1997年06月

茨城県議会での「従軍慰安婦」削除問題を伝える新聞各紙

茨城県議会での「従軍慰安婦」削除問題を伝える新聞各紙



茨城新聞97/7/2
一面インサイド記者の目


県議会の「慰安婦」意見書

「削除」できぬ政治的主張

足りぬ議論、「教育に介入」

 今春採用された中学社会科(歴史)全教科書(七冊)に登場した「従軍慰安婦」関連記述について、県議会は19日、削除を求める意見書を可決し、20日付けで首相と文部大臣に提出した。慰安婦問題を巡っては、1993年8月、政府が約2年間にわたる調査結果に基づいて、慰安所と慰安婦の存在の事実を認め、「多くの女性の名誉と尊厳を深く傷つけた。歴史の教訓として直視し、研究・教育により記憶にとどめたい」との内閣官房長談話を発表している。県議会は、こうした政府の公式見解と正反対の意見書を可決。議会構成で圧倒的多数を占める自民党の賛成による今回の決定は、市民団体などから「教育現場への政治の介入」と批判の声が上がっている。(報道部・服部誠一)

論議なき採決

 自民党県連は、提出された「削除の決議を求め請願」(請願者・日本を守る茨城県民会議)の扱いについて、同政調会教育部会関連と判断し、潮田龍雄部会長、池田有宏副部会長に任せた。6月10日の受理後、請願は文教治安委員会に付託された。

 12日昼頃、請願を付託された県議会文教治安委員会の杉田良文委員長(自民)は、議事堂内の自民党議員控え室内で、「(請願は)採択で行こう」と提案。すでにメンバー間では請願について話し合いがもたれており、午後の自民党議員会でも異論はなかった。

 文教委(16日)の請願審査では、「日本の戦争教育は加害者的側面を伝えてこなかった」(井手義弘氏:公明・新進ク)「慰安婦記述は教科書検定を通っており、地方議会になじまない議論」(長谷川修平氏:民主)と反対意見が出された。しかし、賛成意見は出ないまま、6対2の賛成多数で採択。

 19日の本会議でも同じ光景が見られた。大内久美子氏(共産)の反対討論に対し、賛成討論はなかった。起立採決により、意見書はあっけなく可決された。

賛成・反対

 市民団体などの批判や抗議が続出し始めたのは、文教委の採択時以降。県地方公務員労組共闘会議などが相次いで声明を発表。「教科書に真実と自由を」県連絡会(神林昇代表)は、街頭活動などで「国際的に通用しない議論が政治の力関係で決められている」と厳しく批判した。

 一方戦争体験者が多い、自民党内では、「太平洋戦争の大きな枠組みの中で、慰安婦問題だけが突出して扱われている」と教科書記述への反発が当初からあった(杉田氏)という。

 可決された意見書は、削除を求める理由として 峩制連行」に国や軍が関与した証拠は未確認◆崕招外岼舵悄廚箸いΩ斥佞六実にない造語とし、「青少年の健全育成の立場から教育的配慮が欠如している」と主張する。

文部省によると、慰安婦記述削除を求める意見書は29日までに、全国20議会から提出されているが、都道府県議会レベルでは本県が唯一の提出者だ。

価値判断の素材

 「従軍慰安婦」について、教育現場でも戸惑いの声は確かにある。慰安婦問題を歴史・公民で授業化した県央の中学教諭(社会科)は、「慰安婦を説明することばに苦労する。はやしたてる生徒もいる。それで授業が舞い上がるのが怖い」とうち明ける。その一方、「賛否両論あるからこそ、生徒に戦争を自ら考えさせる絶好の素材になる」と同教諭。

 次の教科書改訂は4年後の2001年。21世紀に、新たな教科書で学ぶ子供たちは、今回の県議会決議をどう捉えるのか。結果的に教育界に政治的主張を持ち込んでしまった事実だけは、削除できないのではないだろうか。



朝日新聞
1997/6/17茨城地方版


中学歴史教科書の従軍慰安婦記述

削除の請願を採択

県議会文教治安委員会・意見書案も議決

 請願は、記述の削除と意見書の提出を求めるものと、文部大臣が教科書発行者に対して訂正を求めるよう要望決議することをもとめる二件。同委員会十人のうち、六人が賛成、二人が賛成、欠席が二人だった。

 反対した井手義弘委員(公明・新進クラブ)は討論で、「日本が加害者となった事実は、親から子供へ伝えてこなかった。歴史の事実として、後代に残すことが必要だ」と述べた。

 また、長谷川修平委員(民主)は「従軍慰安婦そのものについて、数々の証言によって事実だと考えられる。子供たちに戦争はこんなにひどいものだということを教えるために、教科書に載せる必要がある」と述べ、反対した。賛成した委員の討論はなかった。

 賛成した請願紹介議員の池田有宏委員(自民)は、委員会後「今までの歴史を把握した限り『従軍慰安婦』というのは、マスコミの人たちがつくった言葉。証言している人たちの言うことも信じられない」と話した。(以下略)



読売新聞
1997/6/17茨城地方版


従軍慰安婦・記述削除要求へ

県議会政府へ

(前半略)
 委員会では、井手義弘(公明・新進ク)、長谷川修平(民主)両委員が「数々の証言で、従軍慰安婦問題は事実だったと考えられ、歴史的評価を載せるのは当然」などと述べ、削除に反対する姿勢を示したが、自民党の他委員は意見を示さず、賛成多数で意見書案を採択した。

 委員会終了後、杉田光良院長は「(従軍慰安婦は)あったかどうかわからない。(中国などとの)関係悪化は想像されるが、日本国民としての立場から採択した」と述べ、意見書を教科書出版会社にも「参考資料」として提出する方針を明らかにした。



産経新聞
97/06/17茨城地方版


「従軍慰安婦」削除 茨城県会委と水戸市会も採択

 茨城県議会(川井一郎議長)は十六日開いた文教治安常任委員会で、「日本を守る茨城県民会議」(青木芳郎議長)などから提出されていた中学校社会科(歴史)の「従軍慰安婦」記述の削除を求める請願書を賛成多数で採択した。十九日の本会議で採決される予定で、県議会では全国で初めて首相と文相に削除を求める意見書を出す。

 全国都道府県議会議長会によると、従軍慰安婦問題で中学校教科書から削除を求めることについて採択しているのは岡山、鹿児島の両県議会となっている。



茨城新聞
1997/6/20一面トップ


「削除」意見書を可決

教科書の「従軍慰安婦」記述

県議会・都道府県議会で初

970620sinbun 第二回定例県議会は最終日の十九日、本会議を開き、今春から採用された中学校社会科教科書の「従軍慰安婦」関連記述の削除を求める意見書を可決した。同意見書は内閣総理大臣および文部大臣あてに提出される。「従軍慰安婦」関連記述の削除を求める意見青が可決されたのは、都道府県議会レベルでは初めて。意見書が可決されたことに対し、共産党県委員会(山田節夫委員長)、新日本婦人の会県本部(武藤きよ子会長)、県地方公務員労働組合共闘会議(矢田部興治議長)は同日、抗議声明文を発表した。

 中学社会科教科書に掲載されている「従軍慰安婦」関連表記問題では、記述の削除を求める請願と、意見書提出との分離採決で行われ、六十二人の全県議が参加。自民五十四、無所属一の計五十五人が「削除」に賛成。公明・新進ク三、民主三、共産一の七人が反対し、それぞれ賛成多数で可決された。

意見書は

教科書に記述されている「強制連行」については、政府の調査では、国や軍が関与したことを実証する証拠は確認されていない

「従軍慰安婦」という言葉は当時存在せず、事実のない造語にすぎない−とした上で、青少年健全育成の立場から証拠のない問題提起は教育的配慮に欠ける

などとし、内閣総理大臣、文部大臣に対し記述削除を要望している。

 採決に先立って、共産党の大内久美子議員が「従軍慰安婦問題は政府も公式に認めている歴史的事実であり、(同問題を)歴史教育に取り上げることは政府自身の方針との反対討論を行った。

 また、同請願が採択され意見書が可決されたことに対し、共産党県委員会、新日本婦人の会県本部などは同日、「(従軍慰安婦問題を)地方議会の場で政治的圧力によって削除を求めようとすることは、憲法と教育基本法の理念と原則にそむき、断じて許すことはできない」との抗議声明文を発表した。

 この日の議会傍聴には、一般県民など四十人余りが訪れたが、傍聴した二十四歳の会社員は「地方議会の議題になる必然性が全くない」、その妻(ニ七)も「『従軍慰安婦問題』は極めて大事な問題なのに、簡単に決められてしまい、拍子抜けした」と語り、団体役員の男性(五四)は.「歴史的事実を抹消しようという暴挙」と怒りをあらわにしていた。



茨城新聞
97/6/20社会面


従軍慰安婦「削除」可決

教育現場に広がる困惑

授業化悩む教師・自粛傾向に危惧の声も

 県央の社会科教諭は二年ほど前、中学二年の歴史授業で「慰安婦」と黒板に板書し、生徒に意味を尋ねたとことがある。「看護婦さんのこと」と首を傾げられたのが印象的だったという。言葉を選びながら「兵隊の性的処理をする人たちのことだよ」と説明した。同教諭は、「(削除の)議会決定が授業を束縛することにはならない。むしろ賛成反対の意見があるからこそ生徒自ら戦争を考えさせる絶好の素材になるはず」と話す。

 土浦市内の学校関係者も「従軍慰安婦だけを取り立てて授業で追求することはない。言葉の削除があっても、生徒たちは学習を通して戦争の悲惨さを学ぶ」と冷静に受け止める。

 その一方、鹿行のある社会科教諭は「慰安婦問題も含め、戦争を伝える授業については県内でまだまだ議論不足のよう。今回の議会決定は、教師や学校の考え方にますます混乱をきたす」と指摘した。

 今回の意見書提出決定は自民党議員の圧倒的多数によって可決された。政治的要素も多分に含まれていることから、各地域の中学校現場で、今後、近現代史教育の自粛傾向が広がるのではと危惧する声もある。

 水戸市内の教育関係者は、中学の近現代史授業は、二年生の学期末近くに追い込みがちで、県立校入試やテストにも出題されにくい分野、と指摘し、「各地域によって戦時事情も異なり、「(近現代史は)ただでさえ授業が難しい。今後ますます、教員の意識は狭められるのでは」と危機感を募らせた。



新いばらき新聞
1997/6/20社会面


県議会・意見書の可決は全国初

自民などの賛成多数

慰安婦記述「削除」問題・市民団体は反発

 意見書は、ゞ飢塀颪傍述された「強制連行」は政府の調査では、国や軍の関与を証明していない◆崕招外岼舵悄彭言う言葉は当時存在せず、事実のない造語に過ぎないとして、両記述の削除を求める二請願をほぼ原文のまま意見書化したもの。

 本会議で、杉田光良文教治安常任委員長の同委員会における採択など委員会報告に対し、大内久美子氏(共産)が「削除」請願文中に「全教科書(七社)に従軍慰安婦や強制連行などの記述があるとしたが、従軍慰安婦の記述は三社のみ。強制連行の表記は一社もない。事実誤認の意見書がそのまま採択されれば、本義会の名をはずかしめる」などと指摘し、「歴史の事実をゆがめ、戦争の根本的反省のもとに生まれた憲法の理念に反する」などと反対討論した。

 起立採決の結果、公明・新進クラブ、民主、共産の七氏を除く全員が賛成した。

 議会閉会後、「削除」請願に反対した井手義弘氏(公明・新進クラブ)は「親から子へ、戦争被害としての体験は伝えられるが、同時に加害者であったということも、責任を持って語られなくてはならない」と述べた。

 また、今橋孝行氏(民主)は「政府の対応からみれば、この問題は歴史的事実であり、一人一人の議員の認識と良識が問われた。自民党県連は党議拘束を外して各議員の意志表示をさせるべきだった」と話した。(以下略)



毎日新聞
1997/6/20全国社会面


「教科書からの慰安婦削除を」茨城県会が意見書採択

 茨城県議会は19日、今年度から中学の歴史教料季に盛り込まれた従軍慰安婦の記述の削除を求める意見書を採択し、首相と文相に提出することを決めた。文部省などによると、この問題に関する都道府県議会からの意見書提出は初めて。

 意見書は「従軍慰安婦や強制運行の記述は事実とは認め難い。国の関与の証拠もなく、中学生に提示するのは教育的配慮に欠ける」としている。

 同県議会には記述削除を求める2件の請願が出ていた。県議会は請願と意見書を自民党と保守系無所属議員の賛成多数(54)で採択した。公明・新進、民主、共産(計7)は反対した。

 従軍慰安婦の記述の削除を求める請願・陳情については今年3月までに岡山、鹿児島両県議会が趣旨採択をしたが、意見書などは提出していない。

 茨城県教職員組合の酒井富子委員長は「事実を子供に教え、判断力を養うことが大切」と意見書に反論している。【橋本 明子】



読売新聞
1997/6/20茨城版


県議会・削除求め意見書可決

中学校の教科書の従軍慰安婦記述・自民だけが賛成


 中学校の社会科教科書から「従軍慰安婦」の記述削除を求める意見書について、県議会は六月定例会最終日の十九日、本会議で審議し、自民党の賛成多数で原案通り可決した。公明・新進クラブ、民主党、共産党は反対した。

 可決したのは、「中学校社会科教科書の錯娯の削除に関する者見書」で、「従軍慰安婦」の記述に関し、ゞ制連行に国や軍が関与したことを実証する証拠がない⊇招外岼舵悗箸いΩ斥佞蓮大戦当時存在しない・・・と指摘、首相と文相に教科書からの削除を求めている。

 これに対し、大内久美子氏(共産)は本会議で、「歴史の事実をゆがめ、戦争の根本的反省のもとに生まれた憲法の理念に反する」などと反対討論した。



毎日新聞
1997/6/20茨城版


市民団体・他県への波及、憂慮

「抹消は憲法理念違反する」

「従軍慰安婦」記述削除県議会が意見書採択

県連絡協・全県的な集会開催へ

 県議会が19日、全国で初めて従軍慰安婦に関する中学教科書の記述削除を求める意見書を採択し、国への異例の提出を決めたことに対し、これに反対する政党や市民団体が「削除の請願を継続審議にしているほかの県議会に波及する恐れもある」と、批判の声を上げるなど波紋が広がった。 【橋本 明子】

 この日の県議会本会議では、削除を求める請願を採択した一六日の文教治安委員会と同様、公明・新進クラブ3、民主3、共産1の計7議員が意見書採択に反対したが、自民、無所属の計54人の圧倒的多数の賛成で可決した。

 これについて、川井一郎議長は「会議規則に従っただけ」。賛成した自民党議員は「教育の在り方を考えるのは政治の使命。関与ではない」と強調した。

 また、削除の請願を県議会に提出した坂本徳次さん(78)=潮来町潮来=は「慰安婦は強制連行されたのではない。事実を曲げて教える戦後教育が、戦前より優れているとは思えない」と話した。

 これに対して、反対票を投じた大内久美子議員(共産)は、採決前に行った反対討論の中で「従軍慰安帰の存在自体を抹消しようと、いう請願は憲法の理念に反する」と訴えた。

 一方、削除の請願を採択しないよう求める請願を出していた「教料書に真実と自由を」県連絡会は、本会議での採択を受け「今後、学習会や講演会などを行う。終戦記念日の8月15日には、韓国から元従軍慰安婦を招き、全県的な集会を開催する」と、運動を統けて行く方針を明らかにした。

 今回の採択について、橋爪大三郎・東京工業大学教授(社会学)は「政治権力に相当する県議会が、教科書の内容について『教えるな』というのは、従軍慰安婦問題の是非は別にしても望ましいことではない。記述を削除する、しないではなく、資料や討論を増やすなど、歴史の学び方を根本から組み替える必要があるのではないか」と話している。

県内で使われている教科書の従軍慰安婦の記述

慰安婦として戦場の軍に随行させられた女性もいた。(日本文教出版)

従軍慰安婦として強制的に戦場へ送りだされた若い女性も多数いた。(東京書籍)




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従軍慰安婦の記述削除論議を巡って

従軍慰安婦の記述削除論議を巡って

平成9年第2回の茨城県議会で交わされた中学校教科書の「従軍慰安婦」記述削除を求める請願の審議過程は、別項にて詳細を紹介しているが、その問題点をいくつかの観点から整理してみたい。と同時に、私のインターネットWebや事務所に電話やfaxなどで、寄せられた代表的なご意見をご紹介します。

歴史感から歴史観へ
茨城県議会の従軍慰安婦削除論議への所感
県議会議員 井手よしひろ


 自民党に所属する先輩議員と雑談を交わす機会がある。先輩議員からすると、私などはまさに、子供の年齢である。孫といっても良い先輩さえいる。

 談たまたま、中学教科書の従軍慰安婦記述の問題に及んだ。

 「当時従軍慰安婦などという女たちはいなかった」

 「シナ事変の時は慰安婦などの制度がなかったから、軍規が乱れて大変だった。大東亜の時は、それはそれは粛々と規律が守られていた」

 「1円50銭もって慰安所に行くのが楽しみだった。性病等への対処もうるさかった」

 「慰安所の女性たちは、ずいぶん貯め込んでいた。みな喜んで来ていたと思う」

 「第一父親を誹謗するような教育はおかしい。一家の長を尊敬できないような教育は日本をだめにする」

 「従軍慰安婦なんて言う言葉は、誰が造ったんだ。マスコミが事実を無理矢理ねじ曲げている」

 「実際戦場という現場に行った我々が言うんだから間違いない。論より証拠だ」

 こうした会話になると、誰それの論文にこうあった。政府はこう認めている。と反論する言葉は失われてしまう。

 確かに、先輩たちは、祖国日本のために何の迷いもなく勇敢に戦い、想像を絶する苦労を味わってきたのだろう。戦友や家族の悲しい死を乗り越え、今の日本の繁栄を築いたきた中心人物であることは否定できない。

 その意味で、こうした絶対に消せない従軍慰安婦問題等に対する「感情」を、私は否定する論を持ち得ないのである。

 今回の慰安婦の記述削除を求める請願に「歴史感」という言葉が登場している。「歴史観」と書きたかったのを単に間違ったのだろうか。しかし、「歴史感」という言葉が仮に国語辞典に載っていると仮定すると、「感情」という意味に重きを置いて考えると、先輩議員の「歴史感」は正しいのかもしれない。

 戦後生まれが人口の過半数を占める現在、こうした世代の歴史感を否定できる人はあまりにも少ないのかもしれないと実感する。

 これが、県議会の採決結果54対7なのかもしれない。

 ただ、強調しなくてはいけないことがある。歴史感という言葉は辞書にはないのである。歴史感は歴史観が正しいのである。

 悲しい感情、苦しい感情、屈辱の感情、こうした感情を突き抜けた向こう側の事実を冷静に受け入れる必要があるのではないだろうか。そこに本来の歴史観が生まれると確信する。


インターネットメールから

県会の意志を内外に示す「意見書」がいとも簡単に、ほとんど意見の交換がなく決まっているという事実がどうしても理解できません。

なぜ、従軍慰安婦の記述削除に賛成するのか、自民党の議員の方も意見を発表すべきだと思います。

本来、議会とは様々な意見を戦わせ、その意見の最大公約数をその議会の意志として決定することに、その意義があると思います。

自民党がその議席数に任せて、何の論議もなしに、従軍慰安婦・教科書といった憲法や教育基本法の根幹にもふれるような問題をいとも簡単に、多数決で結論づけた今回の本題には大きな問題を感じます。

私も、自民党の先生に一票を投じましたが、こうした数の暴力まで許した覚えはありません。

もっとももっと議論を踏んで決めて欲しかった問題でした。

<県内在住の主婦より>



インターネットメールから

この従軍慰安婦問題は、きわめて政治的に利用されている気がします。

従軍慰安婦というデリケートな問題に、こうした形で明確な結論を茨城の県議会がつける必要があったのだろうか。

中国や韓国・朝鮮、東南アジアの諸国に対して国際的な影響を与える危惧があるし、そうした国々との友好団体の重責を担う県議も多いはずだ。秋には知事選挙を控えている。知事の最大の支持母体である自民党があえて強硬な姿勢を明確にする必要があるのだろうか?

地元新聞も意味深な表現を付け加えている。「今回の意見書提出決定は自民党議員の圧倒的多数によって可決された。政治的要素も多分に含まれていることから、(以下略)」といった見方があるのである。

政治的要素とは何か、私は二つの意味が感じられる。

その一つは、政府や自民党本部への鞘当てである。

同じくこの議会で、「首都機能移転の意見書」が採択されたと聞いた。政府は財政再建を理由に首都機能移転の凍結を発表している。まさに自民等県連の顔をつぶすこの発表の反論が、この従軍慰安婦問題の意見書であったのではないか。「江戸の敵を長崎で」なのである。

さらに政治的見地からみるならば、自民党議員団の踏み絵に等しい行為であったとも言える。賛成した県議の中には、リベラルな人もいるはずだ。そうした、個人的な多様な意見を、党議拘束の名の下に、団結を第一意義とした自民党の強い姿勢がその背景にあったのではなかろうか。

いずれにしても、こうした自民等県連の都合は、全く従軍慰安婦問題の本質とは次元の違う問題である。

県民の一人として、この問題の本質を見極め、たとえ意見書が採択されたといっても一喜一憂する必要はないと思う。

<41歳会社員より>



faxでいただいたご意見

従軍慰安婦は、教える立場から言えばとても難しい問題だ。今回の県議会の決定でたぶん高校入試には出なくなるだろう。従って、受験対策の立場からすると簡単に流す項目になってしまう。

現場では、入試と授業のバランスから離れることは出来ないのです。

<塾経営・30代男性より>



お電話でいただいたご意見

私は、なぜ今年の教科書に、一斉に従軍慰安婦の記述が登場したのか、そもそもそれが疑問です。教科書は執筆者や出版社の自主的な判断で書かれていると言われていますが、今年全教科書がこれを取り上げたことの方が不自然な気がします。

慰安婦を取り上げる教科書もあっていいし、取り上げない教科書もあっていい。それを現場の教師が選べるような、本当の意味での教科書の自由が欲しいと思います。

<社会科教師・男性より>




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従軍慰安婦の記述削除の請願に関する反対討論

従軍慰安婦の記述削除の請願に関する反対討論

茨城県議会議員 井手よしひろ


 私は、1956年生まれ、今年で41歳になりました。

 むろん私の中学時代の教科書には、従軍慰安婦等の記述はなく、授業でも全く教わりませんでした。

 私が、「従軍慰安婦」との言葉に接したのは、27歳の時でした。その事実を、大正15年生まれの父に問いただしました。父は、初めてその事実を語ってくれました。

 一般に、戦争体験の苦しかったこと、つらかったことは、親から子へ伝えられます。

 しかし、その影の歴史、加害者としての歴史は、伝えられることは難しいと思われます。

 21世紀に平和な世界を築くためにも、歴史の事実を教科書や、授業の中で伝えて行かねばなりません。

 そうした意味で、教科書の従軍慰安婦の削除には、断固反対いたします。

 更に、今回提出されております二つの請願は、それぞれ事実の錯誤または、憲法や教育基本法の精神から言っても重大な過ちがあると思われますので、指摘したいと思います。

 まず第一に、「平成9年第5号」の請願について、各委員のお手元に参考資料として、現在茨城県で使用されております日本文教出版社と東京書籍の「従軍慰安婦」の記述部分のコピーをお配りしてありますので、ご覧いただきたいと思います。

 日本文教出版の記述は、「慰安婦として戦場の軍に随行せられた女性もいた」

 同じく東京出版の記述は、「従軍慰安婦として強制的に戦場に送り出された若い女性も多数いた」

 となっています。請願の理由の第1項目でいう、「強制連行」といった表現は全く見られません。その他5社の教科書も同様であります。

 したがって、「強制連行」の事実云々が削除の理由になっているこの請願は、教科書の記述内容をも認識せずして提出された、請願であり、採択には値しないと考えます。

 次に、「平成9年第5号」の請願については、その結論が文部省ないし、教科書発行会社に要望書を提出せよとの請願であります。

 しかし、文部省はともかく、県を民意を集約する議会が、民間企業または民間人である教科書発行会社に要望書を提出することが許されるでしょうか。

 茨城県の県政史上、未だかって民間企業に対して、議会が要望書を送った事例はありません。さらに、その民間企業が憲法にて、その権利が保障された出版社であるという事実の重みを認識する必要があります。

 教科書の「従軍慰安婦」記述の是非を議会の多数決によって決定することは、教育・教科書への「不当な支配・介入」であり、学問・教育・出版・言論・思想の自由を侵す行為であり、憲法・教育基本法の理念に反する重大な誤りだと思います。

 以上のような理由から、この請願を採択することには反対いたします。




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中学校社会科教科書の錯誤の削除に関する意見書(案)

中学校社会科教科書の錯誤の削除に関する意見書(案)


 平成9年4月から、中学校で使用されている社会科(歴史)の全教科書(7社)に、「従軍慰安婦」「強制連行」等の記述が登場した。

 こうした記述は、以下の理由により、事実とは認めがたいと考えられる。 教科書に記述されている「強制連行」については、政府の調査では、国や軍が関与したことを実証する証拠は確認されていない。

 「従軍慰安婦」という言葉は当時存在せず、事実のない造語に過ぎない。

 よって、心身発展段階にある中学生に、確たる証拠もないまま、「従軍慰安婦」問題を提示することは、青少年健全育成の立場から教育的配慮が欠如していると思われる。

 また、これは「心身の健康や安全及び情操の育成について必要な配慮」や「未確定な時事的事象について断片的記述がしているところはないこと」等を規定している教科書検定基準にも明らかに違反している。

 ついては、国において、平成9年度から使用の中学社会科(歴史)の全教科書に記載されている「従軍慰安婦」等の記述について、削除されるよう強く要望する。

 上記について、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。

平成9年 月 日

茨城県議長 川 井 一 郎

(提出先)内閣総理大臣
     文部大臣




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中学校歴史教科書の「従軍慰安婦」に関する請願

平成9年第5号
提出日:平成9年5月20日
提出者:潮来町 坂本 徳次 外4名


平成9年度より使用される中学社会科の全教科書(歴史分野)に掲載されている「従軍慰安婦」の記述の削除を求めることに関する請願

平成9年4月より全国の中学校で使われる社会科(歴史)の全数科者(7冊)に掲載されている「従軍慰安婦」の記述は、次の理由により、事実確認に乏しく、偏った歴史感を与え、義務教育段階では不適当であり、日本国の将来に拭うことのできない汚点を残すものである。

1 教科書記述で言う「強制連行」については、日本政府の調査では、国や軍が関与したことを実証する証拠は何も見つかっていない。

2 当時、「従軍慰安婦」の言葉は無く、又、慰安婦は軍属でもない、「従軍」とは軍人、 軍属のほか陸軍省発行の従軍許可証を所持するものを指していた。

3 中学生という次代を担う清純なる頭脳の少年に、しかも性教育も未熟な時期に、確たる証しも無いまま、従軍慰安婦として社会科(歴史)の授業で教えることは、これからの日本に及ぼす影響は図り知れず、大多数の国民の深く憂慮するところである。


ついては、県議会において、平成9年度より使用される中学社会科の全数科書(歴史分野)に掲載されている「従軍慰安婦」の配述の削除を要求する意見書を採択され、閑係機関に提出されるよう請願する。

 
平成9年第9号
提出日:平成9年6月9日
提出者:日本を守る国民会議 議長 青木 芳郎


「中学校社会科教科書の錯誤の削除を要求する」決議を求める請願

小・中学校の義務教育過程における教育の目的は、「国家及び社会の形成者として必要な知識資質を養う」ことにある。

平成9年4月から中学校で使用されている全ての社会科(歴史)教科書(7社)に次のようないわゆる「従軍慰安婦」「慰安婦として戦場に連行」等の配述が登場した。

しかし、本年3月12日参議院予算委員会においても事実の確認がされていないことがはっきりしたので削除を求める。

当時、「従軍慰安婦」という言葉はなく、事実でない造語であり、心身の発達段階にある中学校で「慰安婦」問題を取り扱うこと自体、青少年健全育成の立場から教育的配慮が欠如している。更にこれは「心身の健康や安全及び情操の育成について必要な配慮」や「未確定な時事的事象について断定的紀述がしているところはないこと」等を規定した教科書の検定基準にも明らかに違反している。

ついては、これら7冊の教科育を発行する7社全てが誤った記述の存在を認め、所要の訂正申請をするか、文部大臣が各発行者に対し所要の訂正を求めるか、又は速やかに勧告され、史実に忠実な教科書にするよう、貴議会において要望決議を行い、文部大臣及び教科書発行会社へ送付を賜りたく請願する。


平成9年第11号
提出日:平成9年6月10日
提出者:「教科書に真実と自由を」茨城連絡会議 代表者 神林 昇 外2名


「平成9年度より使用される中学校社会科の全教科書(歴史分野)に掲載されている『従軍慰安婦』の配述の削除を求めることについての意見書の採択を求める請願」を採択しないことを求める請願

教科書の「従軍慰安婦」記述は、政府・文部省・歴史学界など、公に認められた歴史的事実であり、これの削除を求めることは重大な誤りである。

「従軍慰安婦」問題は、植民地および日本の占領下における女性の人権を踏みにじった典型的な戦争犯罪であり、民族差別・女性差別でもある。教育・教科書によって、このような日本の侵略戦争と加害の事実を正しく組織させることは、過去の過ちを二度と繰り返さないという反省の上に立って制定された日本国憲法の原則や教育基本法の精神にも合致するものである。

また、今日、「従軍慰安婦」問題をはじめとした日本の戦争貴任や戦後補償問題をめぐって、アジアをはじめ国際的にも批判が高まり注目されている。

21世紀に生きる子どもたちが、教育の場で正しい認識を深めることは、国際化が叫ばれ、アジアや世界の人々との平和的な共生が求められていることからみても、不可欠な教育の課題でもある。その点からみても、「従軍慰安婦」の記述の削除を求めることは重大な誤りである。

ついては、県議会において、「平成9年度より使用される中学校社会科の全教科書(歴史分野)に掲載されている『従軍慰安婦』の記述の削除を求めることについての意見書の採択を求める請願」(請願9年第5号)については採択しないことをここに請願する。




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中学校教科書の従軍慰安婦の記述の削除を求める請願の審議経過

中学校歴史教科書の「従軍慰安婦」に関する請願審議の経過

 平成9年5月20日、県議会議長宛に潮来町の住民より『平成9年度より使用される中学社会科の全教科書(歴史分野)に掲載されている「従軍慰安婦」の記述の削除を求めることに関する請願』が提出された。(請願9年第5号)

 さらに、6月9には、「日本を守る茨城県民会議」から、『「中学校社会科教科書の錯誤の削除を要求する」決議を求める請願』(請願9年9号)も提出された。

 これらの請願に対し、『「教科書に真実と自由を」茨城連絡会』より、「従軍慰安婦の記述を削除する請願」を県議会で採択をしないように求める請願(請願9年11号)が6月10日に提出された。

 これら教科書の記述を巡る請願は、本会議での採決を前に、文教治安員会に付託され、6月9日に審議された。

 文教治安委員会では、まず、「従軍慰安婦」の記述削除を求める2つの請願(請願9年第5号と請願9年9号)を一括して審査した。

 井手県議は、採決の前に討論を求め、歴史的事実を時代に語ることの重要性と困難さを強調し、教科書に従軍慰安婦を記述する事の意義を認め、削除を求める請願には反対であることを表明した。さらに、二つの請願の問題点をあげ、採択することは県議会の歴史に汚点を残すことになると主張した。(反対討論の主旨)

 また、民主党所属の長谷川県議は、「教科書に関する問題は、一地方議会である県議会の議論になじまない」として、この二つの請願に反対の意見を述べた。

 2人の反対討論の後、その場で起立採決が行われた。

 委員長(委員会の議長)を除き、自民党の賛成6、反対2(井手、長谷川)で、従軍慰安婦の記述削除を求める両請願を採択した。

 この請願を採択しないように求めた請願(請願9年11号)は、みなし不採択となった(すでに二つの請願が採択されたので、採決の必要なしとみなされた)。

 従軍慰安婦の削除を求める請願が採択されたため、委員会では、関係機関に提出する意見書の文案検討がなされた。

 委員長より、「中学校社会科教科書の錯誤の削除に関する意見書(案)」が提出され、委員長並びに自民党の9名が提案者となり、6月19日の本会議に提出されることになった。

 19日の本会議では、委員長から常任委員会での審議経過の報告がなされ、意見書が議員提案として提出された。

 大内久美子氏(共産)の反対討論の後、請願の採決に移り、自民と保守系無所属の賛成54、公明・新進(3)、民主(3)、共産(1)の反対7で削除を求める請願(平成9年5号と9年9号)を採択した。

 委員会同様、削除に反対する請願(平成9年11号)は、みなし不採択となった。

 その後、意見書案の採決に入り、請願と同数の54対7で意見書を採択した。

 なお、一連の審議経過を地元並びに、全国紙の地方版にてご案内します。また、数々のご意見もいただきましたので、私の所感も含めて別項で紹介いたします。




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児童生徒の安全確保の要望書を提出

児童生徒の安全確保を求める要望書

 5月26日神戸市須磨区で発生した児童の殺人・死体遺棄事件を始め、全国ではいたいけな児童・生徒を狙った犯罪が続発しております。茨城県においても、東海村や水戸市、五霞町において誘拐未遂事犯や悪質ないたずらが発生していることが報道されています。

 こうした状況を鑑み、茨城の未来を担う児童・生徒の安全を確保するため、茨城県議会公明・新進クラブ(鈴木孝治代表、井手よしひろ県議、田中秀昂県議)は、6月12日、橋本昌茨城県知事および県教育長、県警本部長に「児童・生徒の安全確保に関する要望」を提出しました。

 以下、その全文を掲載します。
 

茨城県知事
橋 本 昌 殿

児童・生徒の安全確保に関する要望


 神戸市須磨区で発生した児童の殺人・死体遺棄事件を始め、全国ではいたいけな児童・生徒を狙った犯罪が惹起している。本県内においても、東海村や水戸市、五霞町において誘拐未遂事犯や悪質ないたずらが発生していることが報道されている。

 こうした状況を鑑み、茨城の未来を担う児童・生徒の安全を確保するため、貴職におかれましては下記の対策を講ぜられるよう要望いたします。



県警を中心に児童の安全を守るための警備・警邏態勢を強化すること。

小学校、幼稚園関係者と県警との連携のもと、防犯教室等を全県的に開催すること。

県警・県教育庁・学校・PTA・地域住民などが一体となった児童・生徒の安全を守る態勢を整備すること。

市町村との連携のもと、通学・通園路並びに児童公園・児童運動施設の安全点検を早急に行い、照明施設の充実、周囲からの死角解消、雑草の除草作業等を徹底すること。

以 上



茨城県警察本部本部長
千 葉 行 雄 殿

児童・生徒の安全確保に関する要望

 神戸市須磨区で発生した児童の殺人・死体遺棄事件を始め、全国ではいたいけな児童・生徒を狙った犯罪が惹起している。本県内においても、東海村や水戸市、五霞町において誘拐未遂事犯や悪質ないたずらが発生していることが報道されている。

 こうした状況を鑑み、茨城の未来を担う児童・生徒の安全を確保するため、貴職におかれましては下記の対策を講ぜられるよう要望いたします。



児童・生徒の安全を守るため、通学・通園時の警備・警邏態勢を強化すること。

小学校、幼稚園関係者との連携のもと、防犯教室等を全県的に開催すること。

県警・県教育庁・学校・PTA・地域住民などが一体となった児童・生徒の安全を守る態勢を整備すること。

 以 上



茨城県教育長
齋 藤 佳 郎 殿

児童・生徒の安全確保に関する要望

 神戸市須磨区で発生した児童の殺人・死体遺棄事件を始め、全国ではいたいけな児童・生徒を狙った犯罪が惹起している。本県内においても、東海村や水戸市、五霞町において誘拐未遂事犯や悪質ないたずらが発生していることが報道されている。

 こうした状況を鑑み、茨城の未来を担う児童・生徒の安全を確保するため、貴職におかれましては下記の対策を講ぜられるよう要望いたします。



小学校、幼稚園関係者と県警との連携のもと、防犯教室等を全県的に開催すること。

児童・生徒への防犯教育を一層徹底すること。

交通安全に配慮しながら、集団による登下校を検討すること。

県教育庁・学校・PTA・地域住民・警察などが一体となって児童・生徒の安全を守る態勢を整備すること。

市町村との連携のもと、通学・通園路並びに学校内・児童運動施設の安全点検を早急に行い、照明施設の充実、周囲からの死角解消、雑草の除草作業等を徹底すること。

以 上




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茨城県の環境放射線監視システムを調査

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 茨城県では、原子力施設からの放射能の影響の有無を確認するため、東海・大洗地区の原子力施設周辺の環境放射線などを常時監視するためのシステムを設置しています。

 このシステムは、大気中の空間ガンマ線量率や事業所の排水中の放射能濃度などを自動測定し、データを県公害技術センター(水戸市石川)に伝送して、連続的に監視するものです。

監視データについては、県民に広く理解していただくため、周辺市町村に設置してある表示局に伝送し、表示しております。
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空間線量測定局



空間線量を測定する放射線測定器と風向・風速や降水量を測定する気象観測局が設置され、24時間連続して測定できるようになっています。


 測定されたデータは2分毎にNTTの専用回線で中央監視局に送られます。


 また、観測した生のデータをリアルタイムで表示する電光表示板も設置されています。



石神局



東海村



豊岡局





東海村



舟石川局



東海村



押延局



東海村



村松局



東海村



横堀局



那珂町



馬渡局



ひたちなか市



常陸那珂局



ひたちなか市



阿字ケ浦局



ひたちなか市



大貫局



大洗町



広浦局



茨城町



造谷局



旭村



荒地局



旭村



水戸石川局



水戸市



原電東海・留局



日立市



動燃東海・舟石川局



東海村



動燃東海・高野



ひたちなか市



動燃東海・長砂



ひたちなか市





排水測定局
 事業所の排水の放射線濃度を測る機器が設置されています。測定されたデータは2分毎にNTTの専用回線で中央監視局に送られます。

原電東海第2排水溝
原研東海第2排水溝
動燃東海再処理工場
原研動燃大洗排水溝


高所気象測定所
 放射線漏れが万一発生した場合の汚染の広がり等を予測するため、高所の気象データが不可欠です。高所の気象データを観測し、データを2分毎にNTTの専用回線で中央監視局に送られます。

原電(高さ120m)
動燃大洗(高さ80m)


表 示 局



70インチの大型液晶ディスプレーとタッチパネルの卓上盤からなる表示局が、市町村役所や原子力展示施設に設置されています。


 各所の測定データをリアルタイムで表示しています。また、監視体制や原子力事業所の情報も提供されています。



東海村役場





東海村





原子力科学館



東海村



ひたちなか市役所



ひたちなか市



ひたちなか市役所那珂湊総合支所



ひたちなか市



那珂町中央公民館



那珂町



大洗文化センター



大洗町



茨城町役場



茨城町



旭村役場



旭村



水戸LECセンター



水戸市






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平成9年6月県議会提出議案の知事提案説明

平成9年 第2回定例県議会本会議 速 報
<平成9年6月9日 月曜日 午後1時開議>

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平成9年 第2回定例県議会本会議 知事提案説明要旨

平成9年6月9日


平成9年第2回県議会定例会の開会に当たり,提出いたしました試案等の説明と報告を申し上げます。

 

(動燃東海事業所における火災爆発事故)

 

 まず,3月11日に動力炉・核燃料開発事業団東海事業所のアスファルト固化処理施設で発生した火災爆発事故についてご報告いたします。

 今回の事故は,火災爆発という衝撃的な事故であったこと,37名の従業員が被ばくしたこと,環境や健康に影響を与えるレベルではありませんでしたが,放射能が施設外に漏れたことなど,県民の皆様に大変なご心配をおかけすることとなり,誠に遺憾に存じております。

 県といたしましては,3月12日に職員を派遣し現場の確認を行うとともに,16日には原子力安全協定に基づき,関係市町村とともに立入調査を実施いたしたところでございます。また,私自身も,事故の翌日の12日には動燃理事長に対し,事故原因の徹底究明や安全対策の総点検,情報伝達体制の改善などについて厳重な申し入れを行うとともに,13日には,内閣総理大臣,内閣官房長官,科学技術庁長官に対し,同様の要請を行った次第であります。その後4月4日に,事故が発生したアスファルト固化処理施設の応急措置が終了したことを確認し,その後は安定した状況となっておるところでございます。

 しかしながら,3月21日に科学技術庁や県に提出された事故報告書の中に事実と異なる記載があることが,4月8日に判明いたしました。このため,4月16日に動力炉・核燃料開発事実団などが原子炉等規制法違反・虚偽報告の罪で、科学技術庁から告発される事態に立ち至りました。県といたしましても,動燃に対し厳重に抗議いたしますとともに,事実関係の究明を強く求めたところであります。

 一方国におきましては,「東海再処理施設アスファルト固化処理施設における火災爆発事故調査委員会」において本格的な事故原因の究明を進めるとともに,動燃改革検討委員会を設置し,組織・経営管理,情報伝達・広報等の業務全般について,見直しを行っているところであります。

 県といたしましても,今回の事故について,県広報誌「ひばり」,原子力広報誌「あす」により,事故の概要と周辺環境や健康への彫響などについて県民の皆様にお知らせするとともに,県内23の全原子力事業者に対し,施設の安全管理や通報適格体制について点検を要請し,点検結果について6月4日からヒアリングを開始いたしたところでございます。

 また,この事故を踏まえ,危機管理体制の確立を図るため,5月11日に原子力緊急対策班を設置し,事故発生時の対策を迅速・的確に行う体制を整備するとともに,原子力防災計画・防災体制の見直し強化を図るため,「原子力防災体制検討会議」を設置いたしたところでございます。今後さらに,学識経験者等を含めた「原子力防災対策検討委員会」を設置し,福井県等との緊密な情報交換も行いながら,原子力安全対策の充実強化を図ってまいりたいと考えております。

 

(防災体制の充実強化)

 

 次に,防災体制の充実強化についてでありますが,災害時における災害応急対策の総合的かつ円滑な実施を図るため,備蓄倉庫,飲料水兼用耐震性貯水槽及びヘリコプターの臨時発着場を備えた広域防災活動拠点を県西総合公園内に整備し,5月1日に竣工式を行ったところであります。この広域防災拠点は,県内初のものであり,県内外からの応援要員の後方支援基地,救援物資の輸送・集積・配分拠点となるものであります。4月1日から運用を開始した震度情報ネットワーク及び地震被害予測システムとあわせ,災害に強い県土づくりを推進してまいります。

 

(集中豪雨・降ひょう災害)

 

 次に,去る5月24日から25日にかけての集中豪雨により,県北地域を中心に橋の流出や家屋の浸水などの被害が発生いたしました。また,翌26日には県南・県西地域の一部において降ひょうによる農作物の被害が発生いたしました。

 被災されました方々に対し,心からお見舞い申し上げます。今回の災害による公共施設の復旧につきましては,既に計上している災害復旧費等で対応してまいりますとともに,農作物の被害に対しましては,病害防除のための技術指導など適切な処置を講じてまいりたいと存じます。

 

(行財政改革・地方分権の推進)

 

 さて,現下の重要課題であります行財政改革の推進についてでありますが,去る5月8日に、行政改革推進本部において,9年度の実施計画を決定したところであります。これに基づき事務事業の見直し,事務処理の簡素効率化などに引き続き取り組んでまいりますとともに,県出資団体調査特別委員会のご報告を踏まえ,県出資法人の見直しにも取り組んでまいります。

 また,国におきましても,行政改革会議や財政構造改革会議において,聖域のない行財政改革が進められようとしており,地方財政にも大きな影響が予想されるところであります。さらに,地方分権推進委員会から,団体補助負担金の整理合理化や地方税財源の充実強化,必置規制の整理合理化などについての第二次勧告が近々出される予定と伺っており,地方分権の受け皿として,地方の側の体制整備のための一層の努力が必要とされております。

 このため,現在の「行政改革大網」の推進期間終了後の平成10年度以降も,従前にも増して強力に行財政改革を推進していく必要があり,今年度中に有識者で構成する「行政改革推進懇談会」の意見を踏まえ,新たな行財政改革大綱を策定してまいりたいと考えております。

 

 (首都機能誘致)

 

 次に,首都機能の誘致についてでありますが,去る4月7日には,参議院の「国会等の移転に関する特別委員会」の委員の方々によります,茨城中央地域の現地視察があり,当地域の優位性につきましてご理解をいただいたところでございます。

しかしながら,国におきましては,6月3日に,財政構造改革の一環として,「首都機能移転問題について慎重な検討を行うことを提起する」との閣議決定を行い,計画延期の方向で検討されていると聞いております。県といたしましては,首都機能移転は,東京一極集中の是正,国政改革の促進のみならず,我が国全体の災害対応力の強化を図るためのものであり,財政改革とは別の視点に立って早急に取り組む必要があると考えておりますので,今後とも国の動向等を十分に・見極めながら適切に対応してまいりたいと存じます。

 

(常磐新緑沿線整備)

 

 次に,常磐新線沿線開発についてでありますが,鉄道と沿線開発の一体的かつ円滑な整備を図る観点から,かねてより.豊富な技術的ノウハウを持つ住宅・都市整備公団に対しまして.葛城及び萱丸の2地区の施行を要請してまいりました。このたび公団から,事業に参画するとの回答を得まして,この2地区の事業主体が決定いたしました。これにより,つくば地区の沿線開発はもとより,新緑の整備にも弾みがつくものと考えております。

 

(都市緑化の推進)

 

 次に,都市緑化の推進についてでありますが,去る4月26日に国営常陸海浜公園で皇太子殿下・同妃殿下のご臨席を仰ぎ,第8回全国「みどりの愛護のつどい」が開催され,お蔭をもちまして成功裡に終了することができました。また,翌27日から5月5日まで開催いたしました「花と緑のフェスティバル いばらき97」には,県内外から約40万人の方々が訪れ,緯豊かな潤いのあるまちづくりを進める上で大きな成果をあげることがでさました。これを契機として今後とも,一層都市線化の推進に努めてまいりたいと考えております。

 

(腸管出血性大腸菌O157対策)

 

 次に,腸管出血性大腸菌O157による感染症についてでありますが,本年に入ってから,本県でも既に8名の患者が発生しております。これから食中春の多発時期を控え,県としても,早い時期から給食施設や食品提供施設に対する監視指導を徹底するはか,県民に対する広報,啓発に努めるなど,発生の予防に万全を期してまいります。

 

(「大河ドラマ「徳川慶喜」茨城県推進協議会」の設立)

 

 次に,ご承知のとおり,平成10年のNHK大河ドラマが,本県ゆかりの「徳川慶喜」と決定いたしたところでありますが,これを契機に本県の素晴らしさを県内外にPRし,観光客の誘致の促進などを図るため,5月21日に,県,市町村,民間が一体となった全県的な推進組織である「大河ドラマ「徳川慶喜」茨城県推進協議会」を設立いたしました。

 本協議会におきましては,偕楽園や弘道館,西山荘など慶喜公や水戸徳川家ゆかりの名所,旧跡などを中心に,本県の豊かな歴史・文化や観光資源を全国に紹介・宣伝することによって,本県のイメージアップを図り,観光・文化の振興と地域の活性化を強力に推進してまいりたいと考えております。

 

(21世紀に向けた産業振興方策の策定)

 

 次に21世紀に向けた産業振興方策の策定についてであります。まず、「21世紀新産業振興プログラム」を策定し、本県固有の情報・通信関連.新製造技術関連など9つの有望分野について,その振興方策を体系化いたしました。また,統一キャッチフレーズ「うまいもんどころ」を活用しながら,日本一の園芸県の実現に向け,本県園芸の一層の振興を図るため,「21世紀に翔く茨城の園芸プラン」を策定いたしました。

 

(インターハイ本県開催の内定)

 

 次に,全国高等学校総合体育大会(通称インターハイ)の本県開催について,去る5月27日付けで全国高等学校体育連盟から内定の通知をいただきました。今後平成14年度の開催に向け,会場地の選定や関連体育施設の整備など万全の準備を進めてまいりたいと考えております。

 

(県立施設等の整備)

 

 次に,県立施設等の整備について申し上げます。

 去る5月14日に「障害者なんでも相談室」を県総合福祉会館内に開設いたしました。この相談室におきましては,障害者やその家族の方々,雇用主や福祉施設の方々が抱えている様々な心配ごとや悩みごとなどについて,相談に応じるとともに,各種の情報提供を行ってまいります。

 次に,県南・県西地域のがんの高度専門的医療を担う筑波メディカルセンター病院地域がんセンターが,この4月に着工いたしました。平成11年のオープンを目指して,整備を促進してまいります。

 また,県立中央病院地域がんセンターと国立がんセンター中央病院との間を専用回線等で結び,テレビカンファレンスや遠隔診断,情報検索などの相互支援を行うがん珍療施設情報ネットワークシステムが5月8日に稼働いたしました。これにより,本県のがん診療・研究レベルの一層の向上が図られるものと期待しております。

 次に,8年連続で宿泊利用率全国第1位を記録している県立国民宿舎「鵜の岬」が去る4月29日に新装オープンいたしました。今後とも,他の観光資源との一層の連携を図りながら,本県の観光振興に大きく寄与でさるよう努めてまいります。

 また,工業技術センター内に整備を進めておりました清酒製造技術研究棟「造酒司(みきつかさ)いばらき」が5月13日に竣工いたしました。今後,この施設を拠点として,県産の良質な酒米や県独自の酵母を使用し,特徴ある「茨城の酒」の製造技術の研究開発に取り組むとともに,その普及や後継者の育成に努力してまいります。

 次に,稲作農家に対する先進技術の研修や最新情報の提供を行うための施設として,龍ヶ崎市に整備を進めてまいりました「茨城県水田農業支援センター」が6月5日にオープンいたしました。今後とも,技術レベルの高い農家の育成や産地間競争に打ち勝てる産地づくりに努めてまいります。

 また,本県の特用林産物の一層の振興を図るため,林業技術センター内に整備を進めておりました「きのこ研究館」が4月にオープンいたしました。最先端の研究機器を利用して,バイオテクノロジーを活用したきのこ類等の新技術開発や生産者に対する栽培技術指導などの支援を行ってまいります。

 次に,利根左岸さしま流域下水道が,6月1日に境町において供用を開始いたしました。県西地域としては,初の流域下水道であり,今後とも下水道普及率の向上に向けて,事業の推進を図ってまいります。

 次に,生涯学習の推進につきましては,これまで各地に生涯学習センターの建設を進めてきたところでありますが,6月5日に鹿行生涯学習センターが開所いたしました。また,土浦市に整備いたしております県南生涯学習センターにつきましても,本年10月の関所を目指し諸準備を進めてまいります。

 

(提出議案等)

 

 次に,提出議寮等についてご説明を申し上げます。

 今回の提出譲案は,条例その他14件,専決処分等の報告5件であります。

 条例は,改正するものが4件であり,「茨城県県税条例の一部を改正する条例」などであります。

 条例以外の議案といたしましては10件で,「北浦村を北浦町とすることについて」などであります。

 報告は5件で,専決処分の報告が1件,予算の繰越についての報告が4件であります。専決処分は,平成8年度一般会計の歳入が確定したことに伴う予算の補正などであります。

 以上で,提出議案等の説明を終わりますが,なお,詳細につさましては,お手元の議案書等により御審議の上,適切な御議決を賜りますようお願い申し上げます。




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水没車からの脱出実験

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特殊ハンマーを携帯○10分程度は沈まない○パニックが一番危険


 4月に発生した日立市留橋での落下水没による一家4名の死亡事故(※)をはじめとして、県内では今年になって、4件8名が水没によって死亡する事故が続いている。
(※)http://www.jsdi.or.jp/~y_ide/n_9704tome2.htm

1997/3/12江戸崎署管内2名死亡
1997/3/14麻生署管内1名死亡
1997/4/8日立署管内4名死亡
1997/4/27つくば中央署管内1名死亡


 こうした事故を受けて、茨城県警ひたちなか西警察署では、6月6日、ひたちなか港内にて、水没した車からの脱出実験を行った。

 砂浜に、自衛隊の協力により幅5m長さ10m水深2.5mの人工の池が作られ、この池に車を水没させ、実験が行われた。

 実験は3台の車を使って行われた。

 まず第一の実験は、軽自動車(スズキアルト660cc)を使って車の窓を木槌やハンマー、特殊ハンマーで割ることができるかの実験を行った。

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窓ガラスを室内から割る実験


木 槌



かなり力を入れて割ろうとしたが結局割ることができなかった。



金 槌



力を入れれば割ることができた。



特殊ハンマー



簡単に割れた。女性が行った実験でも、一撃で割ることが可能であった。

特殊ハンマー


 特殊ハンマーは、ドイツなどでは、携行が義務づけられている先が尖ったハンマー。柄の部分にはシートベルトを安全に素早く切るカッターとなっている。




二番目の実験では、乗用車を自力で走行させ水没させた。

実験車



2000ccクラスの乗用車(FF)



トヨタカムリ



搭乗者



3名



スエットスーツと酸素ボンベを装着



着水後15秒



ドアの隙間などから水が進入し始める

入水直後にエンジンは停止



水の勢いは思ったより強くない



約1分後



エンジン部が重いため、車は大きく前方に傾き始める

水没実験



パワーウィンドウは入水後1〜2分は使用できる



ある程度の初速で着水した場合は、乗用車はエンジン部を下にして、半回転することも多い。(屋根を下にして水底に沈むことがある)



3分後



全席の搭乗者の膝まで水が進入



後部座席は水没していない。十分に浮力が残っている。この段階で、ドアは水圧で開きにくい。

視界が悪くなり、ドアロックの場所がわからなくなる。

シートベルトを解除(切るより解除した方が早く簡単)



5分後



エアコンの空気吹き出し口4カ所から勢いよく水が進入し始める



水位は前席の胸のあたりに達する。



5〜6分後




ガラスを押しても開かない。ドア開放せず。パワーウィンドウ作動せず。
特殊ハンマーでドアの窓ガラスを割る。

二撃で割れる。同時にガラスの破片と、水が一気に流れ込む。

 



水が一気に入り込み内部と外部の水圧が等しくなるとドアは簡単に開く。



 



6分後



最後まで車内にいた搭乗員も脱出する。



完全に水没




実験に参加した読売新聞の吉田健一記者は、6月7日付の茨城県版に下記のような実験ルポを寄せている。

慌てず行動が大切と痛感

 記者は、この日の実験に参加、水没した状態からの脱出を体験した。車には、記者のほか、同署員二人がウェットスーツに酸素ボンベを装着して乗り込んだ。
 車を走らせ、スロープからそのままプールに「転落」。約15秒後には、ドアのすき間などから浸水しはじめた。水の勢いは思ったほど強くはない。エンジン部分が重いため、車は前傾し、約三分後にはひざのあたりまで水が入ってきた。
 約5分後、車内に4つあるエアコンの空気吹き出し口から、滝のように水が激しく流れ込み、水位が胸の付近まできた。「今だ」。そう心のなかで叫んで、特殊ハンマーで窓ガラスをたたく。ガラスは一回で簡単に割れたが、同時にガラス片と水が一気に流れ込んでくる。その3分後に車は完全に水没した。
 車内と外の水圧が同じになったため、ドアを容易に開けることができ、左足でけり開けて車外への脱出には成功した。水面に出たとき、フーツと大きく息を吸い込んだが、水もかなり飲んでいたのか、せき込んでしまった。
 比較的落ち着いていたと自分では思うのだが、水位が首のあたりまでくると、実験とは分かっていても焦ってしまい、「取ってはどこだ」と、手さぐりで必死に探してしまう場面もあった。ボンベを装着していなければ、きっとパニック状態に陥っていただろう。
 実験に参加して、万一の事故に備え、特殊ハンマーを車内に常備することと、実際に水に転落した際は、慌てずに出来るだけ早く窓を割って脱出することが必要だということを痛感した。
読売新聞1997/6/7茨城版:吉田 健一 記者

三番目の実験はワンボックスカーを使用して行われた。消防のレスキュー車で車を吊り上げ、背面(屋根)から水没させての脱出実験を行った。

実験車



ワンボクックスカー

マツダ「ボンゴ」2000cc



搭乗者



3名



スエットスーツと酸素ボンベを装着



着水約30秒後



クレーンで吊り下げていったワンボックス車は、車内空間が広く重心が相対的に低いため浮力が大きく逆さにはならない。横転をするような形で沈み始めた。

横転したため、搭乗者は上下左右の感覚がなくなる。




水没実験

約4〜6分



エアコンの送付口より、水道の蛇口のように水が流入。

車体は半分程度を水上に出し浮いた状態である。

ドアは水圧で開かず。

 



7〜8分



3分の1程度は水から上に出ている。



水没した面の窓ガラスを破り脱出開始。

一撃では脱出するに必要な大きさの穴をあけることは出来なかった。(3回目に割れる)

窓ガラスを破ると水が一気に進入してきた。

水が進入するとドアは簡単に開く。



8分後



完全に水没

 



 今回の実験の結論は、今後ひたちなか西署を中心に検証され報告されると思われる。

 実験に立ち会って感想として言えることは以下の3点である。

特殊ハンマーは必ず携行すべきである。

水没しても7〜8分近くは浮力がある。

何よりもパニックになることが危険である。


 したがって、万一水没したならば、

早めに窓を開く。(ドアはかなりの力でも開かない場合が多い)

まず、冷静に、深呼吸をする。(5分程度は水没しない)

ドアが開かないときは、特殊ハンマーを用意する。(シートベルトカッターとしても使える)

シートベルトをはずす(または、切る)。

ドアロックをはずす。

できれば、上着や靴、靴下を脱ぐ(なるべく身軽になる)

水が車内に侵入すると水圧を同じになり、ドアが開きやすくなる。

ドアを開け脱出する。




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