11月22日、県議会財政再建等調査特別委員会が行われ、県出先機関の統廃合に関する具体案が示されました。
 この日、具体的に示されたのは、1.地方総合事務所の抜本的見直し、2.保健所を12箇所から9箇所に再編、3.農業関係の出先機関を5箇所に集約、4.県税事務所を5箇所に再編、5.土木事務所を11箇所から5箇所に再編、などの大規模の見直し案となりました。
 統廃合の時期を含め、指揮系統や人事体制、具体的な財政効果については「検討中」の部分が多く、今後具体的に検討されていくことになります。
【地方総合事務所】
 現在4箇所ある地方総合事務所に設置されている総務、環境保全、商工労政、建築指導、福祉などの各課をほぼ半減させ、事実上廃止します。各総合事務所は「県民センター」として、県民の申請や相談の窓口の機能を充実させます。
 その上で、農林関係部門は農林事務所に統合します。
 県北総合事務所は、水戸市から常陸太田市に移転し、水戸市、笠間市、ひたちなか市、小美玉市、那珂市、茨城町、城里町、大洗町、東海村は本庁直轄とします。
 県は総合事務所の統廃合について、2009年度からの新体制への移行を目指したいとしています。
【保健所】
 12ある保健所のうち、9保健所は今まで通りの機能を継続します。ひたちなか、鉾田、常総の3保健所は健康指導と衛生の相談や受け付け業務を担う支所に改変します。
【農業関係機関】
 4地方総合事務所の農林関係部門と12の農業改良普及センター、8の土地改良事務所を統合した農林事務所を県北、県央、県南、県西、鹿行の5か所に設置します。
 組織をスリム化した農業改良普及センターを笠間、常陸大宮、行方、稲敷、つくば、坂東の6市と八千代町の7か所に存続させます。
 組織を簡素化した土地改良事務所は高萩、稲敷両市と境町の3か所とします。
【県税事務所】
 水戸、常陸太田、行方、土浦、筑西の5事務所は現行の体制で存続させます。高萩、稲敷、境の3事務所は窓口業務や納税相談などに特化した支所に改編されます。
【土木事務所】
 土木事務所を県北(常陸大宮土木事務所)、県央(水戸土木事務所)、県南(土浦土木事務所)、県西(筑西土木事務所)、鹿行(潮来土木事務所)の5か所に集約します。高萩、常陸太田、鉾田、龍ヶ崎、常総、境の6か所は、用地、建設、維持の3部門を残した「工事事務所」に改めます。大子は「工務所」に改称します。
 井手よしひろ県議は、思い切った統廃合等により業務のスリム化・簡素化を行うべきと、今年9月の代表質問で次のように主張しました。
県出先機関の統廃合に関する基本的な考え方
井手よしひろ県議の県議会代表質問(2007/9/11)
 総合事務所および出先機関の統廃合の検討は、実に約30年ぶりの大改革となります。市町村合併やIT社会の進展、高速交通網の整備などの様々な面で社会環境が大きく変化したことを踏まえ、本庁との役割分担を見直して、廃止も視野に入れた大胆な検討を進めることは当然必要なことです。
 しかし、私ども公明党は、こうした統廃合の議論は、単なる経費節減の視点だけで進めてはならないと考えています。この場でそのあるべき検討の視点を整理しておきたいと思います。
 その第1点は、県民の生活や利便性にマイナスがあってはならないということです。その意味では、受付や相談窓口は地域的な利便性を考慮しながら、出来るだけワンストップサービスが実現できるよう集約化が必要だと考えます。
 第2点は、市町村への権限と機能の移譲を積極的に行い、地方分権の流れを促進するものであることが重要です。
 第3点は、不法投棄防止などの環境保全や農業の振興など、今まで以上に強化すべき課題に対しては充実強化を行う、こうしたメリハリの効いた再編整備でなくてはならいと思います。