参考写真 茨城県は、小児科、産婦人科を中心に大きな病院も含め、大変な医師不足の状況にあります。医師の確保を図ることは、少子化対策などの面からも、重要な課題となっています。茨城県の人口10万人当たりの医師数は、昭和30〜40年代から、人口の急増に医師の数が追いつかない状態が続いています。平成16年12月末時点の医師数は4,483人で全国16位ですが、人口10万人当たりの医師数は150人で全国平均の212人を大きく下回っており、埼玉県に続き全国ワースト2位となっています。
 特に県北や鹿行地域での医師不足は深刻な状態に陥っています。県北山間ゾーンや鹿行ゾーンでは、人口10万人当たりの医師数は100人を切るなど、地域間に偏りがみられます。一番医師数の多いつくば・土浦を中心とする県南ゾーンと県北山間ゾーンの格差は3倍弱にまで広がっています。
 そこで県は18年度から、約5200万円の予算を投下し、医師確保の総合対策事業を展開することになりました。
 まず、県内高校出身で県外の医科大学に進学する人のうち、将来、県内の医療機関に従事する人に対し、月額10万円の奨学金を貸与する制度を創設します。卒業後、医師として県内の医療機関で6年間勤務した場合、奨学金の返済を免除します。
 後期研修医として、医師不足が顕著な小児科、産婦人科、麻酔科で1年以上研修した場合、全国で初めて年額25万円を支給します。子育て中に勤務する女性医師に対し、子供1人目に80万円、二人目に60万円を支給することになりました。
 また、筑波大学と連携し、「いばらき地域医療実習ステーション(仮称)」を県内6カ所に設け、医学生、研修医やUターン希望医師に実習の場を提供し、地域医療への定着を促進します。
【医師数】実数10万人当たり
H8年H16年増減H8年H16年増減
県北山間9092265.7870.064.27
県北臨海56762255106.26117.4311.17
県央80585954170.03179.939.91
鹿行2282492184.3089.525.23
県南1,7252,031306181.58207.4825.90
県西5606307092.64107.4814.84
県全体3,9754,483508133.89150.3616.46