高速堆肥化施設を民間業者に委託 
 高萩市の岩倉市長は、6月の定例市議会で、焼却処理を行わないゴミ処理システムの導入を公表しました。
 それによると、一般家庭から出る生ごみを高速に堆肥化する施設と、紙くずや木くずなどの可燃物を炭化する施設を赤浜地区工業団地内に整備します。
 また、これに合わせて既存の北部衛生センターごみ処理施設についても再整備を計画。旧焼却施設を解体後、跡地にリサイクル及び不燃ごみ処理施設を建設する計画です。新ごみ処理施設の整備費・用地費に15億円、旧焼却施設解体及びリサイクル施設整備費に、3億5000万円を予算化します。
 環境省の補助金(総事業費の1/3)を活用し、今年度、基本計画を策定し、来年度から着工します。平成19年3月の完成を目指します。
 新ごみ処理施設では、一般家庭から出る生ごみは一切焼却せず堆肥化します。一日10トンの生ゴミを処理し、年間で310トンの堆肥を生産します。生産された堆肥は、公園などの公共施設での使用や市内農家で使用、一般への販売などを行う予定です。
 堆肥化には適さない紙くず、木くず、プラスチックなどの可燃物は、炭化して処理します。炭化した生成物は燃料として、発電所等に販売することを検討します。
 堆肥化施設の管理・運営については、株式会社ジーセブン(福島県いわき市)に委託する方針です。、炭化施設については、機種の検討とともに委託業者を選定していきます。
 高萩市の新ゴミ処理システムは、ゴミの焼却処理を行わないためダイオキシンやCO2の排出が抑制でき、さらにゴミのリサイクルにも役立つ画期的な方式となります。
 反面、他に類例がないことや、民間事業者のノウハウに頼らざるを得ないことなど、課題も多いのが事実です。堆肥の質や売れ行き、炭化生成物の処分先なども不透明です。今後の具体的な議論が注目されます。

高萩市議会がゴミ処理関連議案を差し戻し
 6月23日の地元紙(茨城新聞・常陽新聞)の報道によると、6月22日、高萩市議会の6月定例会最終日に、岩倉幹良市長が緊急上程しようとしたゴミ処理施設関連議案3件が、市議会渡辺賢太郎議長によって差し戻されました。地方自治法では、首長が提出する議案の差し戻し(議会に上程しない)を想定しておらず、岩倉市長は臨時議会の招集をほのめかしています。
 市執行部は、2008年春の稼働や環境省への補助金申請などを考慮すると時間的に余裕がなく、6月議会での承認が必要であると主張しています。一方、議会側は議会運営委員会を開催しましたが、1.中間処理施設の処理方法や設置場所を計画に加えた理由などが不明、2.全体の建設基本計画が出されていない中での議案提出に対する不審、3.建設予定地住民への説明不足、などの理由で結論を出しことができませんでした。