参考写真 6月19日、公明党茨城県本部の議員総会が水戸市内で開催され、坂口力副代表(元厚生労働大臣)が、長寿医療制度について講演しました。以下、講演のポイントをまとめました。メモからの原稿を起こしたため、坂口副代表の真意が伝わっていないかもしれません。したがってあくまでも、文責はブログ管理者の井手よしひろです。
  • 長寿医療制度の創設の背景には、高齢者の特性に合った保健制度を作ろうという視点と、市町村単位で運営されている『国民健康保険』が危機的状態に陥っており、どのようにして国民皆保険制度を守っていくかという二つの視点があった。
  • 国保は、医療費が増え続けるため、限界まで保険料を上げる。もうこれ以上、保険料は上げられない状況になると、一般会計からの繰入金が増える一方で、つぎ込むお金ももう限界である。どうすればよいかとの問題意識があった。さらに、自治体の財政力によって、市町村によっては、大きな格差が生まれてしまった。また、市町村ごとに保険を運営するために、莫大な経費が掛かっている。国保の改革は避けられない課題だった。
  • 2003年3月の閣議決定では、〇堋村単位の国民健康保険を都道府県単位にする、∩換餔賣Г寮官健保も都道府県単位にする等が決められた。しかし、実際には、全国知事会から強い反発が寄せられ、国保を都道府県ごとに再編する計画は見直しを迫られた。市町村の連合体が運営する長寿医療制度の創設に至った。
  • 従来の老人保健制度の医療費は、国保だけではなく、サラリーマン健保からの負担で成り立っていた。医療費の増大とともに、現役世代の健保側から、『どれだけ増え続けて負担すればよいのか』と負担分がはっきりしない状態に対し、強い反発が寄せられていた。そこで、今度の長寿制度では、サラリーマン健保等の現役負担を4割と、国の負担を5割、お年寄りの負担を1割と明確にした。これが長寿医療制度の骨格となっている。
  • 長寿医療制度の本質論は、今の高齢者医療制度をどう守っていくか?ひいては、国民皆保険制度をどう守っていくかだ。このままでは、75歳以上を国民健康保険で支えていく従来の制度では、市町村によっては、崩壊してしまう。これからは、若い人は減ってくる。若い人一人当たりの医療費の負担はもっと増えてくる。長寿医療制度に対して、若い人からの不満が出てくると心配していたが、実際には、高齢者からの不満が大きい。
  • 2025年には、団塊の世代が、75歳以上の後期高齢者に達する。その時の医療費の試算は、0〜74才までの医療費と、75歳以上の医療費と同額となる。その時に、現役世代の負担だけで、国保が耐えられるのか?国保が行き詰まったら、これこそ『姥捨て山』だ。そうならないために、今、手を打たなければならない。この長寿医療制度が「政局」となっていて、マスコミも問題の本質を伝えていない。
  • 公明党としては、所得の低い方の保険料の軽減や年金からの天引きを選択性にすることなど、長寿医療制度の見直しを進めてきた。
  • 今後は、2006年の医療制度改革の時に、70才〜74才までの医療費の窓口負担を1割から2割に引き上げる事が決まっていたが、予算措置をして、今年度は、1割に据え置く事とさせてもらった。来年度以降も、1割に据え置くように、頑張りたい。
  • また、所得の低い方への保険料の減免基準を「世帯の収入」から「個人の収入」へと変更することにも取り組みたい。同じ年金額で、お一人で生活しているお年寄りと息子さんなどと同居している人と保険料に差があることは、良くないことだ。長寿医療制度は、個人の所得で保険料が決まる制度なので、減免の基準も個人の所得にすべきだと思う。この改善には1200億円程度の費用がかかると試算されているが、何としても実現したい。