ひたちなか・東海地区 目指せブランド化 おいしさ競う59軒
茨城新聞(2008/01/25)
安全安心★★★干し芋
 干し芋の生産量全国一を誇るひたちなか・東海地区で、初の干し芋の品評会(茨城ほしいも対策協議会主催)が1月24日、ひたちなか市役所で始まり、同協議会加入の生産農家59軒が自慢の干し芋を出品した。今年は同地区で干し芋生産が開始されて百周年。品評会は同地区産干し芋の全国ブランド化を目指す試み。
 出品したのは、同協議会が安全安心の干し芋作りに向けて認定する三ツ星生産農家。会場にはタマユタカを原料に用いて今月10日以降に加工された干し芋が出品者名を伏せて展示された。
 この日は第一次審査として、専門家による糖度測定と、農業関係者20人による色合いや形状、食感、味の4項目の官能審査が行われた。25日は市役所来庁者50人を対象に消費者投票を実施、最優秀賞などを決める。
 同市の山田博経済部長は「全体の水準を底上げして全国に通用するブランドにしたい。そのための刺激にしてほしい」と品評会開催の意義を話した。
 同地区の干し芋をめぐっては昨年、加工販売会社による賞味期限書き換えが発覚。これを受け、同協議会は生産農家が箱詰め出荷して「21日間」を賞味期限ガイドラインとして定めた。

参考写真 「ほしいも」は、おいしくて栄養豊富、その上おなかの中もきれいにしてくれる健康食品としても人気があります。
 ひたちなか市、東海村近隣は、全国の約8割を占める日本一のほしいも産地です。
 近年、食の安全・安心に対する消費者の関心が高まっています。これを受け、茨城ほしいも対策協議会(ひたちなか市、東海村の生産者約700名)では、中国産ほしいもとの差別化を図り、消費者から信頼される産地をめざし、平成16年度から「干しいも生産三ッ星運動」を展開しています。三つ星運動とは、「生産履歴記帳」「衛生加工の実践」「適正品質表示の実施」の3項目を実践しようとする取り組みです。
 現在、率先して実践している生産者が推進役となり、三ツ星運動を全農家に対して展開するためのリーダー12名と、その所属する生産組合員への働きかけにより認定された三ツ星運動実践農家が3年間で90名になりました。参考写真
 生産農家のこうした努力にもかかわらず、昨年、加工販売会社による賞味期限書き換えが発覚しました。茨城ほしいも対策協議会では、こうしたマイナスイメージを払拭して、よりおいしくて、安全なほしいも生産を目指して、「ほしいも品評会」を開催したものです。
 1月24日、25日の両日にわたる慎重な審査の結果、第1回品評会の最優秀賞はひたちなか市馬渡の森内功さんが獲得しました。優秀賞には飛田勝治さん(ひたちなか市部田野)、飛田憲男(ひたちなか市馬渡)の2人が選ばれました。その他、優良賞が5名、奨励賞が8人選出されました。
(写真はほしいも品評会・一般審査委員による審査の風景:茨城県農林水産部園芸流通課提供)