「電脳化」指数 1位は韓国、2位日本
朝日新聞(asahi.com 2006年7月10日)
 国際電気通信連合(ITU)はこのほど、世界の人びとがどの程度、携帯電話やインターネットが利用できる状況にあるかを調べた世界情報社会報告書06年版をまとめた。情報通信インフラや携帯・インターネット普及度、利用料金などを加味した「デジタル利用機会指数」(DOI)の国別ランキングで、日本は韓国に次ぎ世界2位だった。また、インドや中国が急速に伸びていることがわかった。
 指数は、05年の携帯電話を持つ人の人口比率、1人当たりの国民所得に占めるインターネット料金比率、コンピューターを持つ家庭の比率、インターネット利用者に占めるブロードバンド化率などを総合。上位は韓国、日本の後にデンマーク、アイスランド、香港、スウェーデン、英国などが続く。下位にはアフリカ諸国が集中し、最下位はチャドだった。
 日本は、ブロードバンド料金の安さで韓国を上回り世界1位だったが、ブロードバンド普及率やインターネット、携帯の利用者の割合で韓国に及ばなかった。インターネット接続がある世帯比率は韓国が72.2%、日本が55.8%。ブロードバンド普及率は韓国24.9%、日本14.9%だった。
 01年調査との比較で指数が大きく向上したのはインド、中国、ロシア、ハンガリーなど。中国のブロードバンド普及率は2%に過ぎないものの、利用者数は約2600万人で日本の約1900万人をすでに大きく超えている。

 ITUは、電気通信に関する国際標準の策定を目的とする国際連合の下位機関で、本部はスイスのジュネーブにあります。世界情報社会報告書は、情報社会の発展に関するデータをまとめたものです。180の経済地域について、携帯電話のカバレッジ、通信料金、回線普及率など11の項目を「デジタル利用機会指数」(Digital Opportunity Index:DOI)という指標にまとめて公表しています。
 DOIが最も高かったのは韓国で、日本が2位。3位はデンマーク、4位はアイスランド、5位は香港と続いています。イギリスは7位、米国は21位でした。
 2001年と比較したの成長率では、インドが73%と最大の伸びを示し、2位は中国、3位はロシア、4位はハンガリー、5位はペルーとなっています。日本は9位で33%の伸長でした。
 ブロードバンド料金の比較では、日本のYahoo! BBが、100キロビット当たり月額0.07ドルと世界一安いという栄冠を獲得しました。2位は韓国のHanaro、3位はオランダのInternet Accessでした。
 ITUの世界情報社会報告書06年版は、まだホームページにはアップされていません。05年度版は、以下のリンクをご活用下さい。
参考:国際電気通信連合の世界情報社会報告書05年版