9月15日、県議会総務企画委員会および総務企画委員会と土木委員会の連合審議会が開催され、県住宅供給公社(住宅公社)と県土地開発公社(土地公社)の694億円に上る巨額の債務超過を県が肩代わりし、10年間にわたり分割して金融機関に支払う問題について議論しました。(毎年の県の負担分は56億円になります)
 井手よしひろ県議は、「破綻処理や民事再生などの別なスキムが取れなかったのか」と質しました。上月総務部長は「損失補償、債務保証の限度内であり、県は金融機関から公社の借入金全額の返済を迫られる。その上、時価で所有する土地の競売などによる価値の目減り分も請求されるため県民負担が更に増加する懸念がある。また、競売などにより割安な土地が大量に市中に出回ると、せっかく回復基調の土地相場に悪影響を与える。などの理由により、県が債務を肩代わりし一括償還することにした」と説明しました。
 また、連合審査では、県の新たな処理スキムでは、県の手持ち現金である歳計現金が枯渇し、金融機関から一時借入を行う必要があることから、井手県議は「一時借入金の見込み額と借入期間」について質問しました。県は「最大700億円で半年程度の借入が発生することが想定される」と答えました。さらに、一時借入金の利率を金融機関と交渉することによって、2公社の債務を一括償還し、50億円程度の費用の低減が見込めるとの答弁がありました。
 県民に多大な負担を求める処理スキムですが、現時点ではよりベターな方式であると判断し、県の原案には原則賛成いたしました。
参考:住宅公社、土地公社の債務超過解消に県費694億円投入
住宅供給公社県費投入
経費削減で影響回避
県議会で総務部長「破綻処理は困難」

茨城新聞(2006/9/16)
参考写真 巨額の債務超過に陥った県住宅供給公社などに対する県費投入問題で、上月良祐県総務部長は15日の県議会総務企画委員会・土木委員会で、県財政への影響について「歳出を徹底的に見直し、歳入の確保に努めたい。(県民サービスなど)どこかにしわ寄せが出ないようにしたい」と述ベ、財政全般にわたる経費の節減などで影響回避に努める考えを示した。細田武司氏(民主清新ク
ラブ)の質問に答えた。
 住宅公社、県土地開発公社の債務超過額は計約558億円。県は両公社の超過債務を今後10カ年かけて県費で全額処理する方針。両公社に対する毎年度の投入額は約50億円規模。住宅公社を破たん処理しなかった理由について、上月総務部長は「公社の借入金は県が全額を損失補償しており、破たん処理しても県の負担は軽減されない。破産処理すれば、公社保有地がより低い価格で処分されるなど、県負担がさらに増える懸念もある」と述べた。井手義弘氏(公明)の質問に答えた。
 両公社に対する総額694億円の支援策を計上した一般会計補正予算案は同日の総務企画会で賛成多数で可決されたが、細田氏は採決の際、「まだ理解できないところがある」として賛成には回らなかった。