米国経済の低迷などの影響で日本経済も景気の後退局面に入りました。一方で急激な物価高・原油高が家計を圧迫、景気悪化と物価上昇が同時に起こる非常事態に直面しています。こうした中で、公明党が強く求めていた「定額減税」が政府の緊急経済対策に盛り込まれました。単年度の措置として、2008年度中に実施されます。
 緊急経済対策には、減税の恩恵を受けない老齢福祉年金の受給者などを対象にした臨時福祉特別給付金も単年度の措置として実施されます。
 所得税、住民税額から一定額を差し引く、定額減税の最大の特徴は、物価高の影響を最も受けている中・低所得の方々に、より恩恵が大きくなることです。
 減税の規模や実施方式などは年末の税制改正論議に併せて詰められますが、一つのイメージとして1998年2月に実施した定額減税では、所得税、住民税合わせて本人2万6000円、扶養家族1人につき1万3000円を上限に減税されました。夫婦子ども2人の世帯では6万5000円となります。
 財源については赤字国債を充てることを避け、政府のさまざまなムダを削る中からねん出するよう訴えています。
 このところの食料品や生活用品などの価格上昇は目に余るものがあります。9日に厚生労働省が発表した国民生活基礎調査では、「生活が苦しい」と答えた世帯が過去最高の57.2%に上りました。
 一部に「バラマキ」「効果なし」などと定額減税を批判する意見もありますが、国民の苦境、経済の危機に全く鈍感な暴論と言わざるを得ません。定額減税は「生活支援の危機感」(太田昭宏代表)から生まれた緊急措置であり、個人消費を下支えする救命装置です。「定額減税については『評価する』が61%」(9月1日付 日本経済新聞)との世論調査に示されているように、国民が待ち望んでいる政策なのです。