配備後初、AEDで人命救助
土浦の市民体育祭で倒れた男性が九死に一生
常陽新聞(2007/10/10)
 市民体育祭の競技中に倒れた男性、AED(自動体外式除細動器)で心肺停止状態から生還―。土浦市消防本部は9日、AED使用による人命救助事例があったと発表した。
 市消防本部警防救急課によると、同市の市民体育祭が行われた7日午前9時20分ごろ、土浦市中の市立東小学校グラウンドで、ドリブル競技に参加していた男性(46)がゴール後、突然倒れたという。
 緊急事態を受け、非番で体育祭に参加していた市消防本部職員の仕黒弘志さん(48)と、グラウンドに居合わせた元看護師の植木ミキさん(38)が男性の観察を行い「脈なし」を確認。この間、元市消防本部職員の下村孝さん(59)が同校に設置されているAEDを持参、東京消防庁職員の尾方公成さん(39)がAED使用の応急処置を実施した。加えて医師の丸山常彦さんが心臓マッサージを行うなどした結果、約1分後、男性の心拍と呼吸が再開した。
 5人はいずれも地区住民として体育祭に一般参加。警防救急課によるとAEDによる人命救助は、各施設へ配備されてから初めてという。
 同市は安心、安全のまちづくりの観点から「市民の万が一」に備え、2005年度に市役所本庁舎、土浦保健センター、市民会館など9カ所にAEDを配備。06年度は市役所高津庁舎、新治庁舎ほか、各中学校地区の公民館、市内8中学校など25カ所に、07年度は市内各小学校を含む25カ所に配備した。小学校への配備は、7月に終えたばかりだった。
 市は、今回の人命救助に協力した5人に対し、近々感謝状を贈ることを決めた。

 公明党などが配備を推進していたAEDにより、貴重な人命が救われました。
 10月7日、土浦市の東小学校で開かれていた市民体育祭で、競技中の男性が突然倒れ、心肺停止状態に陥りました。体育祭に参加していた医師や消防職員が、今年7月に東小に配備されたAEDを使って、応急処置を施し蘇生させることに成功しました。体育祭の役員だった消防職員は、事前にAEDの場所を確認すなど周到な準備をしていました。
 この9月県議会では井手よしひろ県議が、市民運動会などの会場にはAEDを貸し出せるように、各保健所へのAED増備を提案した矢先の出来事でした。