8月15日、自民党本部は小選挙区・茨城7区に故永岡洋治前衆院議員の妻桂子さんの公認を決定しました。
 8月12日の出馬表明で、永岡桂子さんは「永岡が果たせなかった皆さまとの約束を実現することが私の役目」と出馬への意欲を語りました。さらに、「正直で真っすぐな政治を目指したい。特に少子高齢化への対応、子供たちの教育、食の安全には力を入れる」と、女性ならではの観点で政策を訴えていくと強調。郵政民営化問題では「永岡が賛成したことは正しかったと思う。つまり賛成です」と明言しました。立候補の決意に至った経緯については「自民党県連や支援者から頼まれ、子供たち二人と毎晩悩んだが、『お母さん頑張ろうよ』と言ってくれた。出なければ後悔すると思った」と心境を明かしました。(桂子さんの発言は地元茨城新聞の記事より引用しました)
 7区は、ゼネコン汚職事件で斡旋収賄罪の実刑判決を受けた元建設相の中村喜四郎氏が、刑期を満了し無所属で立候補することが見込まれます。また、民主党からは五十嵐弘子さんが出馬し、三つどもえの厳しい選挙戦が展開される見込みです。
 もともと中村陣営が保守層を手堅くまとめた地域ですが、「(斡旋収賄事件での)前科者を地域の代表として国会に送り出すことは、我々7区の恥」(古河市の市議会議員)との声が象徴するように、改革を前面に打ち出した永岡陣営の弔い合戦が注目されています。
 私自身は、平成8年の永岡洋治さんの初挑戦から桂子さんを存じ上げています。洋治さんは一見近寄りがたい雰囲気を持った政治家でしたが、反面、桂子さんは優しい物腰の低い、人なつっこい夫人であった印象でした。テレビでの会見の模様を見ると、故人の後を継ぐという決意や緊張感が、厳しい表情に現れているようです。
 この茨城7区に旧来の利権政治を選ぶか、新しい改革の政治を選ぶかの縮図があるような気がします。