男女共同参画社会の実現に向け、2006年4月から政府が実施する具体策を盛り込んだ第2次男女共同参画基本計画が、昨年末に閣議決定されました。この計画には、公明党の主張が大きく反映されたおのとなっており、特に、男女共同参画社会を推進するために重要なジェンダー(社会的性別)の定義が明確にされ、教育現場を含めて分かりやすい広報・啓発活動を進める方向性が示されたことに特徴があります。
 ジェンダーは、性別による固定的な役割分担や偏見を見直す上で欠かせない視点であり、国際的にも広く使われている概念です。しかし一部では誤解や誤用によって、過激な性教育や、「男らしさ」「女らしさ」を全てなくすといった非常識な解釈も見られ、現場に混乱が生じているのも事実です。
 そのため今回の計画には、ジェンダーの視点について「性差別、性別による固定的役割分担、偏見等が社会的につくられたものであることを意識していこうとするもの」と明記されました。
 男女共同参画を阻害する要因については取り除き、そうでない要因まで「見直しを行おうとするものではない」と明確に否定しています。
 男女共同参画の推進は、真に豊かで活力ある社会を築くための最重要課題であり、先進諸国に比べて著しく遅れている日本の現状から見ても、いっそうの努力が必要です。また、少子化社会の弊害を克服するためにも、どうしても推し進めて聞かなくてはならない課題でもあります。
 その上で、教育現場などでの混乱を避ける意味で、適切な「ジェンダー・フリー教育」が推進されるよう論点が整理されました。
 例えば、子どもの発達段階を踏まえない「男女同室着替え、男女同室宿泊」などを、男女共同参画の趣旨とは異なる不適切な事例として明示しています。
参考:第2次男女共同参画基本計画
「社会的性別」(ジェンダー)の視点
(第2次男女共同参画基本計画より)
1.人間には生まれついての生物学的性別(セックス/sex)がある。一方、社会 通念や慣習の中には、社会によって作り上げられた「男性像」、「女性像」があり、このような男性、女性の別を「社会的性別」(ジェンダー/gender)という。
 「社会的性別」は、それ自体に良い、悪いの価値を含むものではなく、国際的にも使われている。
 「社会的性別の視点」とは、「社会的性別」が性差別、性別による固定的役割分担、偏見等につながっている場合もあり、これらが社会的に作られたものであることを意識していこうとするものである。
 このように、「社会的性別の視点」でとらえられる対象には、性差別、性別による固定的役割分担及び偏見等、男女共同参画社会の形成を阻害すると考えられるものがある。
 その一方で、対象の中には、男女共同参画社会の形成を阻害しないと考えられるものもあり、このようなものまで見直しを行おうとするものではない。社会制度・慣行の見直しを行う際には、社会的な合意を得ながら進める必要がある。
2.「ジェンダー・フリー」という用語を使用して、性差を否定したり、男らしさ、女らしさや男女の区別をなくして人間の中性化を目指すこと、また、家族やひな祭り等の伝統文化を否定することは、国民が求める男女共同参画社会とは異なる。例えば、児童生徒の発達段階を踏まえない行き過ぎた性教育、男女同室者替え、男女同室宿泊、男女混合騎馬戦等の事例は極めて非常識である。また、公共の施設におけるトイレの男女別色表示を同色にすることは、男女共同参画の趣旨から導き出されるものではない。