5月6日午後7時からTBSテレビで放送された「ぴーかんバディ!」という番組で、「白インゲン」によるダイエットが紹介されていました。白インゲンに含まれている「ファセオラミン」という物質が、炭水化物の吸収を抑制し満腹感を保ちながらダイエット効果が得られる、という内容でした。(すいません。私は実際に観たわけではなく、家内がそう説明してくれました)
 実際にネットで検索してみると白インゲン抽出物ダイエット(ファセオラミン・ダイエット)には、様々なサプリメント食品として紹介されています。
参考:白インゲンとダイエットで検索
 たまたま北海道産の白インゲンがわが家にはあったため、家内は知り合いの奥さんに手伝ってもらいながら、その豆を炒って、ミルに掛け、パウダー状の白インゲン粉を作ったのでした。
白インゲン 家内が試食してみろと私の書斎に持ってきたのですが、一口(スプーン5分の1程度)食べてあまりの青臭さに閉口してしまい、それ以上は遠慮させてもらいました。妻と知り合いの奥さんは、スプーンに一杯を試食したようです。
 しかし、悲劇(?)はその後に控えていました。早朝3時ごろになって、妻が七転八倒しだしました。ひどい嘔吐と下痢で苦しみはじめたのです。あまりの苦しみに、近くの総合病院に電話連絡し、念のために救急車で搬入されました。病院では、レントゲン撮影を行い、鎮痛剤を注射、脱水症状を緩和するために点滴を受けました。
 担当医師は「多分、豆に含まれている毒素のためでしょう。一日様子を見て情況が好転しなかったら、再度診察を受けてください。薬を出しておきます」とのことでした。
 この時点で、豆に毒素が含まれていることをはじめて知りました。
 テレビの録画を確認すると「豆を2〜3分、炒めてください」と説明しています。しかし、必要以上に火を通すとファセオラミン成分が分解してしまうともいっています。どうやら、その火を通す時間が短すぎて、そもそも白いんげんに含まれている毒素が分解されずに残ってしまったようです。
 夜が明けて、家内と一緒に試食した婦人も、一晩中、嘔吐と下痢を繰り返していたと電話がかかってきました。「そのせいか、だいぶ体重が落ちたようだ」とは、笑えない冗談でした。
 テレビの番組では、加熱が不足した場合の嘔吐や下痢の可能性にはまったく触れていませんでした。
 病院の治療費は、テレビ局に請求できるでしょうか?
 当分、我が家では豆料理は出てこないでしょう。皆さんもご注意ください。

 午後8:40ごろ、県の「食の安全対策室」より連絡が入りました。「厚生労働省がこの案件を重要視し、白インゲン豆の摂取による健康被害の事例が発生している場合には、監視安全課食品安全係まで報告するように都道府県に依頼した」とのことでした。
ぴーかんバディ!のホームページに掲載された内容(2006/5/8)
<注意>番組で紹介した『白いんげん豆を使用したダイエット法』への注意喚起について
参考写真5月6日(土)放送の健康情報番組「ぴーかんバディ!」で白インゲン豆を使用したダイエット法を紹介しました。
これは、白いんげん豆を3分程度炒ったものを粉末化し、ご飯にまぶして食べる等のダイエット方法です。
番組では、「豆は生で食べるとお腹をこわす恐れがあります」「豆にアレルギーのある方やお腹をこわす状態がつづいた方は食べないで下さい」「糖尿病の方は医師に相談してからにしてください」等の注意喚起を行いました。
しかし、放送後、一部の方々から『激しい嘔吐』『急激な下痢』等の症状を訴える苦情が、これまで30数件寄せられております。
TBSとしては、原因についてはまだ調査中ですが、今後も同じような症状を訴える方が発生する可能性があることから、番組で紹介した白いんげん豆を使用したダイエット法を控えていただくか、医師などの専門家の意見を求めた上で慎重に対応していただくよう、さらなる注意をお願い申し上げます。


ぴーかんバディ!のホームページに掲載された内容(2006/5/12)
<注意>番組で紹介した『白いんげん豆を使用したダイエット法』への注意喚起について
5月6日(土)の「ぴーかんバディ」内で紹介した『白いんげん豆ダイエット法』について、全国各地から“嘔吐”や“下痢”の症状を訴える苦情が多数寄せられる事態となりました。
体調を崩された方、及び関係者の方々、視聴者の方々に対し深くお詫びを申し上げます。
現在、この原因と番組内容の精査を行なっておりますが、現時点では、ダイエット効果があるとご紹介したファセオラミンは、今回の症状を引き起こしたものではなく、生豆に含まれるレクチンなどの成分が、加熱不十分のために残り、これが胃や腸の粘膜の炎症を引き起こし、嘔吐や下痢の症状に至った可能性が高いと見られます。
今後も、同様の症状を訴える方が発生する可能性があることから、番組で紹介した調理方法による『白いんげん豆を使ったダイエット法』は、お止めいただきますようお願いたします。
本件に関するお問い合わせ
フリーダイヤル:0120-666-836
メール:p-can@best.tbs.co.jp