エアアジアXCEOが現地視察
読売新聞(2008年7月18日)
 マレーシアの格安航空会社「エアアジアX」のアズラン・オスマンラニ最高経営責任者(CEO)らが17日来県し、建設中の茨城空港(小美玉市)などを視察した。アズラン氏は就航の条件として、「コストをできるだけ掛けたくない」と述べた。
 工事が進んでいる茨城空港では、滑走路やターミナルビルの予定地などを視察。アズラン氏は薮中克一・県空港対策課長らに、「エプロンには何機止まれるか」「燃料はどこで入れるのか」などと質問した。アズラン氏は「東京からの距離も、高速道路が大変スムーズで、何の問題もない。成田空港に比べると東京まで40分ほど長くかかるが、運賃を500ドル抑えれば十分に価値があると思う」と話した。
 格安航空会社(LCC)対応にする茨城空港を、アズラン氏は「日本ではLCCは始まったばかり。通常の半額の運賃を目指している私たちのニーズを分かる空港を求めている」と話した。

参考写真 2010年3月の開港を目指して建設が進められている「茨城空港」に就航が期待されているマレーシアの格安航空会社「エア・アジアX」のアズラン・オスマンラニ最高経営責任者(CEO)らが7月17日、18日の両日茨城県を訪れました。茨城空港の建設現場を、隣接する県警航空隊の建物の屋上から視察する。ひたちなか市やつくば市など周辺のショッピングセンターや宿泊施設の現状などをつぶさに調査しました。また、高速道路や周辺道路の状況も実際に車で移動し、アクセスの良し悪しを確かめました。
 18日には、県庁内で橋本昌県知事と面会しました。橋本知事は、エアアジアXの就航を強く要望しました。
 18日夕刻、井手よしひろ県議は、藪中空港対策課長からアズランCEO一行の茨城空港の印象などについて、報告を受けました。その概要は以下の通りです。
エアアジアXの就航の条件は、空港利用のコストをどれだけ軽減できるかである。
  • 東京からの距離は、高速道路が大変スムーズで、問題にならない。成田空港に比べると東京まで40分ほど長くかかるが、運賃を500ドル抑えれば十分に価値がある。
  • 空港ターミナルの構造が至ってシンプルで、導線も単純であるために、出入国や通関手続きがスムーズにできる。成田で30〜40分待たされることを考えると、茨城空港が都心から離れているデメリットは帳消しできる。
  • エア・アジアXは、日本に複数路線を就航させたい。中央部(首都圏)では、茨城空港は有力な選択肢である。静岡空港は、都心から遠すぎるように感ずる。
  • 都心とのアクセスには、直通リムジンバスの活用は必要不可欠である。
  • 茨城空港開港の半年前に当たる2009年秋ごろまでには就航するかどうかを決定する。
  • 路線を開設した場合、諸経費込みの片道運賃は最も安いケースで2万円以下に設定し、平均でも3万5000円以下に抑えたい。

茨城空港への就航に高い関心
常陽新聞(20078/7/19)
エアアジアX・CEO、知事と会談
 2010年3月開港予定の茨城空港 (小美玉市) への就航に意欲を示す、 マレーシアの格安航空会社 「エアアジアX」 のアズラン・オスマン・ラニ最高経営責任者 (CEO) が7月18日、 水戸市笠原町の県庁内で橋本昌知事とトップ会談を行った。 アズランCEOは前日に同空港建設現場などを視察しており、 橋本知事との会談では就航に高い関心を示した。
 会談を終え、 記者会見した橋本知事は 「アズランCEOに県庁を訪問いただき、 うれしく思っている」と述べ、 「東京との距離など、 素晴らしい空港という印象を持っていただいた。 首都圏にあるという点で強い関心があるようなので、 就航実現に向けて頑張っていきたい」 と好感触を得た様子で話した。
 会見に同席したアズランCEOは初めに 「知事と県の皆さんに感謝したい」 とあいさつ。 同空港について 「レイアウトがシンプルなのがいい。 その分、 成田空港より手続き時間が短縮されるはずなので、 都内から茨城空港までかかる移動時間も気にならないだろう」と感想。 同社の料金体系が通常の航空会社と違う点に触れ、「チケット代はほかより50%安く提供できる」と、就航後の利用客獲得に自信を見せた。
 またアズランCEOは、 就航する場合のスケジュールについて 「最初に飛行機を飛ばす6カ月前には決定したい。 日本に許可申請しなければいけないので、 申請状況にもよる」 と言及。 ほかにも乗り入れを検討している空港が複数あることから 「どの空港に就航を決めるか、 話すのは時期尚早。 日本国内で、 わたしたちのようなローコストキャリア (格安航空会社) に理解を示し、 発展を支持してくれるような状況が生まれるよう願いたい」 と話していた。
 これを受け橋本知事は 「現在、 世界で急成長しているのはローコストキャリア。 空の旅を楽しむというより、 目的地までの移動手段としてとらえている人が増えている。 都内にはこうした人たちの受け入れ態勢がないので、 茨城空港はこれをカバーするような空港にしたい」 と今後を展望した。
 アズランCEOによると、 就航を決めた場合、 目安となる時期は10年3月が予定の一つ。 航空券の値段については、 日本―クアラルンプール間で片道2万円以下が最安値になるという。 同社は中長距離路線を運航する格安航空会社。 07年11月にはクアラルンプールから豪州・ゴールドコースト間に初就航、 08年2月には中国・杭州への就航を果たした。
 県は同空港について、 東京に近い立地条件や交通アクセスの整備状況、 大型商業施設の立地ほか、 コストを抑えた旅客ターミナルなどをアピール。 積極的な誘致活動を行い、 就航が決まるよう同社に働き掛けている。