少子化対策の中で、出産時に金銭を支給する制度に「ベビーボーナス制度」(Baby Bonuas)があります。日本の出産一時金(現状30万円、2006年10月から35万円)も、出産費を医療保健制度で補填しようとする制度で、この一種であるともいえます。
 海外の事例を見て見ると、オーストラリアが、2004年7月から出産給付(Maternity Payment)を支給開始しました。これは、所得には関係なく、出産があったすべての家族が対象です。現在は、3079オーストラリアドル(26万円)となっていますが、06年に4000オーストラリアドル(33万7000円)、08年に5000オーストラリアドル(42万2000円)に引き上げられる事になています。
 シンガポールのベビーボーナス制度はユニークです。2001年に導入されたベビーボーナスは、第1子と第2子は3000シンガポールドル(20万円)、第3子以降が6000シンガポールドル(40万円)を出産から18ケ月の間に分割して支給します。所得制限はありません。財源は、第2子から第4子までが親と国が折半して負担する貯蓄制度となっています。専用の積み立てられ、親の貯蓄と同額が政府から支給されることになています。
 一方、国内においては、都道府県では1例、市町村単位では431例、出産祝金として支給する事例が見られます。
 福島県の天栄村では、第2子1万円、第3子20万円、第4子30万円、第5子以降50万円を支給しています。
 また、同じ福島県の矢祭町では、第3子以降の子供が誕生するたびに、祝金として100万円という破格の金額を支給しています。この制度は05年4月に創設され、出産後3カ月に50万円、その後2歳から11歳までの10年間に毎年5万円づつ支給されます。人口増と人口定着をねらった政策です。