5回まで無料は高萩市、石岡市、東海村の3市村だけ
 母子保健法においては、市町村が必要に応じて、妊婦に対して健康診査を行う、または、健康診査を受けることを勧奨することとしています。厚生労働省は妊婦の検診を、1人当たり5回助成するよう市町村に求めており、その費用を平成19年度から、地方交付税で助成するとしています。
参考写真 しかし、茨城県内では、ほとんどの市町村が2回の公費負担しか行っておらず、5回の公費負担を行っているのは高萩市、石岡市、東海村の3市村だけです。(牛久市は、今年4月より3回に増やしました)
 厚労省によると、妊婦が受ける健診は通常13〜14回程度です。最低でも妊娠8週、20週、24週、30週、36週ごろの5回は受診するべきだとしています。妊婦健診は1回あたり5000円〜1万5000円程度で、平均負担額は全部で12万円にも達しています。
 少子化対策や母子の健康を守るため厚労省は今年1月、最低5回を公費負担で無料化するのが望ましいとの通知を出し、助成の事務を担う市町村に、この分の費用として今年度予算から地方交付税を増額しました。
 井手よしひろ県議が、茨城県子ども家庭課に問い合わせたところ、今年度から妊婦健診への助成を5回に引き上げたのは、高萩市、石岡市、東海村の3市村にとどまり、4月に3回に増やした牛久市をのぞく残り40市町村は、2回のままに止まっています。県平均の助成回数は2.2回で、全国平均2.8回を大きく下回っています。
 井手県議ら公明党県本部ではこうした実態を受け、各市町村議員を中心に平成20年度に妊婦検診を5回まで無料化できるよう、市町村に働きかけることにしました。
 また、里帰りをして出産をする妊婦が多い茨城県の場合、住民票がある市町村以外での妊婦検診にも、助成をしてほしいとの要望が強く出されています。
 妊婦健診の公費負担は、一般には、市町村が当該地域の医療機関と契約し、現物給付を行う仕組みで実施されていることが多く、遠隔地の医療機関の利用は実務上困難であると考えられます。しかし、里帰り出産する妊婦の方に対し、里帰り先での妊婦健診の費用を償還払いする取組などを実施している例もあります。このような償還払いの取組などの先進事例も踏まえ、国の制度の充実も訴えていきたいと思います。