参考写真 8月20日、井手よしひろ県議ら県議会土木委員会は、閉会中の現地調査活動の一環として、つくば市にある独立行政法人防災科学研究所を訪問し、森脇寛企画部以下同研究所の幹部研究員より、茨城県で起こる可能性がある地震について、災害リスク情報を活用した防災まちづくりについての講演をいただきました。
 防災科学科学研究所は、昭和34年の伊勢湾台風での被害を教訓に、昭和38年に設立されました。地震・火山・洪水・地滑り・雪氷などのすべての自然災害について発生のメカニズムや、防災や減災に関する基礎研究や技術開発を行っています。平成7年の阪神淡路大震災を契機に、地震対策を重点的に強化し、全国的な地震観測網の整備や実物大の三次元地震破壊実験施設(E−ディフェンス:兵庫県三木市)を整備しました。つくば市には、昭和46年に大型耐震実験施設、昭和49年には大型降雨実験施設をオープンさせました。
 「茨城県で起こる可能性がある地震について」と題する講演では、茨城県を含む関東地方南西部では、ユーラシアプレート・太平洋プレート・フィリピン海プレートの3つのプレートがぶつかり合い、日ごろから数多くの地震が発生しやすい地域であり、「小さな地震が数多く発生しているので大地震は起こらない」という考えは、明らかに誤りであるとの指摘がなされました。国の中央防災会議によると、茨城県南部地震の被害想定は、M7.3クラスの地震が発生し、死者500名、建物87,000棟の被害の可能性があるとしています。こうした地震の危険性が高い地域にもかかわらず、公立小中学校の耐震診断率が全国で45番目(ワースト3位)であることなど、行政や地域を挙げての地震防災体制の整備が必要であると警告されました。また、今年10月から本格運用される「緊急地震速報」について、仕組みや普及・啓発策について説明がありました。
参考写真 引き続き行われた「災害リスク情報の相互利用と防災まちづくり」についての講演では、さまざまな形で提供されている災害リスクの情報を、どのような形で地域で活用するか、具体的な事例を紹介していただきながら、わかりやすく説明していただきました。現在、国や地方自治体からは、地図データ・航空写真・災害ハザードマップなどたくさんの情報が提供されています。また、いったん大規模な災害が発生すると消防や警察、行政機関、地域の社会福祉協議会(社協)や自主防災組織、防災ボランティア、そして自治組織(町内会や行政区)など様々な組織が人命の救助や災害の復旧、被災者の生活支援などに動き出します。こうした多くの情報を有効に活用し、様々な組織を有機的にインターネット中核として連携をさせようとする取り組みが、防災研が中心となり全国各地で行われています。もちろん、インターネットを使えない高齢者や障害者、ネット環境が寸断された場合なども十分想定したシステムの創出が検討されています。具体的には、つくば市内で行われた防災訓練の模様やつくば市立大曽根小学校区内の取り組みが紹介されました。(eコミュニティーつくば
(写真上:防災科学技術研究所の地震データーセンタの模様、写真下:つくば市内で行われた防災訓練の模様)
参考:独立行政法人防災科学技術研究所
災害ボランティア・センター設置訓練
常陽新聞(2007/8/13)
県内初、つくば市社協が団体や研究所などと協力
 災害発生後、全国からやって来るボランティアの受け入れ窓口となる「災害ボランティアセンター」の設置訓練が8月11日、つくば市金田の市桜保健センターで実施された。市社会福祉協議会が、県内5市町の社協、災害ボランティア団体、防災科学技術研究所などと協力して実施。約100人が参加した。同センターの設置訓練は県内で初めて。
 災害ボランティアセンターの設置は、市地域防災計画で、市社協が設置することになっている。一方、7月16日に発生した新潟中越沖地震では、柏崎市が災害ボランティアセンターの設置に手間取り、ボランティアをさばききれなかった反省点がある。
 新潟中越沖地震の被災地に駆けつけ、バイクで支援を実施したボランティア団体「茨城レスキュー・サポート・バイク」の田辺和夫代表の提案で、つくば市で訓練が実施された。
 訓練は、ボランティアを受け付ける係、災害本部や被災者から送られてくる情報を処理する班、ボランティアを支援の要請があった場所に派遣する班などに分かれて実施。
 半径200辰糧楼呂貌呂ミニFM局も設置され、センター周辺に集まっている人たちにセンターの動きをラジオを通して伝える試みも初めて行われた。
 バイクに位置情報を知らせるGPS(全地球測位システム)を搭載し、バイクが走行している位置を無線で確認しながら、指示を出す訓練も、バイクとアマチュア無線愛好者団体が共同で初めて取り組んだ。
 訓練では、被災者からセンターに、さまざまな支援を要請する情報が、電話やメールでひっきりなしに寄せられた。
 「電柱が倒れている」「ガスの臭いがする」「妻がけがをしたので救急車を呼んでほしい」などの要請は本来、ボランティアを行かせることは危険なので、電力会社やガス会社、警察や消防に連絡すべき情報なのに、ボランティアセンターが受けてしまい、対応が混乱したなどの課題が残った。
 訓練を主催した市社協の河原井猛さんは「各班で情報を共有することが思っていた以上に難しかった」と話し、防災研の増田和順さんは「想定以上に情報が混乱した。どうやって混乱を防ぐか、社協と改めて勉強したい」と力説していた。