2月23日、井手よしひろ県議は、県社会福祉事業団が運営する知的障害者の入所施設「あすなろの郷」を訪れ、新妻征貫あすなろの郷所長、卜部吉雄管理部長より、包括外部監査により指摘された食材の不明朗な購入問題について、直接説明を受けました。
 平成16年度分の包括外部監査によると、「あすなろの郷」では、平成11年度から平成15年度まで、毎年2月ごろに年度末の予算消化を目的に、給食の材料としてフカヒレやスモーク帆立などの高級食材を、必要量以上に大量に購入していました。
フカヒレ・スープ・帆立の一括購入実態
 11年度12年度13年度14年度15年度合計
フカヒレ数量(kg)6008008008001,3004,300
金額(千円)3,9005,4405,4405,44010,40030,620
液体スープ数量(kg) 15,00025,2007,500 47,700
金額(千円) 10,80018,1445,400 34,344
スモーク帆立数量(kg)    736736
金額(千円)    4,6004,600
合計数量(kg)60015,80026,0008,3002,03652,736
金額(千円)3,90016,24023,58410,84015,00069,564

 「あすなろの郷」の予算消化について、外部監査人は「フカヒレなどが給食材料として必要か否かはともかく、当年度内に使用見込みがない食材を年度末に一括購入するのは不正使用と同様」と指摘しています。
 なお16年度は、3月に1040万円で1300袋を購入されたフカヒレは、外部監査人による監査の前に、県の出資法人の監査により、この事実が判明していたために、10月に残っていた743袋は、業者に返品されました。
 また、フカヒレ等の一括購入も含めて食材の購入に関しては、「あすなろの郷」所内の売店を経由して行われていました。「あすなろの郷」が売店を仲介せず直接業者から購入していたとすると、11年度からの5年間で1134万円あまりの経費が削減できた計算になり、県の補助金(税金)が無駄遣いされたことになります。
あすなろの郷売店の給食食材費の収支計算
 11年度12年度13年度14年度15年度合計
売上額8,19020,83128,01915,04420,10592,189
仕入額6,97418,74125,48113,31216,34380,851
利益1,2162,0902,5381,7323,76211,338

 この1134万円余りの利益金は、県社会福祉事業団の収益事業として計上され、事業団内に留保されていました。目的外の使用や個人的な着服などの形跡はありませんでした。この利益金は、今後県に返還されることになります。
 更に、「あすなろの郷」の職員は高齢化が進み、46歳から50歳の年齢層が全職員の36%を超えるなど、今後10年間、人件費の増大が深刻な問題となります。また、退職時の一時金(退職金)の支払も大きな課題となります。
あすなろの郷の職員年齢構成
 人数構成比
〜40歳66人19.7%
41歳〜45歳39人11.6%
46歳〜50歳123人36.7%
51歳〜55歳95人28.4%
56歳〜12人3.6%
合計335人100.0%