターネットを作って、仕事の情報をやり取りしようというのがイントラネットなのだ。
 さらに、このシステムを本来のインターネットに接続すれば、この企業内のシステムをそのまま全世界へつながったインターネットの一部として機能することになる。
 それだけでは社内情報がそれこそ世界中に見られてしまう。そこで、ファイア・ウオール(防火壁)を設け、パスワードなどを使わないと入れないようにし、ハッカーなどの侵入を防ぎ、部内の情報が他人に漏れないようにしている。それが現在のイントラネットの姿である。

 イントラネットの利点はそればかりではない、今、大きなブームとなっているインターネットのホームページを企業や行政が発信するためには多大な労力を必要とする。しかし、その割には、売り上げの増加や、広報活動への直接のメッリットが余りあがってこない現状が指摘され始めている。インターネットの恩恵を受けられる人が、まだ一部に限られている現状ではこの傾向は否定し難いものである。しかし、イントラネットが作られておれば、通常の業務で作られた情報を少しの加工をしただけで、最新の情報を発信できるわけである。
 イントラネットは、昨年から米国の企業で爆発的に広がっている。日本でも一部の企業や大学で運用が開始されているという。
 茨城県の地域情報ネットワークの構築に際してのキーワードは、まさにこの「インターネット」と「イントラネット」であると確信する。

インターネットを情報基盤整備の中核に

 昨年の9月、私は、県議会に一般質問において、茨城県の情報基盤整備の重要性を力説し、いくつかの提案をした。(県議会一般質問要旨)
 私が、インターネットを中核とする地域情報システム整備の重要性を強く訴える理由は、以下の5点に要約される。

その第一は、情報公開の推進である。

 地方における民主主義とは、住民のより多くが納得できる行政を進めることである。
 そして、その前提条件として、住民ひとり一人に充分な情報の提供がなされていることが不可欠である。
 しかし、その地域の情報は、あまねく住民に知らされているであろうか?
 いわゆるマスコミの発する情報は、国民の大多数に普遍的な内容に偏っている(偏っているという表現は不適切かもしれないが)。国際状況や、国会の審議の内容は、新聞の一面を飾り、テレビのニュースで広く紹介されるが、我が町内の下水道の改修計画を教えてくれるメディアはまずないだろう。新聞の地方版は、多くて2ページ、通常は1ページである。よく漫才のネタにされるが、犬が人に噛みついても記事に取り上げられることはなく、人が犬に噛みつくような非日常的な記事しか掲載されないのである。
 地域にすむ住民にとって、当たり前の情報を知らせてくれる機会は余りにも少ない。
 そういった意味では、地方行政にあっては、その情報公開の度合いはここ50年来余り変わっていないといっても過言ではないだろ。

 地域のローカル紙や県域ラジオ・県域テレビ・ケーブルテレビにその役割を求める声があった。特に、県域テレビの可能性を主張する方も多い。現に、私も県会議員選挙に立候補するときの公約に、県域テレビの実現を考えたこともあった。
 しかし、冷静になって考えてみると、県域テレビやケーブルテレビが一日に流す報道番組の時間はどのくらいの長さになるであろうか?ケーブルテレビの多チャンネル形式は別として、最大でも5時間程度であろう。その中で、知りたい情報を全て流すことができるであろうか。

 また、最大の悩みがある。地域の問題は、ある地域の人には生計をも左右する重要問題であるが、その他大勢の人にとっては、全く価値のない話題なのである。
 先ほどの下水工事のニュースなど隣の町内の人にはまず関心がない問題である。そうなれば、たとえ県域テレビ、ケーブルテレビといっても取材し、報道するニュース価値は余りにも低いものになってしまう。
 その上、そんな小さな情報、又は専門的で個人的な情報を報道されても、受け手である住民も困るのである。
 オン・デマンド(ON DEMAND)という言葉があるが、このての情報は、まさにオン・デマンド「必要な人が、必要な時に、自由に入手できる情報」でなくてわならない。
 この意味で、インターネットはまさにオン・デマンドを実現する媒体である。

 なぜ、地域情報の伝達にインターネットが適しているのか実例を挙げてみよう。
 インターネットの特徴にハイパーテキストというものがある。
 ある人がインターネット上に、次のような論文を掲載したとする。
 「インターネットの普及とともに米国では、大きな変化が始まっている。大都市近郊の自治体では、在宅勤務者であるソーホーが増えたため、通勤時の自動車の渋滞がなくなり、予算化していた道路の整備を見直す論議が始まった。パソコンのネットワークが地域の課題に大きな影響を与え始めた実例の一つである」
 インターネットを経験された読者の皆さんには、まさに釈迦に説法であるが、この例文の下線部(画面上では、文字の色が変わっていたり、下線が引いてあったりする)を、クリックすることで、それに関連した項目に移ることができる。ソーホーをクリックすると画面は、この言葉を詳しく説明してくれる画面に変わる。
 「ソーホー・・・S・O・H・Oとは、[Small Office Home Office]の略で、オンラインで会社や取引先と結び付く在宅勤務のビジネスマン、個人事業者らを指す。ノースリッジ大地震で、ロサンゼルス近郊のビジネスマンや、個人業者が都心のオフィスに出社せきず、やもおえず在宅での仕事を始めたが、パソコンネットや、電話・FAXなどによって十分にその仕事をやりこなすことが可能であったため、認知された。いま、大きなアメリカビジネスのトレンドとなっている」と、変わるのである。当然同じように、ノースリッジ大地震を、クリックすればより詳細なデータに行き着けるのである。
 これがハイパーテキストの環境である。インターネットは、このハイパーテキストの環境で構成されている。一つの論文の詳細を他人の論文にアクセスして教えてくれるのである。この作業をリンクと呼ぶが、これこそインターネットの神髄でもある。このハイパーテキストの発想、リンクの発想があるから、受け手は難しいパソコンの操作から開放され、マウス一つで知りたい情報に至れるのである。(ちなみに、この提案でもよく出てくるWWWという言葉は、World Wide Webの略であり、直訳すれば「世界中に張り巡らされた蜘蛛の糸」となる。世界中にこのハイパーテキストのリンクの網が張られた状態を指すのである)

 実例を紹介しよう。Bさんは、仕事から帰り、軽く晩酌を済ませた。明日は、県議会議員の投票日である。まだ誰に投票知るか決めていない。おもむろに、パソコンのスイッチを入れ、候補者のWWWにアクセス。環境問題や産業振興・福祉への考え方等をのぞいてみる。難しい言葉があっても、ワンクリックでより詳しい説明の画面に移行できる。インターネットの振興をうたっていたので、リンクを辿ってみると、県議会のホームページにアクセスした。4年間の議会での質問内容が、一目瞭然である。これでやっと、候補を選ぶ材料ができた。(インターネットと日本の公職選挙法との関連は別の項目で説明する)

 もう一つ、具体的な例を挙げてみよう。インターネットにはサーチエンジンといわれるシステムがある。インターネットには幾千ものWWWが存在し、その一つひとつが独自の情報を発信している。例えば「イントラネット」の情報を今必要とする人がいたとしよう。彼は、夜中の十一時でも、朝の6時でも良い。日曜日でも、元旦でもいいのである。パソコンに向かい、サーチエンジンに接続する。
 サーチエンジンの検索した言葉を入力する窓に「intranet」と、入力する。30秒程すると約250のWWWの一覧が表示される。現状では英語表示である。
 彼は、簡単な説明を読み、その一つにマウスを合わせ、クリックする。すると、情報は、アメリカのテキサス州のある企業にアクセスした。
 その企業のWWWからは、イントラネットに関する、最新の詳細な情報が得られた。
 この間、NTTの番号案内でも、一回30円かかるが、接続に特別な料金は一切かからない。(接続するための電話料金とプロバイダーの経費はもちろん掛かる)
 インターネットの草創期である現在でも、英語さえ理解できれば、世界の情報を確実に掌中に収められる。
 こうした、状況をわが国の地方自治体の中でも実現させるべきである。

 Aさんの母親が突然倒れ、在宅の福祉サービスを受けたいとする。
 家庭で、役所の窓口で、プライベートに使用しては上司に注意されるかもしれないが、職場のパソコンで、サーチエンジンに「在宅福祉」と入力する。自分が住む町の名前も合わせて入力しよう。
 すると、在宅福祉サービスのメニューが表示される。「昼食の配達サービス」の項目を選び、クリックする。曜日や、内容を選択し、登録をする。もちろんパソコン上で、サービスの申し込みを市役所にすることができる。
 しばらくすると、電子メールが市役所から届く。「何月何日から昼食の宅配サービスを開始します」。といった具合である。

 この二つの例は夢物語ではない。少なくても、ここ10年で構築しなくてはならないシステムである。
 いつでも、誰でも、どのような情報でも、引き出せてこそ、真の情報公開である。
 官僚や行政担当者、そして一部の議員が情報を独占する時代は代えなくてはならない。地方自治体の情報開示の方策としての、インターネット活用システムを作ることにより、真の地方民主主義、地方分権を育てることができる思う。

その第二点は、行政改革の推進である。

 インターネットとイントラネットの項で述べたように、イントラネットをインターネット対応で整備することのメリットは多い。ここでは、行政改革の立場からそれを検証してみたい。

 まず、縦割り行政の弊害を是正することができるという利点がある。

 現在、茨城県では、いくつものデータベースが各部署毎に稼働している。衛生部の管轄では、健康科学センターが健康データベースや統計案内データベース。福祉部は、福祉施設データベースやボランティアデータベース・福祉制度データベースを福祉情報センターが統括している。農業総合センターでは、文献・統計・気象情報のデータベースを有している。
 工業技術は、工業技術センターのデータベースに蓄えられ、生涯学習センターでは、生涯学習ボランティアの情報が集められている。
 こうしたデータベースを一カ所で検索することは、現状では県庁内でもできない。その操作方法も、一つづつ違い、全てのデータベースを操作することができる職員は果たしているだろうか。
 一つの端末から全ての情報が得られるメリット、統一された操作環境から得られるメリット。こうしたメリットは縦割り行政の敷居を次第に低くしていくのである。

 行政改革に果たす役割の二つ目は、その投資額の低さである。

 専用のLANを構築することなくネットワークを構成できるイントラネットは、投資額が飛躍的に少ないといわれている。昨年来、話題となっているウィンドゥズ95対応のパソコンであれば、電話回線を利用すればモデムを接続するだけで、ほとんど追加投資なしで端末機としては活用できる。ネットワークを整備する費用が大幅に圧縮できるのである。
 更に、インターネット対応型イントラネットには大きなメリットがある。それは、設備を漸進的に整備できるという事である。専用LANの環境では、原則的にその設備は一挙に立ち上げる必要がある。こうしたシステムを全庁的に整備するとするならば、その投資額は莫大なものになろう。しかし、インターネット対応システムの場合は、できたところから、少しずつ進めていけばよいのである。WWWという統一方式で運用されたシステムであるから、その基本さえ忠実に再現していけば、臨機応変にシステムの拡張が可能となる。
 現状の各部署毎のシステムは約5年周期で更新されている。したがって、各システムが更新時期に至ったときに、インターネット対応型に改変すればよい、単年度主義の自治体にとって、このメリットは大きいのである。
 こうした、メリットにより行政改革の切り札としてのインターネットシステムの導入は是非とも実現させなくてはならない。

インターネットを中核とする地域情報基盤整備の第三の目的は、新たな産業基盤の創出である。

 県が有する既存の情報ネットワーク上のデータを、より多くの県内企業が利用できるようにすることで、技術力、経営ノウハウ、人材紹介などの支援が可能となる。
 また、県内企業の優れた商品、技術などを全世界に紹介するとができる。反対に、全世界からの情報を容易に入手することができるようになる。
 様々な行政官庁への許認可申請や報告資料提出などをインターネット上で可能とすれば、民間企業の事務効率を飛躍的に向上させることになる。
 また、こうした間接的なメッリトとともに、これから大いに発展が期待されるインターネット関連のプロバイダー事業者・ソフト業者への直接的なメリットも大きい。

 とにかく著しい国際化の波は、規制緩和の大きな追い風を受けて茨城の地域経済に打ち寄せるであろうことは確実である。アメリカのメーカーが、EUの国の設計の商品を、中国の原材料を使って、製品を東南アジアで作り、最終的に茨城で販売する。といった国際的分業は日常茶飯事となる。
 逆をいうなら、東京という今までの一極集中の都会から離れた地域であっても、世界という視野から見るならば、デジタル化された情報の距離で見るならば、世界の中心となっても何ら不思議ではない時代の到来である。

 地方における情報基盤の整備では大先輩の大分県のニューコアラに、「地域に情報コンセントを」というレポートが掲載されていた。言葉の意味する内容は少し違うかもしれないが、「インターネットは地域情報のコンセント」と形容したニューコアラの発想には大いに感服した。
 電気のコンセントと同じように、水道の蛇口と同じように、地元の企業が自由に使える低料金・定額の情報の出入り口を整備をすることは、地方自治体の責任なのである。

第四は、次代を担う青少年の教育に関する必要性である。

 インターネットは、瞬時にして全世界の情報に接することができる。もし、子どもたちがその情報に触れれば、より深く、広い情報を自らの手で収集できる感激を知ることとなる。
 まさに、教室は世界の窓口となるわけである。

 更に、そうした情報の多くは英語を使ってやりとりされる。生きた英語教育がそこでは行われるだろう。インターネットでは、チャットと呼ばれる即時性のある電子メールのやりとりも可能である。「こんにちは、日本の茨城県から発信しています」と、送信すれば、相手は「今晩は、ここアメリカのコロラド州では、深夜1時です」と返信してくる。こうした会話を楽しむこともできる。もちろん、英語で行われるわけであるが。更に、インターネットテレフォンは、インターネットを介しての音声電話や、テレビ画像電話をも可能にしようとしている(もちろん国際電話のような料金は必要としない、インターネットの接続のための市内通話料金とプロバイダー費用だけで通話できる)。英語の専任教師を教室に迎えることになる。
 インターネットは、遠隔地の授業にも役立つであろうし、その双方向性は、教室から全世界に情報を発信することもできるようにする。

 教室で拾得するであろう、インターネットに使用する言語(HTML言語)は、パソコンの機種に依存しない、インターネット対応型データベースが世界標準となれば、学校での授業の成果が、そのまま社会で通用する。学校で使っていたワープロが、社会に出たら全く役立たないといった時間と習得の労力の無駄遣いは限りなく解消されるであろう。
 まさに、インターネットは青少年の世界への眼を広げる大きな武器となるに違いない。

そして、第5のポイントは、地域コミュニケーショのツールとしての活用である。

 インターネットの優れた特性に、誰もが簡単に情報の発信者となれるということが挙げられる。
 私は、あくまでも自分の住む郷土茨城、その中でも日立という地域にこだわっての情報をインターネットを使って発信しはじめた。日立に新しくできたインターネット接続業者(プロバイダー)と契約をし、「井手よしひろのホームページ」を開設したのだ。そのURL(インターネット上の住所にあたつるもの)は「http://www.jsdi.or.jp/~y_ide/index.htm」。これを入力すれば、全世界から私のホームページにアクセスできる。
 このホームページを作るためのことばが「HTML」と呼ばれる。作り方は、そんなに難しくはない、ゴールデンウィークを挟んだ一週間で全くゼロの状態から、本を読みながらホームページを開局することができた。まさに、家庭から全世界への窓口を開くことができたのである。
 このホームページに、どうやってこのURLを知ったのか、10日余りの内に113件のアクセス(ヒット)があったのである。まさに、驚きであった。

 同じ驚きを茨城に済む全ての人が味わえるわけである。
 永年こつこつと調べ上げた郷土史の研究を発表するホームページを作る人もいるであろう。
 趣味の短歌や和歌を全世界に紹介することもできる。
 ボランティアの情報も載せられる。
 就職活動もすでに個人のホームページ上で行っている学生もあると聞く。
 高齢社会の中で自分史の作成が静かなブームと聞く。せっかくの自分史である、インターネット上で発表してみたらどうだろうか。出版の費用は、ずっと少なくて済むし、ずっと多くの人に読んでもらえるかもしれない。
 町内会の回覧板も変わるかもしれない、生活リズムの多様化から隣近所ともなかなか意志の疎通ができない場合も多い。回覧板が、電子メール化されれば、一瞬にして水戸市全体であろうとも、茨城全県であろうとも、大事な情報をもれなく伝えることが可能となる。

 インターネットは、その誕生当初から、情報を流す人の実名が明示されてきたという特徴がある。新聞でのペンネーム、匿名記事や、パソコン通信でのハンドルネームでのやりとり、といったものは原則あり得ないのである。こうした、実名主義は、地域のネットワーク形成において、その責任を明確にし、健全なコミュニケーションづくりに貢献すると確信する。
 インターネットは、まさに高度情報時代に対応した地域のコミュニケーションツールである。
 インターネットを中心に、新たな地域コミュニティーづくりが始まる可能性は高い。

 また、非常時の利用も先の阪神大震災のその有効性が実証された。そもそも、インターネットの誕生の歴史を見ると、戦争という非常事態で、ある情報のラインが途絶しても、情報の流れを止めないですむシステムとして考案され、発展してきた経緯がある。
 地震等の巨大災害に対して、被災者の状況や避難場所の紹介、緊急物資の状況等、時々刻々と情報を送ることができる非常時のコミュニケーション方法としても不可欠な存在である。

井手よしひろの具体的提案

 インターネットの活用のメリットを「情報公開」「行政改革」「産業振興」「教育振興」「新たなコミュニケーションツール」の5つのポイントから概観してきた。

 茨城県の地域情報基盤整備の基本は、インターネットを中核のおいた県並びに関連機関、そして市町村のイントラネットの整備であることを、理解していただけると思う。

 それでは、その整備をどのように進めるべきか、以下8点にわたり、具体的な提案をさせていただきたい。

提案その1・・・県民が等しくインターネットにアクセスできるよう、一刻も早く公共のプロバイダーを設立すること。
提案その2・・・県及び県関連のデータベースをイントラネットの発想で、2001年までに再構築すること。
提案その3・・・県民への情報公開をインターネットを活用し更に推進すること。
提案その4・・・茨城県議会のホームページを早急に開設し、議会情報の発信を行うこと。
提案その5・・・3年以内に、県内小中高等学校へのインターネット導入を実現すること。
提案その6・・・新県庁舎の庁内情報システムは、イントラネットの発想を充分に活かし、設備投資の圧縮や操作性の統一化、簡略化を図ること。
提案その7・・・インターネット、イントラネットのセキュリティーの確保について充分な研究を積み重ねること。
提案その8・・・市町村の情報システム整備に関して、その指導ならびに補助金制度を創設すること。

 それぞれの提案を、以下もう少し詳細に述べてみたい。

提案その1・・・県民が等しくインターネットにアクセスできるよう、一刻も早く公共のプロバイダーを設立すること。

 本年3月に、県が委嘱した「茨城インターネット研究会」の提言がまとめられた。
 これによると、県民が、安価で定額のアクセス料で、県内どこからでもアクセスできるインターネット網の整備が提案されている。そしてその母体として、「茨城県高度情報推進協議会(仮称)」の設立を求めている。具体的には、

サービスの早期開始
接続形態としては、専用線によるIP接続、電話線やISDNによるダイアルアップ接続
電子メール、ネットニューズ、FTP、Telnet、WWWによるインターネットの基本的サービスの提供。
ホームページ提供サービスの検討
ネットワークの保守・運用・共用サーバーの設置されるネットワークオペレーションセンターの開設。
アクセスポイントを県内全てのMA(市外局番毎)に設置し、均一料金の実現。

 以上の6点にまとめられる。この提言には、個人的に全面的に賛成であり、速やかな実現を強く望むものである。

 この提言を踏まえて、更に必要であろうと思われる内容を追加提案すると、

サービス開始は、本年(1996年中)中の開始をめざす。
接続料金は、年間15、000円程度の安価なものとして、固定料金制とする。なお、アナログでもデジタルでも料金に差をつけない。(県外居住者の加入には料金格差もやむおえない)
アクセスポイントに、東京を含める。これによって、県東京事務所などとのイントラネット形成が容易となり、また都内勤務の県民の便宜性、茨城出身都民の便宜性が高まる。また、携帯端末によるインターネットの接続の可能性を確保することができるためである。
インターネットプロバイダーには、個人・グループのホームページを作成できるよう、WWW用のハードディスク空間を貸し出すサービスを行うこと(ホームページ作成サービス、その容量は最低でも5Mを確保し、希望によって更に拡大できるシステムとする)。
プロバイダーへの登録、WWWによる個人のホームページ開設は、実名主義とし、これをもって健全なコミュニケーションの場としてインターネットを育て、公序良俗に反するようなWWWの掲載に抑止をかけること。

提案その2・・・県及び県関連のデータベースをイントラネットの発想を充分活かし、2001年までに再構築すること。

 既存の県関連のデータベースは、
 企画部関連で「茨城県インターネット情報サービス」。
 衛生部が、「茨城県保健情報システム」(茨城県健康科学センター)。
 福祉部、「茨城県福祉情報システム」(茨城県福祉情報センター)。
 農林水産部、「茨城県農業技術情報ネットワークシステム」(茨城県農業技術情報センター)
 商工労働部、「茨城テクノインテリジェンスシステム」(茨城県工業技術センター)と
 「中小企業情報システム」(茨城県中小企業情報センター)
 教育庁関連では、「茨城県生涯学習情報提供システム」(水戸生涯学習センタ)
 等が現在稼働している。

 いずれも独自に運営されており、操作性も統一されていないのは先に述べたとおりである。
 概ねいずれのシステムも、5年を目処に更新されており、順次インターネット対応にシステムを更新する必要がある。

 本年度は、「茨城県福祉情報システム」(茨城県福祉情報センター)と「茨城テクノインテリジェンスシステム」(茨城県工業技術センター)が更新期を迎えており、新しい情報発信の形態を目指しての更新作業が望まれる。

 さらに、今後整備が計画されている新規の県民情報サービスも、この思想を徹底して行くべきである。
 例えば、行政データ共通利用システム(総務部)、消費者行政苦情情報システム(生活環境部)、交通死亡事故総合分析システム(生活環境部)、防災情報システム(生活環境部)、原子力防災安全情報システム(生活環境部)、医療機関情報システム(衛生部)、県立図書館情報システム(教育庁)など。

 またすでに、インターネットを活用して情報発信を開始しているシステムに関しても充実を図る必要がある。
 例えば、県立医療大学(Ibaraki Prefectural University of Health Science's Home Page:衛生部、すでに稼働中のシステムの充実)、観光情報提供システム(商工労働部、茨城インターネット情報サービスの中で運用中、充実拡大)。

提案その3・・・県民への情報公開をインターネットを活用し更に推進すること。

 県民に広く行政情報を公開するために、次のようなデータベースサービスも検討すべきである。

県からのメーッセージ・県民の声データベースシステム(県からの広報、県報、プレスリリースのオンライン化、県民からの提案・陳情・相談等のデータベース化)
統計情報公開システム(県の所管する統計情報をオンラインで広く県民に提供するシステム)。
監査情報提供システム(県並びに関連機関の監査情報のデータベースシステム)。
博物館・美術館情報システム(県並びに公営の博物館・美術館の所蔵品、企画展等の情報サービス)。
入札情報公開システム(県並びに関係機関の入札に関わる全ての情報をオンラインで公開する)。
県民情報公開オンラインシステム(現在県民情報センターで行われている県民への情報公開をオンライン化する)。

提案その4・・・茨城県議会のホームページを早急に開設し、議会情報の発信を行うこと。

 茨城県議会のホームページを早急に開設し、順次以下の内容を含む総合的議会情報のデータベースを構築する(整備完成を平成10年度程度とする)。

県議会の議案書並びに報告書等のデータベース化。
県議会の本会議議事録、委員会議事録のデータベース化。
本会議・委員会の議員の出席状況の県民への公開。
議員の資産公開情報の県民への公開。

提案その5・・・3年以内に、県内小中高等学校へのインターネット導入を実現すること。

 情報ハイウェー構想で再選をねらう、クリントン大統領は、1月の一般教書演説で「2000年までに全米の各教室にインターネットを接続する」と発表している。先の述べたように、教室でのインターネットの活用は様々な可能性を秘めている。
 茨城県においては、平成6年度より、6カ年計画で、「第3次教育用コンピュータ整備計画」がスタートいた。この事業により、県立普通校には、一校当たり42台、一人一台のパソコンが整備されることとなる。昨年秋の一般質問でも、こうした設備更新期にインターネットへの接続を提案したところではあるが、前向きの答弁を得るには至っていない。

 将来的には、全ての学校に一人一台で操作できるインターネット対応のパソコンを整備することが必要であるが、その投資額は莫大なものになると試算される。
 したがって、当面は一学校あたり一回線のインターネット接続を、実現することを提案する。

 そのための具体的方策としては、

先に提案した公共プロバイダーが、小中高等学校一校あたり一回線、インターネット接続料を無料提供する。
教育研修センター内にインターネット支援設備を充実させる。
教員のインターネット研修を行う。
各学校のホームページを作成するための、スクールインターネットボランティアを組織化する。
 公立の小中学校がインターネット接続を行う場合の県費補助を創設する。

 こうした施策を緊急に計画・実施する必要性を力説するのもである。

提案その6・・・新県庁舎の庁内情報システムは、イントラネットの発想を充分検討し、設備投資の圧縮や操作性の統一化、簡略化を図ること。

 今、平成11年の新県庁舎の完成に合わせて、新たな庁内ネットワークシステムの整備に全力を挙げることが必要である。
 その整備手法は、一つの端末から全ての情報が、同じ手順で呼び出すことができる方式とすべきである。
 さらに、電子メールシステムや電子決済システムを採用し、行政事務の簡素化、経費の削減に最大限の眼目を於くべきである。

提案その7・・・インターネット、イントラネットのセキュリティーの確保について充分な研究を積み重ねること。

 わが国のパソコン通信ネットワークの草分け的存在の「コアラ」から発展したインターネットへの接続サービス「ニューコアラ」(事務局・大分市、会員数約4000人)でホストコンピューターのシステム管理データが壊れ、システムファイル中のインターネット会員約2000人分のパスワードや個人データが消滅するという事件が4月12日起こった。事務局は「故障とは考えられず、悪質な侵入者(ハッカー)によるもの」とみている。「最悪の場合は、個人情報が盗まれ、プライベートな情報が悪用される可能性もある」とし、会員にパソコン通信の画面上で注意を呼びかけ、直ちに会員のパスワードを再登録、速達で発送した。あくる13日には回復した事故ではあったが、インターネットの社会で起こる事故の恐ろしさを垣間見せてくれた。
 県庁内・関係機関の内部情報は、個人のプライバシーに関するものや、様々な業務の進行に不可欠な重要な情報が多い。こうした情報が、インターネットから不法に引き出されたり、いわゆるハッカーの進入によりデータやプログラム自体が破壊される危険性がある。また、コンピュータウィルスの感染の問題も深刻な課題である。
 このように情報のセキュリティーを確保すること、外部情報(インターネット情報)と内部情報(イントラネット情報)の間のファイアーウォールを堅固にする研究を進めなくてはならない。

提案その8・・・市町村の情報システム整備に関して、その指導ならびに補助金制度を創設すること。

 公共のインターネット情報システムは、地方自治体のもっとも身近な単位である市町村へのネットワーク無しには完結しない。
 市町村の情報システムへの啓蒙、指導体制の強化。人材育成の機関充実。設備補助金制度の創設が是非とも必要である。
 また、先導的政策として、県の情報ネットワークの端末を積極的に市役所・町村役場や支所、公民館などに配置し、県内全地域から良質で均一なサービスができるよう配慮することも必要である。




このページは、茨城県議会井手よしひろの公式ホームページのアーカイブ(記録保管庫)の一部です。すでに最終更新から10年以上経過しており、現在の社会状況などと内容が一致しない場合があるかもしれません。その点をご了解下さい。

いばらきのインターネット - 公職選挙法とインターネットに関する私見

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公職選挙法とインターネット情報についての私見

茨城県議会議員 井手 よしひろ


 インターネット利用が、政治の世界でも急ピッチで進んでいる。私のようにホームページを持って、意見や情報の発信をしている議員も多い。政党のホームページが次々と公開されている。

◇◇主な政党のホームページへのリンク◇◇
◎ 自由民主党
◎ 新進党
◎ 社会民主党
◎ 新党さきがけ
◎ 日本共産党
※リンク切れ

 しかし、公職選挙法との関連で大きな課題があることを見逃してはならない。

 わが国の公選法が、インターネットを選挙運動に利用することを禁止しているためだ。公選法142条は、選挙運動に利用できる「文書図画」としてポスターやハガキ、ビラ、選挙広報などを列挙し、それ以外を禁止している。

 自治省選挙課は「選挙期間中であるかどうかに関わらず、インターネットで選挙運動や立候補予定者のPRはできない」という公式見解にたっている。

 新聞や政党機関誌など定期刊行物なら可能な公認候補の紹介も「ホームページは定期刊行物ではないので、法律違反の可能性がある」ともいわれている。

 その反面、「政治活動にインターネットを使うのなら、選挙期間中でも問題ない」という自治省見解もある。

 どこまでが政治活動で、どこまでが選挙運動なのか、厳密に区分けするのは容易ではない。自治省は、明確なガイドラインを示す必要がある。

注:96年10月、自治省は「新党さきがけ」の回答願いに対して、公選法とインターネット情報に関しての見解を発表した。

 さて、諸外国の状況はいかがなものであろうか。

 わが国で禁止されているインタネットを利用した選挙運動は、海外主要国では原則自由で規制は見られない。

 アメリカでは、11月の大統領選に向け各陣営が盛んにホームページを利用。「史上初のインターネット選挙」といわれるほどの過熱ぶりだ。

 イギリスでは、野党の自民党がマルチメディア利用に最も熱心であり、パディ・アッシュダウン党首自身が、市民との電子メール交信に励んでいるといわれている。

 ドイツも、3月の州議会選挙で選挙運動に利用され、各政党がホームページを開設している。同じく、3月に総選挙があったオーストラリアでは各党がホームページで火花を散らした。

◇◇アメリカの主な政党関係のホームページへのリンク◇◇
◎ ホワイトハウス
◎ 民主党
◎ 共和党
◎ 大統領選挙関連
※リンク切れ

 このように、インターネットを利用した選挙運動は、何の規制も加えない、自由が大原則なのである。

 私は、日本でもこの原則を定着させるべきだと主張する。

 従来の選挙運動に利用できる「文書図画」、つまりポスターやハガキ、ビラ、選挙広報は、その情報を必要としない人にも送りつけられる可能性がある。テレビやラジオ、新聞等のマスコミも同じ性質がある。こうしたメディアは、公選法での規制の枠がはめられてもいたしかないと感じる。

 しかし、インターネットというメディアは、その情報を得る人は積極的、能動的アクションを起こして、初めてその情報が得られわけである。インターネット上の情報は、ほしい人が、ほしい時にアクセスしてくるのである。こうした、インターネットの本質を無視した、規制論には大きな矛盾を感ずるのである。

 日本でもホームページ上の活発な政策論争を期待するものである。

注:本文中の諸外国の実例等は「読売新聞1996/5/6号」からの情報を参考にさせていただきました。




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日立市内(本宮町・神峰町)で、相次ぐ不審火。

日立市内(本宮町・神峰町)で、相次ぐ不審火。
地域の連帯で放火事件を根絶しよう。
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不審火が多発する地域の詳細地図


昨年の春以来15件の不審火が発生している日立市の本宮・神峰地区
宮田小学校を中心とする半径500mの地域に被害は集中している
不審火が多発する日立市本宮町・神峰町


 昨年春以来、日立市の本宮町・神峰町を中心に、15件以上に及ぶ不審火が発生している。
 幸い死傷者は出ていないが、付近の住民にとっては大きな驚異となっている。
 井手県議も、昨年来、数度にわたって警察並びに、消防関係者に事件の解決と、予防を申し入れているが、今もって不審火は後を絶たない。
 警察では、専従グループを結成し、見回りや不審者の調査に全力を挙げ、消防でも、夜間の警戒を強化している。
 出火場所は、宮田小学校から半径500mの地域に限定されている。また、出火場所も道路に面した、または、さほど中に入った場所ではない。
 出火時刻は、一部を除いて午後8時から午前2時までの比較的早い時間(明け方ではなく)に集中している。
 出火の日付をみてみると、おおむね一ヶ月の周期があるようではあるが、10日間程度の中で連続することもある。曜日による偏りはあまりみられない。
 こうした不審火がすべて放火であると断言することはできないが、警察・消防の更なる努力に期待するとともに、地域の連帯や各家庭での注意が必要である。
 具体的には、不審者や不審車両に気づいた場合は、遠慮なく警察に通報する。

◇ ◇ 日立警察署:電話22−5000 ◇ ◇

 できるだけ、人目に付きやすいところに燃えやすい物を置かない。
 出火が春から秋にかけてが多く、これからの季節十分な監視を行っていきたい。


平成7年4月より平成8年4月までの不審火の一覧
年 日時 刻出 火 場 所焼失家屋面積焼失状況原因等地図
195年04月10日1時51分日立市本宮町1−2木造平屋住宅5454全焼不明火P40E1
295年04月20日20時48分日立市神峰町4−17木造平屋住宅9710部分焼放火の疑いP39J1
395年05月15日1時30分日立市本宮町1−7木造一部二階作業所3154外壁の一部を焼失放火の疑いP40D1
496年06月25日14時30分日立市本宮町2−2木造平屋店舗付き住宅11514部分焼不明火P40F4
595年06月30日0時42分日立市本宮町1−4木造平屋物置1010全焼放火の疑いP40E1
695年08月02日0時30分日立市神峰町4−5木造モルタル2階住宅7013部分焼放火の疑いP40C2
795年08月29日22時30分日立市本宮町2−9木造平屋住宅58ボヤ放火の疑いP40D4
895年09月27日23時10分日立市本宮町2−10鉄筋二階店舗付き住宅291ボヤ放火の疑いP40D3
995年09月29日日立市本宮町1−9木造二階住宅100ボヤ放火の疑いP40C2
1095年10月03日18時30分日立市神峰町3−6木造二階住宅80ボヤ放火の疑いP23G4
1195年10月12日日立市本宮町3−23車庫ボヤ放火の疑いP40H2
1295年10月21日20時27分日立市若葉町3−3木造平屋物置964部分焼調査中P40A3
1396年03月26日20時00分日立市神峰町4−22木造平屋住宅4棟全焼調査中P39I1
1496年04月13日23時28分日立市本宮町4−12外壁4部分焼調査中P56E1
1596年04月14日20時35分日立市神峰町3−3木造平屋店舗付き住宅1002部分焼調査中P23J4
県消防防災課よりの資料で作成。プライバシー保護のため番地は省略しました。




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2002年サッカーワールドカップを茨城へ

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2002年サッカーワールドカップ日本韓国共同開催決定

世界のサッカーの祭典をいばらきで!


2002年ワールドカップ、日韓共同開催が決定

 5月31日、2002年のサッカーワールドカップの開催が、日韓共同開催という形で決着した。
 日本が2002W杯開催に名乗りを上げたのは1989年。91年6月には長沼健会長、岡野後一郎(実行委員長)、川淵三郎(Jリーグチェアマン)両副会長ら日本サッカー協会の首脳を中心に招致委員会を設立した。日本のサッカーを普及発展させるためには、世界最大のサッカーの祭典を日本で開催することが不可欠と考えたからだった。

fifa W2002杯を開催することによって15の都市にスタジアムが整備されるし、芝生の練習湯も造られる。一般ファンのサッカーに対する関心が高くなり、ハード、ソフト両面で充実する。さらに1兆3千億円を超える経済効果もあるといわれている。
 日韓共同開催は、31日の国際サッカー連盟(FIFA)理事会でアベランジェ会長を含めて21人の理事の投票によって決められた。理事全員の全会一致での結果だといわれている。

 日韓共同開催への動きは、今年3月から活発になった。アジア連盟のアーマード会長(マレーシア)が、日韓共同開催の可能性をFIFAとして検討すべきだ、と文書を送付したことに始まる。
 アベランジュ会長は、ルールにないと即時に否定した。
 それでも4月に、ヨーロッパサーカー連盟(UEFA)が、共同開催の可能性を探るよう要望書を提出した。
 さらに、アフリカ連盟のハヤトウ会長も共催への支持を明らかにした。
 そして5月23日、ローマで開催されたUEFAの拡大理事会で共同開催支持が確認され、31日のFIFA理事会に共同提案された。
 共同開催の中心者は、FIFA副会長でもあるUEFA会長のヨハンソン(スウェーデン)氏。「FIFAの調査では、日韓両国の開催条件に全く差がない。全く差のない両国に勝者と敗者を作ることはできない。日本と韓国の平和友好のためにマイナスになる」と、その理由を述べている。
 あくまでも、単独開催を望んでいた日本にとっては、日韓共同開催へのハードルはまだ高い。

  
日本と韓国との試合や開会式、閉会式の割り振りの問題。   
国内15自治体が名乗りを上げている開催会場の問題。   
組織委員会や大会事務局の問題。   
ビザやパスポートの問題。   
利益・費用の分担問題。   
開催国の参加枠(日本と韓国両国がワールドカップに開催国枠で参加できるか)の問題。

など、どれ一つとっても大きな問題である。
 しかし、歴史的なアジアで最初のワールドカップが日韓の共同で開催されることを積極的に評価してもよいと思う。
 日韓友好の大きな節に2002年がなるよう。普段の努力を積み重ねなければならない。

日韓共同開催は、FIFA理事会の権力闘争の結果!?

 日韓共同会への歩みは、単に日本と韓国の招致合戦という次元を超えて、FIFA内部の複雑な権力闘争の結末であるという側面も持っている。
 「会長による干渉は望ましくない。もし彼が、中立という言葉を忘れてしまったのなら、我々は権力の乱用という、不幸なケースと遭遇することだろう」。鄭夢準・大韓サッカー協会会長がアベランジェ・国際サッカー連盟(FIFA)会長を強く批判した記事が今月15日、AFP通信によって世界に流された。
 鄭氏が反アベランジェの姿勢を示したのは、これが初めてではない。第一弾は、昨年10月にソウルで開かれた国際競技団体連合の総会の席上だった。「サッカーワールドカップのテレビ放映権契約などに関する交渉や決定は、ごく小人数が密室で行っている」と、演説。W2002杯招致を争っている当事国の責任者が、サッカー界の最高権力者に反旗を翻したのは、なぜか――。
 その背景は、昨年8月に明らかにされたヨハンソン・欧州サッカー連盟(UEFA)会長による提言にある。「ビジョン1、2」と題された提言は

UEFAなど大陸連盟の権限を強化し、W杯は六大陸連盟の持ち回り開催とする
現状では不当に安いW杯のテレビ放映権料を大幅に上げ、各大陸連盟や加盟各国に分配金を出す――という内容。

 21人のFIFA理事のうち、8人を擁するUEFAのヨハンソン会長のこの提言は、1974年以来FIFA会長として世界のサッカー界に君臨するアベランジェ会長への“挑戦状”と受け止められた。
 鄭会長は、この動きを見逃さなかった。昨年九月、韓国招致委員会は「2002W杯の収益金を全額寄付する。10%をFIFAに、残りは加盟各国に」と発表した。ヨハンソン会長の提言に即した内容だった。
 鄭氏がアベランジェ会長に見切りを付けたのは、2002W大会招致に関する同会長の姿勢が一貫して日本寄りだからだ。
 93年8月、U―17(17歳以下のユース)世界大会で来日したアベランジェ会長は「日本が最有力」と発言。昨年3月には、「韓国が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と共同開催できるなら最有力」と述べたが、南北共催実現の可能性は極めて低い。そして今年1月、「Jリーグの発展は目覚ましく、交通機関などの受け入れ態勢も良い」と、改めて日本に好意的な姿勢を示した。
 アベランジェ会長が日本を支持する理由の一つは、FIFAと日本企業の深い関係にありそうだ。W杯の公式スポンサ11社のうち日本企業が富士フイルム、キヤノン、JVCと3社を数え、FIFAのマーケティングは、電通が出資しているISL社が手掛けているのだ。
 こうした、日韓対決の中で、共同開催を模索する声が出始める。1998年の次期フランス大会からワールドカップ出場国は、32カ国に増える。当然、開催費用は膨大になり、開催国の負担は極限に達しているという。更に、今回の日韓の招致合戦の結果、屋根付き競技場・バーチャルスタジアム等のハイテク装置等、その投資経費はうなぎのぼりの状況である。
 一国で、ワールドカップを招致できる国は、先進国に限られてしまう結果になる危険性があった。
 さらに、2006年には、北欧4カ国による共同開催構想も具体化し、ヨーロッパ連盟のヨハンセン会長が、一歩先に共同開催の突破口を開いたといっても過言ではない。
 アベランジェ会長とヨハンセン副会長の直接対決にはならなかったものの、ヨハンセン副会長の作戦勝ちといえる結果かもしれない。

W2002杯開催地を決定するFIFA理事

会  長
ジュアン・アバランジュ(ブラジル)
筆頭副会長
ギジエルモ・カニュド(メキシコ)
副 会 長
ビアチュスラフ・コロスコフ(ロシア)
フリオ・クロンドーナ(アルゼンチン)
デーヒツド・ウイル(スコツトランド)
レンナート・ヨハンソン(スウェーデン)
イツサ・ハヤトワ(カメルーン)
アントニオ・マタレーゼ(イタリア)
チョン・モンジュン(韓 国)
理 事
へンリー・フォク(香 港)
ジヤツク・ワーナー(トリニダードトバコ)
ポ一ル・ヒルゴー(デンマーク)
アブドゥラ・アルタバル(サウジアラビア)
スリム・アルールー(チュニジア)
ミシェル・ドーク(ベルギー)
イサーク・デヒツド・サッソサッソ(コスタリカ)
ラム・ルヒー(モーリシャス)
ゲルハルト・マイヤーフォルフェルダー(ドイツ)
カルロス・コエジョ・マルチィネス(エクアドル)
リカルド・テイシュイラ(ブラジル)
ベールラブン・オムール(ノルウェー)


《W杯の開催国》

    開催年  開催国 出場国数
〈1〉 1930 ウルグアイ13
〈2〉   34 イタリア 16
〈3〉   38 フランス 15
〈4〉   50 ブラジル 13
〈5〉   54 スイス  16
〈6〉   58スウェーデン16
〈7〉   62 チ リ  16
〈8〉   66イングランド16
〈9〉   70 メキシコ 16
〈10〉  74 西ドイツ 16
〈11〉  78アルゼンチン16
〈12〉  82 スペイン 24
〈13〉  86 メキシコ 24
〈14〉  90 イタリア 24
〈15〉  94 米 国  24
〈16〉  98 フランス 32
〈17〉2002 日本また 32
         は韓国


W2002招致の秘密兵器「バーチャルスタジアム」

 W2002招致の切り札として、日本は、ハイテクを駆使した新しい大会運営を招致戦略の根幹に据えた。中でも切り札的存在が「バーチャルスタジアム」構想だ。
 各地のスタジアム内に、横80メートル、高さ35メートルの巨大な半円形のスクリーンを設置。他会場での試合をリアルタイムの立体映像と音声で再現し、実際の試合観戦と同じような興奮と感動を提供する――というものである。
 研究・開発費用は約500億円。2002年までには、特殊眼鏡なし立体画面が見られると言う。 32チームが参加するW2002杯本大会の総試合数は、合計で64試合。準決勝や、決勝が行われるメーン会場以外は、大会で使用されるのはわずかに3試合か4試合程度にすぎない。
 「W杯開催期間の一か月を、日本全体の祭りにできないか。開幕戦や決勝戦の時に空いてしまう14会場を有効利用できる、現実性のある技術はないか」という発想が、バーチャルスタジアム構想の原点である。
 確かに、施設を有効利用する方策としては、ユニークなものであり、ハイテク日本を世界にアピールし、韓国との誘致合戦の大きなプラスイメージになることは確実である。しかし、費用の問題(基本的には県が、税金から出費することになる)や、本当に臨場感あふれるシステムになるのかといった疑問も残る。
 さらに、招致が決定したならば、このシステムの設置が開催施設に義務づけられるとするならば、我々県民の意志決定が拘束されてしまうことになるのだろうか?(招致のために、自動的にシステム設置を行わなくてはならないのか?)
 ただただ、成り行きを注目していきたい。

◇日本で予定されている15会場◇

     スタジアム名     開催候補地  収容人員
  札幌ドーム(仮称)        札幌市 42,300人
青森県営サッカースタジアム(仮称)青森県 41,716人
宮城県スタジアム(仮称)     宮城県 49,281人
新潟県総合スタジアム(仮称)   新潟県 41,950人
茨城県立カシマサッカースタジアム 茨城県 43,340人
埼玉県営スタジアム(仮称)    埼玉県 63,060人
千葉県立スタジアム(仮称)    千葉県 48,500人
横浜国際総合競技場        横浜市 70,336人
小笠山総合運動公園スタジアム   静岡県 49,730人
豊田市スタジアム(仮称)     愛知県 62,300人
京都スタジアム(仮称)      京都府 42,100人
大阪市長居陸上競技場       大阪市 42,988人
神戸ユニバー記念競技場      神戸市 42,020人
広島広域公園陸上競技場      広島市 41,806人
大分スタジアム          大分県 43,254人




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三大紙の一面を飾った麻原裁判イラスト

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三大紙の一面を飾った麻原裁判イラスト

 4月24日、東京地方裁判所で、麻原彰晃オウム真理教代表の第一回公判が開催された。
この模様を紹介する翌日(4月25日)の朝刊各紙は、一面に裁判の模様を描いたイラストを大々的に掲載した。
 裁判の内容の写真撮影や、テレビ撮影は許されていないための苦肉の策であろうが、各紙を読み(眺め)比べると現代日本のマスコミの本質が垣間みられるような気がして、大変興味深かった。

 まず、読売・毎日・朝日の三大紙と地元茨城新聞のイラストをご覧いただきたい。

19960425

 左から読売新聞(法廷の麻原被告の3態:ウノ・カマキリさん筆)
 2番目、毎日新聞(大須賀 友一さん筆)
 3番目、朝日新聞(大野 耕平さん筆)
 一番右、茨城新聞(河原 弘司さん筆)
 同じはずの麻原の表情も大いに違いがある。朝日新聞のそれは、多分に哲学的である。毎日は逮捕時の麻原のイメージの延長線上にある。読売新聞では、痩せて精気のない麻原像が浮かび上がってくる。
表情だけでそれだけの違いがある。

 それでは次に、新聞を飾った全体の画像を見てもらいたい。データ量が大きいので、見たい絵をクリックしていただきたい。

 読売新聞(麻原の表情を追った3枚のイラストを掲載)
 毎日新聞(裁判長側から法廷の様子を説明したイラスト)
 朝日新聞(麻原の哲学的?な顔のどアップ)
 茨城新聞(無難な印象のスケッチ)
 
 いずれのイラストも、それを掲載した新聞社の考えが現れているような気がする。
 読売新聞は、表情の変化を追って、麻原の落ち着きのない、無責任な態度を強調したかったのであろうか。しかし、イラストという手法を使ったわけであるから、この表情は、画家のフィルターを通した表情である。責任ある新聞の一面を飾る内容として、いかがなものであろうか。
 同じ事は、朝日新聞にももっと端的に現れている。このようなイラストが3段抜きで掲載されることは、記憶にあまりない。知人の子供が、これギリシャの哲学者?と言っていた。作画家や編集者の麻原のイメージをこのような形で表現する必要があるのだろうか。一番疑問が残った紙面である。
 毎日新聞は、裁判の情景を伝えるという効果はあったような気がする。ただ大いなる疑問は、このアングルでイラストレータ氏は法廷を眺めることができたのであろうか。あくまでも、想像図として理解すればよいのであろうか。
 活字文化と画像文化の比較が巷間よく議論される。活字文化の旗手である新聞の一面に登場した麻原イラスト。
 私たちは、情報を正確に伝えてもらいたいと願っている。その情報をいかに選択し、判断するかは、私たち読者、国民の仕事だと私は思う。
それを新聞各社がよけいなお節介をしてくれたと、思わざるを得ない。社会面に、法廷の全体像が分かる程度のイラストが載せてもらえば、それでよい。
 情報にマスコミのフィルターをかけたり、色を付け加えたりはしない方がよいと感じた、新聞記事であった。

※最終更新日時: 06/10/1996 17:06:20




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県営滑川アパートが竣工

県営滑川アパートが竣工
県営滑川アパート かねてから建設が進められていました「県営滑川アパートの3号棟」が完成しました。
nameapa 東南に太平洋を望む傾斜地をいかし設計で、その眺望は素晴らしいものがあります。
 三階にランプという斜道を設け、三階四階部分のコミュニケーションの機能を充実させました。
 また、内部は、玄関部分を明るくゆったりとしたスペースとして、来客を接客できるようしました。
   今後は、内装工事、外溝工事などが続けられ入居開始は、12月1日の予定です。

所在地:日立市滑川町2−410
建物概要:鉄筋コンクリート4階建て
住戸構成:1種住宅24戸(3LDK)
入居予定:H7年12月1日




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日立こ道橋工事の説明会開かれる

日立こ道橋工事の説明会開かれる
 4月9日に提出された日立こ道橋の要望書に対して、高萩土木事務所(市毛保所長)の国道245号線日立こ道橋改築工事陳情連絡会(染谷力丸会長)への回答説明会が、4月22日、市内のホテル天地閣で行われました。
 回答説明会には、高萩土木事務所の担当者をはじめとして、JR東日本、東鉄工業の工事担当者、日立市の担当者が出席し、要望書への回答と説明を行いました。連絡会側からは、染谷会長をはじめ代表12名が参加、今橋・井手両県議、佐藤市議も同席しました。
 これによると、「当初、平成9年2月から10月の9ヶ月間となっていた全面通行止めは、工事の行程を調整し一切行わない」ことが明らかにされ、住民の皆さんの声が大幅に取り入れられた結果となりました。
 また、JR線の海側のこ道橋と駅海岸口を結ぶ市道も、幅員1.5メートルが確保され、人の通行が確保されることになりました。
 しかし、平成9年7月より11月までは、車両は海側より山側への一方通行になる計画であるため、 連絡会側からは、交互通行の可能性や一方通行の方向の変更等の要望や質問が相次いぎました。
 連絡会では、この回答を原則的には評価するとしながらも、詳細を更に検討し、今後も緊密に連携をとりながら工事を進めていくことを出席者で確認しました。更に、地元の一般住民にもチラシ等での広報活動や説明会を開催するよう重ねて土木事務所に要望し、回答説明会は終了しました。

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4月22日ホテル天地閣で開催された回答説明会


高萩土木事務所が回答した日立こ道橋の工事計画
期  間車 道歩 道市 道
平成8年5月〜平成9年6月通常通り通常通り幅員1.5m人のみ
平成9年6月〜平成9年11月海側から山側への一方通行北側のみ幅員1.5m人のみ
平成9年11月〜平成10年3月交互通行北側のみ幅員1.5m人のみ




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Nシステムをご存じですか? - 車両監視システムについて

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Nシステムをご存じですか

nsystem1 平成7年の秋、議会の帰り道で、国道に設置されたカメラ群を見つけました。場所は、水戸市内の50バイパス。常磐高速のインターに向かって、河和田陸橋を越えて、右手にスカイラークを過ぎたあたり、銀色のアーチが上下4車線をまたいで立っていました。一つの車線に3種類のカメラのような物が取り付けられ、合計で4セットが設置されています。

 早速、県警の交通担当に問い合わせをしてみると「それはNシステムという交通監視システムの一種です。渋滞状況を把握するようなもので、速度の取締等ではないのでご安心を」との答えが返ってきました。

 気を付けて、いろいろなところを走ってみると、県内数カ所に同じようなカメラ群が確認できました。

 その年の12月、本屋で偶然見つけたのが、集英社のBartという雑誌(96年1月号)でした。その雑誌に、この「Nシステムの」特集が組まれていました。

 この装置は、「自動車ナンバー自動読み取り装置」(通称Nシステム)と呼ばれており、「犯罪捜査を目的に通行車両すべての通過時刻とナンバーを撮影記録する機械」ということでした。

 「Nシステム」は、箱形のカメラようなものが一車線に3台ずつ、路上に向けて取り付けられています。3台のうち、両わきの2台から赤外線を投光して車両を感知。中央の機器でナンバー部分を撮影し、コンピューターが自動的にナンバーを解析して記録保存するシステムと説明されています。

 通過した自動車のナンバーを即時に解析、記録して、ホストのコンピュータにインプットされた犯罪車情報を検索させるシステムのようです。盗難車のいち早い捜索や、広域化する犯罪の捜査に威力を発揮すると思われます。

 この「Nシステム」が効力を発揮したのがオウム事件でした。一連のオウム真理教事件の捜査でも、数十台の車に乗るオウム幹部の動きを追うことが事件解決の足掛かりにもなるため、「Nシステム」がフルに活用されたといわれています。全国に拠点を持つオウム真理教が相手の捜査だっただけに、このシステムがなかったら捜査に支障をきたしたことは間違いありません。

 反対に、オウム側でもこの「Nシステム」には重大な関心を寄せ、国松孝次前警察庁長官狙撃事件で、「私が撃った」などと供述している元巡査長が、オウム教団の求めに応じて、通行車両のナンバーを読み取る「Nシステム」に関する情報を教えたことなどを認めている事実は広く知られています。

 更に、平成4年、つくば市の医師による妻子殺人事件で犯人が遺体を放棄するために横浜に向かったところが、このシステムに捕らえられ犯人逮捕の決め手の一つとなった事例や、山梨県で起きた信用金庫OL誘拐殺人事件、富士フイルム専務殺人事件でも「Nシステム」が活躍したことが知られています。

 また、平成5年に判明した埼玉・愛犬家不明事件でも、被害者の車の偽装移動工作が「Nシステム」の写真記録で見破られたことが、埼玉県警によって認められています。

 こうした、車を使った広域犯罪に威力を発揮する「Nシステム」ですが、設置には莫大な費用が掛かっています。一説では、1セット(1ヶ所)で1億円を超えるという話しもあります。

 県警では「Nシステムの金額については、国の予算での設置のため把握していない」と説明しており、警察庁でも具体的な設置予算は公開していません。

 また、ナンバーを記録することがプライバシーの侵害に当たるのではないかとの意見もあります。

 「Nシステム」については、もっとオープンな論議が是非とも必要だと強く主張します。

 皆様のご批判、ご意見、情報等を是非お寄せ下さい。

※最終更新日:1997/Oct/1
Nシステムの効力を検証する
http://blog.hitachi-net.jp/archives/51660309.html
いばらきのNシステム
http://blog.hitachi-net.jp/archives/51660313.html




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憲法20条の解釈についての私見

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憲法20条と政教分離に関する私見

憲法20条の解釈をめぐって、従来の憲法解釈を大幅に逸脱した解釈を行い、宗教団体に属する人の基本的な人権まで犯そうとする勢力が台頭してきています。
これまでの論議を踏まえて、憲法20条に書かれた政教分離規定に関しての私見をまとめてみました。
よろしくご批判ください。


日本国憲法の条文(抜粋)

第14条【法の下の平等】
,垢戮胴駝韻蓮∨,硫爾吠薪であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

第20条【信教の自由】
/教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
9餤擇咾修竜ヾ悗蓮⊇ゞ偽軌蕕修梁召いなる宗教的活動もしてはならない。

第21条【集会・結社・表現の自由】
―顕顱結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

第89条【公の財産の支出又は利用の制眼】
公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。



   憲法の政教分離規定は、基本的人権として憲法に保障されている信教の自由を保障せんがための規定です。憲法第20条には第一項前段で「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する」、第二項で「何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない」と規定し、信教の自由を保障しています。

 さらに信教の自由を実質的なものとするためこ、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」(第一項後段)、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教活動もしてはならない」(第三頃)と規定しています。

 この規定全体の趣旨について、1994年秋に、大出内閣法制局長官は「国権行使の場面において、国及びその機関が宗教に介入し、または関与することを排除するという見地から政教分離を定めている」との見解を示しています。  つまり、憲法の文脈は、一見すると宗教団体を規制しているかのように読めますが、名あて人は国・地方公共団体であり、公権力を行使する人に対する規制の規定ということになります。

 そこで、憲法第20条「いなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」との規定の中の「政治上の権力」とは何かということが問題になります。

 ここにいう「政治上の権力」とは、私たちが日常使うような「政治的に強い影響を与える」という意味とは全く違います。憲法は法律の中の法律ですから「政治上の権力」の意味は厳密に特定されています。大出内閣法制局長官は「なかなか条文が読みにくい形の条文になっている」と注意を喚起しながらも、憲法制定議会の金森国務大臣の、それは「国から授けられて正式な意味において政治上の権力を行使してはならぬという趣旨のものである」との答弁を引いて、「国や地方公共団体から統治的確力の一部を授けられて、そして行使をする、そういうことはいけないと、こういう趣旨だと理解いたしております」と明決に答弁しました。

 「政治上の権力」とは、政治的影響力の意味ではなく、国や地方公共団体が独占する「統治権」の意味に限られ、それを超えて「政治上の権力」をそれ以上の一般的な政治的影響力のことを指すかのように議論するのは、憲法制定時の政教分離規定の趣旨とは著しく違うものであることが明白になりました。

 「統治権」とは、具体的にいえば国や地方公共団体の立法権、課税権、裁判権、公務員の任免権、同意権、戸籍の編成権などの統治的権力を意味します。従って、この規定は国や地方公共団体が特定の宗教団体に「政治上の権力」を授けて、宗教団体がそれを行使することを禁止しているということです。

 したがって、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」とは、宗教団体を規制しているように見えますが、国など公権力を規制している条文であることが明白になります。

 大出長官は憲法の政教分離規定の全体の場面設足を、「国及びその機関が、国権行使の場面において、宗教に介入し、または関与することを排除する」という規定だと言っているのです。

 実際、国や地方公共団体が、課税権、裁判権、立法権、公務員任命権、戸籍編成権など「政治上の権力=統治権」を特定宗教団体に対して「授け」(授権)なければ、宗教団体はそれを行使することはできません。ですから、国や地方公共団体に対して宗教団体にそれらの統治権力を授権することを封じたのです。条文全体の名あて人は宗教団体ではなく、国や地方公共団体などの公権力です。

 この「政治上の権力を行使してはならない」を読み間違えなければ、憲法の政教分離規定は、信教の自由が目的、政教分離は手段、と分かります。

 こうした基本を踏まえて考えますと、「創価学会等の宗教団体が一つの政党を支援するのは政教一致であり憲法違反ではないか」という意見を、自民党を始め社民党の政治家がよく発しますが、その意見の根拠は、「いかなる宗教団体も……政治上の権力を行使してはならない」という憲法の規定を誤って引き合いに出していることがよくわかります。

 政教分離原則の解釈を逸脱し、宗教団体の政治活動を排除した規定であるとする誤った認識の典型的な例です。自民党の、執拗な国会質問の根っこにも同様の認識があります。

 政府は、政教分離原則の趣旨は「宗教団体の政治的活動を排除するということまでを含んではいない」(大出内閣法制局長官)と明確に見解を示しています。従って、宗教団体の政治活動は「政教一致」などでは決してありません。逆に、もしも宗教団体であるがゆえに政治活動は禁止ということになれば、信仰を持っていることを理由にして、政治活動の自由を差別的に奪うことになります。自民党などが宗教団体を根拠もなく攻撃することこそ憲法の「法の下の平等」という原則に違反する問題となってきます。

 宗教団体が、その教義に基づき反戦・平和、環境問題など一定の政策を持つことは憲法上、何の問題もありません。政教分離原則では宗教団体の政治的活動を排除していませんし、憲法21条のいわゆる表現の自由の一環として、教義に基づき一定の政策を持つことも問題はありません。

 例えば「生命の尊厳」といえば、それを脅かすもの、核兵器の廃絶を訴えたり、戦争を許さない、福祉政策の充実を働き掛ける。こうした営みは宗教団体に当然、認められるべきものです。宗教者および宗教団体が信教の自由を守る政治的な闘いはもとより、福祉政策が貧困であるとか、政治に問題があるといった場合、社会の変革を訴え、政治的な発言をするのはごく自然の道理でしょう。

 憲法に照らせば、信仰をしていても、していなくても、団体であれ、個人であれ自分の所信に従って、自主的な選挙支援や政治活動をすることは、平等に保障され、尊重されるべき堂々たる基本的な権利といえます。

 さらに、宗教団体が「政策実現するために特定の候補者を推薦・支持することも認められてています。

 宗教団体の政治的活動は憲法で保障されています。さらに、表現の自由の一環としても尊重されるべきものです。この「政治的な活動」という言葉の定義について、政府は「宗教団体に許されている政治的な活動の中には、選挙運動も含まれる」(大出内閣法制局長官答弁)との見解を示しています。従って、宗教団体が特定の候補者の当選を得るために選挙運動をすることは憲法上、認められるということです。

 創価学会の選挙運動を指して、「政教一致」であると批判する自民党などの一部勢力の言い分は、政府の見解を無視した、嫌がらせにすぎないことがよく分かるでしょう。こうした批判は、「権力による宗教介入・関与を禁止している憲法の政教分離原則への無認識から生じているものであり、全く筋違いの話なのです。

 憲法による信教の自由の保障とは、宗教団体があらゆる社会活動、政治活動において、不利益で差別的な扱いを受けてはならないという保障が現実の上で生かされなければ、本当の信教自由が守られているとは言えなくなるでしょう。

Last Up Date: 05/24/1996 11:17:14

参考資料:
◎桐ケ谷 章さんとの対談。 (創価大学法学部教授。宗教法を専攻。東京大学大学院修士課程修了。弁護士。宗教法学会監事。53歳。著書に『信教の自由について』、『平和憲法を護るために』(編著)、『信教の自由を考える』(共著)、『政治と宗教を考える』(同)など。
アメリカ連邦最高裁判所判例に見る「信教の自由」と「政教分離」:塩津 徹(1948年静岡県生まれ。早稲田大学法学部、同大学大学院政治学研究科単位取得。創価大学比較文化研究所助教授。比較憲法専攻。著書に『信教の自由を考える』)




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住専予算の衆議院通過に際して、新聞各社の社説を読む

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住専予算審議を総括して
新聞各社の社説より(公明新聞・朝日新聞・毎日新聞・読売新聞)


◆公明新聞社説
始まった住専第3ラウンド
3項目合意は削除への足がかり

 【血税、限りなく絶たれる】
 新進党と連立与党の国会対策委員長会談(十日夜)での「三項目合意」は、今後の国会運営に当たって重要な意味を含んでいる。政府・与党は合意事項を「曲解」することなく住宅金融専門会社(住専)処理の原点に立ち戻るべきである。
 ず合意の第一項目は、予算書総則を書き換え、問題になっている住専処理に伴う財政支出について、「緊急金融安定化資金の六千八百五十億円については、制度を整備した上で措置する」とした。実際、この合意事項を受けた修正案が十一日の衆院予算委員会に与党から提出され、本予算案とともに連立与党の賛成多数で可決され、衆院本会議も通過した。
 「目的に大きく一歩近づけることができた」と新進党の西岡武夫国対委員長は強調したが、合意事項を予算にきちんと書き込ませたことの意義は大きい。六千八百五十億円の「血税投入」が限りなく断たれた状態になっているからだ。住専予算削除への具体的な一歩ととらえることができる。なぜなら、この合意事項にある「制度を整備した上で措置する」との文言について、住専処理スキーム(枠組み)の見直しを含んだ金融制度の抜本改革を前提としての「措置」と位置づけられるからだ。与党の一部から出ているような「住専処理機構法案の成立まで」といった「まやかし凍結」ではないし、そうみてもなるまい。 事実、第二項目の前段部分「現行の金融、税制、財政制度および経済構造全般にわたる改革を行い」とは、第一項目の「制度の整備」と深くかかわっていることは折衝過程をみれば明らかである。そうした改革や「金融機関等の諸問題について協議し、処理するため」(ニ項目後段)に、特別委員会は設置される。
 従って、住専処理案はもちろん、きょう十二日にも提出される金融関連法案を含めた不良債権処理策が特別委員会で改めて徹底審議されることになる。処理システムの再構築が当然議論される。処理ルールの透明性と責任の明確化が改革のポイントになるが、特別委員会でそうした議論を重ねるほど、実は住専の政府処理策、血税投入とは矛盾をきたす。
 今回の金融関連法案には、信用組合の破たん手続きが盛り込まれているが、その手法は新進党が住専処理で強く主張してきた「会社更正法」による法的処理が軸になっている。この一点をみても、住専の談合処理、血税投入の無理が明白となり、特別委でも追及されよう。「削除」につながっていくことになる。  つまり、特別委の場では、「限りなく削除に近い凍結を求めて議論をしていくか、制度が完全に新しくなればこの予算はなくてもいい」(米沢・新進党幹事長)といった仕組みを具体化させていく闘いとなる。最終的には、新進党が提示してきた不良債権処理策が「制度として整備」されるならば、六千八百五十億円は消滅する。
 また、特別委では住専にかかわる責任追及が徹底して行われることが求められているが、加藤・自民党幹事長の喚問は「政治家の責任」を明らかにするために、真っ先に取り上げられなけれはならない。第三項目に「証人喚問問題については、真摯(しんし)に対応することを確認し、特別委員会において取り扱う」としているのは、そのことを指す。
 加藤幹事長は「別の機会に明らかにする」(十一日)と発言しているが、国会の場で、国民の前で自ら進んで事実を述べるべきであろう。
【公明、削除への闘い続ける】
 残念ながら、住専予算の衆院通過前の削除を勝ちとることはできなかった。しかし、大きな足がかりを築いたとみたい。国民の圧倒的多数は依然として血税投入に反対している。「六千八百五十億円の削除を求めての第三ラウンドの闘いが始まった」(渡部・新進党総務会長)わけである。公明も削除へ全力投球の闘いを続ける。

◆毎日新聞社説
ただ不信感だけが残った

 住専予算は十一日衆議院を通過した。実際はこれで国会が了承したことになり、残念ながら6850億円はいずれ支出される。そうみるのがこれまでの日本的やり方の慣例、慣習からみて常識だ。
 それをよしとするのではない。また同じことかと、先行きすっきりとした納得のいく解決策を期待するのが幻想と感じるだけである。昨年暮れ以来半年近い大騒ぎは、もちろん政治不信、大蔵不信、銀行の自立など日本社会変質へのいろいろな動きを生み出したが、こと住専問題に限ればバブル崩壊からの着地に至る全日本的なガス抜きの一過程だった。その一里塚が済んだ。
 結局、政府はいまだ自ら真意を丁寧に説明していない。政府が正しいと勝手に信じている方法をなぜ正しいか納得させないままほぼ押し通してしまった。この方法が日本全体にとって現状で取り得る最善の具体的手法だと彼らが確信しており、政治家もそれを乗り越えられなかった。今後話し合いを続けるといっても内閣も与党も野党も全部同じ顔ぶれだ。よほど勉強しなおさないと違う結論を期待できない。
 この間、住専報道は新聞とテレビと週刊誌などの断片的事実の積み重ねで実態が究明されてきた。政府は常に情報操作の側にいた。タイミングをみて選択情報を公表してきた。だが税金投入の動機と不良債権の全体像という、もっとも大事な情報は依然隠したままだ。動機は表向き、信用秩序を守る。預金者を守る。日本の国際的信用を守る。そのために急いで処理しなければならない。 だが、だれも納得していない。
 現実は半年以上たなざらしにしても、そのどれも心配するほどのことはなかったではないか。ならぱ初めからよく説明していれば法的処理ができ、いまごろめどがついていただろうし、渋々、税金投入が了承されたかもしれない。たとえそれがまずい方法だろうが、間違えていようが、多少の信用不安を助長しようが、大多数の世論に従うのが、民主主義というものだ。民主主義は詰まるところ、もっとも正しい選択をするための制度ではない。みんなで納得するための制度だ。今回またそこを無視した。
 その態度はすべてに共通している。沖縄で政府が土地を不法占拠しているのも、エイズ資料を隠していたのも、官官接待が住民のために必要だと決め込んでいるのも、情報公開は日本のためにならないと国民を信用していないからだ。
 いまごろになって政府は住専解説の安っぽいパンフレットを送ってよこした。見るに堪え得るものではない。大方の国民はもう感付いていることだが、今回政府のロから直接いわせたいことは、それほど難しいことではない。農協は預金者の立場で住専に資金を出していた。だから全額返してやることにした。そうでない農協があちこちでつぶれてしまう。そうなると政治家の選挙区という名の日本の社会構造が一挙に崩壊してしまう危険がある。信用秩序の維持とは、選挙区の維持と無限に近い意味を持つ。そこを改革するまでのしのぎとして税金を使わせてくれ、の一言なのだ。正直になることだ。これから同じようなことは山ほどあるのだから。こうして不信感だけを積み上げていったら一番大事な時に最悪を選ぶことになる。

◆読売新聞社説
住専はこれからが正念場だ

 住宅金融専門会社(住専)処理策への六千八百五十億円の財政支出を盛り込んだ一九九六年度予算案が衆院を通過した。
 だが、巨大バブルの後始末、数十兆円とされる不良債権の本格処理はこれからだ。世界最大の債権国である日本が、この処理に失敗すれば、国内はもちろん国際経済が受ける打撃は計り知れない。
 日本の問題解決能力が内外から試されている。金融問題をこれ以上、政治的駆け引きの道具にしてはならない。
【税金論議が明らかにしたこと】
 関連法案の成立を急ぎ、住専の不良債権回収にただちに着手すべきだ。透明なルールによる金融危機回避と、迅速で国民負担の少ない破(は)綻(たん)処理システムの確立が法案にかかっている。護送船団行政の清算と、市場原理や自己責任原則に沿った監督・監視体制づくりも焦眉(しょうび)の急だ。 住専は、不良債権の象徴として内外から早期処理を求められたため、複雑な権利関係の調整に政治や行政がやむなく関与した。あくまで例外的な緊急措置だ。これを受けて、株価も景気も回復に転じた。
 問題紛糾の原因は、政府、与党が当初、財政支出の真の目的を率直に国民に訴えなかったことだ。住専処理で一番影響が深刻なのは、最大の貸し手で経営基盤の弱い農林系金融機関だ。損失負担に耐え切れず、その一角が破綻すれば、金融不安が一気に全国に波及する危険がある。
 太平洋銀行の破綻が証明したように、「静かな取り付け」が広がっているのだ。政府の処理策は、民間銀行に、より大きな損失負担を求めて農林系の負担を軽減し、それでも足りない分を財政で穴埋めした。総額六十八兆円の農協貯金者を守ることで日本の信用秩序を保護する狙いだ。
 だが選挙の農民票を意識して、与党だけでなく新進党も、こうした基本的な議論を回避したため「住専救済に血税投入」という、国民感情に訴えやすいが、本質からずれた議論が横行する結果を招いた。
 政府、与党の政策説明能力は完全な落第点だ。厳しく反省すべきだ。
 しかし、こうした国民的議論の中で、明らかにされたものの意味は大きい。 第一は、戦後政治の中で形成された「聖域」にメスが入ったことだ。最大の聖域は農林系金融機関だろう。
 政府が財政支出に追い込まれたのは、大幅に減額された損失負担にも耐えられないほど、農林系の内容が痛んでいたためだ。集票組織につながる農業という政治的聖域に安住し、改革を怠って来たとがめだ。
 市場経済の中に、巨大な非市場経済的な組織を温存してきた政治と行政の責任が正面から追及されようとしている。
 権威と力を誇って来た大蔵省の見直し論議も、聖域崩壊の一つと言えるだろう。
 二つ目は、バブルの中で失われた、金融規律の回復だ。
 金融の基本は「融資した資金がどう使われて、どれほど利益を生み、元本と金利が計画通り返済されるかどうか見届ける」こととされる。だが、バブル期の金融機関は企業体質や資金の使途と関係なく、土地だけを基準に貸し出し競争に走った。
 借り手には「バブル紳士」も紛れ込み、暴力団の介在によって不良債権が増大している。暴力団は巧妙に法律のすき間をつくため、金融機関の努力や通常の行政手段では容易に対抗できなかった。
 住専問題は、このやみの部分を明るみに引き出した。税務当局、検察・警察の総力を挙げた刑事責任追及が必要である。住専処理機構による徹底的な債権回収が開始される。金融機関は苦い反省に立って、金融の正常化、規律回復に努めるべきだ。
 三つ目は、バブルの発生から崩壊にかけての、政治家や官僚の政策判断の甘さや無責任体質が明らかにされたことだ。従来は不問に付されて来た政治や行政の結果責任が問われなければならない。
 住専問題は、バブルの崩壊で清算を迫られている戦後政治・経済システムの象徴だったとも言える。
 これを踏まえた改革は待ったなしだ。
 預金保険制度の拡充、早期是正措置の導入などを盛り込んだ金融三法案が国会に提出される。日本の金融システムを、国際的なスタンダードにあった、開かれた制度に改革する基本となる重要な法案だ。
 それが定着して初めて、金融破綻の際、自己責任を基本とするペイオフ(元本千万円を限度にした預金払い戻し)に踏み切る環境が整う。法案成立を急ぐべきだ。
【経済・金融改革の授業料に】
 大蔵省改革も本格論議が始まった。護送船団行政と呼ばれる業者行政、業界の利害調整役から、市場ルールの監視役への転換をどう図るか。大蔵省自体の改革か、独立した監視機構か。農林系金融機関や郵便貯金も含めた金融全体の監視・監督体制をどう築くかがポイントだ。
 ナチス・ドイツ時代のライヒスバンク法に倣った、全体主義的色彩の強い日銀法の改正問題も、こうした脈絡の中でようやく検討が開始された。
 大蔵省の庇(ひ)護(ご)の下で横並び競争を続けてきた金融機関の大蔵省離れも進んでいる。農林系金融機関も大胆な改革を迫られ、集票システムとしての農協、政治と農業の関係も厳しく問い直されるはずだ。
 衆院に設けられる特別委員会には、大恐慌後、米国の金融改革を主導したペコラ委員会の役割が期待される。日本経済に深い傷を残したバブルの発生と崩壊、政治や行政、日銀がどうかかわり、どんな結果を生んだかを究明し、国民に報告すべきだ。
 住専を破綻させた関係者の責任が徹底的に追及されるべきは当然だ。
 こうした改革努力の積み重ねが、六千八百五十億円を、日本経済の再生と金融改革を実現するための貴重な対価、授業料として生かす道である。

◆朝日新聞社説
国会ついに機能せず――住専予算の衆院通過

 「住専」。少し前までは、ほとんど知られていなかったこの言葉が、日本の議会史に刻まれることになった。
 民主主義の成果としてではなく、説明のつかない政策を国民に押しつけようとした政府に対し、国会がその機能を果たさなかった悪例として、である。
 経営が破綻(はたん)した住宅金融専門会社の処理に、六千八百五十億円の税金を使う新年度予算案が衆院を通過した。「住専の処理になぜ、税金を投入するのか」という問いに答えぬままの可決だった。
 【本音が出た首相の言葉】
 与党と新進党は土壇場になって、予算書の総則に「住専予算は制度を整備したうえで措置する」と書き加えることで合意した。金融制度の改革問題などを論議するため、衆院に特別委員会を設置することもうたわれた。自民党の加藤紘一幹事長の証人喚問は先送りされた。
 新進党の西岡武夫国会対策委員長は「制度を整備するというのは、金融機関全体の不良債権の処理について、新しい制度をつくるという意味だ。税金を使わない場合もある」と語っている。
 だが、橋本龍太郎首相は「住専関連法案が通らなければ予算執行できないのは当たり前だ。合意は、それ以上でもそれ以下でもない」と、住専予算の削除はあり得ないことを明言している。予算書の修正に応じる代わりに、住専処理の枠組みは維持したということだろう。
 明白なのは、税金の投入を盛り込んだ予算の成立が確実になり、理不尽な住専処理策が、何ごともなかったかのように実行に移されようとしていることだ。
 与党と新進党の合意は、国民の反発をかわすための政治的な方便であるといわざるを得ない。加藤氏の喚問がうやむやになったことも納得できない。
【無力を見せつけた政治】
 住専問題をめぐる、この二カ月あまりの政治家や政党、そして官僚たちの動きは、いまの政治が民意をくんで議論をつくすという役割を果たせなくなっていることを示した。
 国民の反発を十分理解したうえで、あえて信念に従って、住専予算を通そうとしたのなら、まだしも政治と呼べる。実際には、反発の強さにたじろぐだけで、どうしたらいいか分からなかった、というのが真相だろう。このことは、与党についてとくにいえる。
 なかでも社民党は、自民党以上にかたくなだった。新党づくりの遅れから、衆院の解散をひたすら恐れ、それにつながるような決着をことごとく阻止しようとしたのだ。不正や腐敗を憎む、という気概は、とうになくしてしまったということか。
 新進党は、政党としての体をなしていないことを、みずから表明したようなものだ。何の成果も生まなかったピケを含め、国会に臨む姿勢には一貫性が欠けた。国対委員長が合意文書に署名しながら、党としては、予算案にも、その修正にも反対するという態度は混乱の極みである。
 国会には、政府の行き過ぎや横暴をチェックするという大事な役目がある。 連立時代に入ったいま、野党がその機能を果たせず、与党からも、政府にブレーキをかける動きが出てこないとなれば、国会の機能は半減するに等しい。
【なぜ、政治は民意をくみ取ることができなかったのか】
 まず挙げられるのは、住専の処理策自体が密室協議の産物であり、納得のいく原則に貫かれたものではなかった、ということだ。銀行と農協系金融機関にあてはめた処理のルールは違っていた。
 この背景には、大蔵省と農林水産省の局長が権限もないのに交わした「覚書」があった。これが処理策をゆがめ、税金の投入を招く大きな要因となった。 しかも、本来なら、みずからの責任で国民を説得し、処理策の実現を図らねばならない与党の幹部たちのだれ一人として、論争の正面に立とうとはしなかった。住専をめぐる事態をこれほど悪化させながら、大蔵省の官僚は、反省や謝罪の言葉をほとんど口にしていない。
 この国の指導者たちには、使命感や責任感が欠如しているのではないか、と思わざるをえない。
 住専審議の途中で行われた京都市長選と参院岐阜補選は、ともに、この問題が焦点となりながら、対照的な結果となった。共通していたのは、投票率が異常に低かったことと、共産党が躍進したことだ。
 住専問題には怒りを感じながらも、そのもって行き場を探しあぐねている有権者の姿が、そこにはある。
【まだ議論の時間はある】
 住専予算のこのような形の衆院通過は、今後の不良債権の処理だけでなく、これから国民に一層の負担を求めていくうえで、好ましくない前例になるに違いない。
 日本経済はこれから、成長力が減退する一方で、高齢化は進み、負担は大幅に増えるという苦しい時代に入る。まず消費税率のアップが控えている。負担を求めるには、政治への信頼のほか、公平なルールや透明な仕組み、政策決定過程の分かりやすさなどが不可欠である。
   これらのうちの一つでも、満たされただろうか。原理原則に反する決着は、社会保障や福祉などのために、負担増が本当に必要となったとき、合意の形成を限りなく難しくするだろう。
 予算案の審議は参院に舞台を移す。住専を実際に処理する仕組みをつくるための関連法案の審議も始まる。
 与野党には、これらの審議を通じ、住専処理策の何が問題なのか、もう一度、考えてみるよう求めたい。不良債権の全体像を明らかにすることはもちろん、その負担のルールも練り直すべきだ。
 基本は、根拠の定かでない税金の投入は認められない、ということだ。参院で住専予算を削除し、それを衆院が認めるという道は残されている。住専関連法案をつくり直せば、処理策を理にかなったものに変えることもできる。まだ、時間はある。
 あきらめてはならない、と思う。政治に絶望し、背を向けてしまったら、結局は、とんでもない結果となって、跳ね返る。住専問題から、「忘れないこと」の大切さを学びたい。
 人々の期待に沿って躍動する政治の仕組みを構築するには、どうしたらいいのか。既成の政党や政治家が頼むに値しないなら、いかに「ノー」を突きつけ、どのような政治勢力を育てるべきなのか。
 住専予算への怒りを風化させることなく、こうした点を考え続けるしかない。政治は国民のものなのだから。




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自己紹介
井手よしひろのプロフィール

井手よしひろです。
茨城県の県政情報、
地元のローカルな話題を
発信しています。
6期24年にわたり
茨城県議会議員を務めました。

http://y-ide.com
master@y-ide.com
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