参考写真 犬の飼い主には「鑑札」の装着が義務づけられているのはご存じでしょうか。狂犬病予防法の第4条の3には「犬の所有者は、前項の鑑札をその犬に着けておかなければならない」と明記され、違反すると20万円以下の罰金を科されます。
 しかし現在、この鑑札はほとんどの犬に装着されていません。そもそも義務づけられていることを知らない人も多く、鑑札は縦3.5cm×横2.5cmの楕円形と決められていたため(狂犬病予防法施行規則・別記様式第3)、小型犬の首輪からははみ出してしまい、「大きくて邪魔」「かっこ悪い」と鑑札を着けない飼い主も多いのが事実です。
 迷子になったり放置された犬が、保健所や都道府県の動物指導センターに保護された場合、鑑札を付けていれば飼い主がすぐに分かります。付けておらず飼い主が見つからないと、5日から1週間程度で処分されてしまいます。
 そこで、厚労省はこの3月に、この鑑札のデザインを自由化しました。早速、東京都の世田谷保健所は「鑑札」のデザインを平成20年度から変更する方向で検討を始めています。著名な商品デザイナーに委託してファッション性を高め、装着率を上げ、処分される迷い犬を減らすことが目的です。
 処分される犬の問題に取り組む世田谷文化生活情報センター・生活工房の「ただのいぬ。プロジェクト」が飼い主にアンケートしたところ、鑑札をつけない飼い主の理由は、小型犬には大きい・おしゃれじゃない・取り付けにくいなどとの回答が寄せられました。
 このため同プロジェクトは、鑑札のデザインが自由化されたことを受け、世田谷保健所に見直しを提案、採用されたものです。
参考:「ただのいぬ。プロジェクト」のHP