橋本昌茨城県知事は、2月9日に開かれた「明日の茨城づくり東京懇話会」の席上、出席者からの質問に答えて、百里飛行場の民間供用開始時期に関して、「2009年以降にずれ込む」との見解をしめしました。橋本知事は、「今までは2006年度と言ってきたが、3年ぐらい遅れるという感じで、いつになるかはっきりしたことは我々も分からない」と述べました。
百里飛行場完成予想図 百里飛行場の民間共用化は、航空自衛隊が現在使用している滑走路の北西に同じ2700メートルの平行滑走路を建設します。事業費は約250億円で、当初は2000年度から2年間で環境アセスメント(環境影響評価)を行う予定でした。その後、2002年度から着工し、2006年度に開港する予定でした。
 しかし、飛行場周辺にオオタカの営巣が確認され、環境アセスメントが長引いたことや、地方空港の整備予算が厳しく押さえられているため、当初計画が大幅に後退しています。
 井手よしひろ県議が、2月10日午前、県の空港整備対策室に知事の発言の主旨を確認したところ、「あくまでも整備主体の国が、開港時期を明確にしていないことが前提にあります。知事の発言は、2006年度開港は無理というのがポイントだと推察します。県も、国に対して明確な整備スケジュールを明らかにするよう求めていきます」と説明しました。
<国交省が開港の遅れを発表、オオタカ営巣確認で2年以上>
 国土交通省関東地方整備局は、2003年12月18日、百里飛行場の民間共用化が当初予定の2006年より大幅に遅れると発表しています。
 新滑走路建設に先立ち実施した環境アセスでオオタカの営巣が確認され、調査期間が当初予定より2年間延びたことなどの影響によります。
 開業時期について、「2年以上遅れる。時期は約束できない」と発表しました。
 国交省は、環境影響評価法に基づいて滑走路建設が周辺環境に与える影響を2000〜01年にかけて調査しました。2002年春、飛行場東側にオオタカの営巣地が見つかりました。
 環境省が作成した環境影響評価の方法書では、オオタカの営巣地への影響について最低2年にわたって観察することを求めています。したがって、2002〜03年にかけて新たにオオタカの生息範囲などを調査、2002年に予定されていた着工がずれ込んでいます。