「定額減税」で国民生活守る、物価高騰に対応、家計負担を軽く
 政府は8月の月例経済報告で、景気認識を示す基調判断を下方修正し、前月までの「足踏み状態」から「弱含んでいる」と表現を改めました。基調判断から「回復」の表現が削除されたのは4年8カ月ぶりです。与謝野馨・経済財政担当相は「長い間続いた(日本経済の)順調な歩みが、ここで曲がり角に来た」と述べ、戦後最長の景気回復を続けてきた日本経済が後退局面に転じたことを事実上認めました。
 下方修正の決め手となったのは、サブプライムローン(低所得者向け住宅融資)問題に端を発したアメリカ経済の失速と原油、原材料価格の高騰です。“輸出頼み”の脆弱な経済構造が浮き彫りになった格好ですが、成長のカギを握る個人消費が依然、盛り上がりに欠けている点も無視できません。原油、穀物価格の高騰に伴う食品、日用品の値上げが国民生活を直撃し、深刻な影響を与えているからです。
 政府が示した6月の全国消費者物価指数(生鮮食品除く)は、上昇率が前年同月比1.9%と15年6カ月ぶりの高い水準を記録。このうち、灯油は42.2%、スパゲティや即席めん、食パン、バターは33.2〜14.3%も値上がりしました。
 過去の物価高騰時とは違い、賃金が伸び悩んでいるときだけに、家計が被る打撃は非常に大きなものがあります。家庭では日用品の買い控えなど「生活防衛」の構えを鮮明にし始めています。まさに国民生活の「非常事態」です。
 こうした中、公明党は8日、物価高騰などに対する経済対策を与謝野経財相に申し入れました。
 その大きな柱が「定額減税」の実施と、低年金者、生活保護世帯への給付に対する物価上昇分の上乗せ措置の前倒しです(ともに時限措置)。所得が課税最低限以下、住民税非課税世帯には、これらに対応した給付を検討すべきとしました。
 定額減税は、中低所得者ほどその恩恵が大きくなります。物価高騰による打撃が低所得者層に大きい現状を考えれば、こうした配慮が必要となります。
 また、申し入れでは(1)高速道路料金の引き下げ、(2)職業訓練中の若者に給付金、(3)食料自給率50%に向けた農地法改正、(4)住宅ローン減税の延長・拡充、(5)事業仕分けで特別会計改革――なども要望し、成長力強化とムダ排除を同時に進めていくよう訴えました。どれも経済成長への課題に即した有効な施策です。
 これらの要望を念頭に、政府・与党は11日、物価高騰などに対応した総合経済対策の策定へ、本格的に議論をスタートさせました。ここで重要なのは、何と言ってもスピードです。中長期的に見て、外需依存から内需主導の強靱な経済への転換を図る改革は必要ですが、そうしている間でも、家計は物価高で悲鳴を上げている現実を忘れてはなりません。
 公明党は国民の不安解消へ、経済対策の早急な策定、実施に全力を挙げる決意です。