北関東比例ではあと26,916票で1議席
 今回の比例区公明党の総選挙結果は、ドント方式の微妙な数字に涙をのんだ結果となりました。9月10日の記事「比例区の当落を決める『ドント方式』とは」で触れたように、比例区の議席配分は得票を整数で割った値(商)をもって順位付けしていきます。
 公明党北関東得票の得票は、前回(平成15年の衆院選)を大きく上回る93万7,345票。これを1から順に整数で割っていくと、2位の候補は46万8,673票、3位は312,448票となります。一方、自民党の得票は、289万2,780票で、9番目の票は32万1,420票となり、北関東ブロック全体では20番目の票数となりました。したがって、その票差は、8972票となります。3で割っていますから、実際には26,916票上乗せしていれば、3議席目を確保できたことになります。約3%の上積みで現有議席を確保できたことになります。
 選挙は1票でも多いものが勝ち、と分かり切ったことですが、活動家があの時、あと1人声をかけていればと、悔やまれるものです。
 また、今回の比例選では想定外の事態も発生しました。
圧勝自民、配分議席が名簿登載上回る…超過分は社民に
読売新聞(総選挙2005 2005/9/12)
 衆院比例東京ブロック(定数17)で、自民党に8人目の当選枠が割り当てられるはずだったが、すでに名簿登載者全員が当選していたため、公職選挙法の規定により、代わりに社民党候補が当選した。
 名簿登載者の不足で議席が他党に配分されたのは、小選挙区比例代表並立制導入以来初めて。
 自民党の同ブロック名簿登載者は30人。内訳は比例単独6人、小選挙区との重複立候補24人で、23人が小選挙区で、7人が比例で当選した。
 公選法はこうした場合の名簿補充を認めておらず、自民党の圧勝を象徴する異例の事態となった。
 小選挙区との重複立候補者が小選挙区で当選していったため、名簿搭載者の数が少なくなってしまったために、当選枠が次点の社民党にわたってしまいました。1議席分とはいえ、自民党に投票した選挙民の意思は、無視されたことになってしまいました。小選挙区比例代表制の矛盾を感じる一幕でした。
北関東比例ブロックのドント方式による議席配分
 自民党民主党公明党共産党社民党その他
得票率42.0%32.8%13.6%6.9%4.7%4.3%
得票数2,892,7802,260,717937,345477,958323,979294,952
12,892,7802,260,717937,345477,958323,979294,952
21,446,3901,130,359468,673238,979161,990147,476
3964,260753,572312,448159,319107,99398,317
4723,195565,179234,336119,49080,99573,738
5578,556452,143187,46995,59264,79658,990
6482,130376,786156,22479,66053,99749,159
7413,254322,960133,90668,28046,28342,136
8361,598282,590117,16859,74540,49736,869
9321,420251,191104,14953,10635,99832,772
10289,278226,07293,73547,79632,39829,495