水海道市の養鶏場で弱毒性の高病原性鳥インフルエンザ・ウイルス(H5N2型)が検出された問題では、弱毒性鳥インフルエンザの早期発見方法の確立が課題となっています。
 高病原性鳥インフルエンザは、家畜だけでなく人への感染リスクもあります。相次いだ鳥インフルエンザの発生を受け、農水省は昨春、家畜伝染病予防法に基づき、1000羽以上を飼う業者に対し、疑わしい事例は直ちに県に報告するよう求めました。さらに、毎週、飼育数と死んだ数などの報告を義務づけ、県家畜保健衛生所の獣医師らが「早期の発見」ができるよう監視を強化しました。
 昨年2月に京都で発生した鳥インフルエンザは、強毒性であり、当初1日100羽程度の死亡数が、10日余りで1万羽に達するという劇的な広がりを見せました。ところが、今回の事例では、1ヶ月平均の死亡数を見てみると、通常1日6〜7羽であった死亡数が4月に10羽を超えた程度で、死亡数によって鳥インフルエンザを疑うことは出来なかったようです。
宮本養鶏場でのニワトリの死亡数の変動
 死亡数平均備考
1月1847.6 
2月1796.3 
3月2247.2 
4月30810.2 
5月2688.9 
6月2289.923日迄

 死亡率が低い弱毒性鳥インフルエンザウイルスですが、感染を放置すれば、強毒性に変異する可能性もあります。現に、海外では、変異が大きな被害をもたらした事例も報告されています。
 今回、業者が危機感をもったのはニワトリの死亡率より、卵の採卵率の低下でした。採卵率が4割を切った5月23日に、業者は他の病気を疑って、民間の検査機関に検体を送りました。結果的に、それが弱毒性の鳥インフルエンザの発見につながりました。