2007年3月末で廃線に、存続を模索し通学定期の割引実験を開始
鹿島鉄道の始発・石岡駅 3月30日、経営危機に陥っている鹿島鉄道(石岡=鉾田間、27.2キロ)は、2007年3月末で運行を取りやめるとした「鉄道事業廃止届け出書」(廃止届)を国土交通省に提出しました。今後は、国土交通省関東運輸局が自治体や利用者団体から意見聴取を行い、廃止時期などを検討します。しかし、鉄道事業者が自主的に廃止願いを取り下げない限り、国や自治体に鉄道を存続させる権限はなく、廃止は秒読みの段階に入ったと言っても過言ではありません。
 廃止の理由を鹿島鉄道は、「経営改善5カ年計画に基づき、2002年から県、沿線自治体の支援を受け運行してきたが、利用者が減少し、経営が悪化している」としています。
 関東運輸局は、自治体や利用者団体などからの意見聴取を求める公示を、鹿鉄の主要駅や石岡市など沿線の市役所などに掲示。4月10日までに、代替交通機関のあり方や廃止期日の繰り上げについて、申請があれば、2カ月以内に意見聴取会が開かれます。(あくまでも、1年以内の廃止繰り上げの場合です)
 この廃止届を受けて横田凱夫石岡市長は「公的支援が継続されている中での廃止届の提出は残念。しかし、廃止届イコール廃止ではない。存続を視野に入れた協議を続けていく」とコメントを発表しました。
 沿線市町村等で作る鹿島鉄道対策協議会では、4月から、通学定期の利用者拡大を目指して、「通学定期の割引実証実験」を行っています。鹿島鉄道の通学定期を4月に購入した学生に限り、通学定期代金を2割引とします。
参考:鹿島鉄道のホームページ
参考:朝日新聞の特集「鹿島鉄道 どこへ?」