高速バスより100円安く設定、2月16日に国交省に認可申請
 東京・秋葉原とつくばを最速45分で結ぶ「つくばエクスプレス」の運賃が決まりました。
 これによると、初乗り3キロまで160円で、秋葉原〜守谷が800円、秋葉原〜つくばが1150円となります。東京駅〜つくばセンターを結ぶ高速バスより100円安く設定されました。
 初乗り運賃は、山手線などの130円より割高ですが、地下鉄と同程度です。同じ首都圏で第三セクターの東葉高速鉄道(200円)や埼玉高速鉄道(210円)より、かなり割安となりました。
 つくば〜秋葉原の運賃は、同距離のJR運賃で計算すると950円となり、かなり高い設定となりますが、常磐線の秋葉原〜荒川沖の運賃・1110円とほとんど変わらなくなりました。
 秋葉原〜守谷では、JR常磐線を取手駅で乗り換え関東鉄道常総線を利用した場合は1060円となり、「つくばエクスプレス」が260円安くなり、所要時間も大幅に短縮されます。
 また、定期料金は、一般運賃の通勤定期で40%引き、通学定期で60%引きとなります。秋葉原〜つくばで1ヶ月通勤定期が41,400円、通学定期が27,600円となります。
 この運賃体系を、「つくばエクスプレス」を経営する首都圏新都市鉄道では2月16日、国土交通省関東運輸局に認可申請します。
参考:つくばエクスプレス運賃認可申請
開業予定は今年8月下旬に決定
 同時に開業予定が、当初の今年秋から8月下旬に繰り上げることも決まりました。
 9月の新学期に間に合わせるよう、道路や上下水道など沿線市町村の開業準備も進んでいます。2004年11月に始まった全線走行試験も順調で、7月中旬には国交省の完成検査を受けられる見通しとなり、8月下旬開業が決まった。
 運転本数は、守谷〜秋葉原間では一時間当たりラッシュ時で16本で、快速と普通が半々程度となります。日中はラッシュ時の半分程になる見通しです。開業日やダイヤ、快速停車駅については、沿線自治体などとの調整が続いており、三月下旬までに決定します。
つくばエクスプレスの乗降者予測1日27万人
 「つくばエクスプレス」を運営する首都圏新都市鉄道は2月15日、都内で記者会見を開き、運賃設定の基礎となる需要予測などについて、マスコミの質問に答えました。
茨城新聞(2005/2/16付け
■新都市鉄道乗降者予測 5年で1日27万人
 需要予測について、今年夏の開業から5年目の2010年では、一日平均乗降者数を27万人と見込んでいることを明らかにした。政府の人口予測などを踏まえた結果、当初予測から約二万人減少した。
 需要予測に関し、同社側は「過去の新設鉄道の例でも乗客が張り付くまでに年数がかかる。開業当初は(27万人の)半分程度とみている」として、開業直後は1日平均13万人程度との予測を示した。
 同社は競合する高速バスなどに比べ、割安感のある運賃を設定。会見した木村誠之専務は「開業後はとにかく一人でも多くの方に乗ってほしい」と語り、利用者の早期定着を狙いに運賃設定したことを強調した。
 また、事業収支に関しては、単年度黒字に転換するのは「20年程度かかるのでは」と予測。さらに「累損が黒字になるのは約40年近くかかるかもしれない」として、当面は厳しい経営が迫られることを示した。
 TX建設では、第三セクターである同社の経営安定のため、建設費約9000億円のうち、沿線四都県などが計80%を無利子で貸し付けている。同社側は「資金面では国や自治体に相談し乗り切っていく」としている。県内では県や都市再生機構などが計8地区で、計約10万人が新たに住む沿線計画を進めており、その行方も同社の経営を大きく左右しそうだ。