5000万件の年金記録問題の根っこにあるものは、年金の情報が年金保険料を現に支払っている国民に知らされていなかったという情報隠蔽体質にあります。社会保険庁は、現役世代の年金問い合わせに対して、非常に消極的な姿勢を貫いてきました。FAXでの問い合わせをかたくなに拒み、最近まで問い合わせFAX番号の公開を労組(自治労・国費評議会)は認めさせなかったそうです。
 こうした状況を改めるために、年金の個人情報を加入者に知らせる「ねんきん定期便」が今春から始まりました。当面は35歳を迎えた人に対し加入記録を通知。今年(2007年)12月から対象を45歳、55〜59歳にも拡大し、来年(2008年)4月からは、すべての加入者に毎年、将来受け取る年金の見込み額や、これまで納めた保険料(被保険者負担分)などを通知します。
 加入者全員に通知されることで「老後にいくら年金がもらえるのか分からない」という不安が解消されるとともに、保険料の納付記録が年金記録に反映されない問題で、加入者データの統合やミス発見にも役立つと期待されています。
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参考:政府公報「ねんきん定期便」(Windows Media 300K )