年金改革の国会議論でも大きな話題となった年金基金運用の問題。「金利や株価の低下で6兆円の運用損が出ている」とマスコミ各社が取り上げていました。その2003年度の運用実績が、7月22日に公表されました。結果は、4兆4千億円の黒字となり、財政融資資金からの利子と合わせると、実質的に赤字は解消されたことになりました。
YOMIURI ON LINE (2004/7/22/15:52)
株価回復で年金運用4兆4千億円の黒字
 厚生労働省は7月22日、同省所管の特殊法人の年金資金運用基金による2003年度の公的年金(国民年金と厚生年金)積立金の運用結果が、4兆4306億円の黒字となったことを公表した。
 国内外の株価が回復基調にあったためだ。単年度の黒字は2001年度の同基金発足以来初めて。前身の旧年金福祉事業団時代を含めた累積赤字は1兆6411億円に減少した。
 2003年度は、約48兆円を市場で運用し、収益率は12・48%だった。投資先別では、国内株式は3兆9869億円(収益率50・3%)、外国株式は1兆912億円(同23・76%)の黒字だった。一方、国内債券は3452億円(同マイナス1・82%)、外国債券は105億円(同0・2%)の赤字となった。
MSN-Mainichi INTERACTIVE(2004年7月22日11時21分)
年金積立金:03年度の運用益は4兆7225億円
 厚生労働省は7月22日、同省所管の特殊法人「年金資金運用基金」の03年度の公的年金積立金(約147兆円)の運用結果を社会保障審議会年金資金運用分科会に報告した。国内外の株価が上昇する中、市場運用で4兆7225億円の収益を上げ、基金全体の収益は4兆4306億円となった。前身の旧年金福祉事業団時代から通した累積損失は02年度の6兆717億円から大幅に改善したが、まだ1兆6411億円の累積損が残されている。
 同基金では年金積立金のうち約54兆円と旧年金福祉事業団から引き継いだ資金を合わせた計70兆3000億円を管理。国発行の財投債引き受け分を除く約48兆円を市場運用。国内株式が50.30%、外国株式が23.76%の大幅な収益を上げた。基金全体での修正総合収益率は12.48%で86年度(17.07%)以来の高率。
 また厚労省は積立金のうち約93兆円を財政融資資金に預けており、03年度は約2兆4400億円の利子収入を見込んでいる。これを合わせると年金積立金全体の運用では約6兆8700億円の黒字となる見通し。
 なお、年金基金運用については、「年金基金の「?」について考える」(2004/5/3)を井手よしひろ県議のコメントを掲載しておりますので、ご参照下さい。
<リンク>年金資金運用機構のHP