ワールドオーシャンファームは、今年1月から配当を停止し、7月に配当を行うとしてきましたが、7月11日付の朝日新聞の報道では、「出資金の4割以下の配当しか受けていない出資者に限って、元本の5%のみを支払う」という通知を出資者に発送したようです。
 また、ワールドオーシャンファームの代理人の弁護士は、民事再生法の適用を申請する方針を示しました。
 いよいよ同社の破綻は避けられない状況になりました。被害者の全国組織の立ち上げなど、被害の全体像の掌握が急務です。
エビ養殖投資破綻、4万人から600億円? 東京の会社
朝日新聞(2007年07月11日)
 「フィリピンでのエビの養殖事業に投資すれば、1年で出資金の2倍の配当金を支払う」などとうたって、全国から多額の資金を集めた投資会社「ワールドオーシャンファーム」(本社・東京都台東区、黒岩勇会長)が事実上、経営破綻(はたん)したことがわかった。同社の代理人の弁護士が朝日新聞の取材に対して認めた。既に配当を停止。配当をほとんど受けられなかった人には出資金の5%を返すなどと通知している。約4万人から計約600億円を集めたとされ、被害が拡大しそうだ。
 出資者約50人が先月、2回にわたって警視庁に告訴状を提出。同庁は、出資法違反や詐欺に該当する疑いもあるとみており、情報収集を進めている。
 関係者や代理人によると、同社は01年に設立。札幌、新潟、名古屋、大阪、神戸、徳島、福岡、那覇の8市に支社を開設し、05年3月から各地で説明会を開いた。
 フィリピン・ルセナ市に東京ドーム450個分の広さの養殖場を借りてエビ「ブラックタイガー」を育てて販売、その利益を高利率で配当すると勧誘した。
 出資金は1口10万円で、10日ごとに配当金を支払い、1年間で元本の2倍の配当が得られる、と説明していた。
 しかし今年1月に配当を停止。5月末、出資者に「養殖場が大型台風の直撃を受け、利益の確保が困難になった」と通知した。その後、債権を確定させるとして、出資額などを同社に知らせるよう出資者に要請。「7月初旬に債権額に応じて配当する」と知らせた。
 今月10日付の通知では「出資金の4割以下の配当しか受けていない出資者に限って、元本の5%のみを支払う」とした。代理人によると、現時点で資金は数億円しかなく、支払いを受けられるのは3000人程度という。
 フィリピンでの養殖事業については、一部の出資者が見学旅行に招待されて説明を受けているが、売り上げなどの実態は不明。代理人も内容について「確認していない」としている。
 代理人は民事再生法の適用を申請する方針を示していたが、「黒岩会長らと連絡が取れず、適用申請はできない」と話した。