地方公務員の給与や待遇も聖域無き改革が必要
 財務省は、国と地方の税財政を見直す三位一体改革の全体像を決定する過程で、国が地方の財源を保障する地方財政計画の縮小を主張しています。地方の財政運営に支障を来す急激な方針変換には絶対に賛成できません。反面、地方の側も一層の行財政改革、歳出の抑制は避けられません。
 財務省は「地方財政計画に7〜8兆円の過大計上がある」と指摘しています。特に、地方単独の公共事業などに充てる投資的経費の過剰分が、一般行政経費に転用されていると見ています。そのなかでも問題視しているのが地方公務員の給与に関係する経費です。
 地方公務員の給与水準は、国家公務員や民間企業の従業員の給与水準を上回っています。例えば運転手など地方の技能労務職員の給与は、同種の国家公務員より平均22.5%高くなっています。一般行政職についても課長補佐級以上の給与を得ている職員が、国家公務員では37.7%だが、地方公務員では59.5%を占めています。地方全体で193兆円の借入金残高を抱える状況を見るとき、地方公務員の優遇は至急に是正しなくてはいけません。また、国家公務員は2002年までの30年間に11%の純減を果たしましたが、地方公務員は逆に14%増えています。(国家公務員は公社化や独立行政法人化で定数が減っただけとの指摘もあります)
公共事業の民間委託推進を
 地方自治体の定員減やコスト削減のためには、事務事業の民間委託を積極的に推進することが効果的です。
 地方自治経営学会の調査によると、民間委託によって経費がごみ収集では45%、ごみ焼却は76%、学校給食は47%、電話交換は35%、公用車は16%にダウンすると指摘されています。官が民とともに競争入札に参加する市場化テスト(官民共同入札)を地方自治体こそ実施すべきです。
 現任職員の雇用と直結する問題だが、市場化テストの母国である英国では、公務員が行政サービスを担うことになった民間企業に雇用されることもあります。近年、民間が厳しいリストラを経てきたことを考えれば、それぐらいの行革努力がなされなければ、住民は納得できません。
 井手よしひろ県議は、12月の決算特別委員会で県立病院の地方公営企業法の全部適用を求めました。病院職員の給与や待遇も、もはや"聖域"ではありません。勇気を持った改革への決断が必要です。
(写真は、茨城県庁舎の航空写真を加工したイメージ写真です)