Yahoo!ニュース(2004/6/20)
「水郷」独り占め待った 商標登録めぐり3自治体対立
 「水郷」の文字の商標登録をめぐり、東西三つの自治体がバトルを繰り広げている。琵琶湖のほとり、滋賀県近江八幡(おうみはちまん)市が文字をあしらった図柄の商標登録を二度にわたり出願。これに「待った」をかけたのが、東の本家、千葉県佐原市と茨城県潮来(いたこ)市で、類似の図柄を既に使っているなどとする連名の意見書を特許庁に出した。同庁は「水郷は普遍的な言葉」などとして二度とも申請を却下したが、近江八幡市は図柄を修正して再挑戦する構えで、地元のシンボルをかけた争いはまだ続きそう。
 自治体間の競争の時代に入ったとはいえ、「水郷」を商標登録するのは、いささか無理があると思います。
 個人的な感覚では、水郷は東の「潮来」「佐原」、西の「柳川」といったイメージです。失礼ながら「近江八幡」を思い浮かべることは出来ませんでした。
 検索エンジンで調べてみると、
Gooの辞書検索「水郷」(大辞林第2版)
Yahoo!で「水郷」を検索
Googleで「水郷」を検索
 どう見ても、近江八幡が「水郷」を登録商標化するのは分が悪いのではないでしょうか。
<リンク>潮来市佐原市近江八幡市柳川市
Yahoo!ニュース(2004/6/20)
近江八幡の出願に潮来と佐原が意見書 「普遍的言葉」特許庁は却下
 発端は昨年五月。近江八幡市が地元農作物のブランド化を図るため、「水郷」の商標文字を特許庁に申請。同庁は、佐原市で既に「水郷ネギ」「水郷イチジク」などが商品化されていると指摘し、「普遍的な言葉で登録は認められない」と却下した。
 これを受けて近江八幡市は昨年九月、今度は「水郷」の文字に商人が乗った舟や植物「ヨシ」の絵をあしらった図案を再申請した。
 同市農政課は「商標を取得すれば農家の励みになり、地元の誇りにもなる」と意義を語る。「琵琶湖八景」の一つに数えられる同市は、昭和二十九年の市制施行時から「水郷」をシンボルにし、すき焼きを食べながら舟で周遊する「近江八幡水郷めぐり」が人気の観光コースだ。
 この動きに反発したのが、利根川をはさむ河港として栄えてきた佐原市と潮来市。広辞苑の「水郷」の欄にも「千葉、茨城両県にまたがる水辺地域の称」と記された本家だ。両市は今年一月、類似図案を使った包装紙や地域の歴史などの資料を特許庁に提出した。
 佐原では、家をつなぐ「十二橋巡り」が観光の目玉になっており、潮来と同様に「水郷」を冠した商品が多い。佐原市農政課は「水郷の名称は全国共通の財産。独占は良くない」と話す。
 二度目の申請も、特許庁は米や野菜など食品販売のためなので「産地が判別しにくい」などの理由で却下したが、近江八幡市は「絵と文字を組み合わせ、より地域性を打ち出して再提出を検討している」とし、登録をあきらめない構えだ。
 一方、九州の水郷・福岡県柳川市も申請の動きに困惑。川下りが観光産業の目玉の同市は「(北原)白秋のふるさと水郷柳川」のキャッチコピーを取り入れ、水辺の柳並木とドンコ舟の風情ある景観を守ってきた。「水郷はあくまでイメージを優先させた言葉。水郷と呼ばれる美しい街が増えるのはいいことだが、自分の街だけ特別視させるような行為は理解できない」(市広報課)と話している。
<参考リンク>「水郷」ブランド農産物(近江八幡市のHP)