昨年12月21日の定例記者会見で、東海村の村上達也村長は東海村議選について、「私が『脱原発』というアドバルーンをあげたのだから、各々の候補者は声を出してもらいたい」と発言。さらに、「立候補者は意見表明が必要だし、村民はそれについて判断する必要がある」と指摘しています。
一方、茨城大学地域総合研究所は、東海第二原発の再稼働問題に焦点を絞って、東海村議選挙の政治的、政策的な争点として東海村の有権者が何を重視しているかアンケート調査を実施。その結果を12月に公表しています。それによると、「東海第二原発の再稼働問題が、村議選の重要な争点の一つになると思うか」との設問に、「重要な争点の一つだと思う」人81.5%、「重要な争点の一つだとは思わない人」12.3%という結果で、大多数の人が地元原発の再稼働問題を選挙の重要な争点と考えていることが明らかになっています。
こうした客観的な情勢や有権者の思いとは裏腹に、東海村村内を歩いてみると、村議選各陣営の東海原発再稼働に関する議論があまりに低調なのに驚かされます。街頭で原発問題に言及しているのは、公明党や共産党、一部の無所属議員のみで、村内には選挙ムードの高まりも感じられません。
住民の多くが原子力関連事業に関わっている土地柄であるがゆえに、簡単には原発の廃炉や再稼働について、意見を表明できないという背景がそこにはあります。
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