YOMIURI ON LINE 医療と介護 (2004年7月24日)
臍帯血提供者が白血病、3例確認…移植なら発症恐れも
 白血病や悪性リンパ腫(しゅ)などの患者を治療する臍帯(さいたい)血移植で、臍帯血の提供者が、後に白血病を発病したケースが、今年に入り国内で3例確認されていたことが、7月23日分かった。
 臍帯血は凍結保存中で、いずれも移植には使われていなかったが、移植が行われていた場合、患者が提供者と同じ新たな白血病になる可能性もある。全国の臍帯血保存施設を結ぶ「日本さい帯血バンクネットワーク」では、提供者の発病を迅速に把握する仕組みを検討している。
 臍帯血提供者の白血病発症が分かったのは、東大医科学研究所や日大医学部が運営に加わっている東京臍帯血バンク。
 日大医学部の麦島秀雄教授によると、白血病を発症した3例は、全員が関東地方在住の5歳未満の幼児で、いずれも家族が主治医に、臍帯血を産まれた直後に提供したことを申し出たことから分かった。連絡を受けたバンクが臍帯血リストを調べたところ、3例とも凍結保存されたままで、移植には使われていなかったという。
 麦島教授によると、白血病を発症した提供者の臍帯血を使っても、移植を受けた患者が発症するとは限らないが、安全のため使用しないことが望ましいという。しかし、提供者が後で白血病を発症しても、保存施設に連絡がない限り、その事実を施設側が把握することはできない。
 こうした事態を受け、ネットワークでは現在、日本小児科学会などの関連学会に対し、小児がん患者に問診する際、臍帯血を提供したかどうか確認するよう呼びかけるといった対策を検討中。麦島教授は「白血病患者を診察した病院から、臍帯血バンクにもれなく通報されるシステムを確立する必要がある」と話している。
 さい帯血移植の重要性は日増しに高まっています。採取してからおよそ6カ月後、赤ちゃんの健康状態を尋ねるアンケートが送られ、この回答そのさい帯血が正式にさい帯血バンクに登録さる仕組みになっています。
 しかし、今回のケースでは、5年近く経過しており、白血病患者を診察した病院から、臍帯血バンクに通報されるシステムを整備する必要があります。
<リンク>井手よしひろのさい帯血移植をすすめるページ
<リンク>さい帯血バンクネットワークのHP