後期高齢者医療制度の撤廃を求める要請書
 平成20年4月から実施された「後期高齢者医療制度」は、制度実施の中止・撤廃や全面見直しを求める世論の中、政府は保険料の軽減対策で問題の収束を図ろうとしております。
 今日のわが国を作り上げた高齢者の生活は、社会が支えなければなりません。将来に夢を持てる者会づくりのためにも、保険料の軽減ではなく、高齢者に負担増と差別医療を強いる後期高齢者医療制度の撤廃を201,122名の署名を持って強く要請いたします。
平成20年7月24日
社団法人茨城県医師会
参考写真 茨城県医師会は、全国で初めて長寿医療制度の導入に反対を表明し、かかりつけ医の研修などもボイコットしています。
 今回、4月からスタートした「後期高齢者医療制度の撤廃を求める要請書」を20万人を越える署名を添えて舛添要一厚生労働大臣に提出しました。
 その理由を原中勝征会長は、「今日の日本の繁栄を築いたお年寄りに対し、差別医療を強いる冷たい制度だ」、「この制度では、若い人にも将来の不安が残る。国民全体のことを考え反対する」と述べています。
 長寿医療制度には、様々な批判が寄せられています。その典型が、この茨城県医師会の廃止要請であるといっても過言ではありません。しかし、単なる感情論ではなく、冷静にどこが「冷たい制度」なのか、なぜ「若い人にも将来の不安が残る」のか、判りやすく説明していただきたいと思います。
 医師会では「日本は先進諸国中、GDP比で最も医療費が安い」と強調しています。反面、日本の少子高齢化は世界のどの国よりも速いスピードで進んでおり、国の借金の残高もGDP比の1.7倍という他国には類例のない環境の中で、高齢者の医療を考えなくてはいけません。
 その意味では、従前の高齢者保険制度は「お年寄りに温かい制度」だったのでしょか?「若い人にも将来の安心を保証する制度」だったのでしょうか?
 国民健康保険に市町村が茨城県でも58億円も一般財源から税金を投入し、やっとささえている制度、同じ年金所得でも2倍以上の保険料の格差が生じていた制度では、国民皆保険制を守ることはできないと思います。
 長寿医療制度がダメというのならば、どのような医療保険制度がよりベターなのか、ぜひお示しいただきたいと思います。
参考:茨城県医師会のホームページ
後期高齢者医療制度
「冷たい」と撤廃要請

茨城新聞(2008/7/25)
県医師会 20万人の署名提出
 今年四月にスタートした「後期高齢者医療制度」について、県医師会(原中勝征会長)は二十四日、厚生労働省を訪れ、同制度の撤廃を求める要請書を約二十万人の署名を添えて、舛添要一厚労相に提出した。同制度について原中会長は「高齢者に冷たい制度。国民全体のことを考え反対する」と提出意義を述べた。併せて江田五月参院議長にも提出した。
 要請書は、同制度の撤回や全面見直しを求める世論が高まる中、「政府は保険料の軽減対策で問題の終息を図ろうとしている」と指摘。その上で「高齢者に負担増と差別医療を強いる同制度は撤廃すべき」と、強く求めている。
 要請書の提出後、厚労省内で会見した原中会長は「今日の日本の繁栄を築いたお年寄りに対し、差別医療を強いる冷たい制度だ」と切り捨て、「この制度では、若い人にも将来の不安が残る。国民全体のことを考え反対する」と述べた。
 県医師会は、同制度の開始を控えた去る三月、都道府県医師会としては全国で初めて反対を表明。同制度開始とともに、県内の医療関連施設や医療フォーラムなどで同制度の廃止を訴え、この日までに二十万千百二十二人の署名を集めた。
 提出には原中会長のほか、副会長の諸岡信裕、斎藤浩、小松満の三氏と自見庄三郎参院議員が同行した。

 なお、茨城県医師会は長寿医療制度の撤廃を求める署名のパンフレットで、その理由を5点にわたって指摘しています。しかし、4月以降の制度運営上の見直しで、ほとんどの項目が改善されています。
撤廃を求める理由制度運営上の見直しなど
75歳になったらこの制度に強制加入今までの高齢者医療制度でも75歳以上のお年寄りは自動的に制度に移行していました。
年金から保険料が自動的に天引き多くのご批判を受け、一定の年金額以下であれば口座振り込みや肩代わり支払いなど普通徴収を行うように制度が改善されました。
保険料を滞納したら保険証取り上げ悪質な事例を除き、保険証の取り上げは行いません。
自由に医療機関を選べなくなります長寿医療制度における「掛かり付け医」制度は任意の制度です。掛かり付け医を選んでも、選ばなくても自由です。
70〜74歳の方も窓口負担1割→2割に政府与党は来年も1割負担で据え置くことを合意しています。