4路線を新設、特別割引き通学定期も発行検討
 日立電鉄(日立市、松場卓爾社長)は11月30日、来年末で廃止される日立電鉄線の代替として平成17年4月1日から運行開始予定の代替バスの運行計画を国土交通省に提出しました。
 現状の電鉄線に沿った運行を基本に、通勤・通学者などの利便性を重視し、4路線と約30カ所の停留所を新設することになりました。電車より所要時間が掛かるため、大みか駅と常陸太田駅を結ぶ急行便も走らせます。定期代が電鉄線より高額となるため、割引率を高くした通学者の特殊定期券も検討することとしてます。
 申請された「一般乗合旅客自動車運送事業の事業計画(路線延長)変更認可申請書」などによると、通勤・通学者などの利用者の利便性を考慮し、バス路線の延長と急行便や循環線を新設、一部の路線を変更しています。利用者の多い朝の便は、乗り残しのないよう続行便も用意します。日立市、常陸太田市から配慮を求められている通学者に対する交通費の軽減については、今後の課題として導入を検討します。
新たに設けられる路線
1.馬場八幡前=太田駅前=元内=久慈浜郵便局入口=大甕駅前(=水木駅前=多賀駅前)
2.馬場八幡前=太田駅前=交流センター前=久慈浜郵便局入口=大甕駅前
3.(久慈コミセン前)=大甕駅前=東多賀町四丁目=多賀駅前=鮎川駅(=省線門=日立駅)
4.久慈コミセン前=久慈浜駅前=本町十文字=大甕駅前間の循環線

運行経路を変更する路線
神峰営業所=多賀駅前=国道245号=大甕駅前を、神峰営業所=東多賀町四丁目=大甕駅前=大甕工場前に変更

急行便の運行
馬場八幡前=太田駅前=大甕駅前では、朝のみ太田駅=大甕駅間を直行する急行便を三便走らせる

 運行ダイヤは、電鉄線の利用実態や既存のバス運行状況を踏まえて設定。例えば、常北太田駅―大甕駅間の平日の片道で、電鉄線が24便だったものをバスでは26便と2便増。土日・祝日では電鉄線が20便で、バスでは14便としています。太田から大甕への始発は午前6時14分(電鉄線は6時26分)、最終が午後9時36分(9時49分)。大甕から太田では始発が午前5時55分(6時27分)、最終が午後10時6分(10時5分)となっています。
 運賃は、他の路線との整合性が求められ、電鉄線に比べて2割以上割高となりました。例えば、常北太田=大甕間で560円(電鉄線490円)となります。通学3カ月定期運賃では、49,700円となり、電鉄線の34,720円より、1万5000円近くの負担増となります。日立電鉄では、割引率の高い特殊定期券の発行を検討しています。
 マスコミのインタビューに対して松場社長は、「常北太田駅と大甕駅間の通学定期については一年程度の期間限定で、電車とあまり変わらない額に抑える方向で調整している」(読売新聞2004/12/1付け)と語ってます。
 一番負担が重くのしかかる通学者に対して、割引率の高い定期券を発行することは当然のことです。また、その期間が一年間であるならば、利用者や市民の理解を受けることはできません。恒常的なシステムづくりが必要です。
大みか=神峰営業所間の路線図(クリックすると大きなイラストにリンクされます)
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大みか=常陸太田間の路線図(クリックすると大きなイラストにリンクされます)
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大みか循環線の路線図