1997年10月

予算特別委員会で不法投棄問題を質す

平成9年度 第3回 定例県議会 予算特別委員会質問概要版

県議会予算特別委員会
平成9年10月20日

「伊奈・谷和原土地区画整理」地域の不法投棄問題


はじめに
不法投棄場所の確認
撤去費用の負担について
事業用地の決定、買収の経緯
事業計画の見直しについて
不法投棄の当事者への土地買い取り補償について
不法投棄廃棄物の撤去行政指導について
不法投棄防止のための設備充実
ソフト面の不法投棄防止策

  県立医療大学の現状と難病対策
県立医療大学付属病院の病床稼働率と待機患者数の推移
難病拠点病院の整備について



井手よしひろ

 常磐新線沿線の伊奈・谷和原丘陵特定区画整理事業用地から発見された廃棄物に関して、企画部長並びに生活環境部長、土木部長にお訪ねします。

 この問題は、昨年2月、常磐新線伊奈・谷和原駅を中心とする沿線の総合的開発が進められている「伊奈・谷和原丘陵部地域」におきまして、大量の廃棄物が発見された問題であります。

 県では、ことの重大さを認識し、工事を一時中止し、他の区域にも廃棄物が埋められていないか、総合的な調査を実施しました。

 その結果、調査をした8ヶ所の区域すべてで廃棄物が不法に投棄されていた事が判明致しました。

 その面積は、少なくても5.7haにおよび、深さは15mに及ぶとのことでした。

 そしてこの撤去には、30億円近い費用が見込まれていると一部新聞には報道されております。

 私もこの質問にあたって、去る10月10日に現地調査を行い、特に、不法投棄がもっとも広範に行われた谷和原村東楢戸地区を半日かけて重点的に調査致しました。

 現場に立ってまず驚いたのは、不法投棄の規模の大きさであります。調整池の工事で掘り出され、野積みされている土砂は草が生い茂っているものの、その間からは、建設用のコンクリートパイル、コンクリート管、鉄筋、木片、タイル片などの建設残土や、瓶、缶、ビニールなどの不燃ゴミなどあらゆる種類のゴミが顔を覗かせておりました。長靴や、安全グツのような靴でないと、立ち入りも危険ではないかと思われるほどでございました。

 そこで、企画部長にお伺い致します。

この5.7haにおよぶ不法廃棄物は、重金属や健康に害を及ぼす有害化学物質の心配はないとのご答弁でした。はたして、この8ヶ所以外に廃棄物が不法投棄された場所は、本当にないのでしょうか?

企画部長

 地元住民等に聞き取り調査を行って、ボーリング調査(24ヶ所)並びにサウンディング調査(218ヶ所)を行いました。この8ヶ所以外には、不法投棄はないと思われます。

 
井手よしひろ

 次ぎに、その撤去費用の問題であります。

 マスコミ報道では、「この廃棄物は、区画整理の事業主体である県が撤去するが、撤去費用は20〜30億円が見込まれ、そのツケが県民に回ってくるのではないか」との報道がなされております。

 不法投棄の撤去費用は、まず、廃棄物を投棄した者に求めるべきであり、次には、その土地の所有者に求めるべきであります。

 この点について、県の見解と処理財源をどの様に対応いくのか、お伺い致します。

 

企画部長

 不法投棄した者や、廃棄物が埋設している土地の地権者に費用負担を求めていくほか、特別会計の中で、事業の効率的執行に一層努め対応してまいります。

 不法投棄を知りながら県に土地を売った地主には、土地評価の下がった分の負担を求める。

 不法投棄を知っていた借地をしている地主には、減歩率の強化を求める。

 一般地権者の減歩率変更は考えていない。

 廃棄物の処理のために、一般財源を投入することは考えておりません。

  
井手よしひろ

 なぜこのような大量の不法投棄を、県が土地を購入したり、借地するときに発見できなかったのか疑問です。

 事業用地の決定、買収にいたる経緯を具体的に明確にご説明ください。

 

企画部長

 事業用地の決定、買収の経緯について説明します。

 伊奈・谷和原丘陵部土地区画整理事業の区域設定にあたりましては、常磐新線のルートと併せて検討を進め、四つの視点から区域選定をおこなっております。その視点は、

伊奈・谷和原の両町村にまたがる区域

駅から半径1kmで、概ね10分で歩ける範囲である300ha程度の面積が確保できる区域

家屋などの支障物件が少ない区域

農振農用地が少ない区域

の四つであり、地元町村とも協議し、昭和63年に設定したものです。

 今回、調節池の造成工事中に廃棄物が発見された谷和慮村の器機飛地内においては、昭和61年6月と平成元年4月に不法投棄事件が発生しましたが、いずれの事件でも、廃棄物の撤去といった行政指導がおこなわれたことから、影響はほとんどないと判断し、区域に含めたものであります。

 また、用地買収については、平成元年五月から平成四年三月までの三か年をかけて実施しております。

 一般的には、用地買収をする際には現況調査や補償物件調査を実施するのが通常でありまして、伊奈・谷和原丘陵部地区においても、これらの調査を実施して買収をおこなっており、当該箇所を買収する際にも現況調査を行い、周辺と同じ高さの平坦な土地であることを確認して買収をおこなったものであります。

 
井手よしひろ

 今回の撤去費用は、総額750億円の事業費の内、5%程度にのぼる計算となります。景気や土地価格の低迷、常磐新線自体の開通の遅れ、その金利負担等々、この土地区画整理事業自体の事業計画を抜本的に見直しする必要があると思いますが、その見直しの必要性と時期について土木部長に質問します。

 

土木部長

 土地区画整理事業の事業計画の見直しについては、常磐新線の開通時期の変更、宅地の需要動向等社会情勢の変化もあり、今後、地元と協議のもと、見直しが必要になるものと思われます。

 なお、廃棄物関連としましては、ゴミが埋まっている土地の減歩率の強化や、撤去の費用など、明確になった段階で、検討することになります。

 
井手よしひろ

 昭和61年に不法投棄をして検挙された首謀者S氏から、県は、区画整理事業用の土を16万7000立米購入しております。

 このS氏は、問題の土地に平成2年頃から大量の残土を保管しはじめました。

 そして、平成5年に区画整理事業が確定し、結果的にこの土地は、事業区域に指定されたわけです。県は、事業を進める支障になるこの残土を2億7000万円あまりで買い上げております。「補償した」と表現した方が正確ではありますが、結果的には、不法投棄の張本人から多額の買い物をしたことになったわけです。

 県民感情からすると、どうしても納得できることではありません。こうした残土補償の経過について土木部長からご説明下さい。

 

土木部長

 当該土砂の置かれていた土地は、従前より業者が建設用販売土砂の置き場として、借上げていたものであります。

 県が区画整理の造成工事を行うにあたり、置かれていた建設用土砂が工事に支障となることから、補償をしたものであります。

補償した土砂につきましては、当地区の工事にあたっては盛土材が必要であつたこと、また、移転補償と比較した結果、買い取り補償をした方が安価であつたことから、品質を確認の上、買い取り補償を行い、地区内の盛土用土砂として活用いたしました。

 
井手よしひろ

 公共事業を発注する行政としては、その処分が適正に行われたことを、最終段階まで確認するシステム作りが必要だと考えます。

 たとえば、産業廃棄物処分で行われているような数枚の伝票を確認することにより、廃棄物の経路を確認するようなマニフェスト方式の拡大運用を図るなどして、建設残土の処分を確認することも方策の一つと考えられるのではないかと思います。土木部でのご検討をお願いいたします。

 

 この土地は、昭和61年と平成元年の2回にわたって、不法投棄が発見され、業者が廃掃法違反で摘発されているイワク付き土地です。

 昭和61年の不法投棄に関しては、同年6月に関係者3名が逮捕され、62年には行政処分が下されております。更に、平成元年の不法投棄に当たっては、平成2年に行政指導が行われました。

 こうした2度にわたる不法投棄と行政指導の経緯の中で、この土地から不法に廃棄された廃棄物が、なぜ完全に撤去できなかったのか?県民の一人として大いなる疑問を抱くものです。完全撤去を指導できなかった理由について生活環境部長にお尋ねします。

 
生活環境部長

 昭和61年と平成元年の不法投棄については、委員ご指摘のとおり、いずれも警察によって検挙された事件であり、行政指導したところですが、全量撤去には至らなかったものであります。

 その理由についてですが、廃棄物処理法で撤去を命令できるのは、有害産業廃棄物が投棄されるなど「生活環境の保全上重大な支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるとき」に限られ、この不法投棄の場合は、投棄された物が建設廃材などであり、罰則が伴う撤去命令ができなかったため、行政指導で対応致しました。

 行政指導にあっては、相手方が従わない場合は、強制力がないため、完全撤去ができなかったものでございます。

 
井手よしひろ

 今回の不法投棄問題は、あまりにも大きなツケを県民に回したことになりました。

 2度とこのような結果とならないよう、不法投棄を防ぐ仕組みを作らなくてはならないと思います。

 そこで、不法投棄の防止策について生活環境部長に提案をさせていただきます。

 10月1日付で、県警本部から併任で警察官を廃棄物対策課に配置させたと伺っております。不法投棄に機動的な対策を講ずるためには、有効な手法であると思います。

 廃棄物が捨てられてしまってからでは、その処理に大変な費用と時間が掛かります。

 水際で阻止する体制整備がなんといっても必要だと思います。

 しかし、実情をお伺いいたしますと、この廃棄物対策課には、いざというときに赤色灯を回して現場に駆けつけられるような不法投棄パトロールカーが配備されていないと聞き及んでいます。このような車両の配置は、不法投棄撲滅への最低条件であると思います。

 更に、無線や衛星携帯電話などの通信機材の配備も不可欠であります。

 法的な判断がその場では難しい場合には、高性能のビデオ撮影機の備えも必要だと思います。政令指定都市のなかには、夜間でも撮影できる暗視カメラの装備さえ持っているところがあると聞いております。

 不法投棄への速やかな対応のために、緊急車両、通信機器、ビデオカメラ等の配備についていかがお考えでしょうか。

 

生活環境部長

 不法投棄への速やかな対応を図るための緊急車両等の配備についてですが、不法投棄現場から本庁や警察署との連絡体制を確保するための携帯電話の導入、現場写真を本庁に直ちに電送できるデジタルカメラの導入などを検討し、機動性の確保に努めて参ります。

 
井手よしひろ

早速通信機器やデジタルカメラ等への前向きのお答えをいただきました。

 しかし、肝心なパトロ−ル車両については、今後の課題ということでしょうか、ご返事はいただけませんでした。行財政改革の大命題の元、来年度の予算編成については、厳しい査定が行われることと予想されます。

 今回問題として取り上げている不法投棄の問題は、絶対に不法投棄は見逃さないとの、県の毅然たる姿勢を示す必要があります。

 その意味では、廃棄物対策担当と県警本部との連携、廃棄物対策の機動力向上の2本柱の確立が是非とも必要です。

 かさねて、緊急車両の配備はご検討いただきますことを要望いたします。

また、こうしたハード面の整備ともにソフト面の整備もご検討いただきたい。

不法投棄は、夜中や土曜・日曜といった役所が休みの日に行われることが多いのが実情です。

 現在、県では、不法投棄110番を実施していますが、夜中や、土日は留守番電話とのことです。24時間、365日不法投棄情報を受け付ける体制を整備する必要があると考えます。

 また、早期発見の体制を充実させるために、知事部局をはじめとして、市町村、警察だけに止まらず地域に密着し、機動力と公正さをもつ他の組織、例えば消防等との連携が必要であると思います。

 

生活環境部長

 24時間、365日、不法投棄情報を受け付ける体制の整備についてですが、県では、不法投棄の通報窓口として不法投棄110番を設置しているところであり、この活用について、ポスターなどでPRに努めて参ります。

 また、警察本部では.24時間体制で、110番通報に対応しておりますので、休日・夜間等でも、緊急の場合には、警察本部に直接つながる110番通報をお願いするよう広報して参ります。

 次に、早期発見体制の充実についてですが、市町村に設置を指導している「不法投棄監視員制度」の充実・強化に努めるとともに、他の機関の協力を得ることなども検討し、更に「土地管理者(地主)」や「県民」に対して不法投棄の防止について啓発を行い、早期発見・早朝通報体制を強化して参りたいと考えております。

 
井手よしひろ

 次に、衛生部長に県立医療大学付属病院の現状と難病対策について伺います。

 昨年12月に開院した付属病院は、県民から多大の期待を受けております。リハビリテーションという時代の要請に応えるその使命は非常に大きなものがあります。

 まず、開院以来の病床の稼働率並びに、入院待ちの患者数の推移についてお伺いいたします。

 

衛生部長

 県立医療大学付属病院につきましては、お陰様を持ちまして、リハビリテーション専門病院として、順調に運営されつつあります。

 まず、お尋ねの病床稼働率でございますが平成8年度が平均で、約47%、平成9年度上半期平均で、約70%となつております。

また、入院待ちの患者数は、月々によって異なつておりますが、例えば、一番多かつたのは本年3月末々46人、一番直近の9月未で18人となつておりまして、徐々に解消されてきております。

年/月

病床稼働率

月末待機患者

備  考

96/12

11.2%

18

 

97/1

34.9%

28

 

97/2

70.2%

30

 

97/3

73.8%

46

稼働率待機患者のピーク

97/4

65.0%

43

 

97/5

67.8%

29

 

97/6

76.8%

30

 

97/7

73.6%

31

 

97/8

72.7%

26

 

97/9

67.5%

18

 

(計画した稼働率を下回つている理由)

 県立医療大学付属病院は、開院いたしましてまもなく一年を迎えようとしておりますが委員ご指摘のとおり、病床稼働率は計画よりやや下回つている状況にあります。これは新設まもない病院であり、リハビリテーション専門病院としてのスタッフの習熟という面で、まだ十分でない面もあるのではないかと考えております。今後、スタッフの習熟度が増し病院の運営が更に軌道に乗っていくことになれば、稼働率の向上も図られていくのではないかと考えております。

 また、病院の病床稼働率をなお一層向上させるためには、臨床経験が豊かな、優秀な医療技術者(理学療法士・作業療法士)を確保していくことも重要でありますので、医療大学で養成しております質の高い医療技術者なども考慮しながら、医療技術者の活用、確保策について検討して参りたいと考えております。

 
井手よしひろ

 私は、目標の病床稼働率を確保するためには、OT、PTなどの専門職の拡充と、看護婦の増員並びに資質向上が不可欠であると思います。

 さらに、特別室いわゆる差額ベットなどの病室の改良などが必要だと思います。

 昨年12月の福祉衛生委員会の中で、私は、医療大付属病院を難病対策の拠点として整備することを提案いたしました。

 厚生省は、今年9月難病患者への一部治療費自己負担を求める代わりに、県毎の拠点病院と協力病院の整備方針を打ち出しました。

 国の新たな難病対策事業の柱の一つに、「重症難病患者入院施設確保事業並びに難病医療ネットワーク整備」があります。

 私は、この事業に対応して、難病のネットワーク拠点と拠点病院を県立病院に整備することが最も効率的であり、国の整備指針にも合致した方策であると思います。

 重症難病患者の入院施設確保事業並びに難病医療ネットワーク拠点整備についてのご所見を衛生部長にお伺いいたします。

 

衛生部長

 難病患者の受け入れ病院の確保についお答えいたします。

 議員のご指摘のとおり、国におきまし難病患者に対して何らかの負担を求める方向で見直しを行う一方、重症難病患者への対策の充実を図ることとしております。

 具体的には、各都道府県に平成10年度から二次医療圏に概ね1ケ所の割合で、重症患者の受け入れ協力病院を確保し、うち1ケ所を難病対策事業の拠点医療機関としてする方針であることが、先月開催されました全国主幹課長会議で説明があったところです。

 県としましても、重症難病患者の受け協力病院等の整備・確保は、患者さん本人だけでなくご家族のためにも是非とも必要であるると考えております。

 重症の難病患者さんやご家族にとりまして適切な医療機関が確保できるよう、その選定にあたっては、医療機関の規模、専門性、設備、あるいは交通の利便性等総合的に検討してまいりたいと考えております。



平成10年度 難病特別対策推進事業
重症難病患者入院施設確保事業(難病医療ネットワーク整備)
病状急変時や家庭における看護・介護ができなくなったときの医療提供とその情報ネットワーク作り。
<県>
難病医療ネットワークの運営
<拠点病院>
医療相談実施・入院促進事業・医療従事者の研究、研修・入院受け入れ/県で一ヶ所
<協力病院>
入院受け入れ/二次医療圏毎に1ヶ所




井手よしひろ

 以上で私の質問を終了いたします。

 今回は、現場の責任者である各部長にご答弁を頂戴しました。

 橋本知事におかれましては、ただ今の質疑の内容をご理解の上、厳しい財政状況下ではありますが、県民の生命・財産を守る基本の環境と医療の問題でございます。最終的なご英断をお願いいたしまして、質問を終わります。

 ご静聴、ご答弁ありがとうございました。




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二次医療圏毎に1ヶ所

ダイオキシン対策としてのRDF化施設

ゴミの固形燃料(RDF)化を考える

RDFとは、

 ゴミ焼却過程でのダイオキシンの発生が大きな問題となっている。

 一般に高温で安定して燃焼させれば、ダイオキシンの発生は抑えられると言われている。大都市においては、大規模な全連続燃焼式焼却炉(24時間稼働)でゴミを焼却処理する事によって、こうしたダイオキシンの発生が結果的に抑制する事ができる。さらに、大量のゴミを焼却する際に発生する熱を活用して、発電などに有効利用している事例が多い。

 その反面、大多数を占める中小自治体においては、ゴミの排出量が比較的小規模であるため、准連続燃焼式やバッチ燃焼式の焼却炉が多く用いられており、低温燃焼時におけるダイオキシン発生が懸念されている。更に、余剰熱利用発電等は、熱効率、採算性などの問題から実現されていない例が多い。発電に限って言えば、全国約1,900のゴミ焼却施設の内、発電を行っているのは約130カ所に過ぎない。

 こうした現状を打開する方策として、ゴミ焼却場の大型化広域化が計画されている。原則として、ゴミの処理は市町村のレベルで処理をされてきたが(いくつかの市町村が集まって作る広域事務組合の場合もある)、より広範囲な単位で、大型、高性能の焼却炉を設置する計画が進んでいる。

 焼却炉の広域、大型化とともに脚光を浴びているのがRDFである。

971023rdf RDF(Refuse Derived Fuel)とは、ゴミを熱圧縮・成形する事で固形燃料化したもの。紙屑、木屑、廃プラスチック等を粉砕して、一定の割合で混ぜ合わせ、熱を加えながら圧縮すると、プラスチック成分が紙や、木屑の接着材となって、炭状の固体ができる。この固体は、石炭と同じように燃焼し、都市で作られた石炭:タウンコールとも言われる。

 現在、一般のゴミには紙屑、木屑、廃プラスチック等と生ゴミが含まれている。生ゴミは乾燥させて、混ぜ合わせることになる。しかし、生ゴミの組成はその時の状態によって大きく変化し、均質のRDFを作ることは技術的に困難である。更に、そのカロリーも3,500〜4,000キロカロリーと生ゴミを混ぜないRDFと比べ7〜8割程度の熱量しかない。そのために、ダイオキシンの発生が増え、発電等の効率が落ちる傾向がある。

 RDFによるゴミのリサイクル化、低公害化と言っても、結論はゴミをいかに分別して回収するかというシステムの構築の問題に帰結するようだ。

技術開発の動向

 わが国では、1980年頃より事業系廃棄物を対象に研究開発が進められてきたが、最近では、厨房ゴミ(生ゴミ)を含む一般廃棄物の可燃ごみのRDF化が対象になっている。RDF製造システムは対象廃棄物によって異なるが、基本的には、破砕→選別→乾燥→成形という4工程で構成される。

 方式としては、乾燥後に成形あるいは成形後に乾燥するもの、含水率が低い場合には乾燥を省いて破砕後に成形するものもある。また、ダイオキシン発生抑止のために塩化水素の低減を目的に、生石灰を添加剤として加えたり、成形性の向上のために一定量のプラスチックを粘結剤として混合する方式もある。  

RDF化施設の現状

 現在、RDFは公共施設、工場、ホテルなどの冷暖房用熱源として使われている。RDFシステムを普及させるためには、発電用の燃料として本格活用されることが必要である。RDFに対する地方自治体の関心は高まっており、電力事業の規制緩和と相まって各地で事業化が進められている。

富山県福光町・南礪(なんと)リサイクルセンター

 富山県福光町では、南礪(なんと)リサイクルセンターの固形燃料(RDF)化施設が、稼働中である。国内では、現在8施設が稼働中である。

 福光町など2町1村の可燃ごみを年間4400トン処理する同センターの処理規模は1日7時間運転で28トン。ゴミを焼かないのでダイオキシンが発生しない。同センターのRDF化施設の建設費は約19億円。焼却施設なら約26億円かかったという。

 しかし、出来上がったRDFをどう処理するかが問題となっている。同センターで年間2,200トン生まれるRDFは約1,500トンが専用ボイラーを持つ福光町の老人ホームや同センターなどで燃料として消費される。残る700トンはRDF化施設を造った業者に引き取らせている。福光町以外の2町村で、RDF専用ボイラーを設置すれば、全量を使い切りことができるが、RDFを燃やす専用ボイラーもダイオキシン対策が必要になる。専用ボイラーの費用は通常の2倍以上で国の補助の対象外となっている。福光町以外の2町村でボイラー設置の予定はなく、現在のところ全国的にも、RDFはほとんど需要がないのが実状である。

 費用や用途では課題が多いRDFであるが、利点は大きい。同センターはRDF化の際、ダイオキシンの発生源となる塩化水素を除去。最終的に乾燥、均質化されるので完全燃焼しやすく、ダイオキシンは発生しにくい。焼却灰も約半分になる。RDFを焼却する同施設専用ボイラーのダイオキシン排出濃度は0.05ナノ(10億分の1)グラム。野焼きしても10〜20ナノグラムで、付近の「白馬山ろく環境衛生施設組合」の排出濃度22ナノグラムと比べても極端に低く抑えられている。

栃木県宇都宮市「地域エネルギーセンター」計画

 栃木県は、家庭の生ごみや紙、プラスチックなどの燃えるごみを固形化し、燃料として発電に再利用する「ゴミ固形燃料(RDF)発電」を、2001年度稼働を目標に計画を進めている。県内の家庭から出る可燃ゴミ(1500トン)の約半分(700トン)を燃料にして3700世帯分の電力を供給しようとする計画である。出力22,000キロワットのRDF発電施設「地域エネルギーセンター」を宇都宮市の郊外に建設する。燃焼後に出る灰は、溶かしてガラス状に固め、道路の舗装材などに再利用する。

 しかし、この計画には地元住民を中心とする反対が根強い。ダイオキシン対策の一つとして計画したRDF発電ではあるが、RDFを燃焼させれば、ダイオキシンが発生する可能性がある。そうした施設を地域内に設置することへの反発は強い。

参考:ちょっと待ってよゴミ発電

三重県のRDF化プラントと発電所計画

 三重県の場合を見てみると、RDFプラントを同県桑名郡多度町内に予定している。桑名市と周辺5町でつくる桑名広域清掃事業組合が更新時期の迫っている焼却施設の代わりにRDF化プラントを設置し、そばにRDF発電所を県が併設する計画である。

 こうした実績を踏まえたRDF発電所では、一日平均200トンのRDFを使う。発電機を2基置き、最大出力は14,000キロワット。一般家庭20,000万戸が一年間に使う電気を生み出す。平成10年度に着工し、2001年度稼働が目標である。

茨城県神栖町「再資源化センター」事業

 一方、茨城県においては、県と鹿嶋市、神栖町、波崎町の3市町は、鹿島臨海工業地帯の企業でつくる連絡協議会(鹿工連)と第三セクターを設立して、RDF発電に取り組むことを決めている。自治体が家庭ゴミを加工してRDFを製造し、企業から出る産業廃棄物とともに焼却、この際に発生するエネルギーを使って発電する方法で、2000年をめどに焼却、発電設備を備えた共同再資源化センターを建設する。工業地帯と行政が協力してゴミの再利用に取り組むのは、全国でも初めてのケース。

 計画では、事業には同県、鹿嶋市、神栖、波崎両町と鹿工連、日本開発銀行が出資し、共同再資源化センターと、3市町にそれぞれRDF製造施設を建設する。同センターでは、RDFと、鹿工連加盟企業(66社)の各工場から排出される木材、廃プラスチックなどを一日あたり約200トン焼却し、毎時約3000キロ・ワットを発電する。電力は各工場や公共施設で利用し、電力会社にも売電する。売電による収入は年間2億円を見込んでいる。総事業費は約55億円と見込んでいる。

 RDFは完全燃焼し、ダイオキシンなどの有害物質の発生割合を低く抑えられ、公害防止面での効果がある。また、共同処理で、現在、同工業地帯内にある企業の焼却施設40か所が約1/3程度減り、同工業地帯周辺の硫黄酸化物の濃度が現在の0.30ppbら0.05ppb減少することも見込まれる。

RDF利用促進へ規格化が不可欠:通産省が方針を検討

 通産省・工業技術院は平成9年7月、ゴミを固形化して作る燃料・RDFの成分や大きさなどに関する統一規格を定める方針を明らかにした。

 現在のRDFは、廃棄プラスチックを主原料としたものから家庭の生ゴミを乾燥させて作ったものまで多種多様な製品があるため、ダイオキシンの発生原因となる塩素の含有量などが製品によって異なり、RDFを燃料に使用している事業者からは「使いにくい」という声が出ている。

 このため工業技術院は、RDFの規格化が利用促進にも必要と判断し、日本工業規格(JIS)に準じた「標準情報(TR)」としてRDFの塩素含有量や発熱量、大きさ、水分含有率などの規格を1999年までに数種類に順次統一し、2001年度にはJISに格上げする方針を決めた。

RDF全国自治体会議の趣意書

 一般廃棄物処理をとりまく環境は、大きな転換期を迎えており、今般のダイオキシン削減対策においても大きな効果が期待されているRDFが各方面から注目されてきております。

 このような状況の下、全国の多くの市町村で一般廃棄物のRDF化の検討が始まっておりますが、社会システムとしてRDF化が進展するためには、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」等、法制度上の規制、補助制度、技術開発など解決すべき課題も多々残っております。

 このため、県内各市町村のRDFを集積し、これを活用したRDF発電システムを進めようと真剣に検討している三重、栃木県が、既にRDF化施設を建設または予定している南礪リサイクルセンター(富山県)、愛知郡リバースセンター(滋賀県)、桑名広域清掃事業組合(三重県)とともに、RDFに関する情報の交換や諸課題の解決のための国等への働きかけを行うことを目的とした標記「RDF全国自治体会議」の設立を目指し、各自治体に参加のお誘いを始めたところです。

 自治体が、RDF化に関する事業・計画等を進めようとする場合、検討の熟度が低かったり、庁全体としての方針が決定していない段階では、趣旨は賛同できても公式の場での意見表明や国に対して制度に係る要望等を行うのが困難なことが多いと考えております。

 そこで、方針を決定している私ども自治体が発起人となり、主旨に賛同していただける自治体を募り、RDF化に関する諸活動を展開しようと今回お誘い申し上げる次第でございます。

 なお、平成10年度の政府の概算要求に、本会議としての国への要望の主旨を反映させるという意味あいもあるため、6月下旬には本会議を設立いたしたいと考えております。

 会則や、事業計画、予算等については、発起人一同が相図って検討を進めておりますので、後日、より具体的な書面をお届けできるものと考えております。

企業の動向

 RDF製造装置あるいはそれを含めた発電システムについては、環境装置メーカーをはじめ、商社、住建業界などの参入が続いている。伊藤忠商事、川崎製鉄、川崎重工業、東京ガス・エンジニアリングが出資する「日本リサイクルマネジメント(RMJ)」と、荏原、石川島播磨重工業、三菱商事、フジタで構成する「J−カトレルグループ」が先行している。両者ともごみ固形化装置ですでに受注実績を持つ。

 先行企業以外の動きも活発化しており、神戸製鋼所は96年に実証施設を建設、RDF市場に参入した。また、産業廃棄物系のRDFでも川崎重工等メーカーの動きが活発化している。

 茨城県内では、住友金属が実証化プラントを設置して、研究を進めている。

 また、日立製作所では、日立工場内にRDF化施設を95年に完成させ、工場内のゴミのRDF化を行っている。日立電線でも同じような施設が平成9年10月に稼働開始予定である。

参考
鹿島共同再資源化センター計画
日立製作所のRDF化プラント




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公明グラフに動燃緊急調査が紹介される

公明県本部の動燃調査・公明グラフに紹介される

動燃、いまだ懲りず

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公明茨城県本部が東海事業所を緊急調査

 公明茨城県本部(鈴木孝治県本部長=県議)の原子力問題等調査特別委員会(井手義弘委員長=県幹事長、県議)のメンバーは8月29日、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)東海事業所(茨城県東海村)を訪れ、廃棄物野外貯蔵ピット内の低レベル放射性廃棄物のずさん管理や予算流用が明らかになった問題で、事業所内を視察するとともに、山村修同事業所長らに、今回の不祥事への猛省と今後の安全管理の徹底を厳重に申し入れた。

 一行はまず、山村所長らから今回の問題の概要や経過について陳謝、説明を受けた後、放射性廃棄物屋外貯蔵ピットを視察。同ピットにはウラン廃棄物が入った約2000本のドラム缶が赤茶色にさびて腐食し、雨水などがたまった滞留水に浸っていた。考えられないずさんな管理ぶりを目の当たりにし、一行は驚きの声を上げた。

 動燃側は、ピット周辺の土壌や河川、地下水、井戸水などの調査を既に開始しており、滞留水やピット内の廃棄物の処理を速やかに行うと説明。

 鈴木県本部長、井手幹事長らは、ドラム缶の腐食などの実態が科学技術庁などに報告されていなかったなどの無責任な管理体制や、ピットの改修とそれに伴う施設の予算を93〜97年度の5年間に約9億5000万円も獲得しながら、防水工事などに流用していた問題を厳しく指摘。「市民感覚と大きく懸け離れた安全管理に言葉もない。市民の信頼を取り戻すため、徹底した体質の改善を」と強く求めた。




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伊奈・谷和原丘陵部特定区画整理事業地での不法投棄問題について<その1>

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不法投棄処理に20億円。県、土地区画整理事業費より捻出。

 東京の秋葉原と茨城県のつくば市を結ぶ常磐新線沿線の開発で、茨城県が造成を始めた伊奈・谷和原丘陵部特定土地区画整理事業用地に、大量の不法廃棄物が埋められていることが判明した。

 伊奈・谷和原丘陵部特定土地区画整理事業は、2005年度(平成17年度)に開業予定の常磐新線の鉄道整備と、その沿線274.haを、新たに都市機能を持った地域に整備する事業である。具体的には、広域幹線道路や一般住宅や集合住宅、2つの小学校と中学校1つなどの教育施設を建設し、商業や業務施設を誘致する計画である。(詳しくは、常磐新線のホームページまたは、茨城県のホームページを参照) 

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 平成8年2月ごろ、伊奈谷和原駅(仮称)の予定地近く(谷和原村東楢戸)で、県が造成工事を始め、表層の土を取ったところ、下から大量の廃棄物が出てきた。

 県は工事を中断し、平成8年9月から平成9年3月まで、5,000万円をかけて区域内を調査した。周辺住民や地権者から聞き取り調査をし、8カ所をボーリングしたところ、調査したすべての場所で廃棄物が見つかった。合計面積では、5.7haに及ぶ。(左の図面 銑┐硫媾蝓

 特に、常磐新線と広域幹線道路が分岐する地点と調整池にまたがる地域(左の 砲蓮■.5haに及ぶ不法投棄が確認されている。

 井手県議は、97年10月10日現地調査を行い、同地点を2時間に亘って、重点的調査を行った。コンクリートの塊、鉄筋くず、鉄くず、ガラス瓶、ビニールシートなどが残土に交じって捨てられていた。残土が積み上げられ小山となった部分には、草が生い茂り、その間からコンクリートの固まりやパイルの破片が顔を覗かせている。平らな部分には、ガラスの破片や瓶の口金が露出し、うっかり歩くとけがをするのではと思われるほどである。埋設された投棄物の全体量は試算できず、その深さは15mに及ぶといわれている。

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 この不法投棄問題には三つの視点があると思われる。

 その第一は、処分費用の問題である。

 県(企画部常磐新線整備推進課)では、事業計画を大幅に変更することは困難であることから、この不法廃棄物を撤去し、その予算を土地区画整備事業費から捻出する方針を固めた。

 撤去費用は20億円から30億円と試算され。この地域の平均土地価格は1崚たり12,000円程度であるから、面積当たりの投棄物処理費は、土地価格の3〜4倍に相当する高額のものとなる。

 廃棄物が埋まっていることを知りながら土地を県に売却した元地権者に撤去費を求める方法もあるが、朝日新聞社の報道によると、地権者の一人は「残土処分場として貸しただけで投棄の事実は知らない。多額の撤去費を負担しろと言われたら一家心中するしかない」と話しているという。買収金額の何倍もの撤去費を請求することは事実上不可能である。また、ゴミを廃棄した当事者である業者の特定も困難を極めている。1986年と1989年に、地元の廃棄物業者とその関連会社が廃掃法違反で検挙されている。しかし、その業者もすでに存続しておらず、損害賠償を請求できる状態ではない。

 土地区画整理事業という特殊性から、直接県民の税金からこの処理費が支出されるわけではないが(一般会計からの支出ではない)、結局、県が施工する事業での収入からこの費用が捻出されるわけである。総事業費750億円の同区画整備事業の予算が大きく膨れ上がることは事実であり、万が一事業が円滑に進まなかった際の費用負担等大きな宿題を後生に残すことになる。
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草が生い茂った残土。コンクリート片や木片が露出している。
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平坦部には、ガラスの破片や、瓶の口金、金属片などが散乱している。
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建設残土から顔を出したコンクリートパイル。


 第二の視点は、この地域に投棄された廃棄物の危険性の問題である。

 10月10日に井手県議が行った現地調査等では、捨てられた廃棄物は建築廃材や缶・瓶類などの一般廃棄物しか確認できなかったが、重金属や毒性にある化学物質等が本当に存在しないか、十分に調査する必要がある。

 更に、第三の視点として、この土地の買収に関する経緯を明確にする必要がある。

 この地域では1986年頃こら、産業廃棄物が無許可で捨てられて問題になった。

 1989年、県は、この場所の約半分を、地元の農家から買い上げた。この農家の夫婦は、当時不法投棄を知っていたとみて、損害賠償を求めて提訴する予定。ただ、賠償額は、県が買った一部の土地についての数千万円程度とみられる。

 一方、廃棄物が大量に埋まっている中心部は県の借地で、不法投棄したと思われる業者に県が損害賠償を求めることはできない。この業者は1986年、この場所に不法投棄をして摘発され、1989年には関連会社が同様に摘発された。(当時の新聞記事を別項に掲載)

 県の買収は1989年5月ごろ始まった。県常磐新線整備推進課は、ごみは事件後、業者が撤去したと判断し、その関連会社から残土を約3億円で買い取った。

 なぜ廃棄物の有無について県がしっかりとした調査をしなかったのか、あえて犯罪を起こした関連会社から残土を買う必要があったのか、不自然な土地買収の過程に多くの疑問が残っている。
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コンクリートや鉄筋の廃材が無造作に捨てられている。
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投棄されているのは建築廃材だけではなく、家庭用の一般ゴミのようなものもある。
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常磐高速にほど近い廃棄物投棄現場。建築廃材が露出している。奥の林の中にも廃材が埋められているという。




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フロンガス分解装置が公明新聞全国版で紹介される

フロンガス分解処理装置・公明新聞に紹介される

回収フロン・・・急がれる処理体制づくり
茨城県が新方式の装置導入


公明・井手幹事長ら推進役を果たす

971012flon  地球を取り巻くオゾン層を破壊するフロンガス。ここ数年、ようやく全国の自治体などで回収システムが確立されつつあるが、回収したフロンを分解処理する体制づくりは遅れており、その処理に困っているところが多い。そうした中、茨城県は県公害技術センター内にフロン分解装置を設置し、今月から、県内の自治体が回収したフロンの分解処理に乗り出し、注目されている。わが国で初めて「触媒方式」という新しい分解方式を取り入れており、都道府県レベルでの分解装置導入は全国で2番目。

 水戸市石川町にある県公害技術センターの一角。新設されたフロン分解装置は、縦1.5m×横3.0m×高さ2.2mで、重量約2t。当初は可般式のものとして開発されたという。回収した特定フロンをこの装置に入れて水を加え、新たに開発された触媒(酸化チタン)を通すと酸性ガスが発生。これをアルカリ溶液で中和することにより、白い汚泥状の無害物質(塩化カルシウムとフッ化カルシウム)に分解される。

 この方式は、400度の低温で99.99%のフロンを分解することが可能。処理システムが簡素化されていることが特徴だ。ダイオキシンの発生も抑えるよう工夫されている。同装置の処理能力は1時聞1kgで、1日に約6kg。装置は日立製作所が開発した。

 同県では、1994年度の神栖町を皮切りに、現在、県下全市町村の79%に当たる67市町村がフロンの回収を実施している。昨年度は合計615kgを回収したが、分解処理については県外の産廃業者に委託するしかなかったため、約400kgは市町村がボンベに詰めたまま保膏している。

市町村保管分の分解をスタート

 そこで県は、今年5月に市町村や家電、自動車メーカーなどと「県フロン回収推進協議会」を設置し、分解処理の在り方などを検討。まず県が分解装置を設置し、当面は市町村に保管されているフロンを処理していくことになった。

 公明茨城県本部では、柳堀弘・神栖町議が県内で初めてのフロン回収実現を推進して以来、各市町村での回収実現に尽力。鈴木孝治、井手義弘の両県議も、フロン回収の推進や分解装置の導入などを早くから県に申し入れるなど、推進役を果たしてきた。

フロン分解施設は全国でまだ17ヶ所

 冷蔵庫やエアコンの冷媒、クッションなどの発泡、エアゾールやスプレーなどの噴射剤として広く使われてきたフロンガス。

 地球を有害な紫外線から守っているオゾン層をこのフロンガスが破壊していることが明らかになったのは80年代。以来、国際的にフロン全廃への取り組みが進められているが、使用量が世界2位(世界全体の15%)の日本の対応は遅れている。

 ようやく昨年1月に特定フロンの生産・供給が全廃されたが、以前に生産された冷蔵庫やエアコンなどの廃棄については、法的な規制や罰則は全くないのが実情だ。省庁の指導等で回収を呼び掛けているだけ。

それでも、自治体や企業などのフロン回収への取り組みは徐々に進んできた。環境庁の調べでは、フロン回収を実施している自治体は、96年度末で全国の市町村の61.0%(1986六市町村)。97年度以降の予定を含めると77.3%になるという。

 また96年度に回収された家庭用冷蔵庫は約78万台で、ここから回収されたフロンは約54tと、いずれも前年の約2倍に増えている。

 ところが、分解施設がどれだけ導入されているかとなると、民間と自治体合わせて全国でわずか17施設にすぎない。自治体では今春に群馬県が設置したのが全国初で、茨城県がまだ2番目だ。フロンガスは通常の環境では破壊されない安定した物質であるため、単に回収するだけでなく、きちんと分解させることが重要だ。ところが分解の技術はまだ開発途上の感があり、その方式も高温で行うプラズマ方式や焼却方式、化学的熱分解方式などさまざまな方法がある。

 現在、回収・分解されているフロンは、冷蔵庫やエアコンの冷媒として使われているガス状のものがほとんどで、「断熱材など発泡体として使われているものからのフロン回収は非常に困難」(環境庁)。ほとんどがそのまま空気中に放出されており、こうしたフロンを使ったさまざまな製品の回収・分解技術の確立も今後の課題になっている。




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フロンガス分解装置が稼働開始

フロンガス分解処理装置が稼働
茨城県公害技術センターに設置、県内市町村のフロンガス処理を実施

971007kougai  茨城県公害技術センター内に、フロンガス分解処理センターが完成し、9月より稼働を開始しました。

茨城県では、井手よしひろ県議らの提案により、平成7年度より県内市町村へのフロンガス回収装置の導入助成策が行われてきました。この施策により、主な市町村並びに広域事務組合にフロンガスの回収装置が設置され、オゾンホール拡大防止の着実な実績が上がってきました。

 県ではこうした現状を踏まえ、回収されたフロンガスを分解処理をする装置の導入を決め、日本で初めての触媒方式による装置を開発しました。

 井手県議は、鈴木孝治県議(公明・新進クラブ代表)とともに、10月7日公害技術センターを訪れ、青木義雄センター長より、フロンガス分解装置の概要や運用状況灯を聴取し、実際に稼働状況を視察した。

公明新聞で紹介される
 

フロンガス分解処理装置の概要

装置の特長
971006flon1 オゾン層を破壊する特定フロン(フロンガス)を、触媒(酸化チタン他)を使って効率よく分解する。
フロンの分解によって発生した酸性ガスは、アルカリ溶液(消石灰溶液)によって中和され安全に分解される。
アリカリ溶液は効率よく再利用される。
400度程度の低い温度でフロンの分解ができ、処理システムの簡素化、ランニングコストの低減をはかれる。
ダイオキシンの発生を極力抑えることができる。

装置の基本仕様
971007flon2 処理能力:1Kg/時間
装置寸法:1.5×3.0×2.2m(奥行き×幅×高さ)
装置重量:2t(4tトラックへの車載可能)
設置費用:2,000万円


問い合わせ先
  茨城県公害技術センター
  水戸市石川町1−4043−8
  電話029−252−3151




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平成9年10月県議会提出議案の知事所信表明・提案説明

平成9年 第3回定例県議会本会議 速 報

<平成9年10月6日 木曜日 午後1時開議>
平成9年 第3回定例県議会本会議 知事所信表明・提案説明要旨


 平成9年第3回県議会定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げますとともに、2期目の県政を担当するに当たりまして、所信の一端を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

(県政運営に対する所信)

 私は、平成5年に知事に就任して以来、「清潔で開かれた信頼の県政」、「県民とともにつくる連帯の県政」、「新しい時代を切り拓く創造の県政」の3つの理念を県政運営の基本といたしまして、県民の皆様方の幅広いご意見を伺いながら、「愛されるいばらきづくり」に全力で取り組んでまいりました。

 今回の知事選挙におきましては、こうした私の県政運営の基本姿勢に対しまして、大変多くの県民の皆様から、ご支持とご理解をいただき、その責任の重さに改めて身の引き締まる思いをいたしております。これからの県政運営に当たりましても、「清潔、連帯、創造」の基本理念の下に、生活者の視点を重視した施策の推進に努め、県民と共に考え、ともに歩む県政を推進してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 21世紀を目前に控え、我が国は今大きな変革の時代を迎えております。経済のグローバル化に伴う各国間の激化、金融ビッグバンに象徴される規制緩和の進展、世界に例を見ない速さで進行する人口の高齢化など、時代の大きなうねりは、戦後50年間にわたり我が国の繁栄をもたらしてきた社会経済システムを根底から見直すよう追っており、早急に対策を講じなければ、我が国の社会活力は急速に低下するのではないかと危惧されております。一方、私は、今回の選挙期間中.県内の全市町村をくまなく回り、郷土茨城の豊かさや発展可能性の大きさといったものを、改めて実感してまいりました。そして、この素晴らしい発展可能性を現実のものとし、本県を輝かしい21世紀へと発展させてまいりたいとの思いを一層強くしたところであります。

 このように、これからの4年間は、本県を取り巻く厳しい状況のなかで、21世紀に向けて、新たな発展の基盤づくりや少子・高齢社会への備えを進める大変重要な時期に当たります。

 私は、県民維もが、「茨城県に生まれてよかった、住んでよかった」と感じることができる、生さいきとした明るい住みやすい県づくりを進め、21世紀が茨城の時代となるよう、次のような基本的考え方の下に全力を冬くしてまいりたいと思います。

 まず第1に、「新しいゆたかさ」を実感できる社会づくりを進めてまいります。

高齢・少子社会が間近に迫るなかで、誰もが安全・快適な生活環境の下で、安心して、生きいきと暮らせる社会をつくっていくことは、喫緊の課題であり、全ての県民の願いであります。また、近年、経済の成熟化、余暇時間の増大などに伴って、人々の価値観は多様化し、こころの面での豊かさを求める傾向が一段と強くなってきております。

 このような状況を踏まえ、私は、県民の皆様が毎日の生活の中で「ものの豊かさ」と「こころの豊かさ」をあわせ持った「新しい豊かさ」を実感できる社会をつくっていきたいと考えております。

 このため、高齢者が健康で生きがいを持って生活できる、あるいはまた、病気になっても安心して住める地域社会づくりや、女性が仕事を持ちながらでも子どもを産み、育てやすい環境づくりなど、福祉や医療の充実になお一層カをいれてまいります。

 また、生活道路や下水道などの生活環境施設の整備、霞ヶ浦の水質浄化などの環境対策、防災体制の整備や交通安全の推進、原子力の安全確保にも努めてまいります。

 さらに、心豊かなたくましい子どもを育てるとともに、県民が身近なところで生涯学習や芸術・文化・スポーツなどの活動ができるよう多様な機会の提供に努めてまいります。

 第2に、「かがやく未来」の実現をめざし、バランスのとれた県土の発展に努めてまいります。

 21世紀は交流の時代と言われており、全国各地あるいは、世界との交流がますます活発化してまいります。本県が、その中で世界に開かれた県として発展していくためには、県土基盤の着実な整備が不可欠であり、特に、陸・海・空の交通ネットワークの整備は、21世紀を茨城の時代とするために、重点的に取り組んでまいらなければならない事業であります。このため、高速道路や港湾、さらには常磐新線などの整備を進めるとともに、百里飛行場の民間共用化を推進してまいります。

 また、国際化の荒波の中で厳しい環境にある農林水産業や商工業の振興に努め、県全体の均衡のとれた発展と県民の暮らしの向上を図ってまいります。このため、新品種・新技術の開発や「うまいもんどころ」を活用した農林水産物の販売促進、中小企業の技術の高度化、商店街の活性化や観光の振興などを図り、国際化時代に対応した魅力と活力にあふれた産業の育成に努めてまいります。

 また、本県には世界的にも優れた料学技術や産業技術が集積していることから、これらを活用して、科学技術先進県としての発展を図っていきたいと考えております。

 本県は首都東京に近接し、広大な平坦地を有しており、水資源にも恵まれているなど、全国でも有数の発展可能性を持った県であります。今後とも、「新しいゆたかさ」と「かがやく未来」の実現に向けて、「愛されるいばらきづくり」を300万県民とともに進めてまいりたいと存じます。

 第3に、行財政改革を進め、21世紀に向けた県政の推進体制を確立してまいります。

 現下の厳しい財政状況の中で、国、地方とも行財政の構造的な改革が大きな課題となっております。国におきましては、「財政構造改革五原則」に基づさ、集中改革期間における主要経費ごとの削減目標を定め、閣議決定するとともに、改革の実施を担保するための「財政構造改革の推進に関する特別措置法案」が、この臨時国会において審議されることとなっております。また、行政改革会議からは、簡素・効率的・透明な政府を実現するとの観点から中央省庁を再編する「中間報告」が出され、様々な議論が行われているところでございます。

 一方、本県の財政状況につきましては、県税収入が伸び悩むなか、県債残高の増こうや基金の減少が続いており、今のままの財政構造で推移した場合は、多額の財源不足になるものと見込まれており、極めて厳しい局面を迎えております。

 21世紀に向けて、本県を輝かしい未来に導いていくためには、今この時期に総力を挙げて行財政改革を行い、確固たる行財政基盤を確立していくことが不可欠であります。こうしたことから、議会の「行財政改革調査特別委員会」のご審議や民間有識者による「行政改革推進懇談会」のご意見などを踏まえ、「財政健全化方針」や「組織機構の見直し」などの具体的な検討を進め、今年度中に新たな行革大綱を策定し、行財政改革を是非とも成し遂げてまいりたいと考えております。

 第4に、地方分権を推進し、活力ある地域づくりを進めてまいります。

 国におきましては、近々地方分権推進委員会から第4次勧告が出されるとともに、来年の通常国会が終了するまでに、政府において「地方分権推進計画」が策定されることになっており、いよいよ地方分権の実現に向けて大きな一歩が踏み出されようとしております。

 国に対し地方分権を一層推進するよう引き続き働きかけるとともに、今後は、これらの勧告の内容を一つひとつ実現していくために、地方公共団体自らが努力をしていかなければなりません。地方分権の進展により、「自ら治める責任」はますます重くなり、地域間競争は一層激しくなってまいりますが、創意と工夫を凝らし、人に誇れる県づくりを進めていきたいと存じます。

 このため、本県自身が、県民の負託に応えていくために行財政能力を向上させていくことはもちろん、県から市町村への権限委譲なども進め、市町村が中心となった地方分権体制を確立するとともに、市町村の行財政能力の一層の充実を図るための広域行政の推進にも努めてまいります。

 第5に、女性の社会参画を推進するとともに、勤労者が安心して働ける環境づくりに努めてまいります。

 社会経済の発展や高学歴化の進展などにより、女性のライフスタイルや女性を取り巻く環境は大きく変化しており、女性自らの意識が高まるとともに、女性に対する期待も高まってさております。このようなことから、男女平等意識の普及に努めるとともに、女性が男性と同等の立場に立って、持てる能力を十分に発揮し、男女がともに地域社会づくりの担い手として活躍できるよう、男女共同参画社会づくりを進めてまいります。

 また、経済活動の国際化や規制緩和の進展などに伴い、産業構造が大きく変化する中で、企業も厳しい経営を強いられており、勤労者の雇用の安定が重要な課題となっております。このため、変化に対応した雇用対策や、時代にあった職業能力開発対策を進めるとともに、労働福祉団体などとも連携を取りながら、勤労者の福祉の向上を図り、勤労者一人ひとりが安心して働ける社会環境づくりに努めてまいります。

 以上、県政運営に当たっての所信の一端を申し上げましたが、これらの施策を実現していくためには、数多くの困難が予想されます。私といたしましては、渾身の力をふりしぼって努力してまいる決意でありますので、皆様方のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げます。

(原子力安全対策)

 続きまして、県政をめぐる最近の動きについてご報告申し上げます。

 まず、8月26日に明らかになった動力炉・核燃料開発事業団東海事業所のウラン廃棄物屋外貯蔵ピットの管理問題についてご報告いたします。

ウラン廃棄物屋外貯蔵ピットは、旧原子燃料公社の事業を承継した動力炉・核燃料開発事業団が、東海事業所におけるウラン製錬事業を廃止し、製錬工場を解体した際に発生した金属廃材、焼却灰などの低レベルの放射性廃棄物をドラム缶などに詰めて、昭和42年から貯蔵・保管している地下貯蔵施設でございます。

 今回の問題は、この貯蔵ピットに雨水の侵入や結露により大量の水がたまり、廃棄物が入っているドラム缶が腐食していることを長い間放置していたという放射性廃棄物のずさんな管理が明らかになったものであり、誠に速憾なことであります。

 ことに、昭和57年にピット内の水の除去や、廃棄物の異常の有無の定期確認を実施するよう科学技術庁の指導を受け、さらには、平成5年から9年にかけて、ピット内のドラム缶の処理を抜本的に改善するための予算措置を講じておきながら、これを先送りしてきたことは、安全管理意識の欠如と言わざるをえないものであり、8月27日には私から動燃理事長に対し早期改善と安全管理の徹底について厳しく申し入れたところでございます。

 県では、直ちに職員を派遣し、その状況を確認するとともに、8月27日に、関係市町村とともに原子力安全協定に基づく立入調査を実施し、さらに9月1日には、動燃理事長に対し、地元東海村長と連名で、貯蔵ピット内部の滞留水の適切な処理、貯蔵ピット周辺の放射能調査、放射性廃棄物の安全管理の徹底等の措置を要求したところであります。また、8月26日、28日の両日に、東海村、ひたちなか市と共同で事業所周辺の井戸水及び河川の川底の土を調査し、放射能は自然界に存在するレベルであり、環境や健康に影響を与えるレベルではないことを確認いたしました。

 さらに、9月9日から10日にかけて、県内原子力事業所の放射性固体廃棄物貯蔵施設125施設について調査したところ、動燃東海事業所の12施設について、保管管理上改善を要する点があり、動燃理事長あて改善措置を要求したところであります。

 次に、アスファルト固化処理施設の火災爆発事故を踏まえ、周辺市町村との連絡通報体制の確立を図るため、東海地区では原研東海など3事業所と9市町村が、大洗地区では、原研大洗など2事業所と10市町村が、県を立会人として8月22日に「原子力事業所に係る隣々接市町村域の安全確保のための通報連賂等に関する協定」を締結いたしました。

 また、原子力施設の事故時における県の初期対応体制の充実強化や県原子力防災計画の見直し等について検討を行うため、学識経験者、防災関係者などで構成する「茨城県原子力防災対策検討委員会」を毀直し、8月19日に第1回の委員会を開催いたしました。今後、国の原子力安全委員会や科学技術庁での原子力防災対策に係る検討状況も踏まえながら、より実効性のある原子力防災対策の確立に努めてまいります。

 一方、9月16日には、日本原子力発電株式会社東海第二発電所の配管溶接部熱処理作業を請け負った企業が、その熱処理作業の温度配線を改ざんしていたのではないかという疑義が生じ、18日には、当該企業が原研大洗研究所の高温工学試験研究炉の熱処理作業にも関係していたことが判明いたしました。

 資源エネルギー庁は、検討委員会を設置し検討を進め、10月3日に「焼純自体は適切に行われていると判断され、運転に支障はないと考えられる」と発表いたしましたが、県としては、原子力発電所等が立地する14道県と連名で、運転管理に万全を期することはもとより、原子力施投の法定点検全般の実施方法及び検査体制の抜本的見直しを行うよう国に要請したところであります。

(百里飛行場民間共用化)

 次に、百里飛行場の民間共用化についてでありますが、昨年12月に閣議決定された「第7次空港整備五箇年計画」に位置づけられましたことを踏まえ、現在、運輸省、防衛庁及び県の三者による会議を設置し、具体的な空港計画の策定に向けて、協議・調整を進めているところであります。

 また、去る7月末には、空港を整備するに当たっての諸課題について幅広い検討を行うため、地元町村長や学識経験者などで構成する「百里飛行場民間共用化推進委員会」を設置いたしました。

 さらに、「茨城県百里飛行場民間共用化推進協鶴会」につきましても、本年度から加入市町村を拡大するとともに、経済界など多くの団体に新たに加入していただくなど、共用化に向けた全県的な推進体制の強化を図ったところでございます。今後とも、これら推進組織との連携を進めながら共用化の早期実現を図ってまいりたいと考えております。

(衛生行政について)

 次に、美浦まさば病院に対する保険医療機関の指定解除処分に伴う入院患者への対応についてでありますが、転院等の相談に応じるため、衛生部内及び土浦保健所に対策本部をそれぞれ設置し、患者・家族に対する転院先病院の紹介等を行ったところでございます。その結果.8月9日までに入院患者全員の転院を混乱なく完了いたしました。

 また、茨城県赤十字血液センターにおいて労働争議が断続的に発生し、8月21日から計画的な採血業務が出来ない状況が続いておりますが、県といたしましては、同センターに対し血液確保を要請し、東京にあります中央血液センターに「血液供給対策本部」を設置していただきました。これにより、本県で必要とする血液につきましては、安定的に確保することができるようになりましたが、今後とも、医療機関への血液供給に支障のないよう、万全を期してまいります。

(商工業の振興について)

 次に、本年度の新規事業でありますマネジメントエキスパート派遣事業でありますが、経営戦略、マーケティング戦略など様々な分野でベンチャー企業等への経営指導を行う20名の専門家を委嘱し、6月25日にスタートいたしました。今後とも、当事業の利用促進を図りますとともに、将来の産業の発展を支える有望なベンチャー企業を支援してまいります。

 また、産業の空洞化が進行し、地域の衰退が懸念されている県北臨海地域の産業の活性化を図るため、国に申請しておりました当地域の産業集積活性化計画が8月29日に承認され、特定産業集積活性化法の対象地域に指定されました。今後、この活性化計画に基づき、関係機関と連携を解りながら、各種施策を積極的に推進し、県北臨海地域の産業の活性化を図ってまいります。

 次に、NHK大河ドラマ「徳川慶喜」につきましては、9月から弘道館や県内各地においてロケが行われ、来年1月からの放送に向けまして、順調に制作が進んでいると聞いております。また、水戸市と共同で千波湖畔に設置いたします展示館につきましては、現在建設が進められており、来年の1月中旬には予定どおり開館できる見込みであります。県といたしましては、今後とも、官民一体となった全県的な推進組織である「大河ドラマ徳川慶喜茨城県推進協譲会」を通じ、各種事業の展開や受入体制の整備を進め、大河ドラマ放送を契機とする観光・文化の振興を図り、本県のイメージアップに努めてまいります。

(水稲新品種の名称決定等について)

 次に、県が育成した水稲新品鍾「ひたち10号」についてでありますが、県民から名称を募集いたしましたところ、7千名を超える応募があり、その中から、「常陸の地から生まれた夢のような米」という意味で命名された「ゆめひたち」に決定いたしました。コシヒカリと同等以上に食味がよく、かつ倒れにくく栽培しやすい特徴がありますので、県といたしましては、来年から本格生産を行い、本県のオリジナルブランド米として首都圏を中心に売り出してまいりたいと考えております。

 また、本県産コシヒカリのPRを重点的に行うため、新米の出る季節に合わせ、9月にテレビCMを「水戸黄門」の放送前後を始め、計400本集中放映するとともに、一編成全車両を本県産米の広告で埋め冬くした電車を首都圏で走らせるなど、販売促進キャンペーンを積極的に展開してまいりました。今後とも、新品種の普及と合わせ、本県産米のブランド化と販売促進に努めてまいる所存でございます。

(常陸那珂埠頭株式会社の役立)

 次に、現在整備を進めております常陸那珂港の利用促進を図るため、利用者の需要に合わせて質の高い各種のサービス業務や港の施役管理を行う埠頭会社の役立が急務となっておりましたが、去る9月1日、県、地元市村、民間団体などが出資し、第三セクターである常陸那珂埠頭株式会社が役立されました。この埠頭会社が今後、中核国際港湾としての常陸那珂港の順調な発展に資することを期待いたしております。

(インターハイ競技種目別会場地の決定について)

 次に、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の本県開催についてでありますが、28競技の種目別会堵地につきましては、市町村の希望や関係団体の意向、競技施投や宿舎の状況などを考慮しながら慎重に検討調整を重ねてまいりました結果、31市町村で開催することに決定したところでございます。今後は、大会を成功させるため、市町村、関係団体をはじめ、県民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、開催準備に万全を期してまいります。

(県南広域工業用水運事業の通水について)

 次に、県南広域工業用水道事業の通水についてであります。

当事業は、霞ヶ浦を水源とし、県南地域の18市町村に対して、一日最大給水18万トンの計画で事業を推進しているところでありますが、去る7月1日に守谷ルートが完成し、阿見町、牛久市、守谷町に立地する29事業所に対し、給水を開始いたしました。今後とも、水需要の動向を見極めながら効率的な施設整備を進めてまいります。

(県立施設等のオープン)

 次に、国際港湾などの整備を進めておりますひたちなか地区において、株式会社ひたちなかテクノセンターの社屋が、去る7月22日に竣工いたしました。この社屋は、延床面棟約1万平方メートルで、最先端のコンピュータ機器が整備されているなど、全国有数の規模・機能を有しております。

 県といたしましても、この施設内に、テクノデザインセンターを開設し、中小企業の製品開発から生産・販売段階に至るデザイン活動を総合的に支援するため、デザイン開発機器の開放、デザインアドバイザーによる相談・指導などを行うことといたしました。また、特許広報類の閲覧サービス、休眠特許の有効活用などを行う、知的所有権センターも同社屋に移転整備し、中小企業の技術開発や技術力の向上を支援していくこととしております。

 次に、去る8月7日、国道354号水海道バイパス及び主要地方遣取手豊岡線、合わせて5.2キロメートル区間が開通いたしました。国道354号は、水海道市内において市街地を通過するため、交通渋滞が激しい状況でありましたが、このバイパスの開通によりまして、今後水海道市内の渋滞緩和が図られるとともに、本路線が県南西部を東西に結ぶ幹線道路として、地域経済の発展に大きく資するものと期待いたしております。

 次に、阿見町の清明川の調節池に、霞ケ浦の水質浄化のために整備を進めておりました植生浄化施設がこのほど完成いたしました。この施設は、水生植物(ヨシ、クレソン等)による植生浄化と.親水性のある広場や緯地など良好な水辺環境の創出を目的として整備したもので、今後さらに、疎(レキ)による浄化施設も整備し、河川の直接浄化を図るとともに、住民の浄化意識の高揚や河川環境保全への啓発を目指してまいります。、

 次に、土浦駅西口の土浦駅前地区第1種市街地再開発事業が9月30日に完了し、再開発ビルが竣工いたしましたが、このビル内に、県の施設として、県南生涯学習センター及び県南パスポートセンターを整備し、10月1日に関所いたしました。 生涯学習センターにつきましては、県南地域の生漉学習の中核施設として、多彩な事業を展開し、生涯学習の振興を図ってまいりますとともに、パスポートセンターにつきましても、駅前に立地するという優位性を最大限に活用し、パスポート取得者の利便の向上に努めてまいりたいと考えております。

(提出議案等)

 それでは、提出議案等についてご説明申し上げます。

 今回の提出議案は、予算の補正に関するもの6件、条例その他15件、公営企業会計決算の認定1件、専決処分の報告1件であります。

 まず、一般会計の補正予算についてであります。

 今回の補正予算の編成に当たりましては、現下の厳しい財政状況や行財政改革の流れを十分踏まえるとともに、平成9年度当初において年間総合予算を編成した点に留意しつつ、取りまとめたところでございます。

 このため、今回の補正予算におきましては、国庫補助金等の確定に伴うものやその後の情勢の変化に対応するために緊急止むを得ないものに限り予算措置を講ずることといたしております。

 特に、県単公共事業真につきましては、ここ数年景気対策等の観点から大幅な増額補正をしてまいりましたが、現下の厳しい財政状況を勘案し、今回は防災関連等緊急性の観点から真に補正の必要なものに限り措置することとし、15億2,800万円を補正計上しております。

 なお、県内中小企業者の資金需要に的確に対応するため、今後高い利用が見込まれます年末融資、パワーアップ融資につきましては、その融資枠の拡大を図ることといたしております。

 今回の補正予算の財源といたしましては、国庫支出金や県債のほか、所要の一般財源20億2,400万円につきましては、8年度からの繰越金を充当することといたしました。

 次に、公共事業以外の歳出の主なものについて申し上げます。

ワールドカップ財団役立のための出捐金  2億4,000万円
霞ケ浦の水質浄化等に向けた共同研究に要する経費  1、100万円
難病患者に対するショートステイ事業等に要する経費  300万円
中小企業向け年末融資等の融資枠の拡大(融資枠)  295億円
大河ドラマ「徳川慶喜」放映を契機とした観光振興事業  8,200万円
プレカット工場の整備に対する助成  3億2,700万円

などを計上いたしました。.

 これらによる今回の補正予算総額は、197億6,300万円で、この結果、補正後の一般会計の予算総額は、1兆1,220億2,000万円となります。

 また、債務負担行為としては、道路改築工事委託契約など新規5件、変更3件であります。

 次に、特別会計の補正予算についてであります。

 特別会計は、都市計画土地区画整理事業特別会計の補正など5会計の補正で、総額3億300万円となっております。

 次に、条例その他の概要についてご説明申し上げます。

 条例は、改正するもの3件であり、職員の退職手当等の支給の一時差止め等について、国に準じて改正しようとする、「職員の給与に関する条例及び職員の退職手当てに関する条例の一部を改正する条例」などであります。

 条例以外の議案といたしましては、12件で、警察署の備品の取得などであります。

 次に、認定は、平成8年度茨城県公営企業会計決算の認定であり、報告は、専決処分の報告であります。

 以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお、詳細につさましては、お手元の議案書等により、ご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。




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茨城県の公共工事受注ベスト20社公表

茨城県発注の公共工事受注業者を公表

平成5〜9年度・年度別受注上位51社ランク

 茨城県では、公共工事の入札・契約手続きの透明性、客観性を高めるために、平成5年度より1億円以上の工事について、受注した企業上位20社を公開しています。

 このページでは、直近5カ年(平成5年度〜9年度)の資料を公開するとともに、県議会議員井手よしひろの責任で、5年間の合計受注高上位42社の資料を公開いたします。なお、県議会議員の関連会社の資料は、議員の関連会社報告のページをご参照下さい。

 5カ年の受注合計上位51社
 平成7年度情報公開条例による関連会社報告

 なお、公開資料は茨城県土木部監理課建設業担当より公表されたものであり、JVについては、その出資比率によって受注額を按分して計算しております。
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※最終更新日:1998/Oct/1




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H5〜H8・4カ年の公共工事受注ベスト42社集計結果

茨城県発注の公共工事受注業者を公表

平成5〜9年度・5カ年の実績合計51社ランク

 茨城県では、公共工事の入札・契約手続きの透明性、客観性を高めるために、平成5年度より1億円以上の工事について、受注した企業上位20社を公開しています。

 このページでは、直近5カ年(平成5年度〜9年度)の資料を公開するとともに、県議会議員井手よしひろの責任で、5年間の合計受注高上位51社の資料を公開いたします。なお、県議会議員の関連会社の資料は、議員の関連会社報告のページをご参照下さい。

 年度別上位20社資料
 平成7年度情報公開条例による関連会社報告

 なお、公開資料は茨城県土木部監理課建設業担当より公表されたものであり、JVについては、その出資比率によって受注額を按分して計算しております。
平成5年〜9年実績
黄色の背景は県内建設業者

順位

企業名

所在地

受注件数

請負額(百万円)

1株木建設(株)東京都4121,244
2(株)岡部工務店日立市5617,857
3鈴縫工業(株)日立市3913,803
4(株)熊谷組東京都412,755
5(株)竹中工務店大阪府111,494
6武藤建設(株)常陸太田市289,439
7常総開発工業(株)神栖町418,932
8大成建設(株)東京都58,780
9戸田建設(株)東京都47,525
10五洋建設(株)東京都196,804
11(株)大林組大阪府56,575
12菅原建設(株)水戸市315,497
13東亜建設工業(株)東京都235,150
14秋山工務店(株)日立市174,862
15細谷建設工業(株)河内村184,070
16(株)フジタ東京都43,664
17(株)鈴木良工務店水戸市73,644
18(株)鴻池組大阪府13,449
19昭和建設(株)水戸市73,416
20(株)竹中土木東京都22,861
21(株)山本工務店土浦市42,477
22安藤建設(株)東京都22,451
23鹿島建設(株)東京都22,375
24西松建設(株)東京都12,237
25大都工業(株)東京都82152
26東洋建設(株)大阪府81,944
27東鉄工業(株)東京都61736
28佐藤工業(株)東京都11,686
29日産建設(株)東京都31583
30(株)奥村組大阪府31,488
31(株)大久保建設水戸市21,444
32(株)松村組大阪府11,357
33アキラ建設(株)下館市31,235
34若築建設(株)東京都41,176
35アイサワ工業(株)岡山県21,017
36前田建設工業(株)東京都31,002
37(株)戸田建設東京都1992
38日本国土開発(株)東京都2962
39森田建設工業(株)三和町2876
40東洋工業(株)水戸市2873
41常総開発(株)神栖町5854
42東亜建設工業(株)東京都4740
43(株)銭高組大阪府1739
44大日本土木(株)岐阜県2726
45(株)東京鉄骨橋梁東京都2719
46(株)染谷工務店水海道市1691
47佐々木工業(株)土浦4673
48(株)竹中工務店大阪府1667
49(株)黒澤工務店水戸市1596
50大昭建設(株)竜ヶ崎市3522
51下総工業(株)境町3515

※最終更新日:1998/Oct/1




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Nシステムをご存じですか? - Nシステムの効力を検証する

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Nシステムの効力を検証する


Nシステムは犯罪捜査に大きな効力を発揮していると思われます。しかし、その実態は、秘密のベールに包まれているのも事実です。警察当局が捜査の内容を公表することは、他の犯罪の捜査にとってマイナスになることも充分考えられるからです。ここでは、新聞の記事を中心にこれまでの犯罪捜査で、Nシステムまたは同様な自動車ナンバー記録装置が効力を発揮した実例を検証してみたいと思います。

一連のオウム関連事件    
信用金庫OLの誘拐殺人事件 平成5年 中央高速
富士フイルム専務殺人事件 平成5年 東名高速
愛犬家殺人事件 平成5年 関越道
つくば市の医師による妻子殺人事件 平成6年 茨城〜横浜
美容師バラバラ殺人事件 平成6年 福岡県
小田嶋被告の狂言誘拐・殺人事件 平成8年 横浜〜山梨

参考資料(新聞各社の記事より転載)


読売新聞 95.05.20日付け朝刊より転載
走行車記録装置が広域犯罪捜査に一役 オウム事件でフル活用

 一斉捜索以来、全国を目まぐるしく移動したオウム真理教幹部の動きを追うのに役立ったのは全国の道路網に設置された走行車の記録装置だった。広域化する犯罪捜査に今後も貴重な捜査手段となりそうだ。       (解説部 杉下 恒夫)
 現代は普通のマイカーでも道路を走れば二種類の監視装置に見張られている可能性がある。その一つは日本道路公団などの無人料金所入り口に車種判別踏板などと共に設置されている撮像機。車の大きさなどを自動的に判断して通行券を出す発券機の数メートル手前に設置されているもので、全走行車の下二けたのナンバーを記録している。
 記録の目的はドライバー同士が料金所入り口で受け取った通行券を途中のサービスエリアなどで交換して料金をごまかすことを防ぐため。狙いはあくまで不正料金防止で犯罪捜査ではないが、最近高速道路の入り口料金所の自動化が急速に進んでおり、記録される車は膨大な数に上る。利用の仕方によっては犯罪捜査に汎用(はんよう)することも可能だという。
 さらに警視庁などが一般道路などに設置しているのが「ナンバー(N)システム(自動車ナンバー自動読み取り装置)」などと呼ばれるカメラ装置。道路に置かれるカメラ類の設置目的は広域犯罪の捜査よりも道路の渋滞状況や違法駐車を中央のコントロール室ですばやく把握することに重点が置かれているが、犯罪捜査にも大きな威力を発揮する。
 「Nシステム」は七年ほど前から東京都内の道路などに置かれ始めた。仕組みは道路の上に突き出した鉄骨アームにカメラが据え付けられ、二十四時間、下の道路を走る車を監視する。画像は同時に警察本部の中央制御室に送られ、コンピューターと連動して下を走る車の文字とナンバーを瞬時に読み取る。
 事前に目的の車のナンバーをコンピューターにインプットしておけば当該車両がポイントを通過した瞬間に居場所をキャッチすることができる。カメラは高性能で夜間でも車の判別は可能だという。ナンバーをインプットしておかない場合でも後から残された記録を調べれば、どの車がどこを通過したか、追跡することは簡単だ。
 これまでにも茨城県つくば市の医師による妻子殺人事件で犯人が遺体を放棄するために横浜に向かったところが、このシステムに捕らえられ犯人逮捕の決め手の一つとなった。このほか、山梨県で起きた信用金庫OL誘拐殺人事件、富士フイルム専務殺人事件でも「Nシステム」が活躍したと言われる。
 今回の一連のオウム真理教事件の捜査でも、数十台の車に乗るオウム幹部の動きを追うことが事件解決の足掛かりにもなるため、「Nシステム」がフルに活用された。
全国に拠点を持つオウム真理教が相手の捜査だっただけに、このシステムがなかったら捜査に支障をきたしたことは間違いない。
 「Nシステム」が全国道路網にどれぐらい設置されているのか警察庁は公表していないが、「Nシステム」に詳しいドライバーたちは、都内だけで二十か所以上あり、全国では百か所以上あるだろうと推測する。
 道路を走る車がこのように正確に見張られていることは確かに広域犯罪の捜査などには重要な武器となるが、自分の行動がわけもなくだれかに監視されているとなるとプライバシー保護の面では少々疑問が残る。
 これに対し警察庁も道路公団も「業務に必要のない記録は保存していない」とドライバーのプライバシー保護には配慮している。
 駅でも空港でも銀行やコンビニエンスストアの店内でも常に何かのカメラに監視されているのが現代人の宿命だ。映像の利用の仕方によって監視カメラはオウム捜査のように役に立つが、悪用すると人権侵害にもつながる。運用者は良い面だけをうまく活用する規約を作成して、それを順守する努力をしなければならない。

朝日新聞 95.10.17日付朝刊より転載
路上の目(「みる・きく・はなす」はいま 第14部:1)

 <見られている>
 見慣れぬ四角い箱が、道路をまたぐ橋上に置かれている。中にカメラがあり、夜には、車が通るたびに、 淡く赤い光がまたたく。
 速度違反取り締まりなど交通行政をめぐる訴訟を支援している「道路交通民主化の会」で、この箱が話題 になったのは六、七年前からだ。
 代表委員の高山俊吉弁護士は「警察に聞いても、『秘密』。新しい取り締まり機かと思ったが、分からな いまま、会員から『発見した』という報告が次々と届いた」と振り返る。
 やがて、運営委員の浜島望さん(六二)が交通制御の技術者らに聞き回って、「自動車ナンバー自動読み 取りシステム」(Nシステム)とわかった。事件発生時の検問を補うとして、警察庁が導入したもので、赤 外線ストロボを備えたテレビカメラで、下を通過する車を撮影、コンピューターでナンバープレートを読み 取って、手配車両のナンバーと照合する仕組みだ。
 浜島さんは「コンピューターを使うから、データはいくらでも蓄積できるはずだ」と指摘する。
 収集したデータをどう処理しているのか。警察庁は「所管は刑事局で、一九八六年度に導入した」という だけで、「システムの概要や設置個所、運用状況は、捜査上の秘密で、一切ノーコメント」。

 それでも、事件のたびに、運用の実態が漏れる。
 昨春の福岡市の美容師殺人事件。遺体の一部を福岡から熊本まで捨てに行った容疑者の車のナンバーをカ メラがとらえており、容疑の裏付けに使われた。警察が容疑者の車に目をつけた日から、撮影日までさかの ぼると、少なくとも数日間はデータが保存されていたことになる。
 実は、このカメラはNシステムではなく、「旅行時間提供装置」のものだった。車を撮影して移動にかか った時間をはじき出し、混雑情報を運転者に知らせるのだが、撮影の仕組みはNシステムと同じだ。
 警察庁交通規制課は「読み取るのはナンバーの四ケタの数字で、原則として保存しない。ただ、各県警が 独自に設置しているので、運用状況はつかんでいない」と説明する。
 昨秋には、富士写真フイルム専務殺人事件で、容疑者が事件当日に東名高速道路などを走っていたことが 、Nシステムの記録分析から分かった、と報じられた。

 二つの事件をきっかけに、「民主化の会」はNシステムの設置個所を探し、東京で約六十カ所、全国で約 百二十カ所を確認した。
 高山弁護士は「当局は犯罪発生の前から、両システムで得た個々の車のデータを蓄積している。データを 分析すれば、だれがいつどこにいたかがわかる。捜査には有効でも、市民にとってはプライバシーの侵害」 と話す。
 関係者によれば、Nシステムは昨年度末で全国に約百五十カ所。今年度中に一気に約二百カ所増える見込 みだ。旅行時間提供装置は九三年度末で、全国七十五路線に設置されている。
 警察庁はさらに新しい交通管理方式を開発中だ。
 車に光通信装置をのせ、走行中の車から固有の認識番号を発信させる。路上に設置した感知器で受信、す いている道路に誘導する構想だ。感知器は今年度中に関東を中心に約一万基、都心部ではほぼ一キロおきに 置かれる。
 「このままでは、車の動きはすべて警察に握られる」と、浜島さんは懸念する。

朝日新聞 94.10.18付けより転載
組員逮捕、残る「なぜ」(企業襲撃 富士写真フイルム事件:上)

 未解決の企業襲撃事件が相次ぐ中で、やっと一つの事件が解決に向けて動き始めた。
十七日、富士写真フイルム専務、鈴木順太郎さん(当時六一)刺殺事件で、関西の暴力団員が逮捕された。しかし、背後関係や動機はわからない。指示したのはだれなのか。なぜ、鈴木さんをねらったのか。発生から二百三十二日目、捜査はこれから正念場だ。
 容疑者逮捕のきっかけは、「大阪ナンバーの不審な車が止まっていた」という多数の目撃証言だった。その車は二月二十八日の犯行数時間前の午後五時過ぎから、鈴木さん宅の周囲をゆっくりと走り回ったり、停車したりしていた。車から降りた若い男が、電柱の陰から鈴木さん宅をのぞき込むのも目撃されている。
 この車は事件当日などに東名高速道路を走っていたことが、速度違反車両を撮影する「Nシステム」の記録の分析でわかった。
 車の尾灯や車の形から、捜査本部は七五年―八五年式のトヨタ・クラウンとみて捜査。山口組系暴力団員が所有し、当日は、東京に来ていた沖野進一容疑者(二八)と、岡本大介容疑者(二四)の二人が乗っていたことを突き止めた。さらに、沖野容疑者は暴力団関係者と一緒に下見に行っていたこともわかった。

産経新聞 96.11.26付けより転載
小田嶋容疑者 窃盗容疑再逮捕 自分の車を偽装 ナンバープレート盗み取付

 警視庁捜査一課と渋谷署は二十五日、窃盗の疑いで、狂言誘拐を自作自演した自称デザイナー、小田嶋透容疑者(三九)=有印私文書偽造容疑などで逮捕、処分保留=を再逮捕した。
 調べによると、小田嶋容疑者は今年一月、横浜市都筑区の駐車場で、駐車中の乗用車の前部ナンバープレートを盗んだ疑い。
 小田嶋容疑者は直後の二月五日、多額詐欺事件で指名手配中の東和証券元課長代理、西村秀容疑者(三四)を四輪駆動車に乗せ、山梨県小淵沢町の貸別荘に送ったと供述。
 捜査一課は自動車ナンバー自動読取装置(Nシステム)の分析などから、四輪駆動車に盗んだナンバーが取り付けられた疑いがあるとみている。
 西村容疑者は今年二月、顧客だった女性会社役員(四二)ら三人から計三億九千万円を詐取したとされ、この直後から所在不明。小田嶋容疑者の借りていた別荘近くの長野県富士見町の山中から西村容疑者とみられる男性の絞殺体が発見されており、関連を追及する。
 また平成二年のサントリー株をめぐる詐欺事件の当時も、盗んだナンバープレートを自分の車につけるなどの工作をしていた疑いがあることが判明した。

読売新聞 95.1.7朝刊より転載

 埼玉県行田市持田三、会社役員、川崎明男さん(当時三十九歳)の死体遺棄容疑事件で、同県大里郡江南町板井、犬猫繁殖販売業、関根元容疑者(53)は六日、死体遺棄について大筋で認める供述を始めたが、偽装工作とみられる川崎さんの乗用車移動の状況が速度違反カメラによって撮影されていたことが、同県警捜査一課と行田署の調べで分かった。また、遺体の搬送には関根容疑者の大型キャンピングカーが使われていたことも判明した。黙秘を続けていた関根容疑者から供述を引き出す状況証拠の一つになったとみられる。
 調べによると、川崎さんの車は失跡翌日の一昨年四月二十一日午前二時四十分ごろ、JR東京駅地下の八重洲東駐車場に別の一台の車とともに入庫、川崎さんの車だけが乗り捨てられたことが確認されている。同県警で調べたところ、数時間前、関越自動車道を東京方面に走る川崎さんの車が道路に設置されたNシステムと呼ぶ速度違反車両撮影カメラに撮影されていた。
 一方、埼玉県警と群馬県警は六日夕、この事件の合同捜査本部を設置した。

朝日新聞社 93.8.27朝刊より転載
借金7000万円超す 身代金授受は指定場所近くで 甲府の誘拐殺人

 山梨、静岡両県警の合同捜査本部は、二十六日も朝から宮川豊容疑者を追及、身代金の置き場所となった中央道・一〇四キロポスト(標識)近くの境川パーキングエリアに、同容疑者が受け渡し指定時間の約三十分後までいたことを確認した。また、借金は七千万円以上あったことをつかみ、裏付け捜査をしている。
 調べによると、宮川容疑者は十一日夕、中央道上り線の一〇四キロポスト左を現金の置き場所に選び、受け渡し時間を午後五時五分に指定した。だが、身代金が置かれたのは五十分後の五時五十四分で、宮川容疑者は受け取りに失敗した。
 この間、付近の車両のナンバーを調べていた捜査員が、午後五時三十分ごろ、境川パーキングエリアに宮川容疑者の外車「オペル」が止まっていたことを記録している。
 また、通行券の指紋から、宮川容疑者は甲府南インタから中央道に入り、同パーキングエリアを経て、次の一宮・御坂インタで下りていたこともわかった、という。
 一方、宮川容疑者には、犯行の動機としている「三千万円の借金」を大幅に上回る七千万円以上の借金があったこともわかった。
 借金のうち、四千百万円の債権者が甲府信用金庫。今年三月、自宅を担保に極(限)度額五千万円内で融資を受けている。残りの約三千万円は、山梨県金融業協同組合に加盟する約百二十社以外の業者や個人からの借金とみられる。
 捜査本部は、宮川容疑者から甲府信金への返済に問題がなかったことから、残りの約三千万円の借金を重視している。高利の借金で、返済を迫られていた可能性が強いとみている。

朝日新聞 95/5/11朝刊より転載

大災害発生…現地へ急げ 警察庁、緊急援助隊創設 4000人体制で
 阪神大震災や地下鉄サリン事件を踏まえ、警察庁は大災害が起きると真っ先に現地に飛ぶ警察官のチーム 「広域緊急援助隊」を創設し、毒ガス事件に備えた防護マスクや地下街でも通話できる無線通信システムな どの装備を大幅に拡充することにした。十日決まった政府の補正予算案に、計六百七十九億円が盛り込まれ た。
 (中略)地下鉄サリン事件などの犯罪捜査や警備の面では、現在五百セットの防護マスクと防護服を約一 千六百セットに増やし、全国の警察本部に配備する。猛毒のサリンの中和剤を用意し、毒ガスを検知、分析 するための鑑定機器も充実させる。また走行中の車両のナンバーを自動的に読み取って手配車両を洗い出す 「Nシステム」の設置個所を大幅に増やす。

朝日新聞 95/9/29夕刊より転載

防弾チョッキや密輸監視の特殊ゴーグル 補正予算案に銃対策次々
 二十九日開会の臨時国会に提出される政府の補正予算案には、銃器犯罪対策費として二百六十五億円が盛 り込まれることが、同日までに固まった。警察庁の補正予算案は計五百七億円で、全体の半額以上が銃器対 策に振り向けられた。
 銃器犯罪対策費の主な内容は防弾チョッキ六万六千着、広域犯罪捜査に威力を発揮する自動車ナンバー自 動読み取りシステム(Nシステム)九十三基、動く標的などを使った実践的な射撃訓練ができるようにする 射撃場の改修九カ所、携帯型の銃器検索装置の導入など。(後略)





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