気象庁は06年12月から「緊急地震速報」を開始しました。地震の最初の揺れ「初期微動」を観測し、現在地に揺れが到達する前に地震が起こることや推定される震度などを知らせるもので、これを利用したサービスが、いよいよ本格化してきました。
 気象庁の「緊急地震速報」は、日本全国に1000台設置した地震計を使って、地震発生直後に震源に近い地震計で捉えた観測データを解析し、震源地や地震の規模(マグニチュード)を即座に推定、情報を発信するサービスです。
 各地点で最も強い地震波が到達する時刻や震度を推定し速報するため、揺れる直前に「まもなく地震が来る」という情報を得ることができるのが特徴となっています。配信は気象業務支援センターが行っており、情報は有料で月額約5万円です。
 地震が起きると、初期微動(P波)に続いて、大きな揺れを起こす主要動(S波)が到来します。P波は秒速約7キロで、S波は約4キロ。緊急地震速報は、この速度の違いを利用し、観測されたP波から、大きな揺れが到達するまでの時間や震度を伝えるものです。例えば、気象庁は、マグニチュード8級の東海地震が起きた場合、東京に大きな揺れが来る約40秒前に情報を出せると試算しています。
 現在地に揺れが到達するまでの時間的余裕は、一般に数分から数十秒といったレベルです。しかし、短い時間でも使用中の火を消したり、落下物から身を守る場所に移動するなどの行動をとることで、命を守る確率が格段に高まります。
 この緊急地震速報の認知度は、まだ非常に低く、朝日新聞の記事(2007/1/17付け)によると「『あと10秒で揺れが来ます』。昨年(06年)12月20日、東京都立川市の災害医療センターに館内放送が流れた。運用開始に向けた外来患者への訓練だった。約100人の患者がいたが、大半は何もしなかった。電通がインターネットを通じて約1200人に行った調査では、緊急地震速報の内容まで知っていると答えた人は12%にとどまる。千葉大学工学部の山崎文雄教授による運転シミュレーターを使った実験では、前を走る車にだけ地震情報を流すと、ドライバーはあわててブレーキを踏むため、後方車の2割は回避できずに追突事故を起こした」とありました。
 現在、パソコンやCATVなど様々な媒体を使って、個人向けの「緊急地震速報」配信の実験が始まっています。日立市内でも、ケーブルテレビのJWAYが年内にも配信実験の開始を検討しています。
 こうしたシステムの整備と併せて、限られた数十秒というわずかな時間で、何をすべきかという情報の提供と啓発作業が何よりも重要になってくると思われます。
参考:緊急地震速報とは(気象庁のHPより)
参考:ウェザーニュース社の『The Last 10-Second(“最後の10秒”)』サービス