ネット販売でも産地偽装、ウナギ・牛肉・イカステーキ
読売新聞(2008/7/4)
 茨城県は4日、インターネット販売で人気の「四万十川産」ウナギのかば焼きが中国産だったなどとして、同県神栖(かみす)市の食品加工販売会社「サンシロフーズ」(島田直季社長)に対し、日本農林規格(JAS)法と景品表示法に基づき改善を指示した。
 県によると、同社は2007年5月〜今年5月、ネット上の仮想商店街「楽天市場」で偽装表示のかば焼きパック約1万2700個を販売。北海道産などの牛肉ステーキを「米沢牛」(山形県)、三陸沖でとれたイカのステーキを「日本海産」としても販売し、計3900万円余を売り上げた。
 ネットで「四万十川産特上うなぎ2枚セット。通常価格8200円のところ2880円」とPRしており、景品表示法で禁止されている二重価格表示の疑いがあると指摘を受けた茨城県が立ち入り調査した。島田社長は、県に対し「国産を使っていたが、仕入れが難しくなった」と話している。
 島田社長らは06年2月にネット販売を始め、同年6月に同社を設立。ウナギは楽天市場で人気を集めた商品に贈られる「グルメ大賞2007」に水産物部門で選ばれていた。今年5月に販売を中止し、会社の清算手続きも進めている。
 高知県の四万十川は全国有数のウナギの漁獲量を誇り、「ブランドウナギ」として人気が高い。
ネット通販の品質をどのように確保するか、大きな課題を提起
 食品偽装問題に茨城県内の業者も登場しました。神栖市内でインターネット通信販売を運営していた「サンシロフーズ」が販売していた「四万十川産特上うなぎ2枚セット」が、実際には中国産のウナギであったことが発覚しました。
 商品を全く手にすることなく、販売されるネットショッピングで、商品の品質をどのように維持していくか、大きな課題を露呈した事件となりました。
 サンシロフーズのホームページは、既に6月24日に閉鎖されており、「肉と魚とお惣菜のサンシロフーズ にアクセスいただきありがとうございます。肉と魚とお惣菜のサンシロフーズ は、06月24日をもちまして、サービスを終了させていただきました。長い間、ご愛顧いただきありがとうございました。今後とも、楽天市場をどうぞよろしくお願いします。なお、肉と魚とお惣菜のサンシロフーズ へのご連絡は以下のところまでお願いします」とのコメントが表示されるだけとなっています。
 しかし、Googleなどのサイトでは、キャッシュで過去の画像を見ることが出来ました。口コミ情報には、「四万十川のうなぎは本当に美味しかった。もともと買い物に行っても食品は国産しか買わないけどなかなか美味しいうなぎにめぐりあわなくてネットで見つけました。四万十産のうなぎは美味しいとは聞いていてもなかなかその場に行っては食べられないもの。届いタ時は驚いた、うなぎの大きさ、身の厚さ、油ののり、そしてうなぎ独特の臭みがまったくなくて家族みんなで驚....」といいたコメントが寄せられ、こうした情報に支えられて売上げを伸ばしてきたものと考えられます。
参考写真 しかし、この商品が「楽天市場」の「グルメ大賞2007」にも選ばれていたのには、驚かされました。こちらのサイトも既に削除されているようです。グルメ大賞は楽天によると、「『楽天市場』の扱うグルメ商材、24ジャンルそれぞれの頂点を決定するものです。『グルメ大賞2007』は、ユーザのクチコミ数(お買い物レビュー)、売上などを総合的に評価し、各ジャンルにおけるベスト商品を決定しています。(データ抽出期間:2007年1月1日〜12月31日)」とあります。この説明では、多くの利用者は納得しないでのはないでしょうか。楽天市場は、さらに詳細に利用者に説明する義務があります。
(左の画像は、Googleの「グルメ大賞2007」の検索結果からキャッシュページを切り抜いたものです)
参考:産地の不適正表示等が判明した事業者に対しJAS法及び景品表示法に基づく指示(茨城県のホームページ)

神栖業者ウナギ偽装 中国産を四万十川産
茨城新聞(2008/7/5)
通販で人気 県が改善指示
 県は四日、中国産ウナギのかば焼きを「四万十川産」と表示してインターネットで販売したなどとして、神栖市知手中央の食品加工販売会社「サンシロフーズ」に対し、日本農林規格(JAS)法と景品表示法に基づいて改善を指示した。問題のウナギは少なくとも約三千六百万円を売り上げた。牛肉やイカの加工品も不正表示し、ネットで販売した。県の調査に対し、島田直季社長(32)は「四万十川産を売るつもりだったが、仕入れができなくなった」と偽装を認めている。
 県の調べでは、同社は中国産ウナギの冷凍かば焼きをホームページで「四万十川産」と表示し、県が伝票で確認できた二〇〇七年五月からの一年間で、約一万二千六百パックを販売、約三千六百万円を売り上げた。実際には90%以上が中国産だった。
 中でも「四万十川産特大うなぎ二枚セット」を「通常価格八千二百円のところ、二千八百八十円」として、販売実績のない比較対照を使って二重価格表示した。
 同社は県内の別業者から「中国産」として仕入れた後、パックに詰め、ラベルを張っていた。三月に富山県内の消費者が「二重価格を示している」と同県に通報。同県から本県に連絡があった。
 県は四月に立ち入り調査を実施。島田社長は偽装を否定したが、再度調査した五月には事実を認めた上、偽装発覚を受けて会社の清算手続きに入ったことを明かしたという。
 同社は清算中だが、県は「事実が長期間であり、他業者への抑止効果にもなる」として改善を指導した。
 高知県の四万十川は全国有数のウナギ産地で、ブランド品として人気が高い。島田社長は「四国産が手に入らず、中国産に手を出した」と話しているという。問題のウナギは、ネット上の仮想商店街でも人気商品の一つになっていた。
 ウナギのほかにもネットで同時期、熊本や北海道産の和牛を「米沢牛」ステーキと表示し、約九百八十パックを販売したほか、三陸沖で取ったイカの加工品を「日本海産」として約三百十パックを販売し、計約三百十万円を売り上げた。
 同社は〇六年設立。エビフライや豚カツ、さば味噌煮など幅広く食品を扱い、同年度の売上高は約六千百万円だった。

ウナギ偽装販売 「仕入れ間に合わず」
朝日新聞(2008年7月5日)
 「仕入れが間に合わず、産地偽装に手を出してしまった」。ウナギかば焼きの産地偽装問題で、神栖市の食品加工会社「サンシロフーズ」の島田直季元社長(32)は、県の調査にあっさりと偽装行為を認めたという。食品の産地を偽装する問題が相次いで発覚するなか、消費者を軽視した業者の不誠実な姿勢が改めて浮き彫りになった。風評被害が及びかねないウナギ専門店は「お客さんをだますようなことは許せない」と怒りをあらわにした。
 「違反事実が長期間であり、故意だった。業者として責任を自覚してほしい」。サンシロフーズの産地偽装を受けて開かれた記者会見で、県園芸流通課の担当者は怒りを押し殺して口を開いた。
 県は消費者からウナギのかば焼きの産地が偽装されているとの情報提供を受け、4月末に立ち入り調査を実施。一度は否定したが、その後すんなりと関与を認めた。ただ、その時にはすでに同社では、産地偽装の証拠となるような食品をほとんど廃棄していた。会社自体も解散の手続きが進められていたという。
 同社が借りていた事務所の男性オーナー(56)によると、県の立ち入りを受けた直後の5月上旬、事務所からパソコンや書類などを運び出す元社長に出くわしたという。「急に事務所を閉めることになった」と、慌ただしい様子だったという。また、近所の男性も、連休明けに元社長の父親に会った際、「元従業員に内部告発をされ、県と保健所に立ち入られた。まずいことになったから閉める」と話したという。
 偽装発覚を受け、サンシロフーズの事業所(神栖市知手中央3丁目)には、多くの報道陣が詰めかけた。同社元取締役で元社長の父茂氏(61)は朝日新聞の取材に、「会社は毎月1千万円もの赤字。ブランドの産地で高く売り、赤字がいくらかでも和らげばいいと思った」と偽装に同意しことを認めたうえで、「中国産でも味がいいから、構わないんじゃないかと思った」と弁明した。元社長からは4日に「旅に出る」と連絡があった。最近、悩んでいる様子だったという。
 相次ぐウナギの産地偽装問題で、ウナギ料理店では利用客の減少に頭を悩ませている。土浦市のウナギ専門店の男性経営者は「このところのウナギの産地偽装で、予約のキャンセルが続いている。一部の業者の悪質な行為でまじめにやっている業者が迷惑を受けている」と憤りをあらわにしていた。
 登記簿によると、同社は06年6月に設立、県の立ち入り調査直後の5月下旬に解散した。同社のウナギのかば焼きは昨年、楽天市場の「グルメ大賞2007」を受賞するなど人気商品だった。