4月からの県庁全面禁煙を巡って、賛成派、反対派の意見が交錯し、橋本昌県知事の最終判断が注目されています。
 そもそも県庁内の禁煙化の話しは、2004年の1月まで遡ります。健康増進法の成立を受けて、県は2100万円の予算を投入し、これまでの喫煙リフレッシュコーナー19カ所を10カ所に減らし、開放型の出入り口を完全に仕切った上、排煙ダストの容量を増やた喫煙所をつくる計画を明らかにしました。それに対して、禁煙の運動を展開する医師や県医師会が、全面禁煙を求めて要望者や署名を提出しました。「茨城県庁の分煙化に反対/完全禁煙を要望(2004/1/28)
参考写真 その後、庁内の喫煙所は4箇所に統合され運用されれていましたが、06年9月の定例記者会見で、知事が07年4月より庁内の全面禁煙化を発表しました。「来年4月から県庁を完全禁煙に(2006/9/3)
 この庁舎内の全面禁煙宣言を受けて、たばこ耕作者や販売業者などの知事や議会に対する圧力も強くなり、県議選を終えた06年末には、一部マスコミに「県議会などからの“圧力”もあり、庁舎1階のすぐ脇に雨風をしのげる喫煙ルームを設けることで、折り合いをつけることとなった」といった記事が掲載される状況になりました。「県庁の全面禁煙、県議会の圧力で一歩後退!?(2006/12/28)
 そして、07年3月議会に県たばこ耕作者組合から、「県庁の分煙化を求める請願」が提出され、現状のままで庁舎内での喫煙を認める声が議会内で大勢を占めるようになりました。「県庁の分煙化を求める請願」は、3月22日の県議会本会議で自民党と自民県政クラブの賛成多数で採択されました。井手よしひろ県議ら公明党と民主党、共産党は、庁舎内の完全禁煙化を目指す立場から請願採択に反対しました。この県たばこ耕作者組合請願に対して、県医師会は庁舎内の全面禁煙を求める要望書を県議会議長宛に提出しています。「県庁舎の完全禁煙にマッタ!!県議会が請願採択へ(2007/3/16)
 3月23日の定例記者会見で知事は、「庁内は禁煙にするものの、喫煙者もできるだけ不便にならない形で対応していきたいと思っております」と発言しています。こうした紆余曲折を経た禁煙問題ですが、少なくても庁舎内は禁煙化することが望まれます。庁舎の外に喫煙スぺースを設置することを、最終的な着地点とするのではないかと推測されます。
○県庁舎の全面禁煙について
知事の定例記者会見(2007/3/23)
幹事社(茨城):議会で耕作者組合などからの請願が採択されましたが、従来は、知事は4月から全面禁煙という方針でしたが、議会の動きを受けて、その方針に変更があるのかないのかといったあたりなのですが。
知事:まだ正式に議会のほうから請願採択の通知は来ておりませんが、実質的には十分中身は承知しているところであります。きのう、議会終了後に議長と副議長が来られまして、この請願が採択されたと(伺いました)。ただ、一方で、医師会からも、大変県民の健康を心配しているということで、議長に宛てて「県庁舎内禁煙に対する「庁舎内分煙」を求める請願書の不採択を求める要望」が提出されており、これも、もし請願期限内に請願として提出されていれば、中身的には多くの議員の皆さんの理解を十分得られるものであったのではなかろうか、したがって、たばこ耕作関係やたばこ販売関係などのほうの意見について請願採択したということで、こういう強い意見があるということを執行部側に伝えたいし、片一方で、医師会の意見についても喫煙による健康というものを心配する立場から意見が出ているということで、議会としては両方の意見があったということを執行部に対して伝えたいということで来られました。 
そういったことで、我々としては、両方のサイドからの考え方、意見について十分踏まえながら対応をしてまいりたいと考えております。庁内は禁煙にするものの、喫煙者もできるだけ不便にならない形で対応していきたいと思っております。
(一部省略)
産経:確認なのですが、4月1日からは庁内は全面禁煙で、庁舎外に喫煙所を設ける方針を固めたということですか。
(一部省略)
知事:1週間以内には決めてまいります。(記者クラブの)皆さんのご意見もぜひお聞きしていきたいと思いますが、いっときは禁煙派が多かったのだけれども、最近は喫煙派がクラブも多くなっているようで。インターネットなどでも県民の声が届いているようでもありますし、そういったもろもろのものを見させていただきながら方向づけしていきたいと思っています。
(以下省略)