水戸市笠原町に計画されている大型ショッピングセンター「水戸メガモール」(仮称)について、12月8日、県議会総務企画委員会で井手よしひろ県議が取り上げ、大店舗法申請へのスキムなど、執行部の対応を質しました。
 井手県議は、事前協議申出書に「資金計画書(残高証明書)、納税証明書、具体的な進出店舗名、土地の権利関係書」などを添付させるべきと主張しました。
 メガモールの事業主体については、12月2日に水戸市議会の一部会派が、「事業者としての適格性に重大な問題がある」とし、加藤浩一市長に計画容認の撤回を求める声明を公表しています。それによると、「事業主体の企業は、1.長年にわたって役員変更の登記を行わず商法に違反していた。2.建設予定地の一部が法人税滞納のため関東信越国税局に差し押さえられている。3.社長の自宅の土地・建物と、建設予定地の一部に賃借権設定仮登記がされ、その登記を行った人物が暴力団関係者であった」としています。
 地元紙の取材によると、この指摘に対して同社長は、1.現在は登記している。2.約7000万円の法人税滞納がある。3.知人から借金をした時に抵当権を設定したが、すでに返済した。と説明しています。
 これを受け。水戸市は12月3日に予定していたメガモールの進出計画への意見書案を審査するための第3回市土地利用審議会の延期を決めました。これにより、県における総合調整のための事前協議申出書の提出は、来年以降の持ち越されることになりました。
 12月8日の県議会総務企画委員会の質疑では、今後のメガモール建設に係わる県の総合調整や個別法令に基づく許認可の手続きのスキムについて取り上げました。特に、事前協議を行う場合に提出を義務づけている資料について確認をしました。
 「県土地利用の調整に関する基本要綱」には、事前協議に際して、法人登記簿抄本及び定礎、事業経歴書などとともに「知事が必要と認めるもの」を提出することを義務付けています。
 井手県議は、メガモールの事業者としての適格性を担保するものを提出させる必要があると主張しました。具体的には、1.納税証明書、2.資金計画書ならびに資金残高証明書、3.具体的な進出企業名(キーテナント名称)、4.計画土地の権利状況など示した資料は、開発が確実に行われるか否かの基本的な資料であり、入り口での提出を求めるべきではないかと提案しました。
 これに対して県水土地計画課長は、「法人登記簿抄本及び定礎、事業経歴書などは通常提出させる。このような大規模開発では、必要によって資金計画書、資金の確認のための残高証明書、あるいは融資があるとすれば融資証明書、納税関係の納税証明書、さらには地権者の同意またはそれにかわるものなどを提出させたい。業態に関しては、大規模な集合施設に関しては、キーテントがどうなるかが大切なので、事業者の協力も得て具体的な進出店舗名も明示させたい」と答弁しました。
 こうした具体的な事業進捗の基本的確認資料が、事業者より明示されてはじめて「水戸メガモール」構想の具体的な計画審議が始まるといえます。