建国記念の日の振り替え休日。NHK総合テレビの「南極観測50年 毛利衛 氷の大陸を行く」を遅い朝食を取りながら見入ってしましました。日本が南極で科学的な観測を始めてたのは1957年(昭和32年)、今年で50年の節目を刻みます。南極を訪問した宇宙飛行士の毛利衛さんと詩人の立松和平さん、登山家の今井通子さんに密着取材。南極の氷が解き明かす気候変動と人類との係わりを描いた興味深い番組でした。
 その中で、日本が3028mという深さから採取した氷柱が話題となっていました。氷に封じ込められた72万年の気候変動の様子から、私たち人類の運命が、地球の気候に大きく左右されてきたことがわかりました。
 また、南極大陸の氷の深部に巨大な湖が存在することを、初めて知りました。(もしかしたら皆さんはとっくに知っていたことなのかもしれませんが...)
 この湖は、ボストーク湖と呼ばれ、氷床下約4000mにあります。最も広い場所で幅40km、長さ250kmに達しています。水深は、最も深い場所で約800mもあるとみられています。湖の総面積は1万4000km2に達し、琵琶湖の20倍以上の広さがあります。総貯水量は5400km3で、淡水であると推測されています。平均水温は氷点下3度です。地熱(地球内部の原子核の放射性崩壊による熱)によって暖められているからという説、分厚い氷床が毛布のように断熱材の役割を果たしているという説、約5000年前に終わった温暖な時期に氷が溶けた後、全てが再び凍り付く途中であるという説、湖の上にのし掛かる氷床に圧縮されているために凍ることが出来ないという説などが考えられています。こうした湖はボストーク湖だけではなく、南極で70個以上見つかっています。
 地球温暖化が叫ばれる中、こうした南極の研究が貴重な科学的知見を人類に与えてくれていることを、改めてNHKの番組で確認することが出来ました。