参考写真 4月30日、揮発油(ガソリン)税の暫定税率維持を含めた税制改正法が、衆院本会議で与党などの3分の2以上の賛成を得て再可決されました。この法案が年度内に成立しなかったことで4月には暫定税率が失効し、ガソリン価格は下がったものの、1兆6000億円の減収となる地方財政は大きな打撃を受けました。総務省によれば、暫定税率の失効で、36道府県が予算執行の一部を凍結。このうち11府県は、道路以外の予算執行も保留しました。
 地方では一日当たり約20億円の税収減となる計算で、このままでは、経済や雇用だけでなく、教育や福祉などの分野でも悪影響が広がりかねません。このため、「正常な形に戻すための再議決であり、国政に責任を持つ(与党の)立場として避けられないこと」と4月28日付の日本経済新聞は、与党の決断を評価しました。
 そもそも、こうした事態を招いた背景には、民主党が参院で、税制改正法案の審議をいたずらに引き延ばしてきたことがあります。税制改正法案が衆院を通過し、参院に送付されたのは2月29日。その後、参院で主導権を握る民主党は、与党が審議促進を強く訴えてきたにもかからず、1カ月以上も審議を拒否、暫定税率の期限切れに追い込みました。
 その上、民主党は年度内はおろか、4月4日の参院審議入り以来、衆院に匹敵する委員会審議時間を確保しても、結局、結論を出しませんでした。まさに「前代未聞の国会戦術」であり、議会制民主主義を愚弄する暴挙です。民主党が負うべき責任は極めて重いといわざるを得ません。
 国民に大きな負担をかけた暫定税率復活。公明党はその責任を、一般財源化へリーダーシップの発揮とムダ遣いの一層という2つの視点から果たしていかねばなりません。
 福田康夫首相は3月27日、道路特定財源を2009年度に一般財源化すると表明。これを受け、政府・与党は4月11日に首相提案を正式に決定し、28日の自公党首会談では、09年度からの一般財源化に向けた法改正について、年度内に結論を出し、早期成立を図ることで合意しました。
 道路特定財源の一般財源化を求める声は強く、NHKが4月14日に発表した世論調査結果では、首相提案を評価する人が過半数を超えています。読売新聞は5月1日付社説で、「福田首相は、そうした疑問や反発の声に応えるためにも、道路特定財源の一般財源化の約束を、必ず、果たさなければならない」と記しました。
 公明党は冬柴鉄三国土交通相を支えて、道路財源の一般財源化を与党の中で力強くリードする必要があります。
 また、道路関係支出のムダ遣いを徹底的に排除し、国民の疑念と批判を払しょくすることも大きな課題です。冬柴国交相が本部長を務める国交省の改革本部は4月17日、道路特定財源の支出先となる公益法人について、10年度までに50から16に絞り、支出を半減させることなどを柱とする改革案を発表しました。ムダ遣いの温床に大胆にメスを入れる踏み込んだ案といえます。さらに、公明党の太田昭宏代表らは24日、福田首相に対し、さらなる改革案として、公益法人への支出半減を09年度に前倒しすることなどを要望しました。
 たとえ1円でも税金のムダ遣いは許されません。政府は、今回の改革にとどまらず、第2、第3の改革を推し進めるべきです。そうでなければ、暫定税率の復活に国民の理解を得ることは困難です。
暫定税率再可決 一般財源化の約束を果たせ
読売新聞社説(2008/5/1)
 ガソリン価格が下がったと思ったら、1か月で元に戻る。この騒ぎは一体何だったのか。
 福田首相は、そうした疑問や反発の声に応えるためにも、道路特定財源の一般財源化の約束を、必ず、果たさなければならない。
 ガソリン税などの暫定税率を復活させる税制関連法が、衆院本会議で与党の3分の2以上の賛成多数で再可決、成立した。
 これにより、今のガソリン価格は上がる。しかし、下げたままでは、2兆6000億円という大幅な歳入欠陥が生じる。そのツケはいずれ、納税者に回る。
 憲法の規定に基づいて、再可決で関連法を成立させたのは、政府・与党としての責務である。
 福田首相は記者会見で、一般財源化を確かなものにするため、与党協議会を発足させ、年内に法案にまとめると強調した。
 今後10年間、ガソリン税収を道路特定財源に充てるとした道路整備費財源特例法改正案と、2009年度からの全額一般財源化という首相の方針とはズレがある。
 首相は、特例法改正案の早期成立を図るうえでも、一般財源化への道筋を丁寧に説明し、国民の理解を求める必要がある。
 税制関連法は、衆院で可決後、参院に送られてから、60日たっても議決されず、憲法の規定で、否決したものとみなされた。
 この間、賛否すら決することの出来ない参院は、自らの存在を否定したようなものではないか。
 とりわけ、参院第1党の民主党の責任は重い。暫定税率廃止を言うのなら、もっと説得力のある代替財源を示すべきだった。
 ガソリン値下げを勝ち取ったと言っているだけでは、ポピュリズム(大衆迎合主義)の政治に堕しかねない。
 民主党はじめ野党は、福田首相に対する問責決議案の参院への提出を当面、見送った。
 仮に、決議案を提出し、可決すれば、首相を相手に質疑をするわけにいかなくなる。となると、長期にわたって審議拒否しなければならない。
 ところが、問責決議は、何ら法的な根拠がない。首相が無視すれば万事休すだ。結局、審議拒否を貫いて、内閣総辞職や衆院解散・総選挙に追い込むことに、成算がないのだろう。
 強硬姿勢を取り続けるより、与党側と話し合い、一般財源化への動きが後退しないよう、かんぬきをかける。その方が、民主党の政権担当能力を示しうる。