平成13年に悪性胸膜中皮腫で建設作業員の夫を亡くした取手市寺田の長谷川ハツ子さんが9月16日、「取手アスベスト被害者を支援する会」とともに、取手市役所内で記者会見し「中小零細企業の作業員と家族のアスベスト被害者を救済してほしい」と訴えました。
 夫の長谷川清さんは各地の建設現場で30年余働き、平成12年3月ごろ発病。会社を転々とし、最後の勤務先は従業員十数人の測量会社でした。せき込むなどの症状が出て病院に行ったときには既に手遅れ、発病から1年半後の平成13年8月に亡くなりました。
 最近のアスベスト被害報道で労災保険に気付き、支援する会の支援を受けて、遺族補償給付の申請手続きを始めました。
 長谷川さんは「労災申請できずにいる遺族はまだまだいるのではないか」と危惧し、申請の時効延長などを訴えています。
 長谷川さんを支援して、労災認定手続きなど手伝っているのは、「取手アスベスト被害者を支援する会」。公明党の取手市議である貫井徹さんが中心となって結成したボランティアグループです。代表の貫井さんは「零細企業で一生懸命はたらいて、アスベストの被害を受けて亡くなった方は、全国的にも非常に多いのではないかと思われます。被害の実態を広く知っていただき、一刻も早い被害者救済の措置を国に求めたい」と、支援ボランティア結成の動機を語っています。

(2005/9/30更新) 長谷川ハツ子さんと、「取手アスベスト被害者を支援する会」の代表メンバーは、9月29日、故長谷川清さんが勤務していたさいたま労基署に遺族補償年金支給請求書を提出し、受理されました。
中皮腫で死亡遺族補償年金支給請求
読売新聞(YOMIURI ONLINE 2005/09/30)
 アスベスト(石綿)が原因で発症するとされる中皮腫で4年前に死亡した取手市寺田、建設作業員長谷川清さん(当時52歳)の妻ハツ子さん(63)が29日、さいたま市のさいたま労基署に遺族補償年金支給請求書を提出し、受理された。清さんの最後の勤務先が同市内にあったためで、ハツ子さんは「無事に受け取ってもらった。あとは1日でも早く良い判断を下してほしい」と話していた。