車を運転しながらTBSラジオの伊集院光・日曜日の秘密基地の「日曜ゼミナール」を聞いていました。今日(6月19日)のテーマは「離婚」。アナウンサー安住紳一郎さんが、最近の「離婚」事情を様々な角度で分析していました。
 その中で気になったことが二つ。一つは、同居期間20年以上の熟年離婚が増えているという事実です。そして二つめは、離婚件数が、平成14年をピークに15年、16年と2年連続減少しているということです。
 同居年数20年以上の離婚は、昭和50年には6,810件で、全体の5.72%にすぎませんでした。平成16年度には41,958件と6.2倍に増え、割合も15,49%と3倍に増えました。ご主人の定年とともに、夫人が家庭を去っていくというようなドラマが話題を呼びましたが、こうした熟年離婚は既に定着してしまった感があります。
 もう一つ、最近の傾向で注目すべきが2年連続の離婚数減少です。平成14年度、年間289,836件とピークに達した離婚件数は、15年度283,854件、16年度270,815件と6%以上減少しました。
 この減少の理由については、失業率の増加や雇用環境の変化(正社員の減少、派遣社員の激増)によって個人の(特に女性の)経済力が安定しないため、離婚できない女性がふえていることが考えられます。また、「日曜ゼミナール」で指摘されていたのが、2007年度の「離婚急増現象」への懸念です。
 それは2007年4月より、厚生年金の制度が一部変わります。つまり4月以降に離婚する夫婦は、夫が過去の婚姻期間中に払った保険料に相当する厚生年金を、夫婦で分割できるようになります。分割の割合は、当事者間で話し合うのが基本ですが、結論が出なければ裁判所が決定します。分割できるのは、妻がずっと第3号被保険者だった場合、最大で夫の年金の半分まで。共働きだった場合には、夫と妻の厚生年金の多いほうから少ない方に、最大で二人の取り分が同じになるまでの分割が可能となります。
 結果的に、離婚に係わる経済的リスクを、厚生年金の分割という安定的な手法で回避できるようになるわけです。したがって、同じ離婚をするならば、2007年4月まで我慢するのが得策という判断により、離婚件数が一時的に少なくなっているという見方です。ただし、この理由付けは平成16年度の減少の説明は出来ますが、年金改革が話題になっていなかった15年度の減少理由の説明にはなりませんが...
 2007年4月からは、その反動で離婚数が急激に増えるのではないかと心配しています。
 離婚という不幸な現実。本当の意味で、その数が少なくなることを期待したいと思います。
参考:<離婚>平成16年人口動態統計月報年計の概況より
2004年の年金改革で「年金分割」が可能に
 現行の年金制度には、専業主婦が離婚した場合、老後の年金額が少ないという問題がありました。現状では、会社に長年勤めた夫は、老後に自分名義の厚生年金と基礎年金の両方を受け取ることになりますが、妻名義の年金は、40年加入しても月約6万6000円の基礎年金しか受け取れません。
 こうした点を改善するため、2004年度の年金改正では、妻がずっと専業主婦だった場合、結婚していた期間に夫が納めた保険料に対応する夫名義の厚生年金の権利を、最大で2分の一まで妻に分割できるようになりました。妻も共働きで厚生年金に加入していた場合には、分割を受ける側の取り分は、結婚期間の保険料に相当する厚生年金を夫婦で合算した額の半分まで分割できます。
 厚生年金の分割割合は、当事者同士で話し合った上で社会保険事務所に届け出ることになります。合意がまとまらない場合には、どちらか片方が請求すれば裁判所の手続きに持ち込まれ、調停などによって分割割合が確定されます。
 この制度は、2007年4月以降に成立した離婚に適用されます。それまでに、離婚した夫婦の年金が改めて分割されることはありません。
 また、2008年4月以降に妻が専業主婦(国民年金の第三号被保険者)だった期間分の年金については、妻の取り分は自動的に2分の一と決まることになりました。
 このほか、離婚しなくても、夫が行方不明などの場合にも、妻は分割を受けられるようになる。具体的な条件については厚労省が今後検討し、省令で定めます。
 分割された年金の支給は、元夫の年齢とはかかわりなく、妻自身が支給開始年齢に達した時点から始まります。元夫が亡くなっても停止されることはなく、妻が生きている間は支給が続きます。