参考写真 2月7日、テレビ朝日のお昼のワードショー番組「ワイド! スクランブル」の「追跡 怒っとニッポン」のコーナーで、現在建設中の「茨城空港」が取り上げられました。
 番組の主旨は、「就航する航空業者も決まらない、したがって定期便のめども立たない「茨城空港」への500億円の投資は、無駄遣いである」という内容でした。
 この「追跡 怒っとニッポン」のコーナーは、コメンテーターの猪瀬直毅氏(評論家・東京都副知事)と当事者の生対談が売り物。今日の対談の相手は、茨城県議会議員の関宗長氏でした。
 猪瀬氏が「地元の悲願は悲願。結局、滑走路はできても飛行機が来ない。民間の航空会社は採算が合わないと飛ばない」と、茨城空港の需要予測などに疑問を投げかけました。それに対して、関議員は、「航空会社は来ないと言っているが、それはウソ。羽田・成田の発着枠が決まるまで、(今は)黙っているだけ。アジアからも定期便の問い合わせはあります」「首都圏4000万の人口は、(成田と羽田)の二つの空港で対応できるのか。二つの空港より、茨城空港が便利な人は1200万人いる」と、強気な姿勢を全く崩しませんでした。
参考写真 関氏が「(国際線も飛べる)空港が500億円でできるのは安いもの。静岡空港は2000億も掛かっている」と発言した段階で、レポーターが話しを遮り、話題は「茨城空港」から「空港整備特別会計」の問題に移ってしまいました。
 猪瀬氏は、5769億円におよぶ特別会計の使い道として、採算の合わない空港が作られている。いらない空港を作ることに特別会計を使うのではなく、航空燃料税や着陸料の値下げに使うべきだと主張します。「国内のなれ合いでは、国際競争に勝てない」との持論が展開されていきます。
 結果、双方の議論は全くかみ合わず、時間切れとなりました。
 実は、昨晩(2月6日)6時頃、テレビ朝日の担当者から、この番組への出演依頼の電話をいただきました。たぶん、私のホームページの「茨城空港」の記事を検索して、電話を掛けてきたのだと思います。私は、午後から文教治安委員会が予定されていたので、出演はお断りしました。その後、テレ朝の担当者は数人の県議会議員を当たり、関氏が出演を承諾された模様です。関氏は、事前の準備や打ち合わせもほとんどなく、生放送に臨まれたのだと推察します。反面、反対の意見を述べた共産党の県議に対しては、事前に録画撮りを行いしっかりとした準備を行っていたようです。
 そもそも、猪瀬氏の立場と地元の県議の立場は、全く次元の異なる立場です。地元の議員は、茨城県の活性化を図るために、茨城県に空港誘致を行うことは自然の流れです。そして、低いコストでそれが実現すれば、費用対効果は高くなり、地域のためにプラスとなります。その意味で、茨城空港は、自衛隊の施設を共用化して国が作る空港ですから、北九州空港や佐賀空港、静岡空港など県が建設主体となった空港の数分の一の費用で建設できます。そのことを、関氏は声を大にしてアピールされていたのだと思います。
 反面、猪瀬氏は、ジャーナリストとしての視点で「空港整備特別会計」に切り込んでいました。無駄な空港を作るために、燃料税や使用料が高くなり、日本の空港の国際競争力が下がっているとの指摘です。しかし、その指摘は、どう考えても地元議員と同じ土俵で議論できるものではありません。番組自体の安直な作り方に、大いに疑問を感じました。
 ただ、この放送があってから、私のホームーページ上の「茨城空港」関連のアクセスが3倍以上になっています。取り上げられ方には不満が残りますが、認知度が低い「茨城空港」を大いに宣伝していただいた効果はあったようです。