少子化対策:乳幼児期の負担軽減、出産一時金の制度見直し
 5月15日、政府の「少子化社会対策推進会議」の専門委員会は、6月に閣議決定される政府の「骨太の方針」に盛り込む少子化対策の具体的施策について、報告書を取りまとめました。
 報告では、少子化対策を(1)地域や家族の多様な子育て支援(2)働き方にかかわる施策(3)経済的支援−−の3分野に分類しました。経済的支援では日本の制度は欧州諸国に比べ依然として限定的であると指摘。0〜3歳までの乳幼児期の子育てについて、新たな手当創設などを念頭に「所得水準が相対的に低い世帯では経済的な負担が大きい」と、支援充実の必要性を訴えています。
 また、出産にあたり「手元に現金を用意しなくても出産ができる工夫が望まれる」と強調。出産後に支給される出産育児一時金の仕組みを見直し、家庭が立て替えずに済む制度への変更を提言しました。子育て世帯への税制支援についても「検討を進める必要がある」としています。
 財源措置については、育児保険や子育て基金創設などを検討対象に挙げたが「社会で負担を分かち合う仕組みを議論していくことが必要」と指摘するにとどめ、裏付けは示されていません。
政府の「少子化社会対策推進会議」の
少子化に関する報告書の主な内容
<地域・家族の子育て支援>
 ・子育てマネジャーの育成
 ・地域子育て拠点の拡大
 ・学生の家族支援ボランティアの導入
<働き方に関する施策>
 ・女性の再就職支援
 ・育児休業の取得促進
 ・子育て支援に熱心な企業の優遇策
<経済的支援>
 ・出産育児一時金の前倒し支給
 ・乳幼児期の負担軽減
 ・妊娠中の検診費用の負担軽減
 ・子育て世帯への税制優遇

 政府の少子化社会対策推進会議の報告書が提出され、自民、公明両党案とともに政府・与党の少子化対策決定に向けたメニューが出そろいました。6月に閣議決定する政府の「骨太の方針」に盛り込む項目の最終調整に入ることになります。
 政府案では「子育てを支える環境が十分整備されていない現状では経済的支援のみでは子育ての安心感の保障にはつながらない」として「働き方の見直し」「地域や家族の多様な子育て支援」の二つを最優先課題としています。
 働き方では、育休取得率を上げるため、企業に休業者が出ても対応できるようなコンサルティングや代替要員確保、男性の育休取得促進に向けた助成金、パートへの厚生年金適用拡大などを盛り込みました。市町村と連携しながら助言する「子育てマネジャー」の設置や、妊娠中から相談できる態勢づくりなど、地域の支援も提言しています。経済的支援では、若年層の育児費用の負担軽減や出産育児一時金の立て替え払い見直しなどをあげています。
 この政府案に対して、自民案は経済的支援に重点を置き、公明案は経済手支援と働き方の見直しの両方について、具体的に最も踏み込んだ内容となっています。
 自民党は若い世代の負担軽減を重視。「子育て支援税制導入」などのほか、政府案では明記しなかった「3歳未満の手当の強化」などを盛り込んでいます。企業に対しては子育て支援企業への税制上の優遇措置や、入札時に優遇を与えることを提案。病児保育の体制整備等をうたっています。
 公明党は、長時間労働を是正するため、時間外労働をさせた雇用主に支払いを義務づけている上乗せ賃金の割増率を、現行の25%(休日は35%)から40%(同50%)に上げるよう具体的に提案しいています。非正規雇用でも一定年数継続雇用した場合は正規への移行を企業側に義務づけることや育休中の所得保障の引き上げなども盛り込みました。
 児童手当や不妊治療の公的助成の拡充なども提案しており、自民党、政府案より非常に踏み込んだ内容となっています。
 ただし、時間外手当の割増率アップなどの案には、経済界からの反発も予想されています。
参考:公明党「少子社会トータルプラン」の基本的考え方