12月11日の厚生労働省の特定疾患対策懇談会は、治療費が公費負担の対象となっているパーキンソン病と潰瘍性大腸炎について、症状の軽い患者を対象からはずすよう提言をしました。
 特定疾患は、原因不明で治療法が確立していない難病のことで、国は121種類の病気を指定、このうち特に治療が困難なうえ患者数が比較的少ない45疾患に医療費を補助しています。重症者は無料で治療を受けられ、重症者以外は収入に応じた自己負担となりますが、上限が月2万3100円と決められています。
 しかし、厚生労働省は早ければ来年度にも、パーキンソン病など2疾患について、重症者以外は補助対象から外す方向で検討を進めています。
 補助が打ち切られると、一般の病気と同様に3割負担となり、自己負担は一気に月3万円前後になります。(高額医療費の限度額まで負担が増えます)
 特定疾患の予算は、病気の追加指定や患者増に伴って増え、平成18年度は約240億円に上ります。厚労省は患者数5万人未満の疾患を医療費補助の目安としてきましたが、潰瘍性大腸炎が約8万人、パーキンソン病は7万3000人と、患者数が突出して多く、2疾患合わせると患者数で29%、予算額は26%を占めるまでになってしまいました。潰瘍性大腸炎では補助対象者の66%が軽症で、パーキンソン病も5〜7割が重症ではないと推定されており、両疾患の補助対象を重症者に限定すれば、40億円近くを削減できる計算です。
 これを受けて、公明党は「潰瘍性大腸炎及びパーキンソン病の現在特定疾患治療研究事業の対象となっている方々に対し、引き続き医療の継続が図れるような措置を講じる」よう、政府に強く働きかけを行いました。
 12月15日の厚労省への要望では、石田副大臣から「与党の意向を受け、しかるべく対応する」という回答を引き出しました。これにより政府の「特定疾患対策懇談会」において軽度の潰瘍性大腸炎とパーキンソン病を事業からはずすという結論を覆し、公費助成が継続できることとなりました。
 今後の難病対策のあり方については与党において引き続き検討していくこととなります。

(2006/12/19深夜更新)
難病患者の医療費補助見直し 二転三転
ブログ「二人三脚」(2006/12/19付け)より引用
 ところが、今日、全国パーキンソン病友の会からFAXが入り、「当面は従来どおりの支援を継続することになった」と各県パーキンソン病友の会へ通知していたが、本日12月19日になって、「従来どおり継続することはできない」ことになったという旨のFAXが入った。
 現場は混乱しているようです。改めて、明日、厚労省の対応について問い合わせをしたいと思います。

(2006/12/20 14:05更新)
 厚生労働省関係者に確認しましたところ、現在、補助を受けている患者さんに関しては、そのまま補助が継続できるとのことです。
 ただし、新規の患者さんで、軽度の方の取り扱いは、今後の検討課題となるとのことでした。